後楽橋の改修工事
(『8月11日の墨田川造船辰巳』のつづき)
●この日は定番の神田川~日本橋川の一周コースをお散歩してきたのですが、道中で特記すべきことといえば、後楽橋が塗装をはがした状態で姿を現わしたこと。
改修工事はだいぶ前から取りかかっていましたが、塗装を剥離させた段階で養生が撤去され、生地があらわになった姿を目にできるのは珍しく、くぐりながら興味深く拝見したのでした。

●従来の塗膜はサンドブラストでしょうか、きれいに取り除かれて、一面錆色の構造が頭上に広がっていました。継手の段差からリベットまで、ディテールがシャープに眺められて、とても新鮮。

●塗膜がはがされた貴重な状態の記録も兼ねて、今まで触れてこなかった部分を一つ。ブレてしまったのが痛いですが‥‥。
赤矢印の先、道床板に穴が開き、縁がめくれ返ったところが見えますね。これ、戦時中の空襲時に機銃弾が貫通した痕とされているもの。「機銃掃射痕」として各所でも取り上げられているので、ご存じの方も多いでしょう。
この橋にかぎらず、「機銃掃射痕」とされている痕跡が残る構造物は都内にも多くありますが、いつ、何から発射された、どんな弾が貫通したものなのか、研究も進んでいるのでそろそろ解明できそうな気がするのですが、いかがでしょう。例えば米軍機からではなく、自軍の砲や機体から発射された流れ弾や、炸裂した高射砲弾の弾片という可能性はないでしょうか?
●くぐって上流側から。歩道部分は道床も取り去られ、陽が差し込んでいますね。
検索したところ、「後楽橋補修補強工事概要」(PDF)がヒット。図示されている工事箇所によると、短かった親柱が復元(?かどうかは不明)され、アーチ中央には今までなかった、橋側灯も設けられるとのこと。竣工時はあったのかもしれませんが、現在は見当たらないので、新設ということになりますね。

●橋の規模としては小なりといえ、改修と同時に復元的なこころみがなされるあたり、聖橋並みの扱いといってもいい過ぎでないように感じられ、竣工が楽しみになってきました。
かつての改修手法とは違う、オリジナルを活かした形でリニューアルされる古豪橋がまた現れたわけで、川面から橋を見上げて楽しむ者としては、嬉しいかぎり。現存しているもの全てに、とはいかないまでも、この恩恵をできるだけ多くの橋に波及させていただきたいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年8月11日撮影)
(『8月11日のフネブネ』につづく)

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改修工事はだいぶ前から取りかかっていましたが、塗装を剥離させた段階で養生が撤去され、生地があらわになった姿を目にできるのは珍しく、くぐりながら興味深く拝見したのでした。

●従来の塗膜はサンドブラストでしょうか、きれいに取り除かれて、一面錆色の構造が頭上に広がっていました。継手の段差からリベットまで、ディテールがシャープに眺められて、とても新鮮。

●塗膜がはがされた貴重な状態の記録も兼ねて、今まで触れてこなかった部分を一つ。ブレてしまったのが痛いですが‥‥。
赤矢印の先、道床板に穴が開き、縁がめくれ返ったところが見えますね。これ、戦時中の空襲時に機銃弾が貫通した痕とされているもの。「機銃掃射痕」として各所でも取り上げられているので、ご存じの方も多いでしょう。
この橋にかぎらず、「機銃掃射痕」とされている痕跡が残る構造物は都内にも多くありますが、いつ、何から発射された、どんな弾が貫通したものなのか、研究も進んでいるのでそろそろ解明できそうな気がするのですが、いかがでしょう。例えば米軍機からではなく、自軍の砲や機体から発射された流れ弾や、炸裂した高射砲弾の弾片という可能性はないでしょうか?

検索したところ、「後楽橋補修補強工事概要」(PDF)がヒット。図示されている工事箇所によると、短かった親柱が復元(?かどうかは不明)され、アーチ中央には今までなかった、橋側灯も設けられるとのこと。竣工時はあったのかもしれませんが、現在は見当たらないので、新設ということになりますね。

●橋の規模としては小なりといえ、改修と同時に復元的なこころみがなされるあたり、聖橋並みの扱いといってもいい過ぎでないように感じられ、竣工が楽しみになってきました。
かつての改修手法とは違う、オリジナルを活かした形でリニューアルされる古豪橋がまた現れたわけで、川面から橋を見上げて楽しむ者としては、嬉しいかぎり。現存しているもの全てに、とはいかないまでも、この恩恵をできるだけ多くの橋に波及させていただきたいものです。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年8月11日撮影)
(『8月11日のフネブネ』につづく)

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3月26日の川景色…2
(『3月26日の川景色…1』のつづき)

●中途半端な写真でごめんなさい。水道橋駅西口もほど近い後楽橋、足場がかかりすっぽり養生されて、改修工事に入ったことがわかりました。
高欄など原形は保っていたものの、全体に傷みが目立っていましたから、貴重な震災復興橋を補修・維持していただけるのは嬉しいかぎりです。どんな色に塗りあげられるのでしょうね。
●足場で低くなった後楽橋のアーチをくぐりながら、三崎町中継所の横を通過する先行の観光船を眺めて。和泉橋船着場からずっと、航跡をなぞってきた形です。
この先、日本橋川に入って新三崎橋の北側、高架橋脚が河道中央に並ぶ区間で、合図をして追い越させてもらいました。
●錦橋~神田橋間の北岸、日清製粉グループ本社ビル前では、桜が満開‥‥。と、ここでゲストから「コブシかモクレンでは?」とのご指摘が。
いわれてみると、花が桜にしては大ぶりなような。水面から遠目に見ていたせいもあって、色や密度から、ずっと桜だとばかり思っていました。いずれ歩いて確かめにいってみたいものです。

●さて、大横川の桜です。場所によって差がありましたが、全体に2分~5分咲きくらいでしょうか。濃厚な曇天の下ではあったものの、今年も水面上低く伸びる大横川の桜が眺められて、何よりでありました。カヤックやパドルボードのフリートも繰り出していて、まずまずの賑わい。
これなら1週間後、4月3日あたりは満開で、花筏も楽しめるかな‥‥と期待していたのですが、3日は残念ながら雨にたたられ、満開のお花見は成らず。

●最後は汐浜運河で出会った土運船を。このあたりとしては圧迫感を覚えるほどの大型で、左側に少しスクリーンが見えることでもわかるように、浚渫した泥土を運ぶためのもの。
冬と違って、天候が安定しないのは難がありますが、逆にそれが春の訪れを実感させるのも事実。重苦しい空模様ではあったものの、気温は暖かで軽装でも過ごしやすかったあたりにも春を感じつつ、近場めぐりを終えたのでありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年3月26日撮影)
(この項おわり)

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●中途半端な写真でごめんなさい。水道橋駅西口もほど近い後楽橋、足場がかかりすっぽり養生されて、改修工事に入ったことがわかりました。
高欄など原形は保っていたものの、全体に傷みが目立っていましたから、貴重な震災復興橋を補修・維持していただけるのは嬉しいかぎりです。どんな色に塗りあげられるのでしょうね。

この先、日本橋川に入って新三崎橋の北側、高架橋脚が河道中央に並ぶ区間で、合図をして追い越させてもらいました。

いわれてみると、花が桜にしては大ぶりなような。水面から遠目に見ていたせいもあって、色や密度から、ずっと桜だとばかり思っていました。いずれ歩いて確かめにいってみたいものです。

●さて、大横川の桜です。場所によって差がありましたが、全体に2分~5分咲きくらいでしょうか。濃厚な曇天の下ではあったものの、今年も水面上低く伸びる大横川の桜が眺められて、何よりでありました。カヤックやパドルボードのフリートも繰り出していて、まずまずの賑わい。
これなら1週間後、4月3日あたりは満開で、花筏も楽しめるかな‥‥と期待していたのですが、3日は残念ながら雨にたたられ、満開のお花見は成らず。

●最後は汐浜運河で出会った土運船を。このあたりとしては圧迫感を覚えるほどの大型で、左側に少しスクリーンが見えることでもわかるように、浚渫した泥土を運ぶためのもの。
冬と違って、天候が安定しないのは難がありますが、逆にそれが春の訪れを実感させるのも事実。重苦しい空模様ではあったものの、気温は暖かで軽装でも過ごしやすかったあたりにも春を感じつつ、近場めぐりを終えたのでありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年3月26日撮影)
(この項おわり)

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3月26日の川景色…1
(『日の丸クレーン船再訪』のつづき)

●26日、ご案内の道々でものした光景をいくつか。
砂町運河では顔なじみのゴミ運搬船「すみだ2号」とプッシャー「すみだ1号」のコンビに行逢。船首波と船尾からの噴流が力強くていいですなあ。しかし彼ら、砂町運河で出会う確率が高いですよね。

●旧源森川‥‥北十間川西端部の変わりぶりを見ていただこうと、どんづまりの小梅橋まで進入。工事中の北十間川樋門はと見ると、終端の三方を石張り護岸で仕上げられ、面目を一新していました。堰柱のない、フラットな樋門になるのでしょうか。
きれいに石張りされた護岸を見るにつけ、閘門化計画が潰え、今後半世紀はまず復活することもかなわないであろうと、残念な気持ちが改めて湧き上がってきたのでありました。流域の賑わい創出を胸に、閘門実現に向けて働いてきた方々もさぞ無念でありましょう。
●反転して、小梅橋船着場前から西を望んだところ。ここ発着の遊覧船もあるので、幟も何本か立てられており、賑わっている様子がうかがえます。
コンクリートの生地だった南岸も、石張りの装飾が進んで、テラスとしての竣工も近そうですね。閘門ができていたら、フネブネの行きかう船影の濃い水路となり、河畔もより整備のし甲斐があったでしょうに‥‥。すみません、つい愚痴っぽくなりました。
●柳橋から神田川に入り、和泉橋まで遡上すると、和泉橋船着場に船影が。2隻の観光船がいて、一隻はすでに離桟、上航を始めるところでした。
まだ着桟している一隻をスナップ。どんなイベントかはわかりませんでしたが、区の船着場がこうして活用されているのを目にすると、嬉しくなります。

●万世橋~昌平橋間で、顔なじみの豆曳船「第30中島丸」と行逢。旧万世橋駅高架線の赤レンガ、石張り護岸をバックに、緑色の船体が映えてなかなかきれい。護岸の石張り、つい最近の施工なのに、苔が生えてずいぶん風格が出てきましたね。赤レンガと同じくらい、昔からあるような雰囲気になってきました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年3月26日撮影)
(『3月26日の川景色…2』につづく)

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●26日、ご案内の道々でものした光景をいくつか。
砂町運河では顔なじみのゴミ運搬船「すみだ2号」とプッシャー「すみだ1号」のコンビに行逢。船首波と船尾からの噴流が力強くていいですなあ。しかし彼ら、砂町運河で出会う確率が高いですよね。

●旧源森川‥‥北十間川西端部の変わりぶりを見ていただこうと、どんづまりの小梅橋まで進入。工事中の北十間川樋門はと見ると、終端の三方を石張り護岸で仕上げられ、面目を一新していました。堰柱のない、フラットな樋門になるのでしょうか。
きれいに石張りされた護岸を見るにつけ、閘門化計画が潰え、今後半世紀はまず復活することもかなわないであろうと、残念な気持ちが改めて湧き上がってきたのでありました。流域の賑わい創出を胸に、閘門実現に向けて働いてきた方々もさぞ無念でありましょう。

コンクリートの生地だった南岸も、石張りの装飾が進んで、テラスとしての竣工も近そうですね。閘門ができていたら、フネブネの行きかう船影の濃い水路となり、河畔もより整備のし甲斐があったでしょうに‥‥。すみません、つい愚痴っぽくなりました。

まだ着桟している一隻をスナップ。どんなイベントかはわかりませんでしたが、区の船着場がこうして活用されているのを目にすると、嬉しくなります。

●万世橋~昌平橋間で、顔なじみの豆曳船「第30中島丸」と行逢。旧万世橋駅高架線の赤レンガ、石張り護岸をバックに、緑色の船体が映えてなかなかきれい。護岸の石張り、つい最近の施工なのに、苔が生えてずいぶん風格が出てきましたね。赤レンガと同じくらい、昔からあるような雰囲気になってきました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年3月26日撮影)
(『3月26日の川景色…2』につづく)

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