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10月27日のフネブネ…2

(『10月27日のフネブネ…1』のつづき)

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第一航路から天王洲南運河へ。おなじみ古川組の船溜は、いつも目を引かれてしまう楽しいフネ好きスポットですが、今回も期待を裏切りませんでした。この「ふじ丸」! 一見しただけで、すっかり気に入ってしまいました。

240027.jpg日通色のような塗装もいいですが、チャームポイントはぐっと高めた船首のブルワークと、なりの割に大ぶりな操舵室でしょう。

船首に備えたユニックを守るためでしょうが、小兵ながら船首楼船のように見えるブルワークが、どこか模型のような可愛らしさを醸し出していますね。


240028.jpg芝浦西運河では、「TOKYO WATER TAXI」の一隻、ハルナンバー02と行逢。手を振りあって別れました。

後ろに立っていた方も、乗り組みさんなのでしょうか。以前取材で乗った際、バウに操舵席がある上、居住性ベースの造りでワンオペは難しそうだな、という感想を持ったのですが、船社も同様の考えにいたり、二人乗務が標準になったのかもしれません。

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東雲北運河、木村造船所の屋外にある船台には、通船が上架されていました。塗装やスタイルからして、芝浦通船の艇ですね。

バウに向かうにつれ船足が深くなる、和船に似た水線下形状、トランサムにぺたりと貼られたジンクや舵の羽板と、ディテールが観察できてよいものです。脚立が一つズッコケているのもご愛嬌。

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帰港した後、晴海に寄り道してみたら、ちょうど砕氷艦「しらせ」が出航してゆくところに出くわしました。客船ターミナルのデッキに上がり、暮れなずむ東京港を曳船に付き添われて消えゆく姿を、一眼レフを構えるファンの皆さんと一緒にお見送り。

すっかり陽が落ちるのが早くなり、急速に冷え込んでゆく空気に秋の深まりを感じる出港風景。水鳥たちの姿も増えてきたし、冬の訪れももう間もなくですね。

(元年10月27日撮影)

(『10月27日の水路風景』につづく)

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タグ : 天王洲南運河芝浦西運河東雲北運河通船砕氷艦しらせ東京港

5年ぶりに横浜へ…1

233001.jpg4月13日は、かねてから計画していた横浜行きの日。ブログで遡ってみると、25年11月以来の足かけ6年ぶり、本当にご無沙汰してしまいました。もちろん運河・河川づたいにゆく例のコースです。

当日は幸いにして快晴でしたが、朝はまだ10℃台と肌寒いこと。渡ってきたばかりのツバメさんも、ふくふくと羽毛をふくらませて寒そう。ツバメは早いものだと3月末に第一陣を見かけましたが、今は巣の補修に忙しく飛び回っている段階です。

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出発前の準備中、爆音がするので顔を上げたら、大きな台船を豆曳船が押して運河を西航中。‥‥あっ、この白い曳船、伊澤造船前で見たことがある。船名は確か「UTSUMI 50」!

側面をシートにして軽量化を図った操舵室に、後にごついアームを伸ばした構造から、押船として使う際はアップするからくりであることは承知していましたが、いざそれが活用されているのを目の当たりにすると、まあ強烈なこと! そのろくろっ首のようなグロテスクな異形さに、口を開けて見入ってしまいました。

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まずは京浜運河に入ろうと港内に出て横切っていると、晴海埠頭に砕氷艦「しらせ」がもやっているのを発見。オレンジの舷側は遠目にもきれいですが、水線下の船底塗料はすっかりはがれ、氷海での苦闘が想われました。

しかし、晴海の建設ラッシュ、この距離から見ると凄まじいばかりですね。前にも同じことを書きましたが、海上に突如として軍艦島が出現したようです。

233004.jpgさらに港内を西進していたら、芝浦埠頭に珍しい船がいるのに気づいてしまい、またも寄り道。その船とは、宇部興産海運の「清安丸」。ブリッジを最前部に持ってきた、世界初の球状船首セメント運搬船として喧伝されましたから、ご存知の方も多いでしょう。

要目は「セメント専用船 清安丸」(宇部興産海運株式会社)をどうぞ。

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近づいて減速、船尾方向へ流しながら、その異形っぷりを堪能。「UTSUMI 50」に続いて、見た目の違和感が半端ないですね。外洋でピッチングが始まったらツラそうだなあ。

船橋を右舷後ろから見ると、つるりと丸く整形された前部と異なり、甲板の各層が露出していて、何やら船体を切断したシーンのよう。食玩のプラモで「連斬模型」と称し、各パートを断面のディテールまで再現した「大和」型戦艦のモデルがありましたが、まさにそれを眺めているような気分ではありました。

(31年4月13日撮影)

(『5年ぶりに横浜へ…2』につづく)

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タグ : 砂町運河東京港曳船砕氷艦砕氷艦しらせ水辺の鳥たち

先代「しらせ」がいた!

(『船橋港へ向かう…3』のつづき)

200016.jpg茜浜のある最初の突堤をかわして、右手に広がるポンドに目をやると、北側岸壁にオレンジ色の見覚えがある船影が。

あっ、先代の旧砕氷艦「しらせ」だ! ウェザーニュース社に引き取られ(現在の所有者はWNI気象文化創造センター)、「SHIRASE 5002」として、この地に保存されていたのでしたっけ。お恥ずかしいことに視界に入るまで、すっかり頭から抜け落ちていただけに、嬉しい余禄となりました。寄り道してゆきましょう。
撮影地点のMapion地図

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青空を映す水面に、アラート・オレンジというのでしょうか、鮮やかな船体色が映えてとてもきれい。

ハルナンバーの上に書かれたロゴ以外は、現役時代とほとんど変わらない外観で、繋留から6年を経たにもかかわらず色褪せもあまりなく、よく手入れされているようです。

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ぐっと近寄って左舷前方から。喫水がすっかり浅くなっているので、砕氷艦独特の水線下形状がよくわかり、興味深く拝見。

燃料などの搭載物件を全て下ろしたのですから、喫水が上がっているのは当然としても、ここまでとは思いませんでした。実質が南極基地への物資を運ぶ「輸送艦」であることを、改めて感じさせられたことではありました。

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200020.jpg「しらせ」の前にもう一隻、オレンジ色の船がいたので一枚。「第七海工丸」、航洋曳船らしい、これまた鮮やかな船体色。検索してみると、オフショア・オペレーション所属船隊の一隻とのこと。

楽しい寄り道を終えて、ポンドから航路に戻ろうと西を向くと、ビル街の向こうに富士山がくっきり。若洲沖より、ずいぶん大きく見えてお得感があります。いや~、冬の湾奥はイイですわ‥‥。

(28年12月31日撮影)

(『謎の木造帆船!』につづく)

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タグ : 船橋港砕氷艦しらせ

横須賀軍港めぐり…3

(『横須賀軍港めぐり…2』のつづき)

132036.jpg桟橋にもやう主力護衛艦の列にたたみかけられ、テンションも急上昇。最後に控えていたのは、今年3月に就役したばかりの最新「あきづき」型の2番艦、「てるづき」だったのですから、これまた眼福とニヤケようというものです。

桟橋を挟んだ左側は、いよいよお待ちかねの「ひゅうが」! 以下嬉しさのあまり、ずるずると垂れ流させていただきます。
「続きを読む」をクリックしてご覧ください

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タグ : 横須賀港横浜港護衛艦砕氷艦しらせ

砕氷艦・新「しらせ」拝見!

去る10月18日は、秋晴れの陽気に誘われて、短時間ながら近場のお散歩を楽しんできました。

東京港に出てみると、昼近くから南風が入り、気温が上がったせいか、一面のもやが水上をおおい、ビル群や橋は薄霞の彼方に溶け込んで、一種幻想的な風景です。

17001.jpg豊洲をかわして、春海運河に入ってみると、埠頭に接岸していたのは、オレンジ色の船体も鮮やかな巨船。

海上自衛隊の砕氷艦、新しい「しらせ」だ!
先代「しらせ」の名を引き継いで、今年5月に就役したばかりの、ピカピカの新造艦です。もちろん、出会ったのは初めて。さっそく、ご機嫌伺いとばかりに、近づいてみました。

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岸壁に寄せて、まずは真っ正面から拝見。
丸みのある頑丈そうな船首、船幅いっぱいのブリッジと、ボリュームたっぷりの頼もしそうな表情。

船首水線近くにポツポツと開けられた穴は、砕氷する氷の上に乗った雪に水をまくための散水口で、雪を溶かして、砕氷効率をアップさせるための新装備だそうです。

17003.jpgちょっと寄りすぎましたが、何とか全体像が収まりました。

砕氷艦特有の、水線部をしぼった肥えた船型が実感できます。まだ美しいオレンジ色の船体も、これからおもむく長途の無寄港航海と、砕氷時の衝撃で、痛ましい姿になって帰って来るのでしょう。


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う~ん、やっぱり、この量感あふれる丸々っちい船首、魅力的だ…。

水線付近から少し上、段がついて、板厚が厚くなっている部分は、アイス・ベルトと呼ばれ、氷の衝撃に耐える甲鉄帯だそうです。

17005.jpg船尾から見たところ。真っ赤な船体の消防艇、オレンジ色のLPGタンカー、そして砕氷艦と、暖色系のフネって、水や空の色に映えて本当にきれいで、大好きです。

新「しらせ」、来月10日にここ晴海埠頭から、初の南極行へ出発するとのこと。初航海が無事に終わることを祈りつつ、埠頭を離れました。
(参考:月刊『世界の艦船』09年7月号)
撮影地点のMapion地図

(21年10月18日撮影)

(『10月18日のフネブネ』につづく)

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タグ : 砕氷艦しらせ春海運河東京港