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砂鉄川・平泉周辺散歩

(『雨の猊鼻渓…7』のつづき)

264041.jpg水路とはあまり関係がありませんが、猊鼻渓を訪ねた後の旅の覚え書きとして、お目汚しまで。

川舟が取り持つ縁とでもいいましょうか、地元の皆さんのアドバイスやご案内で楽しく見て回ることができ、気持ちのよい休日となりました。

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タグ : 砂鉄川 磐井川 厳美渓 一関市

雨の猊鼻渓…7

(『雨の猊鼻渓…6』のつづき)

264036.jpgつつがなく乗り場に到着。船頭さんも雨の中竿を操るのは大変だったでしょう、お疲れさまでした。

乗り場の建物、改めて眺めてみると、サイデリア施工済み(?)ながら昔の旅館建築みたいな造作で、ちょっと惹かれるものが。もとはお座敷で料理を提供するとか、舟のお客さんを休憩させるような施設を兼ねていたのかしら。

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乗り場の並びにあった、お土産屋さん兼お食事処「若あゆ」で少し早めの昼食。おいしいお蕎麦をいただきました。

列車の走る音がしたので顔を上げると、派手な塗装の2輌編成が、砂鉄川の鉄橋を渡ってゆくところだったので、窓越しに一枚。塗装はポケモン‥‥ピカチュウかしら。そういえば、一ノ関駅に「ポケモントレイン」のポスターや垂れ幕が飾られていたっけ。

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雨は若干小降りになったものの、止む気配を見せません。折りたたみ傘では散策もできないので、一階のお土産屋さんでちゃんとした傘を買い、食後のお散歩。

冒頭でも触れた一本の桜、松川堰と一緒に撮ると実にいい位置で、花びらを散らすさまも素敵。晴れていれば、これも風情のある一枚になったのでしょうが‥‥。

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乗り場の方で人声がしたので、目を向けると舟が出発するところでした。こちらも先ほどの便同様、結構な乗船率で人気のほどがうかがえました。さすが日本百景に選ばれただけありますね。天気のよい日に来たら、もっと賑わっていて、混雑していたことでしょう。

264040.jpg竿を突いて後ずさる舟を眺めて。筏の流下くらいしか許さなかった、厳しい河相の砂鉄川ですから、舟は猊鼻渓観光とともに始まったとみてよいのでしょう。

なぜ馬渡船の採用に至ったのか、また船頭さんによる舟造りが始まったそもそもは、など、今回訪ねて知りたくなったことがいくつか出てきました。雨にたたられたとはいえ、川舟が、木造和船が活躍する地を訪れられた喜び、そして新たな刺激を受けられたのは、何よりではありました。

(令和3年4月17日撮影)

(『砂鉄川・平泉周辺散歩』につづく)

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タグ : 猊鼻渓 砂鉄川 一関市

雨の猊鼻渓…6

(『雨の猊鼻渓…5』のつづき)

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舟を造ってる!
いや~、この雨でいま一つだったテンションが、一気に急上昇ですわ!

奥のシキ(船底材)を上の梁から、東京湾奥ではツヅと呼ばれるつっかえ棒で押さえ、船首はシキの延長部をジャッキでそのまま曲げているのが見て取れました。「船鑑」に掲載されていた馬渡船だと、船首はタテイタという独立した材なのですが、ここではシキと一体にするやり方なのですね。ご当地独自の船型なのでしょうか。

舷側材‥‥棚板は、先ほど目にしたときは一枚なのではと思ったものの、見たかぎりでは細長い材を3枚くらい継いで、一つの平面を構成しているようです。それでも前後方向は、長大な一つの材だとすれば大したもの。イヤ、あれこれ妄想してキリがありません。専門の船大工さんがおられるのかしら?

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山裾が迫る高水敷に建てられた作業場、眺めている分には風情がありますが、見たところ陸路はなく、資材や人員の行き来は作業艇頼りのよう。ご苦労も多かろうとお察します。

検索してみると、「平泉とその周辺地域に伝わる伝統文化」(The Cuisine Press)がヒット。掲載の写真で、シキを曲げた構造が確認できました。キャプションを読むと、「馬渡し舟から受け継がれたもの」‥‥おお、やはり! また、「船は船頭たちによって造られ、整備されている」との言葉にも驚かされました。専門の船大工さんでなく、船頭さんが兼業されているのですか。

う~ん、まさか、舟造りまで自らの手で行われているとは思いませんでした。この光景を目にしたことで、がぜん興味をそそられ、また自分にとって猊鼻渓の魅力がグッといや増したことは、間違いありません。

264033.jpg乗り場の近くに帰ってきたところで、次の便と行逢。結構な乗船率で、猊鼻渓の人気のほどがうかがえました。皆さん、雨など何するものぞ、の意気なのでしょう。手を振りあって賑やかに別れました。

しかし、この角度から眺めると、船首の描く立ち上がりのラインが魅力的ですね。馬渡船が出自とあって、ミヨシ付けでの乗降がしやすく、岸にのし上げたときもしっかり荷重を分担できる構造であること、改めて実感した次第です。

264034.jpg次の便が遡上してゆくと、また別のシーンが目に入ってきました。乗り場の対岸にずらりともやわれたフネブネに、笠をかむった船頭さんたちが一人づつ乗って、長い柄のついたアカ汲みで、懸命の排水作業をしていたのです。

スカッパーで勝手に排水してくれるFRP艇と違い、木造和船は胴の間に溜まった雨水を放置すれば、沈んでしまうのですから‥‥本当にご苦労さまですね。

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ご苦労をしのびながらも、正直に申し上げて、まるで北斎の浮世絵を見るような、希少なシーンを目にしたという感動があったのも確かです。アカ汲みをふるっての排水、和船が活きていればこその舟航風景なのですから。

利根川高瀬舟も、古くなると船材の継ぎ目から自然に水が浸透してくるため、アカ汲みで時間を決めて水を「はらった」とのこと。大水運時代の川面を思い起こさせるような光景を目の当たりにできたのは、この激しい雨があったればこそ‥‥ともいえますね。

作業をされている船頭さんには申しわけないことながら、悩まされ続けたこの雨に、和船好きとしてちょっとだけ感謝したくなったものでした。

(令和3年4月17日撮影)

(『雨の猊鼻渓…7』につづく)

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タグ : 猊鼻渓 砂鉄川 一関市

雨の猊鼻渓…5

(『雨の猊鼻渓…4』のつづき)

264026.jpg全員が降りてから写真を撮ろうと、テントの下に駆け込んでしばし待機。

ここから下流側に見えた岩壁の姿が素晴らしかったので、ぜひ舟を入れて一枚ものしておきたいと思ったのと、人声のない静かな(雨音は結構なものでしたが)渓谷の雰囲気を味わいたかったこともあり、連れを先に行かせて一人残ったのです。

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雨にけぶる巌崖の白い肌、まさに水墨画の世界。和船とともにある川景色としては、国内でも随一の素晴らしさではないでしょうか。

一服しながらしゃがんで見とれていたら、バチバチと音がするほど雨脚が強まり、小さな折り畳み傘しか持たない身としてはびしょ濡れ必定と、皆さんの後を追って奥に向かう気が、しおしおと失せてしまいました。

しばらくして戻ってきた連れも、雨が激しすぎてスマホを構えられず写真はなし、名物の「うん玉」も投げずといったていたらく。というわけで、奥地の写真はありません‥‥(泣)。

264028.jpg‥‥とまあ、雨のおかげでどうにも意気が上がらない航程ではありましたが、嬉しいイベントもあったのですよ。鴨さんとのスキンシップ。

乗り場、船内ともに小袋に入れた水鳥の餌を売っていて、鴨に与えることができるのです。船頭さんからは「水鳥の少ない時期だから」と特に案内はなかったのですが、かごに入った餌が「一袋50円」と書かれ置いてあったので、トリ好きとして見逃すはずもなく。

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往復とも、数組の鴨さんカップルが舟に追いすがってきました。竿を突いてゆっくり進む舟でなくては、味わえない贅ですよね。

雨の水玉を羽毛の上にいっぱい浮かべて、「ちょうだい」とつぶらな目で訴えてくるさま、可愛らしいしぐさに財布のひもも緩もうというものです! これ、午前中の早い便で、鴨さんが空腹だったからこそでしょう。大いにトクをした気分になったものです。

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船頭さん自慢のノドでうなる「げいび追分」に喝采していると、早くも乗り場の建物が視界に入るところまで下ってきました。ここでその対岸、右側に往路では気づかなかった、茶色い壁の小屋掛けのようなものが。

手前にはオガクズの山、中では木材を組んでいる風で、人がいて何か作業をしている‥‥アレはもしかして!

(令和3年4月17日撮影)

(『雨の猊鼻渓…6』につづく)

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タグ : 猊鼻渓 砂鉄川 一関市 水辺の鳥たち

雨の猊鼻渓…4

(『雨の猊鼻渓…3』のつづき)

264021.jpg4番‥‥には違いなかったのですが、岩そのものの名称ではなく、毘沙門窟という洞窟を指したものでした。

御本尊の姿は見えませんでしたが、奥の上に「毘沙門天」と横書きされた板が掲げられ、水際には立派な石造りの賽銭箱が。もしかしたら、申し出れば上陸して参拝することもできたのでしょうか?


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左側、三角形の岩に休むカワウさんを発見。鴨は何度か見かけた(後ほど紹介します)ものの、鵜はこの子一羽だけで、しかも都内の臨海部で見かけるのと違い、山深い渓流で出会えた希少さはやはり嬉しいものが。仲間はいないのかな‥‥ちょっと心配になりました。

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右側に寄せて進むと、岬状に張り出し、しかも水際近くがオーバーハングした岩が正面に立ちはだかりました。近づくと9番、小婦岩(しょうふがん)とありますね。

むう、毘沙門窟が4番だったから、5番から8番を飛ばしてしまったことになります。何分ビニール屋根から発する雨音が激しかったので、船頭さんの案内を聞き逃してしまったに違いありません。

264024.jpg小婦岩を過ぎると水際の様子が一変し、整地されたとおぼしき砂地のなだらかな岸の上に、ぽつりと緑色のテントが設けられているのが見えてきました。折り返し点の船着場ですね。

近江八幡や最上川でも経験しましたが、舟行きの途中で上陸するのは、変化があって楽しいものです。ここから徒歩で、奥の景勝地に案内されるのでしょう。

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テントから上流側を眺めて。先に立って案内する船頭さんにつづいて、同乗のお客さんたちは早くも奥へ。

いや‥‥しかし、これは凄いですね! 正面右手に盛り上がる馬鬣岩(ばりょういわ)を中心とした大岩壁が、こちらへ覆いかぶさってくるような大迫力! 雨脚が強くなければ、もっと近くに駆け寄って、しばらく仰いでいたい見事さでしたが、折悪しく雨はますます激しさを増してくる始末。テントの下の低い位置から、カメラで狙うのが精一杯でした。
撮影地点のMapion地図

(令和3年4月17日撮影)

(『雨の猊鼻渓…5』につづく)

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タグ : 猊鼻渓 砂鉄川 一関市