7月10日の水路風景…2
(『7月10日の水路風景…1』のつづき)

●我が艇が砂町運河を出たところで、警戒船と信号機から指示があったのでしょう、プレジャーと屋形船各一隻がにわかに爆音を高め進入開始。屋形の船頭さんが、警戒船とすれ違いざま手を振っていたのが、思いやりが感じられるいいシーンでした。
荒川河口の橋梁群をくぐったところで、ご無沙汰していたから少し回してやらきゃと、スロットルをいっぱいに倒してデッドフルに。回転計はたちまち5500PS、速度は軽く向かい風を受けて23.7kt。快調であります。

●行き足をしぼりながら面舵、砂町南運河へ入ってみると、若洲ヨット訓練所からたくさんのディンギーが出ていて、少年少女が帆走練習中でした。
OP級という箱型の、全長3mに満たない可愛らしい艇で、群れをなしておぼつかない帆さばきで間切るさまは、可憐な鴨のヒナさながら。デッドフルから一転デッドスローで、小さな艇長たちの真剣な面持ちを眺めながら航過します。
●彼らを見ていたら、中学生のころ、艇はシーホッパーくらいのクラスだったと思うのですが、夏休みの数日間ながら合宿式のヨット教室で、帆走を教わったことを思い出しました。
潮っ気が染みついたような厳しい教官に鍛えられ、タックのときブームでノックアウトされたり、沈して海に放り出されたりと、生来の運動音痴丸出しでお恥ずかしいかぎりだったのですが、首尾よくクローズホールドに持ち込めたときの快感は、えもいわれぬものだったことが思い出されます。
●砂町南運河の西の果てを直角に曲がり、ゲートブリッジを望むところに出ました。朝が涼しかったせいでしょうか、想像していたよりずっと濛気が濃く、トラスもぼんやりと霞んで、季節柄もありシャープな眺望は望むべくもありません。
まあ、この霞を吹き飛ばす風がないということで、穏やかな水面が担保されるのですから、ぜいたくはいえますまい。近くに他船もいないことだし、ここでも全開ですっ飛ばし、トラスの真下へ。

●ニュートラルにすると、冷却水の落ちる音とアイドリング音のほかは、耳をかすめる微風の音のみ。ゆるいうねりが艇を揺らすモクリ、モクリという感覚を楽しみながら、頭上はるかに仰ぐ、雄大な橋の裏側を堪能しました。
【撮影地点のMapion地図】
(28年7月10日撮影)
(『7月10日の水路風景…3』につづく)

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荒川河口の橋梁群をくぐったところで、ご無沙汰していたから少し回してやらきゃと、スロットルをいっぱいに倒してデッドフルに。回転計はたちまち5500PS、速度は軽く向かい風を受けて23.7kt。快調であります。

●行き足をしぼりながら面舵、砂町南運河へ入ってみると、若洲ヨット訓練所からたくさんのディンギーが出ていて、少年少女が帆走練習中でした。
OP級という箱型の、全長3mに満たない可愛らしい艇で、群れをなしておぼつかない帆さばきで間切るさまは、可憐な鴨のヒナさながら。デッドフルから一転デッドスローで、小さな艇長たちの真剣な面持ちを眺めながら航過します。
●彼らを見ていたら、中学生のころ、艇はシーホッパーくらいのクラスだったと思うのですが、夏休みの数日間ながら合宿式のヨット教室で、帆走を教わったことを思い出しました。
潮っ気が染みついたような厳しい教官に鍛えられ、タックのときブームでノックアウトされたり、沈して海に放り出されたりと、生来の運動音痴丸出しでお恥ずかしいかぎりだったのですが、首尾よくクローズホールドに持ち込めたときの快感は、えもいわれぬものだったことが思い出されます。

まあ、この霞を吹き飛ばす風がないということで、穏やかな水面が担保されるのですから、ぜいたくはいえますまい。近くに他船もいないことだし、ここでも全開ですっ飛ばし、トラスの真下へ。

●ニュートラルにすると、冷却水の落ちる音とアイドリング音のほかは、耳をかすめる微風の音のみ。ゆるいうねりが艇を揺らすモクリ、モクリという感覚を楽しみながら、頭上はるかに仰ぐ、雄大な橋の裏側を堪能しました。
【撮影地点のMapion地図】
(28年7月10日撮影)
(『7月10日の水路風景…3』につづく)

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「いずも」来航!…1

重苦しいまでに分厚い雲に覆われた、鉛色の空の下、荒川から砂町南運河に入って西へ。ときおりぱらつく小雨に、「もし本降りになったら、この若洲橋から先は、雨宿りするところもないなあ‥‥」と、心晴れぬ出だしに。それでも、「いずも」と再会できる嬉しさに背中を押され、スロットルも自然と倒し気味になります。


上は「純昇丸」、ずんぐりした船体を思い切り傾けて、豪快に荷役中。その先にもう一隻、「第116さきしま」の姿も。曇天に文字どおり晴れぬ心も、武骨なフネブネの働くシーンに燃料を注がれて、テンションが上がってきました。さあ、そろそろ「いずも」のマストが見えるころだ!

●マ ス ト が 見 え た 。
砂山の向こうに、風船玉のようなレドームやら何やら、おいらんのカンザシもかくやと思わせる、諸々をくくりつけたあのマストがひょっこりと!
周りに繋留船がいないことを確認、ハイ失礼します!
全 速 !

●い た 。
ぬめったように波静かな水面の向こう、艦首をこちらに向けて、ゲートブリッジを後光代わりに、はるけくおわすご本尊。ごめんなさい、感動のあまり、何をいっているのか自分でもわからない。
とにかく、ゆこう!
【撮影地点のMapion地図】
(27年8月31日撮影)
(『「いずも」来航!…2』につづく)

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10月30日のフネブネ
(『賑やかな日本橋川』のつづき)

●10月30日の道々に出会ったフネブネをここで。
豊洲水門から豊洲貯木場跡の横(このあたりはまだ、春海運河のエリアだったかな)に出ると、漕艇訓練中の艇が2隻いたので、スロットルをしぼって微速航行。
2隻とも漕いでいる5人のうち、4人はまだ小さな子供だったので、体験イベントか、少年レガッタ教室といったところでしょうか。
●清洲橋上流、日本橋消防署の桟橋では、訓練でもあったのか、消防艇が達着中。動いているところに出会える確率は少ないので、通り過ぎざまに一枚。
あれ? 桟橋後ろの堤防、工事中のようですね。他の区間同様、体裁よく造り変えるのでしょうか。

●芝浦運河を北上していると、タイミングよくアーバンランチが下ってきました。流れるようなラインのスマートな船体が、背後のテラスや高層マンション群によく似合いますね。
カタマランの運動性能は抜群で、キャタピラ車でいう超信地旋回に近い、その場回頭ができますから、狭い水路の航行も自在でしょう。チャーター便をお願いして、この船で北十間川や日本橋川を散歩できたら、楽しいでしょうね。

●砂町南運河では、浚渫船に出会うことができました。巨大な土運船「金剛丸6号」を横付けした、グラブ式浚渫船「第21須山丸」。舷側に書かれているとおり、京浜港湾工事(株)の所属。
同社サイトによると、「第21須山丸」は1740t、グラブの最大容量23立米、浚渫深度60mとあります。所有船隊の各船とも、配置図など図面も掲載されて、船舶ファンが見ても楽しいサイトです。
しかし、こちらで大型の浚渫船を見るのは珍しいですね。やはり荒川河口に接しているとあって、堆砂を定期的に浚わなければ、浅くなってしまうのでしょうか。
【撮影地点のMapion地図】
(23年10月30日撮影)
(この項おわり)

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●10月30日の道々に出会ったフネブネをここで。
豊洲水門から豊洲貯木場跡の横(このあたりはまだ、春海運河のエリアだったかな)に出ると、漕艇訓練中の艇が2隻いたので、スロットルをしぼって微速航行。
2隻とも漕いでいる5人のうち、4人はまだ小さな子供だったので、体験イベントか、少年レガッタ教室といったところでしょうか。

あれ? 桟橋後ろの堤防、工事中のようですね。他の区間同様、体裁よく造り変えるのでしょうか。

●芝浦運河を北上していると、タイミングよくアーバンランチが下ってきました。流れるようなラインのスマートな船体が、背後のテラスや高層マンション群によく似合いますね。
カタマランの運動性能は抜群で、キャタピラ車でいう超信地旋回に近い、その場回頭ができますから、狭い水路の航行も自在でしょう。チャーター便をお願いして、この船で北十間川や日本橋川を散歩できたら、楽しいでしょうね。


同社サイトによると、「第21須山丸」は1740t、グラブの最大容量23立米、浚渫深度60mとあります。所有船隊の各船とも、配置図など図面も掲載されて、船舶ファンが見ても楽しいサイトです。
しかし、こちらで大型の浚渫船を見るのは珍しいですね。やはり荒川河口に接しているとあって、堆砂を定期的に浚わなければ、浅くなってしまうのでしょうか。
【撮影地点のMapion地図】
(23年10月30日撮影)
(この項おわり)

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4月2日の川景色…10
(『4月2日の臨海大橋…2』のつづき)

●ゲートブリッジを楽しんだ後は、砂町南運河を通って帰ることにしました。
運河西端付近、若洲内貿埠頭にもやう日本通運の持ち船、「ひまわり2」と久々のご対面。キリリと引き締まった雰囲気の、黒とクリームのツートンに塗りあげられた船体、山吹色の日通カラーが美しいファンネルには、大好物の「マルツー」マーク! たまりません。
●詳しくは過去ログ「通運丸と名付けたい!」を参照していただきたいのですが、今回は好天下の出会いということもあって、鮮やかな船体色の魅力を、存分に楽しむことができました。
ゲートブリッジをバックに、「ひまわり2」の憩う姿を一枚。そういえばこの橋、こちらの角度からはあまり見たことがなかったなあ。ちょっと新鮮。
●砂町南運河に入ると、屋形船が一隻先行していました。排気の匂いをかぎながら、彼の航跡の中に入って、ゆっくり続航します。
この運河唯一の橋・若洲橋は、架け替えられて日が浅いせいか、塗装も新しくおろしたての雰囲気。ゲートブリッジが竣工すれば、若洲から中防を貫くメインラインとなるこの道、ぐっと賑やかになることでしょう。
【撮影地点のMapion地図】

●砂町南運河を出て左へ折れ、荒川の河口へ向かうと、入れ替わりに水辺ラインの水上バスが一隻、運河に入ってゆくところでした。
トップのデッキにもお客さんが数人おり、傾く陽に照らされた川景色を眺めて、楽しそうです。
●荒川から砂町運河に入ると、今度は台船を曳いた曳船の後ろについて、新砂水門に進入。
前半は雲が厚く、いま一つの天気だったのが残念でしたが、結構な数の船影を楽しむことができ、水面も穏やかで楽しい近場回りでした。
(23年4月2日撮影)
(この項おわり)

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●ゲートブリッジを楽しんだ後は、砂町南運河を通って帰ることにしました。
運河西端付近、若洲内貿埠頭にもやう日本通運の持ち船、「ひまわり2」と久々のご対面。キリリと引き締まった雰囲気の、黒とクリームのツートンに塗りあげられた船体、山吹色の日通カラーが美しいファンネルには、大好物の「マルツー」マーク! たまりません。

ゲートブリッジをバックに、「ひまわり2」の憩う姿を一枚。そういえばこの橋、こちらの角度からはあまり見たことがなかったなあ。ちょっと新鮮。

この運河唯一の橋・若洲橋は、架け替えられて日が浅いせいか、塗装も新しくおろしたての雰囲気。ゲートブリッジが竣工すれば、若洲から中防を貫くメインラインとなるこの道、ぐっと賑やかになることでしょう。
【撮影地点のMapion地図】

●砂町南運河を出て左へ折れ、荒川の河口へ向かうと、入れ替わりに水辺ラインの水上バスが一隻、運河に入ってゆくところでした。
トップのデッキにもお客さんが数人おり、傾く陽に照らされた川景色を眺めて、楽しそうです。

前半は雲が厚く、いま一つの天気だったのが残念でしたが、結構な数の船影を楽しむことができ、水面も穏やかで楽しい近場回りでした。
(23年4月2日撮影)
(この項おわり)

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橋の裏側…2
●6月7日に撮影した、橋の裏側をご覧に入れます。
●春海運河、豊洲大橋。
完成が待たれる、春海運河の新しい顔。日差しの強いこの季節、大きな橋のつくる影がもたらす涼感は、実に爽やかで、ありがたく思えるものです。
●砂町南運河、若洲橋。
旧橋を橋脚から持ち上げて、画面奥の方向へ移動中。手前に見えるのは、一部完成して供用中の新橋です。
●江戸川、江戸川大橋。
継ぎ手に多数のボルトが打ち込まれた、物々しい耐震補強を施された橋脚が目を引きます。リベット組みの昔の橋梁のようで、かえって魅力的かも。
●江戸川、総武線・江戸川橋梁。
複々線橋梁の、どっしりとした量感。構造の間から差し込む陽光が、橋脚に破線の模様を描いています。
●江戸川、京成電鉄本線・江戸川橋梁。
草いきれでむせ返りそうな初夏の河原に、ささやかな影を作りながら吸い込まれてゆくトラス…。
(すべて21年6月7日撮影)

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完成が待たれる、春海運河の新しい顔。日差しの強いこの季節、大きな橋のつくる影がもたらす涼感は、実に爽やかで、ありがたく思えるものです。

旧橋を橋脚から持ち上げて、画面奥の方向へ移動中。手前に見えるのは、一部完成して供用中の新橋です。

継ぎ手に多数のボルトが打ち込まれた、物々しい耐震補強を施された橋脚が目を引きます。リベット組みの昔の橋梁のようで、かえって魅力的かも。

複々線橋梁の、どっしりとした量感。構造の間から差し込む陽光が、橋脚に破線の模様を描いています。

草いきれでむせ返りそうな初夏の河原に、ささやかな影を作りながら吸い込まれてゆくトラス…。
(すべて21年6月7日撮影)

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