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変貌した石神井川を眺めて

(『令和4年度川走り納め・石神井川…4』のつづき)

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15年ぶりに石神井川可航区間を再訪してみて、その変貌ぶりを目の当たりにし興味をそそられ、ざっとまとめておきたくなりました。何分手元に資料があるわけではないので、わかる範囲の備忘録的なものですが、お目汚しまで。

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タグ : 石神井川

令和4年度川走り納め・石神井川…4

(『令和4年度川走り納め・石神井川…3』のつづき)

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291052.jpg高架下を抜けて、可航区間最終コースに入りました。前回はまだ工事中の雰囲気が濃厚で、天端に鋼管矢板がのぞいていましたが、増高分の鋼板もきれいに塗装され、落ち着いた感じに。

橋は手前から鎗溝橋、王子桜橋と人道橋が架かっていますが、くぐれるのは鎗溝橋(右写真)が最終橋ということになります。


291053.jpg最奥部を前にして一枚。飛鳥山を貫く暗渠にもっと近づけるかしら‥‥と期待したものの、ご覧のとおりで不可。もっともこの状況に関しては、散歩した際や、都電の窓から何度かのぞいて知っていたので、驚きはしませんでしたが。

王子桜橋の向こうには、暗渠の左径間を渡る形で鋼材の枠組みが見え、テルファーが設けられているのがわかります。これは下に掲げた、「水流発生装置」の関連施設なのでしょう。

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河道の真ん中に浮いてるこれが、「水流発生装置」。詳しくは「石神井川の臭気対策・環境改善に取り組んでいます」(PDF・北区ウェブサイトより)をご覧いただきたいのですが、淀みがちな感潮区間に動力で流れを作り、水質汚濁を抑制しようという取り組み。航行中の船艇のように、噴流がこちらへ向かっているのがわかりますね。

両岸からもやいが一本づつ渡され、反動で上流側へ走り出さないよう固定されているので、この向こうには行けないというわけ。以前陸上から見たときは、暗渠の左径間にいたので、もうちょっと奥まで行けそう、と思っていたのですが、あてがはずれました。

このほかにもう一つ、王子桜橋の桁側面に設けたノズルから地下湧水をポンプアップして散水し、浄化用水の供給とスカムの沈降促進を兼ねさせている取り組みもあるそう。散水する橋というと、目黒川の御成橋を思い出せるものがあるなあ‥‥。

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シメはやはり、石神井川可航区間を代表する奇観、防音版に覆われた首都高の高架が河畔から地下へダイブしてゆく、この角度の眺めを掲げずにはおれますまいよ。

回を改めて、この15年で大きく変貌した石神井川を、比較写真とともに備忘録的にまとめたいと思います。少し時間をください。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『変貌した石神井川を眺めて』につづく)

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タグ : 石神井川

令和4年度川走り納め・石神井川…3

(『令和4年度川走り納め・石神井川…2』のつづき)

291046.jpg前回来たときにはなかった、王子南入口。いや、高架だけでなく、河道自体も大きく改修されていたんですよね。

過去ログ「石神井川初探訪…4」の写真とくらべていただければわかりますが、流路内に立っていた橋脚も、今は護岸の外に。Googleで上空からの写真を見ると、溝田橋前後で特に、河道の屈曲を滑らかに改修した痕跡がうかがえて、興味深いものがあります。

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首都高の完成とともに河道改修も成り、護岸もほとんどが化粧板張りに整備されて、実にスッキリとした表情に。平成19年に訪れた際の「鉄の水路」感は失せましたが、降り注ぐ冬の陽射しに護岸も高架も輝いて、明るくうららかな川面をゆくのはやはり、嬉しいものです。

291048.jpg王子南入口から伸びる高架が張り出した下、護岸に水位尺が設けられており、勾配が変わって垂直になるあたりに「避難判断水位」の印が。

短い道のりの中でさまざまな細流を集め、台地を流れ下ってくるかつての洪水常習河川、沖積地の区間は特に被害に遭いやすかったでしょう。整備成った今、安心感はぐっと増しているものと思われます。


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そして石神井川可航区間のハイライト、首都高がカーブを描きながら流路をまたぎつつ、高架から一気に地下へなだれこむという、実にダイナミックな眺め。護岸をかすめ降下してゆくきわに、人道橋の堀船橋が窮屈そうに詰め込まれているのも目を引きますよね。

頭上低くうねり、川面を完全に覆うこの見事さ、短いながら高架下水路に認定(偉そうに)させていただいております、ハイ。

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堀船橋付近から振り返って。いや~、すき間から差し込む陽光も塩梅がよろしく、圧倒的ながら明朗な、曲線美を堪能できる角度。特記しておきたいのは、橋脚が流路内から完全に排除されていること。

もちろん河水の流下を優先してこそと思いますが、水面を移動する者の目線からしても、走りやすくまた、河道の屈曲と高架の面白さを堪能できる点、実に好ましく感じたことではありました。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・石神井川…4』につづく)

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タグ : 石神井川高架下水路

令和4年度川走り納め・石神井川…2

(『令和4年度川走り納め・石神井川…1』のつづき)

291041.jpg新柳橋の改架現場を過ぎると、護岸に施された石垣風の化粧板、いままで途切れ途切れだったのが、両岸とも連続するように。河道とともにうねる壁面へ縦横の線が入ると、ちょっとサイバーパンク味も。

空もすっかり晴れ上がり、ほどよい狭水路と微速のおかげで風を受けずに過ごせたため、体も温まってきたせいかやる気も急上昇。狭い水路好きというのもありますが、現金なものであります。

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堤防を掘り込んだかたちの「あすか緑地」、石神井川可航部唯一のテラスを有する公園です。お散歩の時間なのか、帽子をかむった保育園児たちが元気に遊んでおり、近づくと気づいて、いっせいに枯葉色の法面を駆け下りてきました。可愛らしい歓声に、思わず顔がほころびます。

手を振って挨拶すると、子供たちも振り返して大盛り上がり。先生からの質問に答える形で、「川の探検をしています」「この先の行き止まりまでいって、すぐ戻ってきます」とお話しすると、柵にしがみついてこちらを見入っていた子供たちも、興味深げにふんふんと聞いてくれたようでした。

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子供たちの盛大なお手振りに送られてテラスを離れ、南へ向かう大屈曲を通過。仰ぐと、北西から伸びてくる王子北出入口の麗しい錯綜ぶり。河道同様、首都高高架もうねり、ふたたび河上を越えていくさま、佳き哉。冬の陽光に満ちた川面、化粧板の張られた護岸とあいまって、硬質ながら美しい光景です。

291044.jpgここで、水面に点々と浮流物が見えるようになり、写真のような固まりも流れてきて、奥部はいつか見たようにゴミみっちりかしら‥‥と警戒。

しかし、浮いているのはほとんどが枯葉で、固まりも厚みがなく乗り越しても支障のないレベルだったので、ホッとしました。河水のコンディションは引き続き良好で、魚が泳いでいれば目視できるくらい澄んでいます。

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花筏ならぬ枯葉筏をかき分けながら、ゆきかうクルマも賑やかな都道306号線、溝田橋をくぐります。ぶどう色の塗色はつやがあって、まだ真新しい感じ。橋名はこちら、下流側のみで、上流側には記してありませんでした。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・石神井川…3』につづく)

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タグ : 石神井川

令和4年度川走り納め・石神井川…1

(『令和4年度川走り納め・隅田川…2』のつづき)

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291037.jpg石神井川、久方ぶりの遡上を始めようと舵を切ったとき、まず目を引かれたのが、コンクリートの生地が真新しい、河口左手角の樋門。一昨年、「6月7日の隅田川…4」の時点では従来の堤防が切断されて、鋼管矢板が打ち込まれるなど工事中でしたが、この樋門を造っていたのですね。

樋門の堰柱と続く石垣風の化粧板、それにまだ新しい白い生地のせいもあるでしょう、学校や官庁などの、入口の立派な門柱を思わせ、久しぶりの石神井川に、歓迎されているような気すらしてきたものでした。

右は河口に踏み込んだ瞬間の魚探の感。ちょっとした盛り上がりはあったものの、水深は6mと十分すぎるほど。さあ、参りましょうか!

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291039.jpg垂直に近いコンクリート堤防ゆえ実感される、最下流部のウネウネっぷりを堪能しつつ第一橋、新堀橋をくぐります。結構低いですが、マストを立てたままでも大丈夫なので余裕余裕。

豊石橋を過ぎると、鋼管矢板を打って橋脚にした錆色の足場が。向こうの左側では、クレーンが動いていますね。通っていいのかな?

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通り過ぎてから振り返って。最微速で警戒しつつ進むも、特に指示やお咎めなく、作業を横目で眺めながら通過。

ここ、新柳橋の改架工事現場だったのですね。過去ログ「石神井川初探訪…2」の写真を見ると、新堀橋同様のRCガーダーだったようです。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・石神井川…2』につづく)

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タグ : 石神井川