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1月21日の目黒川…3

(『1月21日の目黒川…2』のつづき)

216031.jpg五反田大橋の下流側、ご存知「地下鉄地下水」と看板まで掲げてアピールしている、吐出口が見えてきました。ご覧のとおり、気持ちのいいくらいの勢いで排水していますね。

地下鉄ほかの排水口が、河川に開口している例は多々あると思いますが、このように自己主張(?)しているものはどのくらいあるのでしょうか。非可航河川まで含めると、意外とたくさんあるのかもしれませんね。

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むう、今回も光の具合が悪く、看板がちゃんと撮れなかった‥‥。橋詰という人目につく場所で、しかも水音も激しく目立つということもあり、違法な汚水ではありませんよ、というアピールが必要なのかもしれません。

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216034.jpgそして目黒新橋。変わらぬ端正な姿を見られて、まこと目の正月。もうちょっと浚渫区間を延伸していただいて、橋の上流側からも拝めるようにしていただければ、なお嬉しいのですが。

帰路、荏原神社の寒緋桜にふたたび目を奪われて。梅とも違った、地味な中にも味わいのある色合い、いいものですね。花の少ない季節だけに、すごくトクをした気分になれました。

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河口も間近なあたり、直線区間に単径間の桁橋が、高密度で並ぶ川景色。目黒川の魅力の一つって、この最下流部の景観にあるのではないか、と思うことがあります。

各支川を集めて谷間を流れ下る、洪水常習河川であったゆえの対策の一つ、橋脚を廃した橋が醸し出す、緊張感と斉一の美‥‥とでも申しましょうか。似たような性格の川は隅田川西岸にいくつもありながら、目黒川のように徹底でき、また直線区間で一気に見通せる面白さを持った川は、ほかにないように思えます。
撮影地点のMapion地図

(30年1月21日撮影)

(『1月21日の川景色…1』につづく)

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タグ : 目黒川

1月21日の目黒川…2

(『1月21日の目黒川…1』のつづき)

216026.jpg特に時間を意識せず訪ねたので、渡る人影もそう濃いわけではない、静かな雰囲気とあいまって、文字通り度肝を抜かれ(大げさだな)ました。

直前、本当に直前まで来て、鼻先でいきなり放水が始まったのですから!


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全力でゴースターン!

手前に広がる濃い気泡と波紋からも、まさに泡を喰った様子が伝わるかと! せめて放水の数秒前に、予告としてチャイム音でも鳴らしてくれたらいいのですが‥‥。まあ、通航艇などめったにいないので、各艇長が確認の上で通るしかありません。

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お天気も良いことだし、この際カメラを向けて放水シーンを撮りながら、水が止まるまで眺めていようと、前後にチョイチョイと軽く蹴飛ばしつつ漂泊。川面を彩る人工の小瀑布、眺めている分にはのどかでよいもの。

‥‥‥‥5分経過、ううん、なかなか止まらないなあ。シビレを切らせた、というと言葉が悪いですが、他に訪ねたい場所もあるので、そろそろおいとましたいのが正直なところ。今は潮位も割と高いし、突破できるよね‥‥というわけで、コツンと前進に入れて航進再開。

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216030.jpg噴水の出ていない左側、護岸にぐっと寄せてすり抜け成功! 右舷側にちょっとしぶきがかかっただけで、チルトアップせずとも基礎護岸にペラヒットすることもなく、無事通ることができました。

振り返ると、逆光に噴水がキラキラとして、なかなかの眺め。気に入ったので、ゴーストが出ていたのも構わず、トップ画像にしてみました。潮位によっては基礎護岸にぶつける恐れがあるので、通航にはくれぐれもお気をつけて‥‥。
撮影地点のMapion地図

(30年1月21日撮影)

(『1月21日の目黒川…3』につづく)

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タグ : 目黒川

1月21日の目黒川…1

(『1月21日の古川…4』のつづき)

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お次は目黒川を訪ねました。京浜運河・天王洲南運河経由で進入、アイル橋のほっそりしたライン越しに眺める河口、空の青さもあいまって、穏やかないい雰囲気。

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遡上を始めて間もなく、荏原神社を右手に見ながら通り過ぎようとしたら、桃色の可憐な花を咲かせた木々が。名物、寒緋桜ですね。ちょっと控え目な感じの咲きぶりが可愛らしく、冬の空に映えてきれい。境内は写真を撮る人たちで賑わっていました。

216023.jpg橋を眺めていると、いくつかの橋は塗り替えの際に施工したのか、橋名が新しいデザインに変わっているのに気づきました。

この要津橋は、橋名だけでなく恐竜のシルエットと足跡らしきものが描かれ、いかにも由来ありげです。この日同乗のT氏によれば、この近くの児童遊園に、恐竜の形をした遊具があったからそれではないか、とのこと。検索するとなるほど、恐竜の像が9体もある「子供の森公園」が北詰近くにあるのですね。

216024.jpg高い桁下高でひときわ目立つこの橋、北岸の大崎ブライトタワーから伸びる連絡デッキ。眺望はよさそうですけれど、隣接するビル群に配慮したのか、曇りガラスで目隠しがされて、川面を見下ろすことはできないようですね。

写真左側、南詰はどういうわけか、大崎ニューシティにつながっておらず、渡り終えたら階段で地上へ降りるしかなさそうです。

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目黒川では数少ない下路式タイプの橋、鈴懸歩道橋の向こうは御成橋。例の桁側面に噴水のある橋で、珍しくまた眺めて楽しくはあるものの、下を通航する艇にとっては、あまりありがたくないギミックといえます。

放水は1時間毎ですので、通航時にヒットしてしまうことは今までも多くありませんでしたが、今回はどうでしょう。
撮影地点のMapion地図

(30年1月21日撮影)

(『1月21日の目黒川…2』につづく)

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タグ : 目黒川天王洲南運河

目黒川の水路誌が!

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ちょっと前、お花見の時季(週末の天候がすぐれず、満開のころに水路からのお花見は叶いませんでしたが)だったと思います。マリーナのフロントに配布物を並べたラックがあるのですが、その中に「目黒川航行マナー」と大書きした、二つ折りの刷り物があったのに目を引かれ、手に取ってみました。

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1ページ目は、「目黒川3つの基本マナー」と題して、まことにごもっともなことが書かれております。お花見水路として都内随一の規模を誇り、訪れるフネブネも年々増加の一途となれば、船影もまれだった昔と違って、こういった啓発も必要になってくるのでしょう。

おっ、コレハ! と色めきたったのは、ページをめくって中の見開きを目にしたとき。「目黒川通航マナー」と、なぜか1ページ目とタイトルが違うのはさておき、タダモノではない(?)ことが瞬時に理解でき、お持ち帰り決定!

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可航区間に架かる橋のA.P.高はもとより、船着場の位置、水中障害物まで図示してある!目黒川特有の、干潮時も水面下にある基礎護岸の危険性、その上、ちゃんとA.P.について解説してあるのもポイント高し! 単なるマナー啓発の配布物に留まらない、
河川水路誌といってよいものじゃないですか!

荒川、江東内部河川のそれが冊子で刊行されたのを皮切りに、江戸川、利根川下流部もPDFのウェブ配信のみながら、河川の水路誌は徐々にその数を増やしていますが、隅田川から西の都市河川にもそれが及んだということで、嬉しさもひとしおです。
それだけ目黒川が(季節限定とはいえ)輻輳しており、またそれにともない、少なからず問題も生じていたことを示しているともいえるでしょう。

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4ページ目には、水中障害物を示す記号の解説とその実例、目黒新橋下流の未浚渫区間など、前ページ図を補足する解説もなされ、航路案内としても遺漏がありませんね。

個人的にはおおむね把握できているとはいえ、水路誌が発行されたことすなわち、可航河川として公認され、かつ維持整備も継続されるであろうことを感じさせて、嬉しいものが。かくなる上は、残置矢板など障害物が取り除かれ、より安全な舟航路となるよう、願ってやみません。

‥‥個人的な欲をいわせていただくと、目黒新橋よりも少し上流まで、浚渫して可航水深を確保していただくと、名橋と濃厚な桜並木が同時に堪能できて、より嬉しいのですが‥‥。

閑話休題。さて、最終ページ下端にも記されているように、発行は「品川区防災まちづくり部 河川下水道課 水辺の係」。自治体の河川部署が取り組みのひとつとして行っている、いわばキャンペーンの配布物ですから、ウェブでPDF配信されているに違いない‥‥と検索してみました。

ところが、例によって検索の仕方が悪いのか、これそのものがヒットしません。「桜の時期の目黒川の通航マナー啓発・対策の実施について」なるPDFは出てくるものの、「目黒川航行マナー」は「対策③」に、配布することとその方法が載っているだけです。

ううん、桜の季節だけでなく、通年役に立つ水路誌だけに、春先限定の配布とは惜しいですね。いつでもダウンロードまたは出力できるようにして、より多くの船長に見ていただいた方が、本誌の目的にもかなうように思えるのですが。ともあれ、公刊された川の水路誌が増えて、可航水路バカの船頭、大歓喜というお話でした。はい。

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タグ : 目黒川目黒川航行マナー

3月21日の川景色…5

(『3月21日の川景色…4』のつづき)

189021.jpg前後しますが、上航時のスナップを以下三枚。五反田ふれあい水辺広場船着場、護岸面に縦のフェンダーと、その奥に小さく写っていますが、ギャングウェイ(可動式の連絡橋)も、新たに備えられたのですね。

竣工直後はこれといった設備のなかったここも、水上から楽しむお花見の名所として、船着場の存在価値が急上昇したのでしょう。ますますの装備充実、ご同慶の至りであります。

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189023.jpg大崎ニューシティ横に建設中の、やたら桁下高のあるペデストリアンデッキ(?)ですが、今回見たら、河上部分はおおむね仕上がったようですね。上の写真の左側は、まだ建物とつながっていないようです。

このあたりも桜並木がありますから、高さのあるこの橋から見下ろしたら、さぞよい眺めに違いありません。お花見のちょっとした名所になりそうですね。



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砂町運河を東航中、佐野造船所の前まで来たら、ちょうど艪漕ぎの和船が2隻、もやいを解くところに出くわしました。桟橋では、佐野社長ご自身がお見送り、和船友の会の船隊ですね!

189025.jpg和船はそれぞれ艫に「和船友の会」の幟をはためかせ、おそろいの半纏をまとった会員の皆さんが乗り組んでいます。大横川のさくらまつりを前にして、佐野造船所で整備をしたのでしょうか。

最微速に落として近づき手を振ると、皆さんニコニコと笑って手を振り返してくださいました。今年もたくさんのお客さんが艪漕ぎと桜を楽しまれることでしょう、満開の週末が晴れるといいですね!
撮影地点のMapion地図

(28年3月21日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 目黒川砂町運河和船