12月28日のフネブネ…3
(『12月28日のフネブネ…2』のつづき)
●陽射しを浴びつつ快適に下航し、隅田川派川まで下ってきたところで、警備艇「いそちどり」と行逢。
対岸近くに寄せて、清掃船「建河清 第1号」も作業中で、明るい川面の上で働く船のツーショットがはからずもものでき、よい気分で港内へ出たわけです。

●東雲運河でのデッドフルを楽しんだ直後。東雲橋の手前まで来ると、向こうの宇部さんの岸壁から解攬したのでしょう、黒い独航艀が流路を塞いで転回中。腹に響く重い爆音に、気分も高揚するというもの。しばらく橋の手前で様子を見てから、邪魔にならないことを確認し艇を進めました。

●船は、このあたりでもちょいちょい顔を合わせている「第三十一芝浦丸」。荷役の後なのか、喫水が上がり船底色を見せての離岸風景、よいものを見させていただきました。
●ここからはルーチン‥‥というと妙ですが、いつもの通り道でのおフネ鑑賞。木村造船所をのぞいてみると、おや、警備艇が2隻上架されていますね。
手前の「わかちどり」はペラを外し、エンジンルームのハッチを開けて整備中。奥の「らいちょう」は窓をマスキングしているので、船体の塗装をしていたのでしょう。

●建屋の左手、外の船台にも「すみれ」が上架されていました。整備のローテーションを年末年始にしている艇が多いのか、お忙しそうです。都内水路のフネブネの"顔"のひとつともいえる官の船艇、キレイに保っていただけるのは嬉しいものですね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『12月28日のフネブネ…4』につづく)

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対岸近くに寄せて、清掃船「建河清 第1号」も作業中で、明るい川面の上で働く船のツーショットがはからずもものでき、よい気分で港内へ出たわけです。

●東雲運河でのデッドフルを楽しんだ直後。東雲橋の手前まで来ると、向こうの宇部さんの岸壁から解攬したのでしょう、黒い独航艀が流路を塞いで転回中。腹に響く重い爆音に、気分も高揚するというもの。しばらく橋の手前で様子を見てから、邪魔にならないことを確認し艇を進めました。

●船は、このあたりでもちょいちょい顔を合わせている「第三十一芝浦丸」。荷役の後なのか、喫水が上がり船底色を見せての離岸風景、よいものを見させていただきました。

手前の「わかちどり」はペラを外し、エンジンルームのハッチを開けて整備中。奥の「らいちょう」は窓をマスキングしているので、船体の塗装をしていたのでしょう。

●建屋の左手、外の船台にも「すみれ」が上架されていました。整備のローテーションを年末年始にしている艇が多いのか、お忙しそうです。都内水路のフネブネの"顔"のひとつともいえる官の船艇、キレイに保っていただけるのは嬉しいものですね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『12月28日のフネブネ…4』につづく)

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12月28日のフネブネ…2
(『12月28日のフネブネ…1』のつづき)

●何しろようやく出会えた油槽船の荷役シーンですから、角度を変えてしつこく鑑賞します。さらに近づいて、船尾に書かれた船名が見えてきました。「第五興雄丸」(船の写真館)、166総t、全長43.05m、600PS、9.36ktとのこと。
以前「月島埠頭にて…1」で紹介した、銚子屋油槽船(株)船隊の一隻であり、「興運丸」の姉妹船です。船体塗色も揃えているのですね。

●すでに2月のタイトル画像でご覧に入れているので、少し目線の違うカットを。この量感あふれる幅広で扁平な船体、いかにも独航艀といった魅力にあふれた角度ですよね。深々と沈んだ喫水に、積載してきた油の重さが思われます。

●流速のまま流されつつ堪能して、お名残り惜しいですがお別れすることに。尾竹橋近くで今なおオーラを放つ油槽群とともに、都内の河川では数少なくなった貴重な舟航風景。末永く盛業されてほしいと願わずにはおれません。
●下って浅草へ。年末のお休みに入ったとあって、船着場は結構な込みよう。テラスを散策する人出もそこそこあり、賑やかでした。
乗船待ちの「エメラルダス」、後部デッキのハンドレールは折りたたんでいましたが、美しく整備された姿はお変わりなく。通常タイプの船と違って水平面が少ないので、清掃は大変そうだなと想像しているのですが、いかがでしょうか。
●両国橋近くで、ふたたびコンベア清掃船と行逢。「建河清 第7号」、こちらは船首両舷に乗り組みさんがタモ網を構えて乗り、今まさに作業中でした。
ドロロロンと爆音を響かせ、噴流を白く盛り上げながら急角度でくるくると転舵していて、ちょうど浮流ゴミを発見し、舵を取った瞬間に出会ったようです。応援したくなるような、なかなか勇壮なシーンでした。
(令和4年12月28日撮影)
(『12月28日のフネブネ…3』につづく)

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●何しろようやく出会えた油槽船の荷役シーンですから、角度を変えてしつこく鑑賞します。さらに近づいて、船尾に書かれた船名が見えてきました。「第五興雄丸」(船の写真館)、166総t、全長43.05m、600PS、9.36ktとのこと。
以前「月島埠頭にて…1」で紹介した、銚子屋油槽船(株)船隊の一隻であり、「興運丸」の姉妹船です。船体塗色も揃えているのですね。

●すでに2月のタイトル画像でご覧に入れているので、少し目線の違うカットを。この量感あふれる幅広で扁平な船体、いかにも独航艀といった魅力にあふれた角度ですよね。深々と沈んだ喫水に、積載してきた油の重さが思われます。

●流速のまま流されつつ堪能して、お名残り惜しいですがお別れすることに。尾竹橋近くで今なおオーラを放つ油槽群とともに、都内の河川では数少なくなった貴重な舟航風景。末永く盛業されてほしいと願わずにはおれません。

乗船待ちの「エメラルダス」、後部デッキのハンドレールは折りたたんでいましたが、美しく整備された姿はお変わりなく。通常タイプの船と違って水平面が少ないので、清掃は大変そうだなと想像しているのですが、いかがでしょうか。

ドロロロンと爆音を響かせ、噴流を白く盛り上げながら急角度でくるくると転舵していて、ちょうど浮流ゴミを発見し、舵を取った瞬間に出会ったようです。応援したくなるような、なかなか勇壮なシーンでした。
(令和4年12月28日撮影)
(『12月28日のフネブネ…3』につづく)

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12月28日のフネブネ…1
(『令和4年度川走り納め・運河地帯』のつづき)
●12月28の道々で出会った、フネブネの姿を以下にまとめます。年の瀬ながら水上は平日扱いとあって、働く船たちを多く目にすることができました。
尾久橋下流で行逢した、コンベア清掃船「建河清 第3号」。作業水域におもむく途中なのか、船首に乗り組みさんの姿は見えず、コンベアも作動させておらず巡航速度での遡上。陽を浴びて颯爽とした姿でした。
●尾竹橋をくぐった直後、右手に目線がひゅっと吸い寄せられ、喜びのあまり妙な声が出ました! 橋本産業(株)荒川油槽所(『6月7日の隅田川…5』に詳細あり)に、独航艀が着いているのを初めて目に出来たからです!
「マルは」印のタンク群を、初めて意識したのは20年くらい前でしょうか、こちらの通航頻度が少ないせいもあってなかなか出会えず、ついに! といった感じでまあ、それは高揚したものでした。

●上流側からだと逆光で黒く沈んでいたのが、下流へ移動するにつれ塗色やディテールが判別できるようになって、再微速に流速が加わった速さで流しながら、まじまじと観察。
船尾寄り舷側からの排水が、下流側へ長く白い尾を引いていて、流速が目視で感じられるあたり、いかにも河用船艇の着桟といった感じがして、実によいものですね!

●荷役の準備をしているのか、甲板中央では3人のヘルメットをかむった乗り組みさんが、忙しそうに作業中です。お仕事中の皆さんには失礼ですが、こういうシーンを目にすると、感極まってウルウルしそうになるんですよ。東京近郊でも数少ない実用舟航河川の、生きているあかしなのですから。

●もう一つ、今回のハイライトといってよいポイントがこれ。「折りたたみ式操舵室の折りたたみかけ」です!
湾内から河川へ入る独航艀は、航行河川によっては橋の桁下高が低いため、折たたみ式の操舵室を備えている例が少なくありません。しかし、折りたたんでいる途中の様子が、またラッキーなことに前妻と左側板を残した状態で眺められたのは、何よりでした。左手前に置いてあるのは、外した屋根のようですね。
ワイパーや旋回窓といった電動部分が、フリーのコードでつないである様子がわかります。しかし、下がヒンジか何かで固定されているとしても、鋼板製のこれをロックを外しながら、一枚一枚手作業で倒すのは、重量を考えると大変そう。動力化はされていないんですよね?
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『12月28日のフネブネ…2』につづく)

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尾久橋下流で行逢した、コンベア清掃船「建河清 第3号」。作業水域におもむく途中なのか、船首に乗り組みさんの姿は見えず、コンベアも作動させておらず巡航速度での遡上。陽を浴びて颯爽とした姿でした。

「マルは」印のタンク群を、初めて意識したのは20年くらい前でしょうか、こちらの通航頻度が少ないせいもあってなかなか出会えず、ついに! といった感じでまあ、それは高揚したものでした。

●上流側からだと逆光で黒く沈んでいたのが、下流へ移動するにつれ塗色やディテールが判別できるようになって、再微速に流速が加わった速さで流しながら、まじまじと観察。
船尾寄り舷側からの排水が、下流側へ長く白い尾を引いていて、流速が目視で感じられるあたり、いかにも河用船艇の着桟といった感じがして、実によいものですね!

●荷役の準備をしているのか、甲板中央では3人のヘルメットをかむった乗り組みさんが、忙しそうに作業中です。お仕事中の皆さんには失礼ですが、こういうシーンを目にすると、感極まってウルウルしそうになるんですよ。東京近郊でも数少ない実用舟航河川の、生きているあかしなのですから。

●もう一つ、今回のハイライトといってよいポイントがこれ。「折りたたみ式操舵室の折りたたみかけ」です!
湾内から河川へ入る独航艀は、航行河川によっては橋の桁下高が低いため、折たたみ式の操舵室を備えている例が少なくありません。しかし、折りたたんでいる途中の様子が、またラッキーなことに前妻と左側板を残した状態で眺められたのは、何よりでした。左手前に置いてあるのは、外した屋根のようですね。
ワイパーや旋回窓といった電動部分が、フリーのコードでつないである様子がわかります。しかし、下がヒンジか何かで固定されているとしても、鋼板製のこれをロックを外しながら、一枚一枚手作業で倒すのは、重量を考えると大変そう。動力化はされていないんですよね?
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『12月28日のフネブネ…2』につづく)

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月島埠頭にて…1
(『ループ内船溜でお船見…3』のつづき)
●隅田川河口、浜離宮の向かいに位置する月島埠頭に、ぽっかりと口を開けた凹部があるのですが、そこにもやう船影を眺めに、ふらりと立ち寄ってみました。
本船の埠頭としてはちょっと小ぶりに見えるここも、ちゃんと一辺づつバース名がついています。左手から時計回りにF-0、奥がF-1、右手もF-1。ちなみに左手、東側は勝どき5丁目、奥、南側が豊海町1丁目、右、西側が同6丁目です。

●右手、F-1バースにもやう2隻から眺めてみることに。「興栄丸」、小型のタンカーですね。喫水が浅いところを見ると、いまは空船なのでしょう。
いわゆる内水船に類別されるものでしょうが、小ぶりながら甲板室を有し、操舵室をその上に設け、辛うじて船橋、と呼んでもよさそうなあたりがいいですね。その後ろ、この種の船なら排気管で済ますところ、ちゃんとファンネルが設けられているのも好ましく感じるものが。

●その奥にもやっていたのが、同じカラーリングの「興運丸」。こちらは都内大河川やでもおなじみの、純然たる独行艀スタイル、低い全高を活かし、橋をくぐり河川を遡上して、内陸部への輸送を担うタイプといえます。
ちなみにこの2隻、創業100年を超える老舗船社、銚子屋油槽船(株)の持ち船なのだとか(参考:『老舗に聞く・銚子屋油槽船株式会社』東京商工会議所)。
リンク先を拝読して、創業時の「銚子屋回漕店」という屋号に惹かれました。回漕業というと、港内や河川を舞台に、水上生活者の居住する無数の艀を差配したそれが思い起こされますが、そうした仕事も手掛けておられたのでしょうか。

●「興栄丸」のファンネルをアップで。いかにも手書き感に満ちた、ラフな感じが魅力的でスナップしたもの。この、「ヤマセ」とでもいうのでしょうか、ファンネルマークというより、「船印」と呼びたくなる古風なデザインが、老舗らしさを感じさせていいものですね。
よく見ると、上端は黒く塗り分けたのでなく、後ろに曲げた排気管を煙突らしくカモフラージュした、金網のケーシングなのですね。また、右下に掲げられた「火粉放散防止装置 スパレスター 取付船」の看板も、商品名のみロゴっぽいのもあり興味を惹かれました。防爆型車輌に取り付けてある、火粉止めですね。火気を嫌う油槽船ならではの装備といえます。

●「興運丸」の方は、甲板室やファンネルがないので、操舵室の側面に「ヤマセ」が。ただしこちらは先ほどと対照的に、プロの手によるらしいきっちりとしたレタリングでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年9月11日撮影)
(『月島埠頭にて…2』につづく)

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本船の埠頭としてはちょっと小ぶりに見えるここも、ちゃんと一辺づつバース名がついています。左手から時計回りにF-0、奥がF-1、右手もF-1。ちなみに左手、東側は勝どき5丁目、奥、南側が豊海町1丁目、右、西側が同6丁目です。

●右手、F-1バースにもやう2隻から眺めてみることに。「興栄丸」、小型のタンカーですね。喫水が浅いところを見ると、いまは空船なのでしょう。
いわゆる内水船に類別されるものでしょうが、小ぶりながら甲板室を有し、操舵室をその上に設け、辛うじて船橋、と呼んでもよさそうなあたりがいいですね。その後ろ、この種の船なら排気管で済ますところ、ちゃんとファンネルが設けられているのも好ましく感じるものが。

●その奥にもやっていたのが、同じカラーリングの「興運丸」。こちらは都内大河川やでもおなじみの、純然たる独行艀スタイル、低い全高を活かし、橋をくぐり河川を遡上して、内陸部への輸送を担うタイプといえます。
ちなみにこの2隻、創業100年を超える老舗船社、銚子屋油槽船(株)の持ち船なのだとか(参考:『老舗に聞く・銚子屋油槽船株式会社』東京商工会議所)。
リンク先を拝読して、創業時の「銚子屋回漕店」という屋号に惹かれました。回漕業というと、港内や河川を舞台に、水上生活者の居住する無数の艀を差配したそれが思い起こされますが、そうした仕事も手掛けておられたのでしょうか。

●「興栄丸」のファンネルをアップで。いかにも手書き感に満ちた、ラフな感じが魅力的でスナップしたもの。この、「ヤマセ」とでもいうのでしょうか、ファンネルマークというより、「船印」と呼びたくなる古風なデザインが、老舗らしさを感じさせていいものですね。
よく見ると、上端は黒く塗り分けたのでなく、後ろに曲げた排気管を煙突らしくカモフラージュした、金網のケーシングなのですね。また、右下に掲げられた「火粉放散防止装置 スパレスター 取付船」の看板も、商品名のみロゴっぽいのもあり興味を惹かれました。防爆型車輌に取り付けてある、火粉止めですね。火気を嫌う油槽船ならではの装備といえます。

●「興運丸」の方は、甲板室やファンネルがないので、操舵室の側面に「ヤマセ」が。ただしこちらは先ほどと対照的に、プロの手によるらしいきっちりとしたレタリングでした。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年9月11日撮影)
(『月島埠頭にて…2』につづく)

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