三栖閘門の図面

176037.jpg図録や書籍で目にし、慣れ親しみかつ憧れていた史料や、写真の現物と出会ったときの嬉しさは、また格別のものがあります。今回出会うことができた史料もその伝ですが、印刷物上に掲載されたものでなく、展示物と同じものという点が変わっていました。

21年9月11日に、伏見は三栖閘門(『三栖閘門…1』ほか参照)を訪ねた際に見かけたのですから、6年ぶりということになりますが、まさか展示物と寸分たがわぬものが入手できるとは思わなかったので、驚きもひとしおだったものです。

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【特盛】ふれあい橋づくし

先週、廃道趣味の大家であるヨッキれん氏の「山さ行がねが」を拝見していたら、掲示板にて「『ふれあい橋』の画像募集!!」の告知が出ていました。

「皆様が撮影された全国の『ふれあい橋』と名の付く橋の画像を大募集します!!」と書いてあるところを見ると、全国に同名の橋が、数多く点在しているようですね。そういえば、私もいくつかくぐったり、訪ねた先で出会った気が…と、アップ済みのもののみざっと検索してみたら、以下の「ふれあい橋」とその仲間たちが見つかりました。

橋のある土地ゆかりの名前か、架橋された時代を反映した橋名など、さまざまなネーミングの方法があるにせよ、各地に同じような名前の橋が、同時に出現してしまう背景には、賛否は措くとして、興味をそそられるものがありますね。

では「ふれあい橋づくし」とまいりましょう。
良いお題をくださった、ヨッキれん氏に御礼申し上げます!

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三栖洗堰

(『三栖閘門…3』のつづき)

15101.jpg三栖閘門とコンビを組む治水施設、三栖洗堰も見てみましょう。こちらは閘門と異なり、現役で稼働している水門です。

濠川から見た第一印象は、関宿水閘門(過去ログより写真…水門閘門)に似た雰囲気だなあ、ということ。関宿が昭和2年、三栖が同3年竣工と、世代が近いこともあるでしょう。
加えて、大河川を内陸深く遡った場所に位置し、閘門を併設しているあたりも、境遇が似かよっており、内陸水運の近代化に貢献したという意味でも、関宿と三栖は、東西のカウンターパートと言ってよいように思えました。

15102.jpg
宇治川方、表側を見たところ。左端の開放されたゲートから、水が渦を巻いて、轟々と流れ下っているのが見られました。

扉体は…キャンバー付きではなかったものの、中央にふくらみを持たせた三面構成。ゲート型式は閘門同様、ストーニーゲートだったのですが、平成2年の改修で巻上機を電動化するとともに、ローラーゲートに改造されたとのこと。扉体もその際、新製されたのですが、わざわざリベット継手構造とし、往年のスタイルを崩さないようにしたのだとか。さすが。

15103.jpg水の流れ下ったその先は、言うまでもなく宇治川なのですが、この水位差は本当に凄い…。

かつては、濠川とさほど変わらない水面高だったとは、にわかに信じがたい落差があります。この後にも、宇治川の水位低下についての話題が出て、考えさせられることになるのですが、この様子をあらかじめ見ておかなかったら、どれほどの低下ぶりだったか、ピンと来なかったことでしょう。
撮影地点のMapion地図

15104.jpg濠川の上流側に出て、閘門に戻ろうとしたら…さっき船頭さんが言ったとおり、子供たちが泳いでいる!
洗堰から吐き出される水流の猛烈さを、見てきたばかりだったので、わずか100mほどしか離れていないあそこに吸い込まれでもしたらと、肝を冷やしました。

しかし、子供たちの嬉しそうなこと! 伏見の少年たちにとって、濠川は腕白放題のできる、母なる川なのでしょうね。京都市内にもかかわらず、こんなのどかな風景を見られるなんて…。伏見はきっと、住みよいところに違いありません。

15105.jpgふたたび閘室の船着場から十石舟に乗り、濠川を戻ります。
美しい河畔道が整備された、魚影濃い舟航水路、古典味あふれる閘門に水門、そして子供たち…。小さな面積に、見どころがぎっしり詰まった小水郷・伏見、また訪ねてみたくなる街でした。

短い散策の後は、またまた京阪電車のお世話になり、お隣の観月橋へと急ぎます。本日最後の訪問先は、これも以前から気になっていた三十石舟の宿、月見館!


(21年9月11日撮影)

(『平戸樋門』につづく)

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三栖閘門…2

(『三栖閘門…1』のつづき)

15091.jpg堤防上に戻ってから、ふと気づいてキョロキョロ。そういえば、以前ぷにょさんの「まちかど逍遥」の記事、「伏見をちゃんと散策(後編)」を拝見したときは、ゲートの上に上がって、写真を撮られていたっけな…。

で、「宇治川展望スポット」なる看板を、見つけたまではよかったのですが、入口の鉄扉が閉じているのに何となく気後れして、時間が押していることもあり、えい、いいやと結局入らずじまい。
今考えてみたら、実に惜しいことをしたような気が…。

15092.jpg
扉体の吊下部や戸当りをアップで。再整備されているだけあって、実にキレイです。

巨大な六角ナットで取り付けられたリンク、その上に続くごついチェーンと、ワイヤーと滑車中心の最近のゲートでは見られない、骨太なシビレル造形!
その左下にチラと写っている滑車類は、ストーニーゲート独特の梯子状ローラー。現在多用されているローラーゲートへの過渡期的なタイプで、梯子状に組まれたいくつかのローラーが、扉体と戸当りの間に挟まれながら動き、扉を円滑に上下させる仕組みになっています。

15093.jpg
リベットばりばりな扉体内側のトラス構造も、これまた美しいですね。
構造のすき間からも、スキンプレートのキャンバーが感じられるのが嬉しい…。ここで気づかされたのですが、私、キャンバーに弱いのかも。キャンバーフェチ(笑)。

15094.jpgふたたび堤防を降りて、西側から眺めたところ。扉体が取り外されたバイパス管は、開口部が完全に露出、手前の床固がほとんど水をかぶっていないところを見ても、宇治川の河床と水位が、いかに低下したかがわかりました。

宇治川がこの状態では、仮に閘門が稼働していたとしても、通船はかなわないでしょうね。


15095.jpg堤防を上がって閘室の横を歩き、反対側のゲートへ。

閘室横の小道は、ご覧のように太い角材が敷き詰められています。道の脇にあった説明板には、「防舷材歩道」と銘打ってありました。閘室の側壁に組みつけられていた、フェンダーの木材をばらして、再利用したものなのだそう。なかなか、粋な計らいじゃないですか。


(21年9月11日撮影)

(『三栖閘門…3』につづく)

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三栖閘門…1

(『伏見十石舟…3』のつづき)

15086.jpg約10分ほどの船行きで、三栖閘門に到着。以前は、記念物として保存されつつも、閘室は水が抜かれた状態だったのですが、再整備により船着場が設けられ、ふたたび閘室に水が入るようになりました。

著名な土木記念物であり、すでに各所で取り上げられているので、詳細は三栖閘門資料館のHPをご覧いただきたいのですが、以前訪ねた、名古屋の松重閘門(過去ログ名古屋の閘門…12参照)と同じゲート型式で、外観もよく似た雰囲気ということに惹かれ、一度訪ねてみたかったのです。

15087.jpgもはや動くことのない、静態保存の閘門とはいえ、水を張った閘室内は雰囲気充分。

太い木製のフェンダーが組みつけられた側壁に、大阪湾から琵琶湖まで打通していた、京阪間の大水運時代を彷彿、一人コーフン。この閘室内に、備前系の高瀬舟やマルコブネが、ぎっしり詰まって通航した時代も、あったんだろうなあ…。

15088.jpg閘室に設けられた船着場は、オーニングの日除けまで備えた立派なもの。
「15分後に帰りの船が出ますから、それまでゆっくり見学していってください」と船頭さん。エッ、わずか15分後…。

こりゃいかんと、慌てて舟を降り、まずは三栖閘門資料館へ。


15089.jpg資料館は、旧操作室を改築して、史料の展示棟としたものです。

期待した図録などの販売はなかったのですが、模型や展示物はなかなか立派で、小粒ながら見ごたえがありました。十石舟での見学者には、職員の方から詳しい説明を聞くことができます。

15090.jpg
資料館の見学もそこそこに(ごめんなさい)、表に飛び出して土手を駆け降り、宇治川方のゲートを観賞。濠川方より、扉体の天地が3割増し程度高く、堂々として見えます。スキンプレートにキャンバー(湾曲)がつけられているあたり、現代のゲートとは違った、古典味がありますね。

おや? ここで気づいたのですが、扉体のスキンプレートは、両方とも外側を向いているんですね。普通なら、水位の高い方、ここで言えば濠川に向けて揃えるのですが、やはり、宇治川の増水に備えて、この構造がとられたのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(21年9月11日撮影)

(『三栖閘門…2』につづく)

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