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旧水上警察署にお詫びしたい件

(『桜探し散策で…4』のつづき)

27036.jpg京浜運河の北口近く、東岸の警備艇や消防艇たちがもやう船溜に近づいてみると、以前と何かが違う。

もしやここも、ひょっとして…。




27037.jpgありゃりゃ、旧水上警察署の庁舎が、きれいさっぱりなくなっていました。

船隊ごと引っ越してしまった、臨港消防署(『臨港消防署の異変』、『臨港消防署の仮設庁舎』参照)とは違い、岸にもやう、警備艇たちのたたずまいはそのままなので、近づくまでまったく気づきませんでした。

27038.jpg
板囲いの中では、二台のユンボが大活躍しており、取り壊しというよりは、すでに後片付けといった風情。都内からまた一つ、水面と密接に関わってきた建物が消えてしまいました。合掌。

う~ん、それにしても、先日「旧水上警察署が微妙にやる気がない(?)件」などという記事を書いてしまったことが、心底悔やまれます。あの時点で、もう取り壊しが始まっていたのですね。よく見れば、背後の庁舎の周りが板囲いしてあったのもわかったはずなのに…実にお恥ずかしい。関係各位に、この場を借りてお詫び申し上げます。

27039.jpgお詫び方々、新艇のご紹介。
「視2 あおみ」湾岸署のサイトにも載っていないところを見ると、ピカピカの新型のようですね。

「ふじ」ほどの個性はありませんが、大きな上部構造物は収容力がありそう。フライブリッジを備えているところを見ると、河川や運河ではなく、港湾や島嶼部の警備を対象として造られたようです。

27040.jpg工場好きな方におまけ。
旧水上警察署に隣接した、品川埠頭の北端にある、東京菱光コンクリート・品川工場の岸壁風景をスナップ。

何ていうんでしょう、ちょうど浚渫船「雲取」(『6月7日のフネブネ』参照)についていたのと同じような、バケット付きコンベアを振りかざす荷揚げ設備がもう大迫力。東京では数少ない、水辺の一大プラントということもあり、意識されている方も少なくないのではありますまいか。
撮影地点のMapion地図


(22年3月22日撮影)

(『朝潮運河の浚渫風景』につづく)

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タグ : 京浜運河湾岸警察署警備艇

旧水上警察署が微妙にやる気がない(?)件

京浜運河の北口にあって、警備艇隊を擁し東京の水上を護る、旧水上警察署。ご存知のように旧水上署は、20年3月30日をもって湾岸警察署に統合され、現在この建物は、湾岸署別館と呼ばれています。

運河の船溜に各クラスの警備艇をずらりと並べて、庁舎の水際には修繕用船台も設けられているここは、通るたびに意識が吸い寄せられる場所でもあるのですが、今回は別の意味で…まあ、ちょっと失礼ではありますが、軽く脱力させられたモノを発見してしまいました。

20156.jpg
湾岸署となって早や2年目にならんとする今、ご覧のとおり、いまだに看板は水上署のままなのはいいとして(よくはないか?)、中途半端に貼ったガムテープが、ほとんどはがれてしまっているあたり…。

20157.jpg
ちなみにこれが、20年4月27日の状態。
旧ブログでも紹介したように、その中途半端な隠し方に、かえって興味を惹かれてしまい、首をひねりつつも苦笑したものです。
なぜ、全部隠すのではなく「東京水」だけ残したのかしら?
そしてなぜ、2年近く経って、しかもガムテープがはがれても放置されているのか?

まあ、不急のものに予算を使わない、と考えれば、あるいは評価に値するのかもしれませんが…。やはり、警察の威厳というものもありましょうから、素人目に見ても、看板はキチンとした方がよいのではと、愚考する次第であります。はい。

20158.jpg
いろいろとギモンを覚えつつも、庁舎前の桟橋にもやう、湾岸署のフラッグシップ「ふじ」がカッコいいので許してしまおう(偉そうだ)。

29総t、全長21.8m、警備艇の中では最大で、東京の島嶼部にも出動できる航洋性能があるとのこと。前後を斜めにそぎ落とし、その上にフライブリッジを重ねた、ピラミッド形の上部構造はなかなか個性的で、上回りがカサ高になってしまいがちなこのクラスの艇としては、群を抜くスマートさに思えます。
撮影地点のMapion地図

ちなみに、どうでもいい豆知識ですが、旧水上署、昭和初期のほんの一時期、旧海軍から移管された、もと駆逐艦(!)「有明」を、東京港取締船として運用していたことがありました。

駆逐艦と言っても、最近の何千tもあるようなものではなく、日露戦争時に竣工したものですから、常備排水量こそ375tと小型でしたが、やはり警察の船としては大きすぎたようで、昭和2年に就役後、わずか1年でお役ご免となったそうです。

参考文献:月刊「世界の艦船」2008年11月号

(21年12月13日撮影)

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タグ : 京浜運河湾岸警察署警備艇

京浜運河(東京) その1


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京浜運河(東京) その1
所在地:東京都港区港南3~大田区羽田空港1
延長:7.5km
最小水深:A.P.-3.0m
最小桁下高:A.P.+5.5m
メモ:京浜間内水ルートの北半部を形成する、水上交通の要衝。同名の本船運河が神奈川県にも存在するので、特に『東京』をつけて区別した。
水深、桁下高とも充分あるが、官公庁船艇をはじめ、曳船、客船を含めた通航は頻繁にあり、また繋船施設も多いので、通航時は注意を要する。
【「その1」の区間のメモ】西岸に天王洲運河青印)が分岐し、また天王洲南運河赤印)との十字流がある。北端部東岸には、湾岸警察署(旧水上警察署)の桟橋(黄印)がある。
小型船舶の繋留施設としては、ワールドシティタワーズの桟橋(緑印)があるが、入居者およびチャーター船利用者専用で、一般への開放はされていない。
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