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8月11日の墨田川造船辰巳

(『台風の前の荒川沖』のつづき)

285011.jpg追い波で船首を突っ込む動きは続いているものの、貯木場の防波堤ラインを過ぎると、それもだいぶやわらいできました。少しホッとして、錨泊するグラブ式浚渫船をスナップ。

辰巳埠頭まで北上すると水面もすっかり穏やかになり、いつものペースがようやく戻ってきました。ふと辰巳埠頭東端を見てみると、黄色い艤装桟橋に白い船影が! これは見にゆかなくてはウソというものでしょう。

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PC129「たかつき」。いや~、ここで艤装中の船艇を目にするのは久しぶりで、嬉しくなってしまいます。過去の記事を見返してみると、今年3月6日以来、約4か月ぶりですね。

久しぶりとはいっても、そんなに長い間というわけではなかったのですが、墨田川造船といえば海保を主に、続々と船艇を生み出している印象が強く、4ヶ月とはいえ、えらく長い間に思えたのでした。

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全体像も。浮きドック「すみだ100」に入渠船はなく、一隻ではありましたが、ここに艤装艇が在ることのこの、みなぎる充実感。波浪に悩まされた緊張感も吹き飛び、一気にリラックス。

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しつこいですが、正横からも一枚。これまでもここでたびたび目にしてきた量産艇、かがゆき型巡視艇の最新艇だそう。精悍なサイドビューが素敵ですね。どちらの保安部に配備されるのでしょう?

285015.jpg「たかつき」を堪能して反転、辰巳埠頭に沿って西へ戻り、新末広橋から辰巳運河へ入ることにしました。

貯木場のラインを外れると、ご覧のとおり結構な追い波が入ってきます。帆走界隈から見ればさざ波レベルでも大騒ぎする小心水路者とて、運河への入口は、本来の自分のフィールドに回帰するようなもの。巡視艇に逢えたよい気分を胸に、運河の懐に飛び込むのでした。
撮影地点のMapion地図

(令和4年8月11日撮影)

(『後楽橋の改修工事』につづく)

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タグ : 浚渫船巡視艇墨田川造船

6月18日のお散歩で

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ご無沙汰しております。6月18日は母港に用事があったためお休みをいただいて、せっかくなので2時間ばかり近所をお散歩してきました。その折のスナップを少しお目にかけて、生存確認的な小更新とさせていただきます。

曇り空の上靄もかかり、空気がもったりと重そうに感じる天候でしたが、水面は穏やかで走りやすいのが何より。曙運河を南下し新曙橋まで出ると、フェンスで囲った西側橋脚の向こうに土運船「68号千羽丸」の姿が。橋脚の向こうから、泥土をすくったユンボがニュッと顔を出しました。浚渫作業中だったのですね。

282002.jpg浚渫は水路徘徊者にとっての慶事、ニヤつきながら面舵を切って、おなじみ墨田川造船辰巳をのぞいてみたら‥‥。

ううん、今回も艤装・入渠艇なし。端境期なのか、寂しい状態が続いていますね。複数の船艇で賑わうさまをたびたび目にしてきただけに、残念でしたが、こればかりは致し方ありません。

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港内に出てから隅田川を遡上したところ、浜前水門が閉じているのに気づいて減速。おや、左側の堰柱は色が変わっていますね。耐震補強工事のようです。

向こうには、クレーン船らしいジブが突き出しているのが見えますね。水門に隣接した勝どきマリーナは、閉鎖のため出入りが不便になる上、作業船の碇泊で河道が手狭になり、工期中は大変だろうなあ‥‥。

282004.jpg日本橋川から亀島川に入り、一周する形で亀島川水門をくぐろうとしたところ、ちょっとした事件が。鳩が溺れていたのです!

水を含んだ重そうな翼でバチャン、バチャンともがくさまは哀れで、早速ゴースターン。堰柱にぶつかりそうになるのをだましながら艇を寄せ、「ほら、こっちだよ」と声をかけながら両手で引き上げてやり、何とか水難救助に成功。写真は救難直後、放心状態の鳩さんです。

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よく見てみると、出血は止まっていましたが左の肩に怪我をしており、ぶるぶる震えてもいたので、乾いた古タオルのウェスで拭いてからくるんでやり、まずは保温。河上でカラスにでも襲われて“撃墜”され、落水したことでかえって捕食はまぬがれ、命だけは助かったのかも‥‥と想像。

体力を消耗していたせいか、身じろぎもせず包まれていたものの、行き足を上げるとしきりにもがくので、エンジンの音や振動が怖いのだろうと速度をしぼったところ、おとなしくなりました。鳩さんをいたわるため、スローでの帰港であります。

帰港してから、さてどうしよう、しばらく家で保護した方がいいかしら‥‥と考えながら片付けていたら、羽毛が乾いてふっくらとし、体力も回復してきたのか、全力で暴れ始めたのです。

せっかく助けたのに、また落水したら元も子もありません。心配ではありましたが、暴れる鳩をなだめながら、木や下草の茂った公園の緑地まで連れて行ってやり、放鳥することに。意外としっかりした足取りで、草むらへ消えていったのを見送って、艇に戻ったのでありました。

(令和4年6月18日撮影)

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タグ : 曙運河新月島川亀島川浚渫船浜前水門墨田川造船水辺の鳥たち

早起き近場散歩…4

(『早起き近場散歩…3』のつづき)

274016.jpg西側では、運河内へ桟道状に敷設された、首都高羽田線の高架が更新されている工事が続いていますが、何んとなく目を引かれたのがこれ。

上下線の接続部になるものでしょう、桁の側面に開口した窓に、どこかブラウン管テレビを思わせる造形のものが、いくつも顔をのぞかせていました。「あ、テレビっぽい」と思っただけで、特に意味のないおそまつですが‥‥。

274017.jpg天王洲南運河との十字流、右手にはおなじみ若潮橋(仮橋)。5年前こちらにも書きましたが、初めて意識してからもう14年になります。

「仮橋」と大書きしたのもさることながら、仮設構造物としての息の長さも珍しく、印象深い橋ではあります。すでに昨年6~8月、上下線がそれぞれ供用され、役目は終えているはずですが、撤去が進んでいないようですね。

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京浜運河北口の顔といえば、湾岸署水上安全課、そして隣接した高輪消防署・港南出張所の船溜に連なる、警備艇と消防艇群。

フラッグシップ的存在の20m級、「ふじ」以下各艇が憩うさま、夏の五輪警備下で、緊迫した雰囲気の印象が鮮やかなので、今さらながら日常が戻ってきたことを確認して、何かホッとさせられたような。お疲れさまです。

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運河北口のもう一つの顔、浚渫船「海竜」。光線の塩梅もよろしく、早起きは3文の得と独りごちて一枚。

先代の浚渫船「雲取」は、休日で稼働していなかったとはいえ、作業地で船団を組んでいるところに何度か出くわしましたが、「海竜」になってから、出動風景はいまだに拝めておらず。掃除機のように水底の泥を吸い込んでいるところ、一度でいいので見てみたいものです。

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微速で航進しながら「海竜」にカメラを向けていたら、警備艇「かわせみ」が帰港してきました。こちらもいい角度で陽射しを浴びて、よい表情です。乗り組みさんがフェンダーを下げて船首に向かい、達着の準備をしているのも一息ついた感じで、好きな一枚になりました。
撮影地点のMapion地図

(令和3年11月14日撮影)

(『早起き近場散歩…5』につづく)

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タグ : 京浜運河警備艇浚渫船

10月24日の内部河川…12

(『10月24日の内部河川…11』のつづき)

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「お世話様でした~」とお礼を言上しながら、閘室を出て微速前進。振り返ってみると左手、工事中らしくわさわさと落ち着かない様子。小緑地でもできるのかな?

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小名木川の西側、感潮区間も台船や曳船があちこちにもやい、護岸やテラスの工事が続いているのは横十間川同様。写真は閘門を出てすぐ、大横川との十字流東側にいたクレーン船「東庄丸81」の甲板上。

錆色の巨大なグラブがごろりと転がしてあるさま、何回か見かけましたが、やはり惹かれるものが。怖いもの見たさというか、鉄の爪が発散する禍々しさがまた魅力といったところでしょうか。

273058.jpg大富橋の西では、コンクリートスラブらしい板を並べた台船に目を奪われました。表面に鉄筋がトゲトゲと突き出ており、裏面には一方に「返し」の曲面が‥‥ははあ、これからテラスの護岸に貼るのですね。

テラスはさらに前進して、河道は狭まることになりますが、耐震性を強化したものになるとのことですから、より堅牢で安全性の高い散策路となることでしょう。


273059.jpg小名木川では、この秋初めての冬鳥の姿を見ることができ、嬉しくなりました。えーと、ヒドリガモかな? 間違っていたらごめんね。

10羽ほどの群れで、こちらを警戒しながらも飛び去ることなく、静かにたたずんでいる風情。クリッとした黒い目が可愛らしいですね。これからさまざまな水鳥たちが帰ってくると思うと、楽しみです。


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さて、新名木川水門をくぐって、隅田川に出るとしましょうか‥‥と、振り返ったら、あらら、閉鎖されていた左径間、堰柱が切断、撤去されているじゃないですか。

やはり左径間はこのまま廃止となり、右側2径間を活かした水門として再構成する気配が濃厚になってきました。いや、マイタゲートやセクターゲートとか、ゲート形式を変えて復活する可能性も‥‥(ブルブル頭を振って)ありませんね。
撮影地点のMapion地図

(令和3年10月24日撮影)

(『新旧の「汐路丸」とともに』につづく)

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タグ : 小名木川江東内部河川扇橋閘門閘門浚渫船台船水辺の鳥たち新小名木川水門

お花見水路の道々で…10

(『お花見水路の道々で…9』のつづき)

263046.jpgいったん途切れた護岸工事の区間は、東深川橋の東側でふたたび鋼管矢板が両岸に並び始め、その奥ではこれも先ほど同様、浚渫作業中の様子。

工事で徐航や交互通航の区間が設定されるのは、一見面倒なように思えますが、趣味者の視点ではいうまでもなくごちそうの部類。平日でなくては拝めない光景ですからね。

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接近中に、ユンボがガバーッと水しぶきを上げ始めたので、ズームでたぐって一枚。いいシーンがものせたとニンマリです。拙者、浚渫大好き侍に御座候‥‥。

263048.jpg大横川との十字流に至れば、扇橋閘門も間近。最近通閘していないし‥‥と吸い寄せられそうになりながら、本日のお題はお花見と、後ろ髪を引かれる思いで面舵。

前扉室の手前では、一人のんびりと開扉を待つカヤックが。水位低下化区間の桜も、ちょっと見てみたかったなあ。


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この日の干潮は、12時43分にA.P.+0.08mという推算潮位。通航時刻は12時を少し過ぎたところで、低い橋の連続する大横川を通るには、まこと格好の潮時というわけです。

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いや、このボリューム感! 練兵衛橋~東富橋間の濃厚さ、枝の低さには数歩譲るものの、この小名木川以南の南北に走る区間も、大いに堪能できる美しさと量感を備えていますよね!

(令和3年3月31日撮影)

(『お花見水路の道々で…11』につづく)

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タグ : 小名木川大横川江東内部河川扇橋閘門閘門浚渫船