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7月22日の多摩川水門めぐり…6

(『7月22日の多摩川水門めぐり…5』のつづき)

221061.jpg腰を上げようと水門に近づいたら、ふたたび電車の通過音がしたので、振り返って元運河の水面にお別れの一枚。「運河橋梁」の名前がわかったのも収穫でした。

写真ではよくわからないかもしれませんが、左手の護岸はフェンダーこそ残されているものの、フラットは緑地と柵が設けられていて、荷揚場としての機能は失われています。

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221063.jpg扉体の端面をものしようと頑張ってみたのですが、見事に失敗。扉体はフロントローラー式スライドゲートという形式こそ維持されたものの、更新後のすっきりした溶接構造で、装飾豊かな堰柱とは対照的です。

水門をくぐった両岸のテラス、10年前は東側のテラスを掲載したので、今回は西側を。猛暑も手伝ってか夏草の勢いは繁く、レンガの法面やテラスごと呑み込まれそうですね。

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お次は対岸、六郷水門を目指して河道を横断しましょう。こちらも岸近くの浅場に葦が密に繁って、遠目に見るとモコモコとした緑のかたまりに、水門が埋もれているよう。どこか可愛らしさを感じさせる風景です。

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そうそう、以前から気になっていた物件‥‥というか、船を一つ。河道のど真ん中に、オーニングをかけたポンツンボートが錨泊しているんですよ。

今回初めて近づいてみたんですが、船外機は2基がけ、ブイやら胴長やら道具類が雑然とあって、古びてはいるけれど、放置されているわけではなさそう。シジミ採り漁師さんのベースか何かでしょうか?

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の多摩川水門めぐり…7』につづく)

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タグ : 河港水門 六郷水門 多摩川

7月22日の多摩川水門めぐり…5

(『7月22日の多摩川水門めぐり…4』のつづき)

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221057.jpg最奥部近くまで進んで、気になる大師線の鈑桁橋を見てみました。線路の位置からして、中路式でしょうか。送電鉄塔を兼ねていた架線柱、切断されて短くなったんだ。あっ、右端に何か白いペンキで書いてありますね。きっと塗装の記録でしょう。あれが読めれば、何かわかるかもしれません。

ズームでたぐってみると‥‥フェンス越しなので、何枚か撮ったもののピンボケになってしまいましたが、何とか読めますね。「運河橋梁」! そのものズバリの名前であることが判明。埋め立てられる前は、この下を独航艀がくぐったこともあったのでしょうか。

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右側、西岸はご覧のとおり、宇部のコンクリートプラントがあって、建材である砂を積み下ろす荷揚場になっていました(過去ログ『河港水門…2』)。‥‥が、今回見てみると、写真左にあったはずの荷役用のグラブ付きクレーンは姿を消しており、活気がありません。

221059.jpg囲壁の中にてんこ盛りになっていた砂も、きれいに消え失せていました。う~ん。これは恐らく、建材の艀輸送は廃止されたのでしょうね。

私がご無沙汰している間に、実用運河としては、すでに終止符を打ってしまっていたわけか‥‥。残念ですが、澪筋をたどっていたあの独航艀の姿も、もう目にすることができなくなったようです。

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最奥部から河港水門を眺めて。古びたフェンダーが連なるコンクリートの岸壁、無骨な管橋と、ディテールはまさに工業地帯の匂いそのものながら、物流の路としての使命は終えたであろう水面。

大運河構想は潰えても、ささやかながら建材の荷揚場として活用される様子に、どこか救いに近いものを見出していたのですが‥‥。また一つ、河川舟運の終焉を目の当たりにして、何とも寂しい気持ちになったのでした。

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の多摩川水門めぐり…6』につづく)

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タグ : 河港水門

7月22日の多摩川水門めぐり…4

(『7月22日の多摩川水門めぐり…3』のつづき)

221051.jpg擦過痕こそ目立つものの、レンガの壁面は目にじんわりくる色合いで、味がありますね。ゆるく開角をつけた角の部分には、石材が用いてあるのもいいアクセントになっています。

前回訪問時も触れましたが、この水面上1mくらいまで彫られた溝、何のためにあつらえたのでしょうね。量水計でも備えていたスペースにしては、ボルト痕などが見られませんし、ちょっと見当がつきません。

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裏側を仰いだところ。表との違いは、堰柱に堤防道を照らす電灯が各1個備えられている点。管理橋桁側面中央の銘板ぽいもの、こちらにもありますね。水管橋(?)が併設されていて、高欄のディテールがよく見えないのはちょっと惜しい気が。

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向かって左手、西側の堰柱に掲げられた銘板。周りを額縁風にあつらえていて、力の入れ具合が感じられますよね。その上には、近年になって追加された登録有形文化財、近代化産業遺産指定のプレートも。

221054.jpg堰柱のすぐ左には、少々痛んでいるものの説明版も設けられています。さすが国登録有形文化財、ぬかりありません。

気になるのは、改築前の巻上機室、「エジプト様式の船のレリーフ」があしらわれていたとのこと。むう、そんな素敵なものが改築時に失われてしまったとは。竣工時の絵葉書でも出てこないかなあ。

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船首方へ向き直り、水面の終端と京急大師線の橋に正対しました。青く塗った鋼矢板というのも、ちょっと珍しい気がしますね。

周囲の雰囲気も、10年前と比べてだいぶ、寂しくなったような。ともあれ、まずは奥まで進んで、鉄橋を観察してから転回しましょう。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の多摩川水門めぐり…5』につづく)

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タグ : 河港水門

7月22日の多摩川水門めぐり…3

(『7月22日の多摩川水門めぐり…2』のつづき)

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河港水門といえば、両堰柱のトップを飾るコレ! 写真は東側堰柱をアップにしたもの。

竣工当時‥‥大正末から昭和初期のご当地が誇った農産物、すなわちブドウ、桃、梨を盛った果物籠を表現しているのはわかっているのですが、モディファイの妙が俗人の及ばない高みにあるのか、はたまた無学な船頭儀に見る目がないのか、おっしゃるような果物をいま一つ見出すことができず、今日に至っています。

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せっかく久しぶりに来たのだからと、西側堰柱の「果物籠」にもぐっと迫って。強いていえば、両堰柱の「果物籠」とも、手前に配されているツブツブしたのが、ブドウに見えなくもないといえば‥‥イヤ、どちらかというとツブツブが野イチゴに見えるなあ‥‥。だいたいあの、ところどころに見える目玉みたいのは何でしょうか。軟体な魔物が無数にある目をぎょろつかせているようで、想像力のベクトルがあさっての方向にかき立てられる始末です。

まあ、水門の装飾で、これほど引力を感じ、かつあれこれと想像力を刺激するものは他にないわけですから、ある意味、河港水門は最強! と断言できるのではないでしょうか?

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冗談はさておき、進入開始であります。先ほどよりだいぶ迫った位置で、ぐっと仰いで一枚。径間9.01m、扉高7.4m相応の質量が、頭上に覆い被さろうとする一瞬。

前回訪問時に紹介しましたが、10年ぶりなので、改めて「鋼製ゲート百選」(技法堂出版・平成12年)から諸元を書き出しておきます。大正15年着工、昭和3年竣工、昭和61年改築。事業者は川崎市、施工会社は当時の浦賀船渠。

221049.jpg開閉装置はチェーン駆動で、堰柱内部にカウンターウェイトを備え、均衡させる方式なのは三栖閘門と同様ですね。

扉体はフロントローラー式スライドゲート。右写真はその、フロントローラーを見たところ。初見時、扉体は角落しのように、継ぎ目から分割して降ろせるのかしらと思っていたのですが、今回観察したら、各フロントローラーに至る潤滑油の配管らしきものがつながっていたので、少なくとも今は一体で上下するのでしょう。


221050.jpg扉体を過ぎた直後、管理橋を仰いで。気になったのは、桁側面中央、縦に貼られた銘板みたいなもの。凝った形をした割には、何も書かれていませんでした。

水門周りの方は保全されてきれいでも、橋はコンクリートが剥落し、鉄筋が露出していて痛々しいですね。富山の中島閘門でも同様でしたから、手の回らない部分が出てきてしまうのは、古いゲート施設共通の悩みなのかもしれません。

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の多摩川水門めぐり…4』につづく)

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タグ : 多摩川 河港水門

7月22日の多摩川水門めぐり…2

(『7月22日の多摩川水門めぐり…1』のつづき)

221041.jpg大師橋上流、河中に立つ高圧鉄塔のあたりは、澪筋がいま一つはっきりしない区間があり、ちょっとドキドキするところ。おおむね河道中央から北岸寄り(東京側)を取って、あとは魚探の感に注意しつつ遡上します。

水面から生える(?)鉄塔は、こと可航水路では数が少ないせいもあり、惹かれる存在ではあります。ノッポの脚をズームでたぐって一枚。

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221043.jpgさて、大屈曲の外側に見えてまいりました、河港水門です。過去ログを見ると前回の訪問が20年9月5日

多摩川にはちょいちょい訪れていたのですが、どういうわけか足が向かず、実に10年ぶりの再訪なのでした。夏草の濃い緑豊かな高水敷の向こうに、あの特徴ある堰柱が、変わらぬ風情でたたずんでいます。


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ご無沙汰の一枚を真正面から。西には三栖閘門松重閘門のように、装飾性の高い(?)ゲートがいくつか現存していますが、関東で同レベルのものというと、河港水門をおいて他にないのではないでしょうか。もっとも、2つの閘門はすでに現役を退いていますが、こちらは保存でなく、稼働中というあたり興趣が注がれる点です。

何分夏の盛りとあって、澄んだ空気と抜けるような空は望むべくもなく、せっかくのいいお顔もシャープさに欠ける写真になってしまうのが残念でしたが、異彩を放つ堰柱と、夏草に覆われんばかりのレンガの法面、昭和一桁の水門の佳さが凝縮したような姿を前にして、しみじみ来てよかったと思ったものでした。

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しかし、護岸など垂直な部分だけでなく、法面まで丸ごとレンガで覆われている、というのはあまり見ないだけに、目の当たりにすると凄く新鮮です。さあ、くぐりながら堪能してみよう、と戻したスロットルをコツンと投入した瞬間、京急大師線の電車がゴオッと通過。

かつては線路をくぐって、造りかけの運河が伸びていたわけですが、埋め立てられた今も鉄橋はそのままです。後であの橋も眺めてみましょう。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の多摩川水門めぐり…3』につづく)

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タグ : 多摩川 河港水門