さようなら、旧イグアナクレーン

船橋港を訪ねた帰りのお話ですが、「イグアナ讃歌…1」ほかの後日譚ということで、とり急ぎ。

旧イグアナクレーンはどうしただろう、あれから一月以上経ってしまったし、撤去作業も終わってしまったかな、と越中島駅を訪ねてみると‥‥。

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200_003.jpgやはり‥‥。

予想はしていたものの、長年見慣れていたものが消え失せたのですから、寂しいことには違いありません。そのあたりに解体した部材でもまだ置いていないか、岸壁沿いを流しながら探してしまいましたが、一カ月と10日の日にちをあけたればこそ、もちろん欠片もなく。
旧、いやさ、元祖イグアナクレーン、長い間お疲れさまでした‥‥。

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まあ、塗色のほかは外観もほとんど変わない新クレーンが、新造されて代を重ねたというそれだけでも、東京の舟運施設としては、まったくもって稀有なこと。寂しさと同時に、艀輸送が続いてゆくことの安堵感もまた、あるわけです。

目に沁みるような冬の蒼穹を背に、先代と変わらぬ姿でふんばり始めた新・イグアナクレーン! これからも運河の名物として、行き来するフネブネに乗る人々の目を楽しませるに違いありません。
撮影地点のMapion地図

(28年12月31日撮影)

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タグ : 汐見運河 イグアナクレーン

11月20日の川景色…1

(『イグアナ賛歌…4』のつづき)

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199022.jpg墨田川造船の艤装桟橋をのぞいてみると、「10月30日のフネブネ」で見たときとあまり変化はなく、巡視艇「あわぎり」と消防艇「ありあけ」がもやっていました。よく見ると「あわぎり」は船首にハンドレールが取り付けられており、艤装の進捗がうかがえます。

自転車が賑やかに往来するしおかぜ橋をくぐり、汐見運河をそのまま西進。静穏な好天の下、滑らかな水面は両岸の風景を映し、まことに快適な微速航行です。

199023.jpg汐見運河の西口付近、蛤橋にさしかかると、橋脚に足場をまとって工事中の様子。低い桁下高が、なおさら低く見えますね。

低いとはいっても、マストを立てたままくぐれる程度。この時点での推算潮位は、だいぶ高めの159㎝、桁下高はA.P.+3.8mと汐見運河最低橋とはいえ、歴戦のすり抜け経験を有する我が艇からすれば、ものの数ではありません(威張ってどうするか)。

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豊洲運河に出て面舵、さらに西へ。最近まで深川政府倉庫があり、現在は更地となっている一角、ぱらぱらとした感じながら木々が紅葉して、なかなかきれいですね。この様子なら、河畔の紅葉を拾って歩けそうです。

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隅田川派川に入ったところで、さっそくもう一つ。明治丸の山吹色のマストと、紅葉のコントラストに目を奪われました。
撮影地点のMapion地図

(28年11月20日撮影)

(『11月20日の川景色…2』につづく)

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タグ : 汐見運河 東雲北運河 豊洲運河 巡視艇 消防艇 墨田川造船 明治丸

イグアナ讃歌…4

(『イグアナ讃歌…3』のつづき)

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旧クレーンの真正面を‥‥と、少しずれてしまいましたが、新クレーンとみくらべて、どうでしょう。四肢の関節(?)のあたり、旧の方が新より少し線が細い感じが‥‥。塗色のせいで、新のそれが膨張して見えているのかもしれません。

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いずれにせよ、旧クレーンとの逢瀬も、これが最後かもしれないと思うと、しんみりしてしまいます。できるだけ近寄って、ぐっと仰いだところもスナップ。

「イグアナクレーン」で検索してみると、もはや固有名詞でなく、港湾部でコンテナを荷役しているものまで、用法は広がってしまっているようですね。
しかし、レールセンターの彼に一躍脚光を浴びせたのは、「うまい!」と思わずヒザを叩くくらい、ピッタリのニックネームを発案された、佐藤淳一氏のおかげと申してよろしいでしょう。初出は「イグアナ・クレーン」(Das Otterhaus)。一部で誤解されているように、タモリさんが名付け親ではありません。

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ああ、次に訪ねたときには、もう撤去されているかもしれないのですから、まあ、立ち去りがたいですのう‥‥。新旧イグアナ、両雄居並ぶシーンを岸壁にぐっと寄せた目線から。

クレーンが更新される場面を実見して、レールの艀輸送は当面継続される、と勝手に理解していますが、本当のところはどうなのでしょう。詳しい事情をご存知の方、間違いがありましたらご遠慮なくご指摘ください。

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199020.jpgしつこいようですが、後ろ髪を引かれもう一回振り返って。港湾にある近似種(?)と違い、どこか哀愁が感じられる遠目から見た姿。江東運河地帯のアイドルとして、新クレーンにも大いに活躍していただきたいものです。

岸壁を離れようかと舵を切ったところで、後続艇が一隻追い越してき、東雲北運河へ入ってゆきました。そうだ、墨田川造船に寄って、新造艇を拝見しましょうか。

(28年11月20日撮影)

(『11月20日の川景色…1』につづく)

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タグ : 汐見運河 イグアナクレーン

イグアナ讃歌…3

(『イグアナ讃歌…2』のつづき)

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しばらく見ているうちに、当初の興奮も少し冷め、落ち着いて眺められる余裕が出てきました。東の側面から岸壁に沿って流しつつ、じっくり堪能してまいりましょう。

新クレーンは作業中ですので、あまり寄せるのははばかられますから、迷惑をかけない範囲で、という但し書き付きではあります。

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旧クレーンでは定番の、正面からいいお顔を初ショット。細部には違いはあるのでしょうが、四肢の太さといい角度といい、本当に瓜二つですね。

旧クレーンにいつもしていたように、微速航過しながら変わりゆく表情を仰ぎ見るにつけ、レールの艀輸送が続けられることになって、よかったなあ‥‥としみじみ。揚搭設備が廃止され、実用舟運の船影が消えてゆくのを、この10年いくつか見送っただけに、感慨も深いものがありました。

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199014.jpg地表から伸びる二組の足場はちょうど、四肢の付け根の真下あたりにあり、継手の作業をしているのでしょうか。レールを吊り下げるトロリーは、まだ取り付けられていないようです。

過去にも何度か見かけた、ブチの犬の絵柄をあしらった小型ディーゼル機関車。今日は岸壁近くの線路にいるようで、ボディがよく見えますね。キャブがずいぶん高く造られているのは、何か理由があるのでしょうか。

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ディーゼル機に視点を据えたまま、ズームをぐっと引いてみたところ。旧クレーンの腹の直下に、ブチ犬機関車が休んでいるという、ちょっとのどかな感じの光景。

小型機関車とはいえ、結構なかさのあるこれが、イグアナクレーンの下では豆粒のよう。港湾の超巨大クレーンとはくらべるべくもない規模ながら、そのスタイルといい、存在感といい、運河においては間違いなく、彼が王様でありました。

(28年11月20日撮影)

(『イグアナ讃歌…4』につづく)

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タグ : 汐見運河 イグアナクレーン

イグアナ讃歌…2

(『イグアナ讃歌…1』のつづき)

199006.jpg木立ちの北端が視界の左に去ってゆくにつれて、岸壁の奥が開けてきました。
あっ!

見慣れたグレーのトラス、間違いない! イグアナクレーンは健在で、緑のそれは新しいイグアナクレーンだったことが判明。いや~、ホッとしたと同時に、これから「旧」イグアナクレーンとお別れしなければならないと思うと、複雑なものもあったのですが‥‥。

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新旧2基が仲良さげに並んで、四肢をふんばった姿を汐見運河の水面に映している情景が目に入ると、今しか見られない、貴重極まりないこれを、全力で眺めてやろうという気持ちが湧き上がってきました。次に訪れたときには、もう旧クレーンがなくなっている可能性が高いのですから。

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幸い、周りに他の艇はいないようだし、思うさま鑑賞できそう。最微速で流しつつ、近寄りながらまずは汐見運河東口をそのまま航過、側面を眺めてみましょう。

しかし、見れば見るほどそっくりですね。用途や移動用レールの都合から、形が似てしまうのはわかるにしても、四肢の取付角といい、トラスの斜材のピッチや数といい、一見したかぎりでは、同じ図面から起こされたように感じられるほどです。

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近寄ってみて驚かされたのは、今まさに組立作業の真っ最中であったこと。写真は脚の付け根をズームでたぐったところですが、高所作業車のゴンドラに作業員の方が見えますね。

足場や重機の存在から、組立の途中であることはわかっていたものの、休日であるこの日も作業を続けていたとは思いませんでしたから、びっくりしました。それほど完成が急がれているのか、単に平日は荷役の邪魔になるため、組立ができないのか‥‥。

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ほぼ側面から。グリーンの塗装、薄雲を刷いた空をバックにしても、よく映えて目立ちますね。

この時点で気づいた新旧の違いといったら、運転室の背面にある換気扇のフードらしいものと、何かの配管のあるなしくらい。いや、これほど似ているということは、旧クレーンがそれだけ理にかなった、他をもってして代えがたい形だったのだと思わざるをえません。
撮影地点のMapion地図

(28年11月20日撮影)

(『イグアナ讃歌…3』につづく)

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タグ : 曙北運河 汐見運河 イグアナクレーン