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水郷ちょい散歩…6

(『水郷ちょい散歩…5』のつづき)

309026.jpg高水敷に降りて前扉室ゲートを眺めていたら、西側からときならぬ爆音が。トーイングボートがウェイクボードに乗った人を曳航して、プレーニングしてきたのです(動画はこちら)。

右へ左へとポジションを変え、引き波でジャンプしたりと見事なものでしたが、高速で滑走しているわけですから、低い高水敷はざんぶりと引き波で洗われることに。予測はできたので、先客の釣人さんと一緒に早めに避難したため、足を濡らすことはありませんでしたが。

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堤防上に戻り、こちらも久しぶりの訪問とあってディテールをいくつか記録。閘門の東側隣接地に設けられた、大割排水機場の建屋を正面から一枚。

新横利根機場の大規模かつ頑丈そうなそれとは一転、住宅と見まがうようなおとなしい外観で、遠目にはいわれなければそれとわからない、一種ステルス(?)的なデザインではあります。

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大割排水機場の柵に掲げられた、県営湛水防除事業の説明板。事業の目的や受益エリア、排水機場や排水路など施設の位置が詳しく述べられていて、しばし興味深く拝読。

目にした瞬間、図示された区域が、まさに水郷十六島そのものなのに惹かれて歩み寄ったのですが、図中にも本文にも、十六島の文字はなく、寂しく感じたものです。まあ、十六島は地名ではなく、地元かぎりの通称レベルとみてよいものですから、仕方がないのでしょうが。

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こちらは前扉室の前、堤防道の柵に掲げられていた、水利使用標識なる看板。取水量の表組みにある、「苗代期」「代搔期」「普通期」の表記に惹かれて記録。

閘門自体が通航のたびに流す水量は、わずかなものでしょうから、これは排水機場を経た導水量ということになるのでしょうか。十六島の内水は、周囲の排水を維持するため水位低下化されているとはいえ、大割水路からポンプアップで田圃への給水の役割を果たしていることがわかり、興味深いものがありました。

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排水機場前から前扉室ゲートを見て。こう、平坦な風景の中に、にょっきりとゲートが"生えて"いるかの如き風景、いかにも水郷に来た、という感じがして、閘門好き、そして水郷好き冥利に尽きるといっていい過ぎでない一瞬です。

ほんの短い時間でしたが、心からリラックスできたよいお散歩でした。この後天気が崩れるという予報もあったので、少し早めに発つことにし、十六島を後にしたのでした。
撮影地点のMapion地図

(令和6年1月2日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 常陸利根川大割閘門閘門水郷

水郷ちょい散歩…5

(『水郷ちょい散歩…4』のつづき)

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新横利根閘門の管理橋上から、東側を望んで。常陸利根川の川面を左手に見ながら、気持ちよく伸びる堤防道‥‥。高所の乏しい地勢だけに、この高まりが貴重なビューポイントになっているのがわかります。

ここで新横利根閘門を離れ、この道をたどって東へ向かいました。このときはまだ、流れる雲にときどき切れ目があって、明るかったのですが‥‥。

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次の寄り道先、大割閘門に着いたときには、残念ながらどんよりと重苦しい空に。まあ、せっかく来たことだし、こちらも堪能してまいりましょう。

このだいぶ手前で車道は堤防から外れ、右手の少し低まったポジションをキープしつつ平行する形に。大割閘門は小舟艇しか通らない小型閘門ゆえ、閘室を渡る管理橋の桁下高が低く、前後の道に着けられた勾配も、ごく緩やかであることがわかりますね。

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309024.jpg堤防道の上から南側、後扉室を見て。堤防道と車道、二本の道が径間の狭い閘室上を渡っているので、柵囲いとガードレールばかり目立ち、閘門らしからぬ感じすらする角度。

右に掲げた前扉室堰柱の銘板でもわかるとおり、径間わずか3.3m、極小閘門のカテゴリーに入れてもおかしくない規模ですから、関心がなければ溝を渡ったレベルの実感すらないでしょう。こんなに小さくても、バイパスゲートを擁する本格閘門であるあたりに惹かれるわけですが(通航時の様子はこのへん参照)。

径間の狭さにくらべ、閘室長が長いのは、観光の繁忙期にサッパを数隻はいっぺんに通航させないと、さばき切れないためと思われますが、コロナ禍からこの方、最近はそんな賑わいも戻ってきたのでしょうか。

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高水敷に降りて、前扉室を一枚。やたらと目立つ巻上機室への螺旋階段、堰柱直前の狭いスペースを占めてにょっきり生えるバイパスゲートのスピンドルケースと、小閘門ゆえといえる一種アンバランスな魅力が見てとれる角度。

小さくとも、略式なところが一つもないんですよ、もうフル装備。模範的小閘門というべきか、小閘門の華というべきか。お隣の加藤洲閘門と合わせて、閘門バカとしては手放しで誉めたくなるものがあるわけです、はい。
撮影地点のMapion地図

(令和6年1月2日撮影)

(『水郷ちょい散歩…6』へつづく)

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タグ : 常陸利根川新横利根閘門大割閘門閘門水郷

水郷ちょい散歩…4

(『水郷ちょい散歩…3』のつづき)

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管理橋上から閘室と後扉室ゲートを眺めて。直下の水面を見ると、扉体からの滴による小さな波紋がまだぽつぽつと続いていて、閘門らしさを感じさせ風情がありますよね。

ちなみに十六島にある閘門の"ビッグ3"は、附洲の浪逆浦閘門が径間6.4m・閘室長25m、マイタゲートの横利根閘門が径間10.9m・閘室長90.9m、そしてこの新横利根閘門が径間15m・長さ40m。径間数mクラスの小閘門が多い十六島とその周辺では、これらも大型の部類といえるわけです。

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309018.jpg同じく管理橋の上から、新横利根機場の建屋を。15年前の写真と見くらべてみましたが、古びただけで大きな変化はないようです。東端にある附洲のそれと並んで、十六島を護る排水機場の中では大型の、いわばフラッグシップ。十六島の内水は地域の排水を維持するため、水位低下化河川となっていますから、これらの設備が洪水時だけでなく、常時稼働していることが大前提なわけです。

右写真は、前扉室堰柱に掲げられた銘板群。上から竣工時の関東地方建設局によるもの、平成7年3月に水資源開発公団が掲げたもの、そして先ほど後扉室にもあった、平成26年のバイパスゲート更新時のもの。

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前扉室の川表‥‥常陸利根川の高水敷から仰いでみました。扉体と巻上機の重量を支える鋼桁の存在が強調されて、魅力的な角度です。

しかし、枯れているとはいえ、蔦が左の堰柱から巻上機室前面を覆っているのは、壁面がコンクリート生地とあって劣化を促進しそうで、ちょっと心配になります。

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せっかく久しぶりに訪ねたのだからと、前扉室堰柱の銘板も。閘門の銘板、こういう毛筆ベースの青銅色エンボスのタイプが、風格があっていいですよねえ。

揮毫者の名前が入っていないことが多いですが、慣習的に担当部署の部長さんとかなのかしら。このあたり、機会があったらお話を伺ってみたいものです。

(令和6年1月2日撮影)

(『水郷ちょい散歩…5』へつづく)

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水郷ちょい散歩…3

(『水郷ちょい散歩…2』のつづき)

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後扉室前から南、横利根川の流路を望んだところ。穏やかな水面と、平坦で開けた両岸が織りなす川景色、まさに水郷風景、といいいたくなる爽快さ。

右手、鋼板のスロープが見えるところはマリーナで、何かのイベントでもあるのかクルマが盛んに出入りし、賑わっていました。

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閘室横に移動し、前扉室ゲートを愛でて。こうして切り取ると、堤防の高い割に扉体が低く異様に見えますが、管理橋の桁下高を稼ぐために、その前後のみ土を盛っているだけで、実際の堤防がごく低いのはご存じのとおりです。

信号の灯器が、管理橋の桁中央でなく右端に寄せて設けられているのが、ちょっと変わった感じ。高欄には電路の管が数本併設されて、閘門を構成する設備の一部であることが実感できます。

309013.jpgふと足元に目をやると、柵に放置されたもやいがあって、表面に見慣れた黒い貝がびっしり、付着しているのに気づきました。えっ、これはエンジンクランプによく付いている、カラスガイ(正しい呼び名かどうかわかりませんが)じゃないか!

海水の混じる汽水域でない、淡水でもいるのかしらと首をかしげていたら、国内固有種のカラスガイは淡水域に生息しているもので、海水・汽水域にいるのは、よく似た外来種のムラサキイガイなんだそう。なるほど。

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水郷の閘門とくれば、ごく一部を除いてセルフ操作と相場が決まっているもの。管理者による遠隔操作の閘門しかない東京水路の民としては、どうにもうらやましいものがあります。

やはり操作用把手‥‥プルスイッチ群に目が吸い寄せられてしまうのは、閘門好きとしても大きな魅力の一つであるからでしょう。何度か体験させてもらいましたが、いいものですよそりゃもう。

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管理橋へ向かって上る法面の途中から、扉体を見下ろして。上端左右に突き出た休止フック、メンテナンス用の梯子など、ディテールが見て取れ一人うなずく不審者。

径間を通して、水面にさざ波を作りながら冷たい川風が吹き抜ける、静かなひととき。閘門散策の醍醐味の一つは、この川風と静けさかも知れません。


(令和6年1月2日撮影)

(『水郷ちょい散歩…4』へつづく)

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水郷ちょい散歩…2

(『水郷ちょい散歩…1』のつづき)

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15年ぶりの訪問ということも手伝い、ディテールをあれこれ拾っておきたくなりました。まずは目の前にある後扉室ゲート、西側堰柱に掲げられた銘板から。星霜(?)を経ただけあって、風格が増してきましたね。

以前と違うのは、真下にもう一枚、バイパスゲートのプレートが取り付けられていたこと。平成26年3月、飯田鉄工株式会社とありました。設備を更新した折のものでしょう。

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309008.jpg対岸に目をやると、併設の排水機場‥‥「水機構新横利根機場」の建屋が。質実剛健、堅牢そうな外観は以前と変わっていません。

建屋の右手、柵沿いに掲げられた「新横利根閘門の通航について」と題した看板もズームでたぐって一枚。通航船艇の大きさは長さ37m、幅14.6m、水面上の高さ5.5m、喫水3.2mまで。水上バスクラスの観光船でも、余裕をもって通航できる大きさです。

引っかかったのはその下の図。一瞬閘室を描いたものかと思ったら、上に常陸利根川、下に利根川とあったので、えらく圧縮されているものの、横利根川の流路全体と、その南北に設けられた二つの閘門を示したものと判明。で、二つとも閘門の名前が、新横利根閘門‥‥ううむ(笑)。その下、本文にはちゃんと横利根閘門と書いてあるのに、惜しいことでした。


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目線を看板からさらに右へ移すと、排水機場の塵芥スクリーンに設けられた、除塵機が。15年前とくらべると、塗り替えがされていないようでだいぶ褪色や錆が進み、少々痛ましい感じです。

鉄道の転車台や天井クレーンと同様、短いながら線路の上を移動する機械に、この手の小さな機側操作室‥‥というか運転台がついているの、軽くですが萌えてしまう性癖。溜まったガシガシと塵芥を掃除しながら、ごろごろと横移動するさま、一度見てみたくもあり。

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後扉室の西側堰柱横に、バイパスゲートの巻上機があったので、銘板だけズームでたぐって記録。田原製作所、右の刻印は「1974-3」でしょうか。閘門の竣工年、昭和49年と同じですね。

先ほど見た新しい銘板のこともあって、巻上機周りごと更新されたのかと思ったら、どうやら扉体だけの新製だったようです。社紋は田原のTを3つ放射状に並べ、漢字の田に似せたのでしょうか。こういう味わい深いマークのたぐいも、今や少なくなりました。

(令和6年1月2日撮影)

(『水郷ちょい散歩…3』へつづく)

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