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前川二閘門の変化…5

(『前川二閘門の変化…4』のつづき)

292021.jpg前扉室ゲート越しに西、潮来市街方に伸びる前川の川面を眺めて。青空を映す静かな水面には、鴨たちが点々と浮かび、実にのどかな雰囲気。

いつか前川十二橋のコースで船頭組合に事前に交渉して、大洲閘門をくぐってみたいものと夢見てきましたが、どうも遅きに失したようですね。残念ですが、古豪極小閘門が稼働状態にあった川景色を、この目で眺められただけでもよしとしなければなりますまい。

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橋上南寄りから閘室、操作室を見下ろして。水位差が少ないこともあり、こうして見たかぎりでは、現役時とそう変わらない雰囲気。ここがセルフ操作に更新されず、旧来の有人運転式のまま残されたわけは、どのあたりにあったのでしょう。もちろん通航頻度の低さが、理由の一つとは思いますが。

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後扉室の向こうに伸びる河道に目をやると、南岸が新たに土盛りされ、低いながら堤防として強化されているように見えました。以前からこうだったかな? いずれにせよ、二つの閘門を含め、前川に大きな変化が訪れていることは感じられたものです。

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前扉室の前の護岸に、片足立ちでひょろ長く伸びて、魚を探す風情の鷺さんを一枚。いつもながら飄々とした表情で、周りの雰囲気まで可笑しみに包まれたような気分にさせてくれます。

292025.jpg水郷を離れて、自宅へ帰る前にまず自艇に立ち寄り、カディのハッチ裏側、ラッチに下げる形であんば様のお札を奉安。手を合わせて、今年の水路行の安全をお願いしました。

これが正しいやり方なのかわかりませんが、十数年来この方法で奉って、大きな事故もないため、まずご機嫌を損ねるようなことはないものと思われます。

何より今年は、早々1日からお札の霊験を痛感させられたこともあり、やはり利根川高瀬舟の船頭や船主が崇敬したお社、あんば様のご加護あっての我が川ップネだと、敬意を新たにしたものでした。

(令和5年1月2日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 前川大洲閘門閘門水郷水辺の鳥たち

令和4年度川走り納め・運河地帯

(『令和4年度川走り納め・晴海ターミナル』のつづき)

291091.jpgフネブネの紹介に移る前に、落穂ひろい的にまとめてみましょう。

恒例の東雲運河トライアルでデッドフル。いつもと逆、港内から入って上航するかたちで飛ばしましたが‥‥結果は50.7km/h、27.4ktで、11月13日に走ったときと同じでした。スクラビスでの清掃が効いているようですね。

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東雲北運河の桟橋上で、羽繕いをしながらくつろぐ鴨さん。朝よりだいぶ暖かくなって、羽もゆるみますよね。ええと、ヒドリガモの雌かな? 間違っていたらごめんなさい。

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汐見運河、レールセンターのヤードには、最近では珍しく黒い貨車‥‥チキが。手前の線に来ていて下周りもよく見えたので、せっかくだからと正横近くで一枚。気動車化著しいレール運搬列車、かれら黒い貨車の姿を目にできるのも、あとわずかでしょう。

291094.jpgイグアナクレーンの対岸は、再開発といっていい規模で工事が進んでいます。今やご覧のように高々と足場が組まれ、イグアナ先生の高さも凌駕しそうです。

検索したらこんな記事が。「清水建設が500億円を投じ、潮見に研究・研修施設や『渋沢邸』など2万m2を整備」(BUILT)‥‥何と、渋沢栄一邸を青森県から移築するのですか。ここも凄まじくさま変わりしそうですね。

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やはり徘徊の終わりは、いつものとおりイグアナ先生で締めたいもの。対岸にテラスができてから、釣り人さんの姿がつねに見られるようになりました。今まで人目につかないポジションだったイグアナ先生、ちょっと面映ゆい思いをしているかもしれません。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『12月28日のフネブネ…1』につづく)

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タグ : 東雲北運河汐見運河水辺の鳥たちイグアナクレーン

令和4年度川走り納め・新河岸川…1

(『令和4年度川走り納め・荒川…2』のつづき)

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くぐったところで陽が差したので、予想どおりいい表情がものにでき機嫌がよくなるのが現金なところ。ツヤツヤの扉体が陽光を反射してきれいですね。つぎはぎの巻上機室外壁が痛ましいので、補修してあげてなお完璧を期してほしいもの。

291012.jpg隅田川流頭部で楽しみなのは、水門下流にある繋船場で、国交省所属の清掃船たちを眺めること。よく目にする都環境局の緑の清掃船や、東京港埠頭の黄色い船隊とは違った塗色とスタイルが魅力です。

もっとも清掃作業で出払っていたのか、この日は写真の「ちどり」一隻のみでした。か細い冬の日を浴びて、枯草色の法面をバックにたたずむ表情、寂しげな感じで風情があります。

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水門をくぐったら、右へほぼ180°回頭して新河岸川へ入るわけですが、二つの川が合流するその突端、いわゆる「鼻」と呼ばれる部分を眺めつつ、艇を回してゆくこの瞬間がいいんですよね。

分流点とか合流点を目にして盛り上がるたち、それも鋭角であればなおよし、といった性癖の持ち主なので、何でもないようなこの光景が、導入部として気分を高揚させるのです。

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地味な物件ですが、ここで船着場をご紹介。志茂防災船着場、国交省荒川下流河川事務所の管轄です。

テラスに浅い凹部をつくり、護岸にフェンダーやビットを備えただけの、一見簡略なタイプに見えますよね。しかし、柵はレールに沿って全幅いっぱいに開き、背後の法面には同じ幅員の階段も設けられ、と充実装備。さすが、荒川知水資料館を控えた国交省管轄ならではです。
撮影地点のMapion地図

291015.jpg船着場対岸はテラスこそないものの、コンクリートブロックの法面と、水際にわずかなフラットがあるという、トリさんの休憩所としては格好のつくり。結構な数の鴨さんがズラリと並んで、ツブれたり羽繕いをしたりと、思い思いに憩うていました。

通航船艇も少ないとあってすっかりおくつろぎのところ、お邪魔して申しわけない。不審船を見て立ち上がったり、ガアガア鳴いたりしておかんむりだったので、少し距離をとって早々に立ち去ったのでした。


(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・新河岸川…2』につづく)

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タグ : 隅田川新河岸川岩淵水門清掃船水辺の鳥たち

11月13日の水路風景

(『11月13日のフネブネ』のつづき)

289036.jpg道々目にしたもののスナップをまとめます。出港前の静かな水面をゆるゆる泳ぐオオバン君のシルエット。

朝の赤味がかった淡い光の中、鏡のような水面に航跡を描いて、ただ一羽音もなくすーっと移動してゆくさま‥‥群れをなして川面をざわめかせるのとは、また違った風情がありました。


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砂町運河と曙運河・曙北運河との十字流上空を、長い高架で縦断する京葉線潮見~新木場間。おなじみの風景ではありますが、光線によってはハッとする表情を見せてくれることも。

東側の高架側面が朝日を受けてほんのり染まり、朝靄が彼方の曲線トラスをかすませて‥‥早起きしてよかったと思える一瞬です。

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第一航路で、右舷標識の4番ブイをかすめて南下したときの一枚。港内をうろついていると、ブイに惹かれてわざわざ近づくことも少なくないのですが、その形や鮮やかな塗色とともに、哀愁をまとっているのがブイの魅力かも、と思えるようになりました。

広大な水面に点々と設置されて、ゆらゆらと揺れつつ同輩と離れ孤立して航路を守る姿は、凛とした清々しさを覚えると同時に、どこかもの悲しい雰囲気も感じられて、つい吸い寄せられてしまうのでした。

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朝靄のヴェールをまとった青海コンテナ埠頭のクレーン群。これも早起きならではの光景ですが、早朝に出るときは横浜方面なら湾奥の直行航路を取るなど、東京港西側のこの時間帯に意外と縁が薄いため、ひとつひとつに素朴な感動がありました。

289040.jpgコンテナ埠頭の真裏に当たる、お台場外貿ライナー埠頭でのスナップ。1800mの全長を有する埠頭に並ぶ上屋は、1号から9号まで番号が振られていますが、そのうちの6号上屋を目にして「おっ(笑)」となったもの。

「都営6号」だけでも目を引かれるのに、イチョウの葉のマークが描かれたとあっては、たたみかけられたも同然。もちろん、地下鉄を思い出したのでした。

(令和4年11月13日撮影)

(『都市計画運河橋梁に触れる』につづく)

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タグ : 砂町運河東京港水辺の鳥たち

綾瀬新橋に行こうとしたら…1

(『10月23日の官船たち』のつづき)

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この日は綾瀬川を遡上してみることにしました。最低橋の綾瀬新橋、ご存じのとおり古い橋でもあるので、補修や改架があったらと心配になったからです。

最下流部、中川との合流点から進入、定番ともいえるかつしかハープ橋の曲線美を振り返りながら、ゆるゆると上航します。

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ええと、ヒドリガモかな? 間違っていたらごめんなさい。早くも冬鳥の姿を目にして、まあ嬉しいこと。数十羽くらいの群れだったでしょうか。

渡りを終えてまだ間もないくつろぎのひとときを、不審船の来襲で乱されたとあれば、いうまでもなくおかんむりで大騒ぎ。グヮグヮと鳴きながら飛び回られ、ほうほうの体で退散しました‥‥。

288013.jpg堀切橋下流で見かけた、クレーン台船を中心とする工事船団。背割堤の水際に鋼管矢板を打つ、護岸改良の工事をしていました。

堤防、護岸の改良やテラス化など、綾瀬川下流区間はここしばらく工事が多いですね。業務船のバリエーションを楽しむには、格好の環境でもありますが。



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うまく撮れていなくて申しわけないです。綾瀬水門の少し上流、国交省綾瀬排水機場の建物を東側から仰いだところ。

右手角の塔屋と、マイクロ波鉄塔にちょっと惹かれるものがあってカメラを向けたのですが、もう少し離れていればよかったと後悔しました。

288015.jpg背割堤を介して荒川と接する区間が終わり、河道は右にゆるく屈曲してほぼ真北へ。首都高小菅ジャンクションを過ぎ、東京拘置所の東、常磐線の鉄橋が見えるあたり。

あれ? 伊藤谷橋の下、どうも台船がみっちり詰まっているような‥‥。まさか閉塞するほどメザシにもやってはおるまいと、近づいてみることに。
撮影地点のMapion地図

(令和4年10月23日撮影)

(『綾瀬新橋に行こうとしたら…2』につづく)

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タグ : 綾瀬川水辺の鳥たち台船