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3月9日のフネブネ

(『英艦「モントローズ」来航!…4』のつづき)

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ちょっと戻って二つほど。これもおなじみの顔ですが、宇部のクレーン下に仲良くもやう「第三豊和丸」、「第五豊和丸」の姉妹船をぐっと寄せてスナップ。

美しい塗装とともに、この種の船が見せる量感豊かなスタイル、よいものです。恐らく同型船ですが、船首だけ見てもゴムフェンダーの取り付けや、水線下に2条、斜めに走るリブの位置が異なるなど、ディテールの違いが見てとれ楽しいもの。

231047.jpg船ではないですが備忘録として。テラス工事のため、長らく豊洲運河側に仮設のポンツン桟橋を設けていた豊洲運河水上派出所。東雲運河側のテラスが竣工して、繋留設備も新たに設置されました。

今となっては、ちょっと懐かしくなるような外観で、数ある水上派出所の中でも最も「交番」らしいこの派出所にも、落ち着いた日々が戻ってきたようです。

231048.jpg相生橋で左へ舵を切り、豊洲水門をくぐろうとしたら先行船が。おお、プッシャーバージタイプのゴミ運搬船、「すみだ1号」だ! 走っているところに出くわすのは、これが初めてです。

嬉しくなって、水門と豊洲橋をくぐるしばしの間、航跡内を続航。排気の香りと橋の作る陰翳、逆光の中きらめく航跡のコントラストに陶然となり、シャッターを切ったのが3月12日からのタイトルです。

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橋をくぐってからは増速して、追い越しざま撮ったのが上の一枚。航行中の姿勢はご覧のとおり、2隻が「へ」の字を保ったまま。

普通なら、ピッチングで凹んだり、盛り上がったりと形の変化がみられるものですが、バージが小型なせいでしょうか。お尻の重いバージを、押船がなだめすかして進ませているようで、微笑ましいものがありました。

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最後は新砂水門近くで見かけた、いかにも前歴が海保船艇、といったこの艇。帰宅後「海上保安庁全船艇史」(海人社・平成15年)をひもといたところ、昭和54年に1番艇が就役した「しようこう」型灯台見回り船の後身のようですね。現在の船名は「MTS2011」、警戒船任務にでも就いているのでしょうか。

(31年3月9日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東雲運河豊洲運河砂町運河独航艀清掃船水上派出所

1月21日の古川…1

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1月21日は、お手伝いで近場を巡ってきました。ずいぶん遅い本年初出航であります。すでに大寒波と大雪が近く訪れると予報されていたものの、当日日中は思ったより暖かく、少し靄がかかったものの、よく晴れ風もきわめて静穏とあって、気持ちのよい川走り初めを楽しむことができました。

東雲運河に入ると、前回12月10日に見かけた、豊洲運河水上派出所前の工事が気になって、通過しながらスナップ。二隻の杭打船に挟まれて、少々肩身狭い風に姿を映す派出所。階段の周りには、パイプ組みの足場とポンツン桟橋が架設され、工事の離着船に利用されているようでした。

216002.jpg北西の微風とあって、港内に出ても水面は素晴らしく滑らか、デッドフルで飛ばしても、ほとんどピッチングを感じないほど。

晴海沖には、土運船とグラブ式浚渫船が作業中、日曜日にご苦労さまです。右側のマストに、上から球形・菱形・球形の形象物を掲げているのが見えますね。作業中で他船を避けることができませんよという、操縦性能制限船の形象物です。

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快適にプレーニングして、あっという間に竹芝運河へ到着、直進して古川を遡上します。

桁下に水面の波紋を映す橋梁群、奥に横断幕が掲げられ、工事中で足場が架かり、桁下A.P.+4.1mとのこと。潮位が高いので、ぐっと低く感じられますね。

216004.jpg新幹線をはじめ、多くの線路が渡る鉄道橋をくぐって。ここの橋脚、あまりに橋が過密なせいか、長々と壁のように連なり、上流側のレンガ橋脚ともつながっていて、切れ目のないのが珍しいですよね。

しかも、首都高まで支えているわけで‥‥。橋梁名は知らないんですが、一つの橋として扱われているのか、それとも竣工年ごと、路線ごとで区別しているのか。

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橋をくぐれば‥‥ハイ、こんちまた麗しいギッシリぶりで! 久しぶりに航過する金杉の船宿街、お元気そうで何よりであります!
撮影地点のMapion地図

(30年1月21日撮影)

(『1月21日の古川…2』につづく)

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タグ : 東雲運河東京港竹芝運河古川高架下水路浚渫船豊洲運河水上派出所水上派出所

12月10日の川景色…8

(『12月10日の川景色…7』のつづき)

214061.jpg豊洲運河を六叉流近くまで下ると、右手のテラスに、湾岸署の警備艇「すみれ」が横付けしているのに気づきました。正確には、テラスに接してスパッドで固定した台船を、桟橋代わりにしてもやっているのです。

むむ、ここに仮設の繋船施設を設けたということは、豊洲運河水上派出所に何かあったな。向こうには杭打船も見えるし、不安な面持ちで右へ舵を切ってみると‥‥。

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あらら、繋船杭が抜かれている! 直近、「8月13日の川景色…8」とくらべてみてください。少なくとも現状では、警備艇の繋留はできませんね。

並み居る水上派出所の中でも、最も一般の派出所建築に近い雰囲気で、「運河の交番」として親しまれたこの建物とも、いよいよお別れなのかしら‥‥。いや、早合点はよしましょう。

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もしかしたら、神田川河口の隅田川水上派出所のように、護岸にテラスが増設されるので、いったん繋船施設を移動しただけかもしれませんしね。(『4月20日の水路風景…2』参照)

ここに掲げた2枚の写真をよく見ると、堤防側面に「No.41」、「No.42」と書かれた、オレンジ色のステッカーが貼られています。これはテラス施工の工区を示すものかな? ともあれ、今後ともここに在って、都内最大の運河集中点、六叉流を見守ってくれればと願わずにはおれません。

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砂町運河を東進し漣橋をくぐって、曙・曙北運河との十字流が控えるあたりで、嬉しい出会いがありました。右手から「マルコ・ポーロ」が出てきたのです。

何度か触れたように、昔の川蒸気を思い起こさせる外観もあって、都内にもやう現役旅客船中、最も気になる船。イヤもう、岡山の海御座船を模した観光船が「安宅丸」(『コレジャナイ安宅丸!』参照)として通用するなら、「マルコ・ポーロ」の舷側を黒塗りにしてダミーの煙突を立てただけで「通運丸」を名乗っても、文句はいわれますまいよ! 少なくとも私は許す(笑)。

214065.jpg舵を戻した「マルコ・ポーロ」はそのまま、静々といった感じで西へ去ってゆきました。曙運河の貯木場跡にもやっているところは何度も見かけていたけれど、走っているのを目にしたのは本当に久しぶり。

「マルコ・ポーロ」を貸し切りにして、小名木川は高橋から、江戸川の松戸辺りまでロングランしたら、さぞ楽しいでしょう。新川が通れないのが残念ではありますが。
撮影地点のMapion地図

(29年12月10日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 豊洲運河東雲運河砂町運河豊洲運河水上派出所水上派出所

8月13日の川景色…1

(『8月13日のトリさん』のつづき)

209081.jpg毎度おなじみ、豊洲運河水上派出所。夏とあって、右側の木々もテラスにはみ出るほどこんもりと繁り、ぽつりと孤立しがちな派出所の雰囲気を和らげる、よいシーナリィになっていますね。

ところで、「豊洲運河」を名乗りながら、建物の正面も繋留施設も、東雲運河を向いていることに、以前からちょっと引っかかっていました。

しかし改めて考えてみると、「豊洲運河・水上派出所」と勝手に解釈していただけで、実は「豊洲・運河水上派出所」なのではないでしょうか。所在地・豊洲4丁目の地名を冠した上で、湾岸署のいう、水門閉鎖時に運河群が閉塞水面となったときの警備拠点(東京湾岸警察署・交番等)、という意味で「運河」を入れたのではないかと。

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京浜運河では、首都高羽田線の更新工事がたけなわで、あちこちに足場ができていますが、これはその中でも出色の規模である、八潮橋付近のもの。

既製桁を幾重にも重ねて、幹線道路の橋と見まがうボリュームは圧倒されるばかり。桁下高を示す看板も、いい意味で緊張感をかもし出して、なかなか格好よし。

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これも同じく京浜運河、勝島1丁目付近。単に、2編成のモノレールが離合するところを撮ったのですけれど、仕上がりを見てみたら、左の倉庫上に掲げられたインプラントの看板が放つ濃厚なオーラに、全部持って行かれていることが判明! ナゼか悔しい気持ちに。

広告主の歯医者さんには大変申しわけないのですが‥‥。どこか、外国映画の日本のシーンで出てくる、微妙にズレた日本語看板を思い起こさせるものがあり、勝手に抗し難い吸引力を感じてしまったのでありました。すみません。

209084.jpgさて、京浜運河から見える構造物のなかで、最も魅力的なものを挙げよといわれたら、船頭は迷わず、モノレールの大井競馬場前駅を推すでしょう。

高架鉄道駅数あれど、ここまで圧倒的な鋼材組み橋脚を見せてくれるものは、少なくとも都内ではないでしょう。しかも運河畔にあるのが幸いし、さえぎるものなく全貌が愛でられる、という点も惹かれる理由です。

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いや~、いいですねえ!

一見、華奢に見えるこの脚の長さ、それを空中に途切れなく、真っ直ぐ伸びるホームの凛とした感じが打ち消して、全体を引き締めているように思えます。そういう意味では、出入口通路が真ん中でなく、北端の橋詰にまとめられた効果は大きいでしょう。
撮影地点のMapion地図

(29年8月13日撮影)

(『8月13日の川景色…2』につづく)

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タグ : 東雲運河京浜運河豊洲運河水上派出所水上派出所

4月20日の水路風景…2

(『4月20日の水路風景…1』のつづき)

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4月も後半に入ると、陽射しも強くなり顔がチリチリするほど。高架下水路の日影がありがたくなる、そんな季節の到来でもあります。

俎橋の下流あたりで、屈曲の向こうからヤマハSRVが出現。短声を軽く鳴らして面舵に当て、減速して待つ姿勢を示すと、あちらもすぐに気づいて行き足を落し、手を振りあって別れました。以心伝心、気持ちのよいことであります。

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205008.jpg分水路くぐりのご要望もあったので、全長が短く、潮位も問わない水道橋2号分水路へご案内。最近、ちゃんと銘板を撮っていなかったことに気づいて、進入しつつパシャパシャと何枚か。

内部は特に異状なく、静かな暗闇が広がる別世界。高架下の日影をありがたく感じた身も、洞内のひんやりとした冷気はさすがに肌寒く、初夏というにはまだ早いことを実感したものです。

205009.jpg神田川を下り、河口近くの船宿街に至って、屋形に憩うユリカモメの一群が目に留まりました。

頭の黒いのをなぜか、若鳥かヒナに近いものと誤解していたのですが、改めて調べてみると夏羽といって、繁殖期に換羽した模様だそう。何だか、昔の漫画の泥棒さんみたいで、これはこれで可愛らしいですね。



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河口の南側、湾岸署隅田川水上派出所の前では、テラスの基礎が竣工間近でした。

前進した護岸の外側に、繋船杭が新たに設けられ、従来の階段はすっかり削られて堤防とツライチになり、下流側に新たな階段が設けられと、工事は結構な手間だったようですね。テラスが完成したら、両国橋の下をくぐって歩けるようになるのかしら。
撮影地点のMapion地図

(29年4月20日撮影)

(『4月20日の水路風景…3』につづく)

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タグ : 日本橋川神田川水道橋分水路高架下水路分水路水辺の鳥たち隅田川水上派出所水上派出所