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淀川畔を歩いて…2

(『淀川畔を歩いて…1』のつづき)

305053.jpg淀川本流から大川への分流点を見下ろして。川面に映る空や雲が美しいですね。中央から左が毛馬水門に至る導流堤、右が毛馬閘門からの出入りに用いる通船路です。

枚方ゆきの水上バスに乗って、ここを通り本流の雄大さを初体験したのが平成21年、もう14年前になるんですなあ‥‥と遠い目に。

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時間が押してきているので、そろそろ戻らなければなりませんが、以前通ったよしみ(一度だけですが)もあり、毛馬水門・閘門をちゃんと見ておこうと少し速足で。径間の下は堤防道ですっかり隠れていますが、ゲートを間近に拝めるのはありがたいもの。

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やはり大写ししておきたくなるのが、大阪ローカル(?)を感じさせるひらがな物件の最右翼(??)、「毛馬こうもん」と扉体一杯に記された閘門ゲート!

久しぶりだね、また来たよ、と声をかけたくなるような、親しみすら覚える一度見たら忘れないこの思い切りのよさ。褪せた塗りムラもそのまま、ご健勝のようで何よりです。

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自己主張が激しい(‥‥)のは、常時開で人目につく制水ゲートで、肝心の閘門、前扉室ゲートは橋との間から下をのぞき込んで、やっと見えました。思ったより天地が低いのですね。

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せっかく来たのだからと、銘板をキョロキョロと探してみたものの、発見できたのは目の前の堰柱に掲げられていた、この一つだけでした。

「毛馬閘門1号充水ゲート」‥‥径間1.5mとあるので、閘室に注水するバイパスゲートのことですね。製作は平成2年、メーカーは酒井鉄工所とありました。
撮影地点のMapion地図

(令和5年9月30日撮影)

(『東横堀川散策…1』につづく)

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タグ : 淀川大川毛馬閘門閘門

旧毛馬第一閘門を訪ねて…1

305001.jpg9月30日は、業界の集まりで大阪へ。朝東京を出て、夜に最終の東京行き「のぞみ」で帰ってくるというあわただしさでしたが、会合は昼からだったので、早めの便で大阪へ着き、午前中少しだけお散歩してきました。

ほんの3時間弱で見て回れる物件となると、おのずと限られてきます。超のつく有名物件ながら、未訪だったあそこを置いて他にあるまいと、淀川と大川の分流点を目指したのであります。

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予報では雨が心配された空模様も、幸い好天に恵まれ、気温も上がって暑いほどに。まず降り立ったのはここ、毛馬閘門。平成21年、枚方行きの水上バスで通って以来(『毛馬閘門…1』参照)、実に14年ぶりの再訪であります。

305003.jpg‥‥しかし、まだ新しいフェンスのこの厳重さ、鑑賞には具合がよくありませんね。よじ登るのを防ぐためか、網目も縦長で狭く、コンデジの鏡筒が入らないのです。

閘門だけでなく橋を含めた川景色も撮りたかったのに、周りにフェンスより高い場所もなく、早々に引き上げるか‥‥。とあきらめかけていたところ、ほぼ正面に、一つだけ何とか網目を通して撮れそうなものが!


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砂船の船溜です。14年前も、淀川を続々と下航してくる砂船たちに行逢(『砂船づくし…2』ほか参照)し、現役で盛業する"河川内舟運"の姿に感動したことが思い出されます。

行逢時はデッキを河水が洗うような満載状態でしたが、空船で憩う姿もまたよいものですね。船底塗料を塗った喫水線が、思ったより下にあるのが意外な感じがします。以前見た状態、ものすごい過積載だったのかな‥‥。

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大川を渡って対岸へ。本日の主たる目的地は、史跡として保存されている旧毛馬第一閘門です。天下の淀川に設けられた閘門のはしりという、超有名物件ながら今まで訪ねるに至らず、ようやくこの地に立つことができて、まことに感無量といったところ。

閘門を含む公園地の入口には、ご覧のような古びたRCアーチが。眼鏡橋‥‥またの名を長柄運河頭部橋梁といって、新淀川開鑿時に出る土砂搬出のため設けられた、長柄運河をアーチによってまたいでいたもの。

あれ? 以前各所で見た写真の印象と違って、だいぶ傷んでいるようだし、草ぼうぼうで茂った木の枝がかかるなど、手入れの行き届いていない印象です。ともあれ、この古豪橋を渡って、いざ閘門鑑賞とまいりましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和5年9月30日撮影)

(『旧毛馬第一閘門を訪ねて…2』につづく)

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タグ : 毛馬閘門閘門大川砂船

淀川の川蒸気を眺めて

248010.jpg古代から舟運路として利用され、江戸時代は近代にいたるまで活躍した三十石舟、過書船でも知られるなど、京、大阪を控えていただけに、早くからひらけていた淀川航路。

川蒸気も関東に先んじて就航しており、大いに興味をそそられるところではあります。乏しい手持ちの中から、川蒸気たちの活躍ぶりをしのべるような絵葉書と錦絵、7点を選んでみました。
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タグ : 川蒸気船淀川東横堀川毛馬閘門閘門絵葉書・古写真

毛馬閘門の絵葉書

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「大阪毛馬閘門」
宛名・通信欄比率2:1、明治40年4月~大正7年3月の発行。

委細はひとまず置いて、この絵葉書の素晴らしさを垂れ流させて下さい。水面上、ほぼど真ん中から望んだ閘室! 後扉室のマイタゲートは全開され、閘室内にはすでに数隻の舟が舷を接して入閘し、竿を寝かせて注水を待っています。

カメラマンが乗った舟も、この後を追って通航したのでしょうか。閘門通過の前の、期待と不安が入り混じったようなワクワク感が、ビリビリと伝わってくるような低い目線からのこの構図! 護岸上から見下ろす人々の姿も、これから始まるシーンへの期待をいや増しているように思えます。

私が今まで出会った、閘門を主題とした絵葉書では、以前紹介した横利根閘門のそれ(『関宿水閘門と横利根閘門の写真』参照)とくらべても甲乙つけがたい素晴らしさで、しかも稼働時の姿を船上から写したという意味でも貴重なもの。舟航施設である閘門の、魅力を余さずとらえた写真といってもいい過ぎではないでしょう。

さてこの絵葉書、タイトルにもあるとおり、大阪は淀川本流と大川の間を分かつ、毛馬洗堰に併設された毛馬閘門を写したもの。レンガの壁面に、湛水線や汚れもほとんど見られないことから、竣工からさして年月がたっていないことが感じられます。見物人が多いあたりにも、まだ閘門が登場して間がなく、珍しかったことを思わせますね。

ちなみに、毛馬閘門のうち、現在記念物になっている第一閘門は明治40(1907)年竣工、船溜として使われている第二閘門は、大正7(1918)年の竣工で、ともに昭和51年に用途廃止され、現閘門に役目を譲りました。

目地の一本一本まで判別できそうな鮮明さに、ルーペを使ってディテールを堪能していたら、一つ気になるものが。両岸に植え込みのような木立が見えますが、右側のそれ、何か文言を書いた柱と、立札のようなものがありますね。拡大してみると、柱には「紀念×××」と書かれているようです。植え込みの中には、記念碑でもあるのでしょうか。今でも現地に行けば見られるのかな?

そうそう、絵葉書を入手した当初は、以前実見した第二閘門だと思い込んでいたのですが、あるとき撮った写真(21年9月11日訪問、『毛馬閘門…1』参照)とみくらべてみたところ‥‥。

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開閉装置の立ち上がりや、扉体の形式の違いは、後年の更新があったとしても、天端や角にある石材のピッチがどう見ても違うし、径間も絵葉書のそれより広いようです。そして、前扉室のゲートに段差がある‥‥。

これは違うようだと、毛馬第一閘門を訪ねた各サイト(中でも『混沌写真』さんの『旧毛馬閘門』が面白かったです!)を拝見して、絵葉書は第一閘門であることを確認。

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しかし、かつては大川~淀川本流間を、二段の閘門で通船していたんだよなあ‥‥。第二閘門竣工後、第一閘門は常時開だったようですが、それでも閘門バカとしては最高の贅沢です。

ときには閘室が一杯になるような、大形の外輪川蒸気も通った旧毛馬閘門、第一・第二ともに、末永くその姿を淀川畔に留めていてほしいものですね。

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タグ : 毛馬閘門閘門絵葉書・古写真

毛馬閘門…3

(『毛馬閘門…2』のつづき)

15026.jpg閘室に入ってから、10分と経たないうちに、ほぼ満水となったようです。

毛馬閘門、注水方式はバイパス管ですが、さすが大きな船だけあって、注水される水の流圧で船があおられたり、もやいがギシギシきしんだりといった、木っ端ブネではおなじみのディテールは味わえず、気づいたら水面が上がっていた感じで、静かなものでした。

15027.jpgゲートが上がる瞬間を撮りたくて、操縦席のドアが開け放ってあるのを幸い、フロントグラス越しに狙ってみました。

まだ扉体の左右から、勢いよく水が流れているシーンがかいま見られたのはいいのですが、やっぱり外から見てみたい…。私が情けない顔でもしていたのでしょうか、いま一人の船員さんが、「出てみますか?どうぞ!」と、側面のハッチを開けてくれたのです!
あ、ありがとうございます…(泣)。

15028.jpg側面のタラップから、半身を乗り出して目に入った光景は、上流側ゲートをくぐった直後のこれ。え~と、以前から、ここを写した写真を見るたび、気になってしまうのですが…。

何ゆえ「こうもん」が平仮名なのか。

これを見ると、20ン年前に初めて大阪を訪ね、梅田の駅頭に降り立った瞬間目に入った、「そねざきけいさつ」と大書きされた看板を見たときの衝撃を、思い出さずにはいられない私です。
…まあ、詳細は省きますが、何と申しましょうか、「違う文化圏に来たんだなあ」と、カルチャーショックをおぼえたのですね。ええ。

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大阪で初めての閘門、毛馬閘門とのひとときは、想像以上に素敵なものでした。ありがとう!

閘門と毛馬水門に別れを告げて、船は一路、淀川本流を遡上開始。大阪の母なる川であり、長きに渡り、京への舟運路として賑わった、国内でも一二を争う歴史のある水の道、淀川はどんな川景色を見せてくれるのでしょうか。

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そういえば…と、以前集めた昔の絵葉書に、毛馬閘門があったことを思い出して、探してみました。結果は…う~む、タイトルには毛馬閘門とあるものの、人着写真の絵柄は、洗堰の方でしたね。

この旧毛馬洗堰も、旧毛馬第一閘門同様、陸上に一部が保存されているそうです。


(21年9月11日撮影)

(『水上バスで淀川遡上…4』につづく)

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タグ : 毛馬閘門閘門旧毛馬洗堰淀川大川大阪水上バス水上バス絵葉書・古写真