阿賀野川頭首工を愛でる…3

(『阿賀野川頭首工を愛でる…2』のつづき)

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193082.jpgこの、後扉室の堰柱に至る橋の上からならば、閘室を存分に眺められそうなのですが、ご覧のとおり立入禁止の札が掲げられているとあらば、あきらめるほかありません。

上流側の堰柱には、舟通しゲートの銘板がありました。6m×6m、水深仮に1mとして、スリットのフロー分をさらに引くとしても、閘程4m以上あり、結構なものですね。最上川のそれ同様、閘室長が載っていないのは残念でした。

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橋の上からの舟通し鑑賞は、眺められるアングルが限られ、これ以上は難しいようです。岸か本流内のブロックの上からでも、後で改めて堪能するとしましょう。

しかし、閘程だけ見ると、満潮時の荒川や扇橋を上回るであろうこの舟通し! こうして横から見ても、なるほど閘室の側壁も高く、ボリューム満点で通りでがありそうですね。阿賀の里遊覧船のオプションで、舟通し通航コースとかできないかしら。

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舟通しのすぐ隣、唯一放水しているNo.3ゲートの真上とあって、地響きをともないそうな激しい水音が、足下から絶え間なく聞こえてきます。

上流側をのぞき込むと、真っ赤な扉体の下から、流れるというより「疾る」という文字が似合いそうな、白く泡を噛む激流が垣間見られました。こちらの扉体は、泥の付着もなく塗面もきれいですね。

193085.jpg上流側に出たついでに、右岸取水口の樋門を一枚。一径間多い4径間で、外観も異なり、左岸の樋門とはまた違った顔つきですね。

先ほど見た、頭首工の大きな銘板によると、右岸取水量が最大34.32立米/秒、左岸が最大15.33立米/秒とありましたから、右岸は左岸のそれの倍以上の能力があることになります。

【新発田】くらしを守る阿賀野川頭首工」(新潟県HPより)に、各取水口から分岐する用水路の地図が載っています、ご参考まで。また記事によると、頭首工は平成21~23年度に大きな改修・更新工事を行ったとのこと、竣工年にくらべて、よい状態に保たれている理由がわかりました。

(28年5月28日撮影)

(『阿賀野川頭首工を愛でる…4』につづく)

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阿賀野川頭首工を愛でる…1

(『頭首工の見える宿!』のつづき)

193071.jpgホテルさきはなを勇躍出発、気持ちのよい木立ちの間をしばらく進むと、右手に倉庫らしい建物が。壁には「阿賀野川頭首工資材格納庫」とありました。水防資材を保管しているのですね。

看板の下には 「設計積雪量1.3m」「下記の積雪量を越えるときは雪おろしをしてください」との表示もあり、豪雪地帯であることが感じられます。いわば、屋根の耐荷重表示といったところですね。

左手奥はもう、管理橋の取り付け道路で、ちょうどクルマが出てきたところです。幅が狭いため交互通行で、両橋詰に赤い×と緑の〇が表示される信号が設けられ、交通整理をしていました。

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橋は高度を上げつつ木立の間を抜け、視界が開けるといよいよ、お待ちかねのご本尊が間近に。すでに舟通しの擁壁や堰柱も見え、自然に足も早まろうというもの。

朝の曇天がウソのように、ちぎれ雲がぱらぱらとあるばかりの快晴! 山肌も川面も午後の日差しを浴びて、この日この時の訪問を待っていてくれたかのように輝いています。いや、いいタイミングで訪ねられたものでした!

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勾配を登りきったところで目線を吸い寄せるのが、最初の堰柱に掲げられた銘板。タタミ四畳敷きもあろうかという、大きくて立派なものです。

堰堤全長206.4m、諸々のゲートを含めた全径間が7、昭和41年3月竣工。ちょうど50年目を迎えたことになりますが、この後方々を眺めまわしてみて、竣工半世紀を経たとは思えないほど、美しく保たれていることに感心したものでした。

193074.jpg最初の堰柱の横から、上流側に通路が伸びている建物は、運転室を兼ねた管理棟ですね。恐らく遠隔監視・制御となり、こちらはあまり使われていないのか、手入れにところどころ甘いところがあり、年齢相応といった古び方ではあります。

下の写真でもわかるように、櫓の上に2階建てを乗っけたような構造です。これは後ほど、下に降りたときに見にいってみましょう。

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管理棟に接して設けられている樋門が、左岸取水口。頭首工自体が灌漑施設なのですから当然ですが、ここから用水路に取水しており、対岸にも同様のものがあります。

管理棟の真横、ちょっと岸壁ぽくて惹かれるものがありますね。船での資材荷役とかあったのかなあ、などと妄想しましたが、ビットやアイなど繋船設備のたぐいが見られなかったので、これは単なる護岸と考えてよいでしょう。
撮影地点のMapion地図

(28年5月28日撮影)

(『阿賀野川頭首工を愛でる…2』につづく)

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阿賀の里遊覧船…2

(『阿賀の里遊覧船…1』のつづき)

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まずはもやっているフネブネにご挨拶。明るい茶系のツートンでまとめた塗装が、遠目にも目立つ「第三黄金丸」。

客室はお座敷で、オープンデッキがないのがちょっと残念ではありますが、冬季は雪見船の営業もされているとあっては、甲板室は必須でしょう。操舵室、客室とも直線でまとめられ、頑丈そうな雰囲気なのも、積雪に備えた寒地のスタイルであることを感じさせます。

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白い船体、ミヨシが和船風味の「第五阿賀の里丸」、こちらもお座敷です。ハンドレールに立てかけられた錨が、ストックアンカーなのに目を引かれますね。23年7月の洪水は、どのようにして乗り切ったのでしょう、ひたすら岸からのもやいを増やし、アンカーを何本も打ち込んだのでしょうか。

193048.jpg現在稼働中の船は一隻で、もうすぐ戻ってくるとのこと。到着を待つ間、新しいコンクリートがまぶしく照り返す、改修成った堤防上をうろうろ。

桟橋のすぐ脇には、これも全面更新されたらしい、ピカピカの樋門がありました。床上浸水の大きな被害をこうむったご当地、流入小河川からの逆水防止の備えも、新しい電動式ゲートで怠りなく‥‥といったところでしょうか。


193049.jpg堤防天端に回って、名前を確認しましょう。「上ノ沢川樋門」、堰柱にあった銘板によると、純径間×有効高・4.5m×2.6m、扉体重量・4.9t、平成28年3月竣工、遠藤鋼機株式会社製造。

完成したのは今年の3月、まさにできたてのほやほや。堤防の増高工事と合わせて、工事中は遊覧船スタッフも、さぞ気遣いが絶えなかったことでしょう。お疲れさまでした。

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樋門を眺め回して遊んでいたら、我々を乗せてくれる船、「第一阿賀の里丸」が下流からゆっくりと遡上してきました(タイトル参照)。

むう、「阿賀の里丸」が第一と第五、「黄金丸」が第三のみ‥‥。ちなみに、駐車場に置いてあった廃船(?)は「第一阿賀野丸」「第三阿賀野丸」「第六阿賀野丸」。ナンバリングの基準がよくわからず、妙に気になったことではありました。まあ、単に引退した船の番号が抜けている、ということなのでしょうけれど、かつては川下りコースもあったことから、結構な規模の船隊を抱えていた時期があったのかもしれません。

(28年5月28日撮影)

(『阿賀の里遊覧船…3』につづく)

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タグ : 阿賀野川 阿賀の里遊覧船 樋門

最狭水路打通の日!…1

(『A.P.マイナスの日には…6』のつづき)

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すみません、大干潮時に浮かれてだいぶ引っ張りましたが、そろそろ既報の一件について、思いのたけを垂れ流してみたく存じまする。

仙台堀川の西端、正面に迫る清澄排水機場の呑口を眺めながら、左に転舵して大島川西支川へ。丁字流の南西角にある三菱倉庫、壁面に掲げられた赤い社紋がいかしてます。やはり河畔には、物流系の建物がしっくりきますよね。

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当たり前ですが、こちらの護岸もまた、貝の付着した部分を黒々と露出し、満潮時の湛水線は目の高さ。前方の見通しも、橋桁に邪魔されずまことによろしく、A.P.マイナスのありがたさを、しつこくも噛みしめる次第。

192033.jpgええ‥‥大島川西支川の最狭区間については、「最狭水路を抜けてみたい!…3」「最狭水路完走に光明が差してきた(?)件」ほかでたびたび触れてきたため、繰り返すまでもありますまい。
「この引き具合ならば、間違いなく福島橋まで到達できるだろう、様子見に入って、通れなければ引き返そう」そんなあきらめの混じった、どこか引き気味な心持ちでの舟行きでありました。少なくとも、この時点では。

魚探のモニターに目をやると、えっ、0.5m? 大干潮時になると、水圧が下がるせいか、河底の土中にあるガスが気泡になってポコポコ湧き上がってくる光景を目にしますが、この感も泡のせいかしら。もし、この数字が本当なら、ペラをとっくにこすっているはずだから、そうに違いない‥‥いや、そう信じたい‥‥。

192034.jpg魚探の感に肝を冷やしながらも、松永橋をくぐってゆるゆる進んでゆくと、このあたりでは聞き慣れぬ、ザーザーという水音が耳につきました。

おお、中の堀川の吐口が小瀑布に! この状態を目にしたのは、もちろん初めて。しかし、この短い堀割の河底が、A.P.±0mよりちょっとだけ高かったとは! 昔は可航水路だったんですよね?



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正面から、中の堀川樋門の径間を透かして、露出した水底をのぞき込む面白さ。これもA.P.マイナスのおかげ、出かけてみるものですじゃ。貴重な光景に出くわせたことに、何か幸先の良さも感じたものでした。もしかしたら、最狭水路打通、イケるかも‥‥?
撮影地点のMapion地図

(28年5月8日撮影)

(『最狭水路打通の日!…2』につづく)

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タグ : 仙台堀川 大島川西支川 江東内部河川 中の堀川樋門 樋門

最上川舟下りを楽しむ…1

(『最上川舟下りを楽しむ…0』のつづき)

183006.jpg今回お世話になる船社、最上峡芭蕉ラインの拠点である古口港の本屋は、別名「戸沢藩船番所」といって、その名のとおり、藩政時代にあった舟運のお役所をイメージしたもの。待合所としてだけでなく、物産館や食事処も兼ねていて、すでに多くの人で賑わっていました。

ちなみに最上川には、高屋を発着点とし最上峡を周遊、対岸の仙人堂への上陸コースもある義経ロマン観光、ずっと上流の村山市で、文字どおり渓流下りを楽しめる最上川三難所舟下り山形県観光情報ポータルより)があるのですが、最も長い距離を乗っていられることもあり、芭蕉ラインを選ぶことにしました。機会があったら、他の船社も利用してみたいものです。

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出港まで少し時間があったので、まずは川景色とご対面したくなり、小走りに河畔へ。桟橋を見下ろすところまで来ると‥‥、おおお! 霧のたなびき具合も塩梅よろしく、まことにしっとりと、幻想的な川景色!

川面を見渡すと、桟橋の前後や対岸に至るまで、10隻を下らない船影がもやい、盛業ぶりが感じられます。こんな山深い水路に、これだけの動力船がひしめき合っているというただそれだけで、水運バカとしては感動ものの風景。
斜面を下る通路や桟橋に、頑丈そうな屋根が設けられているのは、積雪時を考えてのものでしょうか。そういえばここ、こたつを入れた雪見船も運航しているんですよね。

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上とほぼ同じ位置から、上流側を見たところ。樋門の巻上機室の側面、時計が備えてあるのにびっくり。観光地ならではのサービスといったところでしょうか。

眺めていると、霧は周囲の山肌や田んぼから、渦を巻いて次々と湧きでてくるのです。あまり山に縁がないこともあり、霧が産まれる瞬間を目の当たりにするのは、もちろん初めて。霧にかすむ、山間の川景色の素敵なことったら! いや、朝一番の便にしてよかった!

183009.jpg船番所と桟橋の中間あたり、先ほどの看板船とほぼ同じものが。こちらは乗って記念撮影ができるみたいですね。

芭蕉丸というと、松島で乗った第三芭蕉丸(『第三芭蕉丸の船旅…1』ほか参照)が思い出されました。そういえば電話で船社に問い合わせしたとき、係の方は「芭蕉さん」と、うやうやしく口にされていたっけなあ‥‥。松尾芭蕉がもたらした恩恵の大きさ、はかりしれないものがあります。

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出港時刻が迫ると、呼び出しのアナウンスがかかり、係の方の誘導で桟橋へ。階段や桟橋の構造からみて、増水期と減水期では、相当の水位差があるみたいですね。

できるだけ長く乗って、かつ川景色もたくさん眺めたい、という下世話な欲望から、昨年開設されたこの上流8.5km、元合海からの航路(同社サイト『舟下りの楽しみ方』参照)について問い合わせてみたのですが‥‥。
原則団体さんのチャーター便のみで、一隻分の料金を払えば人数は問わないが、小人数でチャーターできるような小型の船はなく、60人乗りのみでの運航とのことでした。う~ん、残念ですが、定期航路化を待つしかないようです。

(27年11月22日撮影)

(『最上川舟下りを楽しむ…2』につづく)

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