日本橋架橋100周年記念の榮太樓飴

まあ、勇んで買いに行ったというわけではなく、連れがたまたま見つけてきたというレベルなのですが…。開けてみると、なかなか行き届いたパッケージで、眺めるほどに嬉しくなってきました。

●ご当地日本橋の老舗、榮太樓飴本舗による飴二缶の詰め合わせで、箱の表面には「日本橋架橋100周年記念」と大書きされ、薄墨でバックに描かれた絵柄は、日本橋の高欄にその雄姿を誇る麒麟像。老舗らしい上品さが感じられるデザインですね。
中には飴二缶のほか、巻き折りの解説紙と、別紙で缶の絵柄が記念切手にも採用されている旨、特に注記がありました。

●缶のフタの絵柄は、説明によると初代広重の浮世絵「日本橋より富嶽遠望図」、「日本橋開通記念絵葉書」とのこと。プリントも美しく、高級感あふれるつくり。
紙器と違って、金属の缶ってどこか夢がありますよね。特にこういった飴の缶は、小物入れなどに使った思い出のある方も、少なくないのではないでしょうか。きれいな絵柄で、しかもなじみのある日本橋とくれば、愛着もわいて長く使いたくなりそう。もちろん中身も、味わいながら少しづついただいています。

●表ばかりでなく箱の裏にも、さりげなく日本橋のネームプレートを模した絵柄が刷られているあたり、さすがですね。15代将軍・徳川慶喜の揮毫によるものです。
ここで、解説を読んでいて「あれ?」と思い当るものが。缶の絵柄になったこの記念絵葉書、どこかにあったような…。

写真下のキャプションを読むと、「總坪四百五坪 長廿七間巾五十間 經費五十二萬三千余圓 明治三十九年起工 同四十四年四月落成」とあり、また両脇に配された「日本橋」「にほんばし」の字の下には、それぞれ「慶喜公書」と、念を押すように書かれているのが印象的です。
なお裏側には、宛名欄と通信欄を分ける罫線に沿って、「日本橋開橋紀念繪葉書 日本橋區祝賀會發行」と発行者名が記され、さらに下端には「日本葉書倶楽部謹製」と製造元名まで。表面の印刷の丁寧さ、用紙の質のよさもさることながら、書籍並みに印刷・発行元名が入っているあたり、ただの絵葉書でないことが感じられ、興味深いものがありました。

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