芝川に寄り道…1

川口市周辺は、かつて物流の動脈であった芝川を中心に、六ヶ村用水ほか、いにしえの灌漑水路や小河川が縦横に走っており、地名も川や橋を冠した味のあるものが多く見受けられ、内陸の水郷の面影を残す、ココロ惹かれる地域でもあります。クルマを降りては、水門まで走って見にゆくという慌ただしさながら、よい息抜きになりました。

●最初に訪ねた水門がこれ。堤防高相応に天地のある扉体、しかも3径間とくれば結構なボリュームで、堂々とした印象です。巻上機室の窓は、角に曲面ガラスをおごった出窓状。扉体が色あせてしまっているのが、ちょっとかわいそうですね。
対岸からでは水門の名前が確認できなかったので、帰宅後検索してみたところ、柳根(やなね)水門と判明(『KAZ's Log』の『ポタリング/芝川編』を参考にさせていただきました)。隣接する排水機場は、Mapion地図上に「柳根排水機場」とありました。水門を通って芝川に合流する水路は、藤右衛門川(Wikipedia『藤右衛門川』参照)ですね。
【撮影地点のMapion地図】

1径間ながら、こちらも高さがかなりあって、堰柱や巻上機室も頑丈そうな、全体的にどっしりとした印象。堰柱は左右とも波型の装飾が施され、巻上機室はタイルでツートンに化粧し、水門名も大きく掲げられているなど、柳根水門とずいぶん扱いが違いますね。ここを通る水路は、先ほどの藤右衛門川の放水路に当たるのだとか。
【撮影地点のMapion地図】

交通量の多い二車線道路を挟んで、はす向かいにぬっと立つ姿は威圧感があり、初めて出会ったときは、その異様さに驚いたものです。人目につくことを意識したのか、巻上機室の側面が妙に小洒落た(?)造作になっているものの、むしろ異様さを助長しているようで、そのヘンテコぶり(失礼)に惹かれたものでした。側面中央に掲げられた銘板は、真鍮磨き出し風の立派なものなのですね。

【撮影地点のMapion地図】
(24年10月21日撮影)
(『芝川に寄り道…2』につづく)

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