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干潮時の「源森川」…1

95001.jpg6月3日は、近場をあちこちうろついてきました。曇り時々雨と芳しくなかった天気予報も、幸いにして外れ、曇天ながら青空ののぞくまずまずの空模様。さらに望の大潮の前日とあって、日中の潮位差はおよそ1.9mにおよんだこともあり、おなじみの川たちの、ちょっと違った表情を楽しむことができました。

まずは旧源森川…北十間川西端部を訪ねてみようと、隅田川を遡上。初夏を感じさせる気温の高さも手伝ってか、「道灌」の横付けする都観光汽船の浅草船着場も、すでに結構な賑わいです。

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賑やかな河畔に背を向けて、源森川水門を仰ぎつつくぐり、対照的な静けさの狭水路へ。この「大河から細いところへ入る」瞬間は、何度味わってもよいものです。
撮影地点のMapion地図

95003.jpg枕橋を前にして。おお、いつもよりぐっと高く見える! 橋台やアーチ下部の黒々と濡れた部分が露出し、水位の低まった分加わった高さも手伝って、より重厚な感じがします。

この日の干潮が9時55分、芝浦の推算潮位でA.P.+0.05mだったとのこと。到着時が10時47分で約1時間後ですが、内陸にあるタイムラグを考えると、上げ潮に転じてまだ間もないころでしょうか。


95004.jpg北側の石垣護岸も、基部まですっかりあらわになり、岸近くに堆積した泥が、湿った肌を薄日に光らせていました。

この数日は雨の多かったこともあり、水質は決してよくはなかったにもかかわらず、水底に沈んだものまでチラチラと目に入るほどの浅さ。ここまで引いたときに入るのは初めてですので、初めて見る「干潮時の源森川」の表情に興味を惹かれつつも、やはり緊張しました。

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ご覧のとおりの引き具合とくれば、澪筋はほぼ中央のみ。ペラを河底で磨くのも業腹ですので、エンジンをチルトアップしての最微速前進。最奥部まで「干潮時の源森川」を眺めてやるとしましょう。


(24年6月3日撮影)

(『干潮時の「源森川」…2』につづく)

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「源森川」で吸われる…1

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近場回りの帰り道に、毎度おなじみ北十間川の西端区間…旧源森川に入ってみたわけです。
(『「源森川」に道草…1』ほか参照)

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この日も雲が多かったのですが、ちょうど青空がのぞいてイイ塩梅になってきたので、スカイツリーさんを撮って遊ぼうかという気になり、定番である震災復興橋・枕橋を入れたアングルからまず一枚。橋上にもカメラを向ける人がちらほら。
撮影地点のMapion地図

57003.jpg
側面にからまる蔦も青々として、石張り装飾によく似合う古色蒼然たる雰囲気になってきた枕橋。銘板はもちろん、竣工当初からのものではありませんが、磨き出し風のあつらえが橋の雰囲気にしっくりきています。縁の装飾は、絵柄に何か意味があるのでしょうか。

帰宅後に検索してみたら、墨田区の木は桜、区の花はツツジだとのこと。花には詳しくないのでわかりませんが、装飾の絵柄もきっと、そのどちらかでしょうね。

57004.jpg東武線の高架が走っている北側の護岸は、あまり手が入っておらず、星霜を経た感じが味わえるのも源森川のいいところ。

コンクリートで補修された石垣護岸をバックに、水面からにょっきり立つ石柱には、「水道鐡管埋設位置」との文字が刻まれていました。左側にある傾いた石柱も同じ文面のようです。埋設物の表示は最近なら、護岸にプレートを張るのが普通ですから、これは貴重なものに思えます。

57005.jpgこちらは単なるコンクリート護岸ですが、ずいぶんと風化してこれまたいい感じ。

骨材にかなりのムラがあり、こぶし大から玉砂利くらいの石まで、無造作に混ぜ込んだ感じで、一部は脱落して空洞ができてしまっているあたり、時代を感じさせます。


(23年4月29日撮影)

(『「源森川」で吸われる…2』につづく)

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桜探し散策で…6

(『桜探し散策で…5』のつづき)

27051.jpg北十間川…旧源森川区間の最奥部にあるのは、古風な鈑桁橋・小梅橋と、その奥に見える北十間川樋門。石垣の護岸と復興橋を楽しめる、静かな袋小路。

ご存知のように、この向こうは水位低下化水域で、閘門がなければ通航することはできません。(『「源森川」に道草…1』ほか参照)
このあたりから見上げてみると…。

27052.jpgう~ん、左側のビルに阻まれて、高さの実感があまり得られない上、小梅橋を一緒に収めようとすると、だいぶ無理があります。

やはり、もうちょっと離れて眺めた方がよさそうですね。




27053.jpg
転回して、時々後ろを振り返りながら眺めていると、おっ、この辺がちょうどいいあんばい。

足元に、高架沿いに茂る木々の緑を従えて、うっそりとした風情の超弩級籠マスト。

27054.jpgお天気ということも手伝ってか、枕橋の上は、スカイツリーをカメラで狙う人たちの姿がちらほら。

この一本手前、源森橋(『「源森川」に道草…3』参照)の上などは、人だかりと言ってよいほどのカメラの砲列が見られ、スカイツリー人気のほどがうかがえました。


27055.jpg隅田川を下って、定番スポット・大横川に向かいましょう。両国橋をくぐったところで、下ってきた一隻のボートと、水上バス・ヒミコが、もうニアミスと言ってよいほどの接近ぶり。ボートは航路中央を譲ろうとせず、ヒミコが橋脚近くまで寄せて避けたのですが、見ていてヒヤリとさせられた場面でした!

下航船優先の原則があるとはいえ、相手はボートより、格段に運動力の劣る大型船、しかも公共の定期航路を担う船。う~ん、何か理由があったのかしら。


(22年3月22日撮影)

(『桜探し散策で…7』につづく)

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桜探し散策で…5

(『朝潮運河の浚渫風景』のつづき)

27046.jpg花川戸あたりの様子も見てゆこうと、隅田川を遡上。

川面から見ると、清洲橋の真ん中に、あつらえたように墨田タワー…もとい、東京スカイツリーが収まるのですね。これはなかなか美しい。水上の新名所になりそうな予感です。



27047.jpg隅田公園前に到着…したものの、桜より山谷堀跡の水門に吸い寄せられてしまうなど、相変わらず桜探しの自覚が薄い船頭。

ここが可航水路として残っていたら、袋小路とは言え、なかなか風流な水路行ができたと思うんですがねえ…、と、相変わらずせんのない妄想が脳内をぐるぐると。

27048.jpgで、対岸を見やると、やはりここにもスカイツリーの勇姿が間近に迫り、目を奪われます。

この角度から見ると、何だかきもち歪んでいるように見えますが、これはもともと南側が末広がりに造られているからか、それとも斜材の並び方のせいで、目の錯覚が起きているのかしら。


27049.jpgすみません、少しは桜も観察します。東武・花川戸橋梁付近の早咲きを数本。

毎年、ここの早咲きに吸い寄せられている気がするんですが、幸い誰も見ていないので、シレッと通り過ぎてしまおう。




27050.jpg
…やはりスカイツリーの吸引力に抗し切れず、北十間川にずるずると吸い込まれてしまいました。

源森川水門の径間越しにのぞいてみると、枕橋の量感あふれるアーチと、東武線の古典的架線柱も併せて楽しめ、なかなかそそる眺めとなりました。
撮影地点のMapion地図

(22年3月22日撮影)

(『桜探し散策で…6』につづく)

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東京スカイツリーが見えた!

(『羽田可動橋の表情』のつづき)

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砂町運河北岸に連なる、工場の屋根の上からニョキリと、頭にクレーンをいただいた何かが突き出るようになったのは、いつごろからだったでしょうか。
それが、工事中の新東京タワー、「東京スカイツリー」だとわかるまで、少々時間がかかりました。ずいぶん遠くからも見えるのですね。

北十間川沿いに建っていることだし、艇からもよく見えるだろうと、羽田船溜群探訪の帰り、隅田川を遡って寄り道してみることにしました。

20147.jpgおなじみ源森川水門の前に到着すると、すでに首都高と水門とのすき間から、圧倒的な質量を感じさせるソレが、顔をのぞかせています。

時刻はお昼を過ぎたころ、頭上はふたたび厚い雲がかぶさってきて、夕方のような暗さに。カメラの設定を換えないまま撮ったので、以下、残念ながらだいぶ暗く写ってしまいました。(北十間川西側については、『「源森川」に道草…1』ほか参照)

20148.jpg水門をくぐって、枕橋の西から見たところ。首都高の間からのぞくより、小さく見えるのが何だか不思議。

私、こういう形の塔を見ると、一発で昔の米戦艦についていた「籠マスト」を連想してしまうんです。籠マストとは、神戸にあるポートタワー、あれの小さいのが信号旗のヤードや見張所を取り付けて、船に立っていると思えばよいでしょう。一見したところ、スカイツリーはそれとは違って、トラスっぽい構造に思えますが、円筒形に籠状の塔を組み上げてゆくさまは、やはり籠マストを思い出させます。

20149.jpgさらに接近、源森橋の手前まで来ました。群雲を背に伸びゆく大鉄塔、迫力がありますが、雲は一向に去ろうとせず、シャッターチャンスに恵まれないのが残念。また来るとしましょう。

この後、どこでどう間違ったのだか、連れがスカイツリーのことを「墨田タワー」と覚えてしまい、何かにつけて「墨田タワー」を連呼するものですから、私もすっかり「墨田タワー」で刷り込みされてしまって、脳内でちゃんと変換しないと「スカイツリー」という単語が出てこなくなってしまいました…。

20150.jpg源森川水門を出ようとしたら、かん高いプロペラ音とともに、ツェッペリン飛行船が登場。東京見物のお客さんを乗せているのでしょうか、浅草上空をのんびり航過してゆきました。

いつか、乗ってみたいですねえ…。
撮影地点のMapion地図


(21年12月13日撮影)

(この項おわり)

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