松潟堰…2
(『松潟堰…1』のつづき)
●というわけで、対岸からの少しでもいいポジションを求めて、周りを見回すと‥‥。おあつらえ向きに、半島状に河道へ向けて出っ張ったところが。
堰上げ時の“ダム湖”として河道を拡幅したのか、逆に埋め立てたのかはわかりませんが、あそこなら舟通しが真正面から狙えそうと、うねる堤防のラインをたどって先端へ。

●うひょひょ、イケますイケます! ありがたいことに、期待を裏切らぬ真正面。閘室もきれいに見通せますね。しかし信号の位置、どう見ても高すぎるよなあ‥‥。
まあしかし、径間の想像を超えた狭さが、何というか視神経に沁みるこのアングル。堰柱がノッポなことから、狭さが強調されて見えているだけかもしれませんが、2m前後ではないかしら。セルフ操作であれば、閘室の側壁に操作用ロープなどの関連機器が見えるだろうと期待したのだけれど、遠すぎるせいか、残念ながら確認できませんでした。
【撮影地点のMapion地図】
●ズームでいっぱいにたぐっても、これ以上のディテールは判別できそうもないので、あきらめて視点を変えようと、下流に向かって歩き出しました。
青いさやを持つスライドゲートらしいあれは、各扉室の上流側に一つづつあるので、やはりバイパスゲートのようですね。まあ、スピンドルの丸棒が長いことったら! 増水時は流速で曲がらないかと、不安になるレベル。

●移動の道々に、後扉室周りをアップで。スキンプレートには、千鳥にジンクが貼り付けられていますね。海水が遡上してくる河川ならではの装備です。
それにしても、後扉室の扉体が、前扉室の倍ほど天地寸法があるのが気になります。堰上げ時の水位を考えに入れたとしても、前扉室のそれが半分の高さなのが説明できません。前扉室の階壁がその分高く造ってあったら、開放時のいまは水面上に露出しているはず‥‥。う~ん。

●などと考えながら歩を進めていたら、堰の間近に来ていました。土砂吐ゲート、遠くから眺めたときはひょろひょろの頭でっかちに見えたのに、横から見ると一転して、どっしりとした重厚な感じ。堰柱に流路方向の幅があるので、印象がずいぶん違います。
舟通しはひとまず置いて、堰そのものを少し眺めてみましょう。諸元を記した銘板や、看板のたぐいがあるかもしれません。
(元年11月4日撮影)
(『松潟堰…3』につづく)

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堰上げ時の“ダム湖”として河道を拡幅したのか、逆に埋め立てたのかはわかりませんが、あそこなら舟通しが真正面から狙えそうと、うねる堤防のラインをたどって先端へ。

●うひょひょ、イケますイケます! ありがたいことに、期待を裏切らぬ真正面。閘室もきれいに見通せますね。しかし信号の位置、どう見ても高すぎるよなあ‥‥。
まあしかし、径間の想像を超えた狭さが、何というか視神経に沁みるこのアングル。堰柱がノッポなことから、狭さが強調されて見えているだけかもしれませんが、2m前後ではないかしら。セルフ操作であれば、閘室の側壁に操作用ロープなどの関連機器が見えるだろうと期待したのだけれど、遠すぎるせいか、残念ながら確認できませんでした。
【撮影地点のMapion地図】

青いさやを持つスライドゲートらしいあれは、各扉室の上流側に一つづつあるので、やはりバイパスゲートのようですね。まあ、スピンドルの丸棒が長いことったら! 増水時は流速で曲がらないかと、不安になるレベル。

●移動の道々に、後扉室周りをアップで。スキンプレートには、千鳥にジンクが貼り付けられていますね。海水が遡上してくる河川ならではの装備です。
それにしても、後扉室の扉体が、前扉室の倍ほど天地寸法があるのが気になります。堰上げ時の水位を考えに入れたとしても、前扉室のそれが半分の高さなのが説明できません。前扉室の階壁がその分高く造ってあったら、開放時のいまは水面上に露出しているはず‥‥。う~ん。

●などと考えながら歩を進めていたら、堰の間近に来ていました。土砂吐ゲート、遠くから眺めたときはひょろひょろの頭でっかちに見えたのに、横から見ると一転して、どっしりとした重厚な感じ。堰柱に流路方向の幅があるので、印象がずいぶん違います。
舟通しはひとまず置いて、堰そのものを少し眺めてみましょう。諸元を記した銘板や、看板のたぐいがあるかもしれません。
(元年11月4日撮影)
(『松潟堰…3』につづく)

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松潟堰…1

気持のよい好天の下、湾岸から東関道へと順調に進んで外房を目指します。陽射しは強く、風も穏やかなこともあり暑いくらい。絶好の閘門日和ですね。

さんさんと秋の陽が降り注ぐ堤防の向こう、堰柱の巻上機室が顔を出しているのが見えますね。さっそく農道を横切り、ざくざくと半ば枯れた草を踏んで、法面を登りました。

●天端に立つと、河道が大きく屈曲していることも手伝い、堰のほぼ正面を望むことができる位置でした。手前にこんもりと、硬く締まっていそうな砂洲ができているのも目を引きますね。暖かで風も微か、河水も青く澄んで、まことにうららかな水門風景です。
この松潟堰、受益面積17,970haを誇る巨大灌漑水路、両総用水の一翼を担う取水堰で、平成21年の竣工というまだ若い施設。ゴム引布製の洪水吐ゲート(径間30.24m)2門を中心に、左手に見える鋼製ローラーゲートの土砂吐ゲート(径間10.5m)、右手の舟通し、そして魚道から成っています。
両総用水の概要や施設の詳細については、「両総用水のあゆみ」(PDF)および、「両総用水の各施設(4)東部幹線系ほか」(千葉県HP)が参考になりました。初代の堰はこれより下流260mにあり、汐止堰として昭和12年に竣工したとのこと。この堰は2代目なのですね。

●同じ場所からズームでたぐって、土砂吐ゲートを一枚。農閑期とあって、すべてのゲートが開放され休憩中といった風情。巻上機室が細身の堰柱にくらべずいぶん幅があり、頭でっかちでユーモラスな印象です。

●そして本命、舟通しです! 遠くから望んでも径間の狭小ぶりがわかって、大いにそそるものが。正確に測ったわけではありませんが、ウェブ上の地図を見たかぎり、横浜の新山下貯木場閘門よりわずかに南にあるようです。ということは、関東で一番南に位置する閘門かもしれません。竣工年からみても、更新された扇橋閘門を除いて、一からの新設では最も新しい閘門といってよいのではないでしょうか。
ここから眺めtだけでも、前後の扉室で倍も違う扉体の天地寸法、妙に高いところに設けられた信号、バイパスゲートのものらしい青いさやや巻上機らしきものなど、興味を引くディテールがいくつか目に留まりました。早く近くへ駆け寄りたくて、ウズウズするものが!
この閘門、例によってGoogleマップとストリートビューで徘徊中にたまたま見つけたのですが、ストリートビューで見たかぎりでは、管理橋は通行禁止、ゲート周りも高いフェンスで厳重に囲われ、近寄っての観察は難しそうな感触。ということは、対岸など離れたところから、ズームで狙うしかないかもしれません。まずは今いる北岸から、できるだけ視点を得ておくことにしました。
【撮影地点のMapion地図】
(元年11月4日撮影)
(『松潟堰…2』につづく)

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最近訪ねた極小閘門、二題
●年末らしい慌ただしさが日増しに濃くなってゆく11月ですが、チャンスと天候に恵まれて、未訪の閘門を二つも訪ねることができたという意味では、とても印象深い月になりました。しかも、ともに好みど真ん中の極小閘門とくれば、嬉しさもいや増そうというものです。

●一つは、千葉県は一宮川の松潟堰舟通し。径間わずか2.1m! ひょろ高い堰柱が狭さをさらに強調しているという、見た目もインパクトのある閘門でした。なりは小さくとも、バイパス設備を有する本格派でもあります。
ただ、周囲は厳重にフェンスで囲われ、管理橋も通行禁止、さらにカメラでの監視下にあるという、鑑賞には非常に具合の悪い状況。少しでも好条件の視点を探して、対岸からすぐかたわらまで、ずいぶんうろついたものですが、それも楽しいひとときではありました。

●いま一つは、昨日訪ねてきたばかりの、福井県は北潟湖にある潮留水門、開田橋水門に併設された閘門。こちらも径間3.5mと結構な狭さなのに加えて、珍しいスイングゲート、それにセルフ操作と、嗜好のツボを連続コンボで突かれたような超好物件! しかも通航体験ができたのですから、その幸福感たるやもう、えもいわれぬものがありました。
天気予報をにらんで、晴れて気温も高いということで、思い切って仕事を休ませていただき(ご迷惑をおかけした各位、申しわけございません‥‥)、エイヤッという感じで訪ねたのですが、予想を上回る上天気。地元の方も、この時期こんな好天に恵まれるのは珍しい、としきりに感心しておられたくらいの穏やかさで、決断してよかったと思えたものでした。
●魅力あふれる個性派閘門に、間をおかず続けて出会えた嬉しさのあまり、とり急ぎお知らせまで。いずれ改めて、詳しく垂れ流しに及びたいと思います!
(元年11月4日・23日撮影)

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●一つは、千葉県は一宮川の松潟堰舟通し。径間わずか2.1m! ひょろ高い堰柱が狭さをさらに強調しているという、見た目もインパクトのある閘門でした。なりは小さくとも、バイパス設備を有する本格派でもあります。
ただ、周囲は厳重にフェンスで囲われ、管理橋も通行禁止、さらにカメラでの監視下にあるという、鑑賞には非常に具合の悪い状況。少しでも好条件の視点を探して、対岸からすぐかたわらまで、ずいぶんうろついたものですが、それも楽しいひとときではありました。

●いま一つは、昨日訪ねてきたばかりの、福井県は北潟湖にある潮留水門、開田橋水門に併設された閘門。こちらも径間3.5mと結構な狭さなのに加えて、珍しいスイングゲート、それにセルフ操作と、嗜好のツボを連続コンボで突かれたような超好物件! しかも通航体験ができたのですから、その幸福感たるやもう、えもいわれぬものがありました。
天気予報をにらんで、晴れて気温も高いということで、思い切って仕事を休ませていただき(ご迷惑をおかけした各位、申しわけございません‥‥)、エイヤッという感じで訪ねたのですが、予想を上回る上天気。地元の方も、この時期こんな好天に恵まれるのは珍しい、としきりに感心しておられたくらいの穏やかさで、決断してよかったと思えたものでした。
●魅力あふれる個性派閘門に、間をおかず続けて出会えた嬉しさのあまり、とり急ぎお知らせまで。いずれ改めて、詳しく垂れ流しに及びたいと思います!
(元年11月4日・23日撮影)

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