5月1日の江戸川…8
(『5月1日の江戸川…7』のつづき)

●松戸船着場。フェンダー付きの岸壁一面、上流側に階段式、下流側にスロープを備えた立派なもの。「江戸川管内緊急用船着場」(PDF)によると、全長30m、河口からの里程19㎞とのこと。
ん? 上流側に人影が‥‥。先ほどと違って防災訓練ではなさそうだし、何かを待っているような雰囲気。もしかして、船が来るのかしら。
●松戸市街のビル群を遠望。回転レストランらしい、円盤型の構造物を頂いたビルが目立っているのは、初めて訪ねたときから変わっていません。今も現役なのでしょうか。
帰宅後検索したら、「松戸ビル」(超高層ビルと風景写真のきりぼう)がヒット。昭和49(1974)年竣工、平成15年までホテルニューオータニ松戸が14~20階にテナントとして入っており、本家同様スカイラウンジもあったとのこと。勉強になりました!

●変則3径間という形の面白さ、径間角の石材が渋さを演出しておりと、魅力的な外観の小型水門・赤圦樋門。
「水とみどりと歴史の回廊マップ(松戸地区)~水とみどり~」(松戸市HP)によれば、創設は何と文化10(1813)年! 江戸時代からこの地にある、歴史ある樋門だったのですね。ちなみに現樋門は昭和32年の竣工、こちらも60年になんなんとする古豪であります。

●その上流にある樋野口樋管も一枚。坂川の調整を担うという意味では、赤圦樋門と同様なものの、こちらは背後右側に見える樋野口排水機場とセットで、いわば機力排水の放流口と見てよいでしょう。地味な存在ですが、佐藤師匠のFloodgates List 16には、しっかりリストアップされており、さすがとしかいいようがありません。
●松戸の屈曲を離れると、流路を県境が横切っており、東京都から埼玉県に入ります。流路中央に出ると、写真のようにところどころ感が跳ね上がる箇所もあるものの、水深はおおむね3m台~4m弱をキープしていて、まずまずの可航環境。
そうそう、可航環境で思い出した!
だいぶ前になりますが、「緊急船着場と緊急用河川敷道路」(南流山通信)と題した記事を発見。船着場の詳しい情報が載っているのに惹かれて、興味深く拝読していたら、「三郷緊急用船着場までの江戸川の航路となる部分の浚渫(平成22年度までの予定)が進められています」なる下りが! 当然ながら、目を剥いてものすんごく意識したわけであります。
●Googleの航空写真で、三郷船着場までの河道を眺めてみたかぎりでは、岸沿いの砂洲や浅瀬こそあまり変わっていないものの、三郷中之島(『江戸川・三郷中之島覚え書き』参照)西側にあった浅瀬が、無くなっているように見えたのです! 佐藤師匠と訪ねたのが平成21年7月、記事の文言を信じれば、その直後に浚渫されたということでしょうか?
他の砂洲や浅瀬がほぼそのままのようであることから、低水敷すべての浚渫はあきらめ、想定された河用船が通れる最低限の澪筋のみ、確保する方針で掘り下げたのかもしれませんね。以上は確認情報ではなく、船頭の妄想ですので、間違っていたらごめんなさい。
(28年5月1日撮影)
(『5月1日の江戸川…9』につづく)

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●松戸船着場。フェンダー付きの岸壁一面、上流側に階段式、下流側にスロープを備えた立派なもの。「江戸川管内緊急用船着場」(PDF)によると、全長30m、河口からの里程19㎞とのこと。
ん? 上流側に人影が‥‥。先ほどと違って防災訓練ではなさそうだし、何かを待っているような雰囲気。もしかして、船が来るのかしら。

帰宅後検索したら、「松戸ビル」(超高層ビルと風景写真のきりぼう)がヒット。昭和49(1974)年竣工、平成15年までホテルニューオータニ松戸が14~20階にテナントとして入っており、本家同様スカイラウンジもあったとのこと。勉強になりました!

●変則3径間という形の面白さ、径間角の石材が渋さを演出しておりと、魅力的な外観の小型水門・赤圦樋門。
「水とみどりと歴史の回廊マップ(松戸地区)~水とみどり~」(松戸市HP)によれば、創設は何と文化10(1813)年! 江戸時代からこの地にある、歴史ある樋門だったのですね。ちなみに現樋門は昭和32年の竣工、こちらも60年になんなんとする古豪であります。

●その上流にある樋野口樋管も一枚。坂川の調整を担うという意味では、赤圦樋門と同様なものの、こちらは背後右側に見える樋野口排水機場とセットで、いわば機力排水の放流口と見てよいでしょう。地味な存在ですが、佐藤師匠のFloodgates List 16には、しっかりリストアップされており、さすがとしかいいようがありません。

そうそう、可航環境で思い出した!
だいぶ前になりますが、「緊急船着場と緊急用河川敷道路」(南流山通信)と題した記事を発見。船着場の詳しい情報が載っているのに惹かれて、興味深く拝読していたら、「三郷緊急用船着場までの江戸川の航路となる部分の浚渫(平成22年度までの予定)が進められています」なる下りが! 当然ながら、目を剥いてものすんごく意識したわけであります。
●Googleの航空写真で、三郷船着場までの河道を眺めてみたかぎりでは、岸沿いの砂洲や浅瀬こそあまり変わっていないものの、三郷中之島(『江戸川・三郷中之島覚え書き』参照)西側にあった浅瀬が、無くなっているように見えたのです! 佐藤師匠と訪ねたのが平成21年7月、記事の文言を信じれば、その直後に浚渫されたということでしょうか?
他の砂洲や浅瀬がほぼそのままのようであることから、低水敷すべての浚渫はあきらめ、想定された河用船が通れる最低限の澪筋のみ、確保する方針で掘り下げたのかもしれませんね。以上は確認情報ではなく、船頭の妄想ですので、間違っていたらごめんなさい。
(28年5月1日撮影)
(『5月1日の江戸川…9』につづく)

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水門先生と水路行…2
(『水門先生と水路行…1』のつづき)
●可動堰のローリングゲートに、ギリギリまで近寄ってみると、本流下流部との水位差が見て取れ、ちょうど崖っぷちから下をのぞいているような気分。
フネに乗ったまま…しかも動力船で、扉体ギリギリまで近づいて、水面の高さを実感することができる行徳可動堰って、実は貴重な場所かもしれません。
ふと周りを見ると、ここ数日の雨のせいか、若干水位が高いように思えました。これなら、少しは遡上も楽かも…。
●行徳可動堰を後に、本流を遡上開始。佐藤氏のお話によると、旧ブログに書いた記事、「平成7年8月・江戸川…1」、「平成7年8月・江戸川…2」(『水路をゆく 過去ログ』収録)を読まれて以来、ぜひ江戸川を遡上してみたい、と思われていたとのこと。
まことに船頭冥利に尽きるお話、ありがたい限りですが、佐藤氏に水路病(?)を発症させてしまった責任もあり、今回のお誘いに至ったわけであります。
●国府台を過ぎ、満員の渡し舟を見ながら矢切付近の浅瀬をクリアして、金町の取水塔横を通過。
このあたりは、江戸川有数の風光明媚な区間でもあります(『江戸川散歩…3』ほか参照)から、曇天下とはいえ、お2人にも楽しんでいただけたようです。
●数隻のPWCやボートと行き交いながら、松戸付近のS字屈曲区間に突入。先ほどとは打って変わって、水深はぐっと深くなり、しばらくは安心して走ることができます。
グレーのトラス、外環葛飾大橋・葛飾橋をくぐった向こうは、松戸の中心市街もほど近いところ。ここには…。
●固定岸壁の、松戸船着場があります。ここが江戸川の船着場では最上流で、つまり小型水上バスクラスの、遡上限界点でもあるということです。
この先は、何度か行ったことはあるとは言え、安全航行の保証のない区間…。一人でやんちゃをしていたころならともかく、お客様を乗せての船行きとなれば、緊張しないと言ったら、やはりウソになります。
●堤防越しに見えていた、背の高いビル群が消えうせ、妙に橋脚がひょろ長く見える、上葛飾橋をくぐると、いよいよ江戸川らしい、広漠たる川景色が広がりました。
ここまで上がってくるのは、本当に久しぶりです。魚探の感は次第に上がり、アウトコースを取っていても、1m台を示すようになりました。佐藤氏もしきりにモニターをのぞき込んでは「う~ん、浅いですねえ」と、心配しておられる様子。
澪筋も、昔とはだいぶ変わっているようだし、果たして当初の目標遡上地点である、三郷放水路まで到達できるのかどうか…。
【撮影地点のMapion地図】
(21年7月18日撮影)
(『水門先生と水路行…3』につづく)

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フネに乗ったまま…しかも動力船で、扉体ギリギリまで近づいて、水面の高さを実感することができる行徳可動堰って、実は貴重な場所かもしれません。
ふと周りを見ると、ここ数日の雨のせいか、若干水位が高いように思えました。これなら、少しは遡上も楽かも…。
●行徳可動堰を後に、本流を遡上開始。佐藤氏のお話によると、旧ブログに書いた記事、「平成7年8月・江戸川…1」、「平成7年8月・江戸川…2」(『水路をゆく 過去ログ』収録)を読まれて以来、ぜひ江戸川を遡上してみたい、と思われていたとのこと。
まことに船頭冥利に尽きるお話、ありがたい限りですが、佐藤氏に水路病(?)を発症させてしまった責任もあり、今回のお誘いに至ったわけであります。

このあたりは、江戸川有数の風光明媚な区間でもあります(『江戸川散歩…3』ほか参照)から、曇天下とはいえ、お2人にも楽しんでいただけたようです。

グレーのトラス、外環葛飾大橋・葛飾橋をくぐった向こうは、松戸の中心市街もほど近いところ。ここには…。

この先は、何度か行ったことはあるとは言え、安全航行の保証のない区間…。一人でやんちゃをしていたころならともかく、お客様を乗せての船行きとなれば、緊張しないと言ったら、やはりウソになります。

ここまで上がってくるのは、本当に久しぶりです。魚探の感は次第に上がり、アウトコースを取っていても、1m台を示すようになりました。佐藤氏もしきりにモニターをのぞき込んでは「う~ん、浅いですねえ」と、心配しておられる様子。
澪筋も、昔とはだいぶ変わっているようだし、果たして当初の目標遡上地点である、三郷放水路まで到達できるのかどうか…。
【撮影地点のMapion地図】
(21年7月18日撮影)
(『水門先生と水路行…3』につづく)

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