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松川遊覧船みたび

(『新川橋閘門跡を訪ねて…2』のつづき)

283028.jpg新川橋閘門の跡を訪ねた翌日7月10日は、富山市の松川遊覧船に乗ることにしました。9日晩は豪雨だった天候も何とか持ち直し、この日は結構な暑さに。

乗り場である松川茶屋は平成29年9月にも立ち寄っていますが、乗船となると27年6月以来の7年ぶりです。中村珠太専務にご挨拶したいこともあり、電車に乗って桜橋電停に向かうことにしました。

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タグ : 松川松川遊覧船水辺の鳥たち

松川と彼岸花

(『庄川峡の船旅…10』のつづき)

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小牧ダムを離れた後は、一つ下流にあるやはり戦前竣工のダム、合口堰堤にちょっと寄り道。昭和14年竣工、7カ所の水力発電所に給水し、11,000haの田畑を潤しているとのこと。

休憩所など近隣の施設も充実しているせいか、多くの人で賑わっていました。ダムそのものは扉体ともきれいに整備されて、戦前にできたとは思えないほどでしたが、手前の魚道は苔や草が生い茂り、コンクリートの表面も風化して、過ごしてきた時間の長さを感じさせました。

211157.jpg帰路は違ったルートをたどってみたくなり、福光駅より城端線、高岡であいの風富山鉄道に乗り替えて、富山に出ることに。

写真は城端線ですが、懐かしくなるような朱色のディーゼルカー2輌編成に乗って、開けた窓から入る風を受けつつ、田園地帯を爆音高らかに疾走するのは楽しいものです。

211158.jpg富山到着後、帰りの新幹線まで少し時間があったので、市内線に乗って松川茶屋へ。

船に乗るのは時間的に無理にしても、ちょっとお茶でも‥‥と思っていたら、河畔は生バンドの演奏が聞こえるなど大変な賑わいで、橋台跡をステージにしてこれからイベントが始まる模様。中村専務もお忙しそうなので、失礼してお散歩に切り替えました。

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法面では彼岸花がちょうど満開で、本当に見事です。花の名前などろくに知らない、無粋ものの船頭ですが、こと大好きな松川畔。これは一枚スナップしておきたく、カメラを向けてみました。

相変わらず下手な写真ですが‥‥。よく陽が当って目に沁みるような彼岸花の紅と、木陰に黒く沈む川面、さらに遊覧船の赤い塗色がよいコントラストをなして、素敵な川景色が撮れました。

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少し歩いて、七十二峰橋を渡ろうとしたら、いま一隻の遊覧船‥‥たぶん「神通Ⅰ」が、いいタイミングで戻ってきました! くぐる前に迎え撃ち、くぐった後を見送って(10月1日からのタイトル)と、何度もシャッターを切りました。

底まで陽の射した澄んだ河水、玉石垣を固めた法面にテラスと、松川ならではの川景色を愛でる遊覧船。絵になりますねえ。次回はぜひ乗ってみたいものです。ともあれ2日間、最後までお天気に恵まれた旅行になり、何よりでした。お世話になった皆様、ありがとうございました!
撮影地点のMapion地図

(29年9月24日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 庄川合口堰堤松川松川遊覧船

萩之浦閘門跡を訪ねて…1

211001.jpg9月23日はお休みをいただき、翌24日と合わせて富山・高岡を訪ねてきました。朝一番の「かがやき」に乗れば、8時半には駅前の市内線乗り場に立てる‥‥。イヤ、新幹線での訪問は2度目とはいえ、この速さには驚きます。

その足で富山城址の松川遊覧船を訪ね、中村珠太専務に諸々お世話になった御礼を兼ねてご挨拶。第一便出航前のお忙しい時間にもかかわらず、応対していただきありがとうございました!

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お話を伺っていると、上流から艫を前にして、棹を突きつつササブネが下ってきました。中村氏が「乗っているのは漁師さんで、月一回の河川清掃をしているんですよ」と説明してくださったのを聞き、にわかに色めき立ちました。

おお、「松川の舟通しと和船のことなど」でも触れた、貴重なササブネの実稼働に出くわしたんだ! 月一便に偶然出会えるとは、早起きはしてみるものです。

「目の色が変わりましたねえ」と中村氏が笑う横で、カメラを構えてシャッターを切る、切る! 艫を先に進んでくるあたり、ベカの海苔摘み作業を思い出させるものが。スペースに余裕があって、安定もよい船尾を作業の立ち位置にするのは、小舟艇では理にかなっています。

我々や遊覧船の船長に声をかけながら、棹を突き、タモ網でゴミを丁寧にすくい取る漁師さんたち。静かな朝の松川ならではの、清々しい舟航風景を目にできて、嬉しくなりました。

211003.jpgここで、バスから降りてきた団体のお客さんが到着。すっかりお仕事のお邪魔をしてしまい、恐縮しつつ松川茶屋をおいとますることにしました。

別れ際、中村氏に「これからどちらに行かれます?」と尋ねられ、「萩之浦閘門の跡を見にゆこうと思います」と答えました。そう、中村氏のご教示がなければ、その存在に気づくこともなかったであろう、あの萩之浦閘門です!

そのいきさつはすでに「富山港・知られざる閘門?!」、その後の解明編として「『富山港・知られざる閘門』の図面が!」で詳述しているので、ぜひご覧いただきたいと思います。

河道整理と同時に河口港を分離築港した、「河海分離」後の舟航維持策として建造された閘門の例としては、酒田港~最上川の下瀬閘門(『下瀬閘門跡を訪ねて』参照)がありますが、撤去後も痕跡が残り、説明板で顕彰されもしている下瀬閘門にくらべ、萩之浦閘門はほぼ跡形もないのが大きな違いではあります。それがわかっていても、いやそれだからこそ、現地をこの足で踏んでみたい思いは強くあったのです。

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富山駅前から数えて6㎞あまり。堤防上の道をひたすら走り、萩之浦閘門のあった富山市草島102付近に到着。この道の曲がり具合! あの曲がったあたりが、閘室の北側護岸の位置だったんだよなあ‥‥。「知られざる閘門」の地を踏んだ感慨に、しばししみじみと立ち尽くすおっさん。

とはいっても、ここまでならGoogleストリートビューで、自室にいながらにして見られる光景。現地を訪ねられただけでもよしとは申せ、せめて、何か痕跡めいたものを見つけたい気持ちがあるのは、いうまでもありません。

211005.jpg閘室比定地から西側、神通川を望んだところ。Googleマップの写真では、水際にちょっとした凹部が見られ、唯一のよすがになりそうと期待していたのですが‥‥ご覧のとおり、法面と高水敷は夏草と蔦か何かで分厚く覆われ、足を踏み入れるのもためらわれる状況でした。

く~っ、残念! 川向こうにそびえる富山火力発電所を眺めながら、唇を噛んだことではありました。
撮影地点のMapion地図

(29年9月23日撮影)

(『萩之浦閘門跡を訪ねて…2』につづく)

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タグ : 松川松川遊覧船萩之浦閘門

「富山港・知られざる閘門」の図面が!

205036.jpg昨年2月、「富山港・知られざる閘門?!」で、富山港にも港内と神通川本流間の背割堤を貫く、閘門があったことを紹介しました。

竣工年も規模も、名前すらわからなかったこの「知られざる閘門」、最近になって、ついにその正体が詳らかになったのであります! まずはそのいきさつからお話しさせてください。
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タグ : 萩之浦閘門中島閘門富岩運河富山港閘門松川松川遊覧船

松川の舟通しと和船のことなど

(『松川遊覧船ふたたび…5』のつづき)

175176.jpg松川遊覧船の中村珠太専務にうかがったお話と、著書「神通川の河川文化~川魚漁と川舟から~」を参考に、気になる松川舟通しをはじめ、松川で見たご当地の和船について、以下にまとめさせていただきました。

松川舟通し! いやもう、想像をはるかに超えた、驚異の舟航施設(?)といってもいい過ぎではありませんでした!
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タグ : 松川富岩運河松川舟通し絵葉書・古写真