松川の舟通しと和船のことなど

(『松川遊覧船ふたたび…5』のつづき)

175176.jpg松川遊覧船の中村珠太専務にうかがったお話と、著書「神通川の河川文化~川魚漁と川舟から~」を参考に、気になる松川舟通しをはじめ、松川で見たご当地の和船について、以下にまとめさせていただきました。

松川舟通し! いやもう、想像をはるかに超えた、驚異の舟航施設(?)といってもいい過ぎではありませんでした!
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タグ : 松川 富岩運河 松川舟通し 絵葉書・古写真

松川遊覧船ふたたび…5

(『松川遊覧船ふたたび…4』のつづき)

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合流点から遡上して、塩倉橋に戻ってきました。途中からぽつり、ぽつりと小雨に見舞われるあいにくの空模様でしたが、8年ぶりの松川、堪能させていただきました! 

橋の下左手には、数隻の和船の姿が。前回お世話になった棹舟も、あの中にいるかもしれません。

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松川茶屋前に接岸、船長にお礼を言って船を降り、改めて「神通Ⅱ」の船影を一枚。いや~、この船で富岩運河を走ってみたかった(しつこい)。

お気づきの方も多いと思いますが、松川遊覧船、事前にお願いしておけば、「滝廉太郎Ⅱ世号」(上の写真、『神通Ⅱ』の後ろにもやう大型船)のチャーター便のみですが、富岩運河遊覧のコースがあります。前回触れたように、松川から船をクレーンで搬出する手間がかかりますので、日にちに余裕をもって予約されるとよろしいでしょう。

175173.jpgお店に入ってお茶でも、と思っていたら、連れが船長と何やら話しているようです。「ウチのは運河とか閘門とか好きで‥‥」それを聞いた船長、
あ、ブログとかやられてます?
弊ブログの読者様であることが判明。


改めてご挨拶すると、船長は中村珠太氏とおっしゃって、富山観光遊覧船の専務取締役とのこと!


名刺をいただいて恐縮しながらも、社業として河川舟航にたずさわられてきた方なら、きっと地元の川のこともご存じに違いないでしょう。昨日見た松川の一件をうかがってみると‥‥。

いや、「ご存じ」などというレベルではありません。言葉のはしばしに、仕事とはまた違ったベクトルの情熱をもって、松川・神通川のもろもろに関心を持っておられることが感じられたのです!

175174.jpg舟通しのことをお訊ねすれば、即答に近い形でたちまち疑問が氷解! いや、凄い人物に出会えたものだと、敬服するばかり。

松川茶屋の店内には、右のような神通川の舟橋の古写真をはじめとする、貴重な史料が多数展示されていますが、これも中村氏の長年に渡る研究と蒐集の賜物に、違いありますまい。


175175.jpg中村氏から別れ際、著書を贈呈いただきました。「神通川の河川文化」! 一読してみると、これまた知りたかったことばかりで、嬉しいのなんの! 船頭儀、恐悦至極であります、本当にありがとうございました!

回を改めて、中村氏からおうかがいしたお話と、著書を参考にさせていただいて、舟通しや松川の和船に関することどもを、以前の記事の訂正もかねて、まとめてみたいと思います!

(27年6月21日撮影)

(『松川の舟通しと和船のことなど』につづく)

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タグ : 松川 松川遊覧船

松川遊覧船ふたたび…4

(『松川遊覧船ふたたび…3』のつづき)

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乗り場より下流のコースで一番の見どころといえば、やはり桜橋を置いて他にないでしょう。昭和10年竣工の美しい上路式鋼アーチで、富山市街地に架かる戦前製の橋では、ほぼ原形を保った貴重な橋。有形文化財指定がなされたのもうなずけます。

あいにくの曇り空とあって、カメラを向けてはみたものの、表情はいま一つといったところでしたが、石張りの橋台や高欄の装飾など、重厚な魅力を8年ぶりに堪能できて、満足満足。

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帰路、東側から見たところ。光線の塩梅はこちらの方がよろしいようで、ディテールもくっきり、こうべを垂れる桜の枝もよろしく、緑濃いしっとりとした川景色です。

先ほども引用させていただいた、松川遊覧船サイト内のPDF「富山の風景・桜橋」によると、全長15.5m、全幅21.9mとのこと。この広い幅員が、今日まで原形を保たせた、何よりの力だったのかもしれません。

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何ていうんでしょう、この丁寧に抜かれた高欄の装飾パターンに、曲線を取り入れた持ち送り端部の処理。裏側に広がるリベット列(タイトル参照)と併せて、この時代の鋼橋の魅力にあふれていますね。

175169.jpg遊覧コースの下流側転回点、鼬川との合流部まで来ました。都市河川の合流部に設けられた、開放型のテラスというだけで素敵ですよねえ‥‥。

それこそ、鼬川~富岩運河の可航化が成り、「塩倉橋発・カナル会館行き」なんて便が実現したら、ここで行きかうフネブネを眺めながら、のんびりしてみたくなるような、佳いロケーションです。

前回(過去ログ『松川を棹舟でゆく…4』参照)はアオサギ君が一人ハァハァしていましたが、今回はハトの社交場(笑)と化していました。誰かが餌付けした後なのか、ハト君たちも腹くちくなったようなまったりムード。ここでのんびりするには、みかじめ料としてハトのエサが必要でしょう!

175170.jpgそうそう、桜橋のすぐ上流に、水しぶきを上げて流れ込む落し口があり、鉄板の水制を立てて水流を和らげているのですが、そのかたわらに、滴が垂れるほど濡れそぼりながらも離れない、アオサギ君を発見。

船長によれば、「あそこは滝になっていることで、魚がよく跳ねるから、それを狙っているんでしょうねえ」とのこと。生真面目に立ち尽くす姿が何ともおかしく、笑いを誘うシーンでした。どこか人間臭さがあって、しぐさに惹かれるものがあるアオサギ君、松川のアイドル的存在といってもいいようです。

(27年6月21日撮影)

(『松川遊覧船ふたたび…5』につづく)

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タグ : 松川 鼬川 松川遊覧船 水辺の鳥たち

松川遊覧船ふたたび…3

(『松川遊覧船ふたたび…2』のつづき)

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船橋をくぐって上流側を見たところ。前回同様、ここで引き返すコースですが、草深い法面を湿しつつ流れるカーブの具合を眺めるにつけ、このままもっと奥まで行ってみたい、という気持ちが強くなりました。

やはり前日、この上流をお散歩したことで、松川に対する親しみがぐっと増したようです。ちなみにこの次の橋が、橋の下に多くの舟がもやっていた松川橋。

175162.jpg棹舟なら、ここでくるりと転回するところですが、「神通Ⅱ」は船首を上流に向けたまま、後進にかけてふたたび舟橋をくぐり、ゆっくり戻り始めました。

艇の全長も結構あるし、無理して転回するより、そのまま後ずさった方が安全ではあります。でも、このまま鼬川の合流点まで下るのかしら?




175163.jpg‥‥と思う間もなく、するすると左舷側へ舵を切り、転回の体制に入り始めました。えっ、こんな狭いところで? 見れば、派川の河口に船尾を突っ込んで回そうとしているようです。

前回、河口部に架かる古びたRC橋に目を奪われた、市街地の余水吐けといった風の小派川です。幅も十分あるとはいえず、落とし口の流速は結構なもの。大丈夫なのかなあ‥‥。


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船長は余裕の表情で、造作もなく転回完了。鮮やかなお手並みに、思わず歓声を上げてしまうほど! 船長のご苦労を思うと不謹慎ではありますが、棹舟のときとは違った面白さで、ちょっとしたスリルがありました。
撮影地点のMapion地図

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松川茶屋前まで戻り、塩倉橋をくぐったところで、前回の間違いを訂正。RC桁橋だと思っていた塩倉橋ですが、くぐりつつ見上げてみると、中央にはリベットばりばりの鈑桁がずらり! この橋も安野屋橋や安住橋同様、道路拡幅時の増設によって、原形を失った橋だったのですね。

そういえば、現在の橋は昭和27年竣工だと、旧橋の橋台跡に説明があったなあ‥‥。うかつでありました。拡幅で風格ある橋の姿が失われたのは残念ですが、よい方に考えるなら、古い施設の積極活用であり、むしろ埋もれたことで、長きにわたり古い構造が保存される、ということになるのかもしれませんね。

(27年6月21日撮影)

(『松川遊覧船ふたたび…4』につづく)

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タグ : 松川 松川遊覧船 橋の裏側

松川遊覧船ふたたび…2

(『松川遊覧船ふたたび…1』のつづき)

175156.jpgもやいを解き、船長がコンソールについた「神通Ⅱ」はエンジン始動、静かに岸を離れてまずは上流へ。舷内外とも、目の覚めるような真紅に塗装され、まるで新造艇のようにピカピカ。可愛がられていることがうかがえました。

船長は舵を取りながら、コンソールに備えられているマイクで見どころの解説をしてくれます。お国なまりの軽妙なトークに耳を傾けつつ、8年ぶりの松川を堪能することに。

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景雲橋を奥に控えたテラスでは、さっそく数羽のアオサギが休んでいるのを発見。前回は船を見ると、泡を喰って逃げる鳥もいましたが、皆さん船の往来に慣れたのか、今回はおしなべてリラックスムードでありました。

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七十二峰橋をくぐって見えてくるのが、RCアーチの安住橋。戦前、昭和8年製の気になる橋なのですが、ご覧のとおり上下流に歩道が併設され、側面のディテールがほとんど見えないという、ちょっと残念な橋でもあります。

近年補修をされたそうで、アーチの裏面はエポキシ塗装されたのか光沢があり、曇り空にもかかわらず、水面に反射してきれいな紡錘形をつくっていました。

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ツルツルのアーチを仰ぎながらくぐってみると‥‥おお、水鏡はさざ波ひとつなく、紡錘形のパイプを空中浮遊しているような、幻想的な眺め。桜の時季に通ったら、橋の向こうは一面の薄桃色で、さぞかし見事だろうと思われました。

安住橋の原型は、本当に格好がいいんですよ。写真がどこかにアップされていないかと探したら、松川遊覧船サイトの「読み物」の1ページ、PDF「富山の風景」に小さいですが写真がありました! 灯台下暗しであります。

175160.jpg舟橋の南詰で、船長の指さす方を見ると、柵に囲われた古びた石造りの常夜灯が。表面にも刻まれているとおり、何と寛政11年(1799)建立のもので、お伊勢さん信仰にも関連しているとのこと。

かつては城下を洗う神通川の本流が通り、全国でも有数規模の舟橋が架かっていた街道筋であったところ。照明として、またランドマークとして、立派な石灯篭が建てられたのも、うなずける話であります。
撮影地点のMapion地図

(27年6月21日撮影)

(『松川遊覧船ふたたび…3』につづく)

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タグ : 松川 松川遊覧船 橋の裏側 水辺の鳥たち