鯛の浦遊覧船…1

(『東京湾フェリーとフネブネ…5』のつづき)

84026.jpgフェリーはさしたる衝撃もなく、金谷港に接岸。スターンのドアが開く瞬間が、また何ともいえず楽しいんですよね。上陸作戦で浜にビーチングしたLST(揚陸艦、今は旧海軍流に『輸送艦』と呼ぶようですが)の車輌甲板から、出撃する戦車になった気分。

下船したところで、ちょうどお昼どきになったので、フェリーターミナルで美味しい天丼の昼食をいただき、さて、次の目的地へ。

84027.jpgううむ、こういうトンネルを前にすると、右手から旧道のニオイがプンプンしてくる気がして、ちょっとのぞいてみたくなる! 「山さ行がねが」の読み過ぎかしら。

山また山、トンネルまたトンネルの、いかにも南房総らしい道をドライブして、ゆく先は…。



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県道34号線をひた走り、房総半島の反対側、鴨川市は内浦湾に面した小湊にある、鯛の浦遊覧船の乗り場にやって来ました。

このご時世とあって、地生えの遊覧船はどこも厳しいと聞いていますが、ここ鯛の浦は日中の通年運航を維持しており、初日の出にも船を出すなどイベントにも熱心で、地元が一丸となって盛り上げているさまに惹かれるものがあり、河川航路ならずとも乗っておきたいと思ったのです。
撮影地点のMapion地図

84029.jpg出札口できいてみると、船は沖に出ているとのことなので、次の便が来るまで、併設の展示館を見学することにしました。

乗り場のすぐ近くに「誕生寺」というお寺さんがあることでもわかるように、ここ小湊は日蓮聖人の生誕地であり、鯛の餌付けや保護も日蓮さんに始まるのだとか。このあたり、恥ずかしながら全く知らなかったので、興味深く拝見しました。詳しくは、鯛の浦遊覧船のサイトをご覧ください。

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日蓮さんの故事にまつわる鯛の浦の歴史から、鯛の種類や生態に至るまで、パネルや映像でやさしく説明されており、勉強になります。まあ、写真の船具や機付き漁船、かつての遊覧船の模型が展示された一角に、ひゅっと吸い寄せられてしまうのは致し方のないところ。

外洋に面した地勢のせいでしょうか、漁船で使う艪も長大でがっしりしており、内湾や川舟のそれとはおもむきが異なります。これを一人で漕いだのかなあ…。


(23年6月6日撮影)

(『鯛の浦遊覧船…2』につづく)

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タグ : 東京湾フェリー 鯛の浦遊覧船

東京湾フェリーとフネブネ…5

(『東京湾フェリーとフネブネ…4』のつづき)

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「あこがれ」を見送ってしばらくたったところで、東海汽船のジェットフォイル「セブンアイランド夢」が! 白い水煙を上げて、堂々のフォイルボーン、いやもう大迫力!

ジェットフォイルの航海速度は、実に43kt(約80km)。う~ん、40ktオーバーで走る船の姿を見たのは、これが初めてかも。港内では何度か出くわしていますが、もう少し遅かったように感じられましたから。

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84023.jpgあっという間に湾奥へ消えてゆく「セブンアイランド夢」の航跡が、フェリーの舷側から眺められたときの感動ったらありませんでした。白く泡を含んだ二本の線が、くっきりと海上に残って水平線まで続くさま…。初めて目にする、ジェットフォイルならではのウェーキ。

後ろを振りかえると、互いの航跡で海上にクロスが描かれたところでした。艇はすでにはるか遠くへ去ってしまったのに、まるで潮目のように、いつまでも残っているのが不思議で、面白く思えたものです。

84024.jpgまさに「緑したたる」という言葉がしっくりきそうな、海沿いの低い山並みが迫ってくると、金谷入港も間もなくです。

水際に岩場が伸びる山懐に、全艇陸置のマリーナが見えました。金谷マリーナですね。南に開けた場所にあるので、風があるときの入出港は技術を要しそうではあります。

84025.jpg入港直前に、フェリー乗り場のすぐ北にある岸壁(Mapion地図)で見た船も、やはりガット船。ちょうどダンプが荷台を傾けて、ホールドに積み込みを行っている最中でした。

そういえば、砂町運河に入ってくる建材輸送の本船も、千葉県産の砂を運んでいたような…。五大力の昔から、湾内から川に至る舟運は千葉と縁が深いようですね。

穏やかな海況に恵まれて、活躍するフネブネの姿と、美しい東京湾の風景を堪能することができました。また機会があったら乗ってみたいものです。


(23年6月6日撮影)

(『鯛の浦遊覧船…1』につづく)

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タグ : 東京湾フェリー ジェットフォイル

東京湾フェリーとフネブネ…4

(『東京湾フェリーとフネブネ…3』のつづき)

84016.jpgしらはま丸が遠ざかったところで、後ろを振り返ってみると、遠ざかる三浦半島の緑をバックに、フネブネが点々と浮いているのが望めました。

釣船の船団はみなスパンカーを張って、船首を行儀よく風に立てての碇泊。この船団を避けたのでしょうか、乗っていても「おっと」となるほどの急転舵で、S字を描くような動きをしました。船長も神経を遣うことでしょう。

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左舷前方に見える船、内航タンカーでしょうか、何やら右舷に傾いて走っているのが気になりました。傾斜するほどの大舵角を取っているようにも見えず、まさか故障かしらとハラハラしましたが、空荷も手伝ってか行き足は至って早く、たちまち小さくなってゆきました。

84018.jpgヤードに掲げている旗旒、よく見えませんでしたが、第二代表旗に「P」…かな? 旗旒信号には詳しくないので、何を意味しているのかはわかりませんでした。

船名「旗山丸」から帰宅後に検索してみると、旭タンカー(株)の運航船とのこと。ご安航をお祈りします。



84019.jpg「旗山丸」の後ろから現われたのは、おお、帆船だ! セイル大阪所属の練習帆船、「あこがれ」ですね。3檣トップスルスクーナー、小柄な船体にちょっと頭でっかちな印象の船橋と甲板室と、個性的な船影ですぐにわかりました。

メインマストのみ展帆していますが、この凪ときては帆走はおぼつかないでしょう。船首波の立ち方から見ても、機走に違いありません。

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薄霞の向こうから、次第に姿を現してきた房総の緑をバックに、悠然と進む縦帆船を眺められる楽しさ! さすが海の都大路、期待を裏切りませんでした。

(23年6月6日撮影)

(『東京湾フェリーとフネブネ…5』につづく)

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タグ : 東京湾フェリー

東京湾フェリーとフネブネ…3

(『東京湾フェリーとフネブネ…2』のつづき)

84011.jpg港口を出たので、最上甲板に上がってみました。こちらも人影なし…空いているのはよいのですが、やはりちょっと寂しさが。聞こえるのはファンネルを通して響くエンジンの鼓動と、風の音のみ。

沖に出て間もなく、船長からの放送がありました。まず名前を名乗り、乗客へのあいさつと予定どおり出航したことなどを伝える中で、「海上は穏やかです」のひと言が。まさにおっしゃるとおり、薄霞のかかった平穏な海況で、絶好の乗船日和でしたが、この言葉が妙に快く響き、印象に残ったのを覚えています。

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さて、国内でも名だたる輻輳海域を横断する航路とくれば、楽しみなのは出船入船の姿を眺められること。最初に目に留まったのは、のんびりと機走するモーターヨットです。

横切ってゆくプレジャーたちの姿を見ると、やはり三浦から東京に回航していたころを思い出します。波がなく穏やかであれば、フェリーの船影にカメラを向けたものですが、そんな余裕のあることはあまりなく、艇を持ってゆくのに精一杯なことが多かったものでした。

84013.jpg久里浜港を出て間もなく、南側に見えてくる灯台のある岩は、海獺(あしか)島。写真では重なって写っていますが、島とは名ばかりの二つの岩礁で、近くにある洗岩、笠島とともに危険な岩場を形成しており、当時参考にしていたチャートにも明記されていました。

白波砕ける岩々を、沖に避けながら怖々通ったっけ…。写っていませんが、写真の左には多くの釣船が碇泊していました。岩場の根とあって、釣りにはもってこいのようですね。

84014.jpg出港15分ほどで、霞たなびく房総の山々をバックに、僚船しらはま丸が登場。船首に立つ白波も低く、ピッチングもほとんど見られないあたり、海面の穏やかさが実感できるようです。

刻々と迫ってくる姿を楽しみながら、最も近づいたところで反航中の側面を一枚。

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(23年6月6日撮影)

(『東京湾フェリーとフネブネ…4』につづく)

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タグ : 東京湾フェリー

東京湾フェリーとフネブネ…2

(『東京湾フェリーとフネブネ…1』のつづき)

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さっそく客室甲板に上がって船尾方向を見ると、すぐそばの岸壁にガット船・第六十八伸光丸がもやい、荷ほこりをたてて荷役中。積み荷はお決まりの建材ではなく、スクラップのように見えました。

そうそう、(社)日本作業船協会のサイトはご存知ですか? トップページから「作業船とは?」をクリックすると、ガット船を始めとする、さまざまな働くフネブネが一堂に会した、楽しい作業船図鑑が見られます。

84007.jpg一段下の甲板を見下ろせば、ヘルメットをかぶった乗組みの方が、岸壁でしょうか、よそと連絡を取り合いながらウィンドラスを操作して、もやいを巻き取ったりと忙しそうに作業中。

すでにエンジンの振動は高まって、船は岸を離れつつあり、船体と岸壁の間には、緑色の水面が広がりつつありました。

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久里浜港の突堤をぐるりと迂回して南東へ変針、金谷まで約40分のささやかな船旅の始まり。湾口も近いとあって、海の色は外洋のそれを思わせる美しさ、しかも海況はおだやかそうで、まずはいうことなし。

写真の右に写っている装載艇、複合艇でペラはシュラウドリング付きというのに惹かれるものが。

84009.jpg震災からこのかたの電力不足で、にわかに注目の集まりつつあった横須賀火力発電所の真横を通過。

平成7年のスナップに拾う」でも触れましたが、三浦が母港だったころ、剣崎を回って湾奥へ向かい北上するときの、最初の大目標がこの煙突群。フェリーから眺めたかぎりでは、ズラリと並ぶタンクを前に穏やかな表情でしたが、発電所内は運転再開に向けて忙しかったことでしょう。

84010.jpg我がフェリーと入れ違いに、久里浜へ入港してゆくのもまた、ガット船でした。

房総半島といえば、建材としての砂の供給地、この型の船は房総から砂を運んでくるフネ…という先入観があるものですから、彼らの姿を目にすると「千葉県に向かっているんだなあ」という実感がわいてくるのです。


(23年6月6日撮影)

(『東京湾フェリーとフネブネ…3』につづく)

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