3月6日の水路風景…3
(『3月6日の水路風景…2』のつづき)
●前後しますが、鉄鋼埠頭の謎の橋に向かう前、第三航路を南下してゲートブリッジに久々のご機嫌伺い。
北西の風が3~4mあったでしょうか、水面はさざ波立って、プレーニングすると硬い衝撃がありましたが、乱反射する陽光の向こうにシルエットを浮かばせたさまは、どこか凛としたものを感じさせて、来てよかったと思えたものでした。

●南下しながらくぐったところでスロットルをしぼり、中防側トラスを振り返って。ああ、さんさんと降り注ぐ陽射しを浴びたこの姿、よろしいじゃございませんか。この日はうっすらと富士山も見えたのですが、残念ながら橋脚に隠れて、ツーショットは成りませんでした。
●ゆるゆると進みつつ愛でて、少し距離をとったところで若洲側トラスも一枚。
以前、日経MJに掲載していただいたとき、「恐竜橋」なるタイトルがつきましたが、この角度から眺めると、まさに長大な尾を振りかざしつつ進む、草食恐竜のよう。吊橋と斜張橋が幅をきかせる湾岸の巨大橋の中でも、異彩を放つ存在ですよね。

●全容がほどよく見渡せるところで艇を漂泊させ、バウに立っての一枚。風は少しありますが、エンジンの回転数が落ちるとまことに静かで、ハルを打つさざ波の音が耳につくほど。波に揺られながら、しばし雄姿を愛でたのでありました。

●バウに立っていて、「そうだ!」と思いつき、いったん席へ戻りました。全周をよく確認してからスロットルを微速に入れ、舵を中央で固定し安定したのを見計らい、ふたたびバウへ。水を分けて進む船首を撮りたくなったのです。前回挑戦したのが平成21年3月ですから、実に13年ぶり。
結果は‥‥う~ん、ずいぶんな数を撮ったものの、いま一つパッとしなかったような‥‥。何度か針路を変えて、光線の具合を見ながらやるべきだったかも。でも、久しぶりに目にした自艇が水を押し分け進むさま、なかなか見られないだけに新鮮で、次はもっとうまく撮ってやりたい、という気持ちも湧き上がったものでした。
(令和4年3月6日撮影)
(『3月6日の水路風景…4』につづく)

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北西の風が3~4mあったでしょうか、水面はさざ波立って、プレーニングすると硬い衝撃がありましたが、乱反射する陽光の向こうにシルエットを浮かばせたさまは、どこか凛としたものを感じさせて、来てよかったと思えたものでした。

●南下しながらくぐったところでスロットルをしぼり、中防側トラスを振り返って。ああ、さんさんと降り注ぐ陽射しを浴びたこの姿、よろしいじゃございませんか。この日はうっすらと富士山も見えたのですが、残念ながら橋脚に隠れて、ツーショットは成りませんでした。

以前、日経MJに掲載していただいたとき、「恐竜橋」なるタイトルがつきましたが、この角度から眺めると、まさに長大な尾を振りかざしつつ進む、草食恐竜のよう。吊橋と斜張橋が幅をきかせる湾岸の巨大橋の中でも、異彩を放つ存在ですよね。

●全容がほどよく見渡せるところで艇を漂泊させ、バウに立っての一枚。風は少しありますが、エンジンの回転数が落ちるとまことに静かで、ハルを打つさざ波の音が耳につくほど。波に揺られながら、しばし雄姿を愛でたのでありました。

●バウに立っていて、「そうだ!」と思いつき、いったん席へ戻りました。全周をよく確認してからスロットルを微速に入れ、舵を中央で固定し安定したのを見計らい、ふたたびバウへ。水を分けて進む船首を撮りたくなったのです。前回挑戦したのが平成21年3月ですから、実に13年ぶり。
結果は‥‥う~ん、ずいぶんな数を撮ったものの、いま一つパッとしなかったような‥‥。何度か針路を変えて、光線の具合を見ながらやるべきだったかも。でも、久しぶりに目にした自艇が水を押し分け進むさま、なかなか見られないだけに新鮮で、次はもっとうまく撮ってやりたい、という気持ちも湧き上がったものでした。
(令和4年3月6日撮影)
(『3月6日の水路風景…4』につづく)

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5月4日の中防水路・東側水門
(『5月4日の墨田川造船』のつづき)

●穏やかな日和だったので、沖に出てもつらくはあるまいと第三航路を南下、久しぶりにゲートブリッジへ。暖かくなってきたので、抜けるような青空というわけにはいかないものの、空気は割と澄んでいて、シャープなディテールが楽しめました。
●ここまで来たことだしと、中防水路の東側水門にも立ち寄ってみることに。前回、令和元年10月の訪問時は曇りだったので、陽射しの下で眺めてみたいと思ったのです。
右は中央防波堤の東の突端近くから、西を見たところ。埋め立て、盛り土した上に造成された海の森はこんもりとして、結構な高さのあることがわかります。江東区で最も標高が高い場所、といわれるのもうなずけますね。

●こちらもお久しぶりです、東側水門。まだ正式名称がわかっていないので、勝手にこう呼んでいるのですが。水門はやはり、好天下で眺めるのが一番ですね。
前回と特に変化はないものの、コンクリート生地の部分が少しくすんで、貫禄が出てきたかな? というくらい。正面から見ると締切堤の傾きで、水平があいまいになりそうな眺めもお変わりなく。

●陽の当たっている南側から見ると、よりメリハリがついていい感じに。前回と同じことをいって恐縮ながら、やはり目が行ってしまうのは「通行止」の電光掲示。
都管理の水門だと、水曜日など平日に作動点検を行うことが多いので、こちらも点検運転で扉体を開放することが、月に一度はあるに違いないでしょう。そのときを狙って、こうサッと瞬間的に出たり入ったりできないものか‥‥など、あらぬ方に妄想が及んでしまうのでありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年5月4日撮影)
(『5月4日のフネブネ』につづく)

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●穏やかな日和だったので、沖に出てもつらくはあるまいと第三航路を南下、久しぶりにゲートブリッジへ。暖かくなってきたので、抜けるような青空というわけにはいかないものの、空気は割と澄んでいて、シャープなディテールが楽しめました。

右は中央防波堤の東の突端近くから、西を見たところ。埋め立て、盛り土した上に造成された海の森はこんもりとして、結構な高さのあることがわかります。江東区で最も標高が高い場所、といわれるのもうなずけますね。


前回と特に変化はないものの、コンクリート生地の部分が少しくすんで、貫禄が出てきたかな? というくらい。正面から見ると締切堤の傾きで、水平があいまいになりそうな眺めもお変わりなく。

●陽の当たっている南側から見ると、よりメリハリがついていい感じに。前回と同じことをいって恐縮ながら、やはり目が行ってしまうのは「通行止」の電光掲示。
都管理の水門だと、水曜日など平日に作動点検を行うことが多いので、こちらも点検運転で扉体を開放することが、月に一度はあるに違いないでしょう。そのときを狙って、こうサッと瞬間的に出たり入ったりできないものか‥‥など、あらぬ方に妄想が及んでしまうのでありました。
【撮影地点のMapion地図】
(令和3年5月4日撮影)
(『5月4日のフネブネ』につづく)

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6月7日の砂町南運河
(『6月7日の辰巳埠頭』のつづき)
●貯木場(現在はクレーン船の泊地ですが)の囲いに沿って取舵を切ったところで、スロットルを一杯に倒しました。全速25.6kt、船底を塗り替えておよそ8ヶ月を経ての成績としては、まずまずといったところでしょう。
デッドフルのままさらに取舵、ゲートブリッジを右舷に見て一枚。まだ沖は雲があって少々サエませんが、穏やかな海況と恐竜橋、雄大な眺めに癒されます。

●速度を緩めず爽快さを味わいながら、貯木場の周りを4分の3周し、砂町南運河へ進入。新木場の緑の法面をバックに疾走する、トーイングボートを眺めながらの東航。東雲運河と並んで、こちらもゲレンデとして好環境のようですね。

●砂町南運河唯一の橋、若洲橋に近づいたあたりで、橋の向こうにシングルセイルの小型ヨットが、いくつも帆走しているのが見えてきました。この右手にある若洲ヨット訓練所、このコロナ禍で一時閉鎖していたはずですが、再開したようですね。

●訓練のお邪魔をする気はもとよりないので、スロットルをしぼって、行き足をゆるめました。
橋をくぐるとき、ふと仰いでの一枚。むう、平仮名の「わかす」だけ切り取ると、何ともいえぬユルい味わいが‥‥。
●微速で歩かせつつ、訓練風景を眺めて。随伴艇が声をかけると、周りにサッと集まれるあたり、熟達した子たちなのでしょう。
正面に見える荒川河口沖も穏やか、この調子ならまずまずの水路日和になりそう。運河から出たら、エンジンの健康も考えて、少し飛ばしてゆきましょう。
(令和2年6月7日撮影)
(『緊迫の激流水門二題!』につづく)

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デッドフルのままさらに取舵、ゲートブリッジを右舷に見て一枚。まだ沖は雲があって少々サエませんが、穏やかな海況と恐竜橋、雄大な眺めに癒されます。

●速度を緩めず爽快さを味わいながら、貯木場の周りを4分の3周し、砂町南運河へ進入。新木場の緑の法面をバックに疾走する、トーイングボートを眺めながらの東航。東雲運河と並んで、こちらもゲレンデとして好環境のようですね。

●砂町南運河唯一の橋、若洲橋に近づいたあたりで、橋の向こうにシングルセイルの小型ヨットが、いくつも帆走しているのが見えてきました。この右手にある若洲ヨット訓練所、このコロナ禍で一時閉鎖していたはずですが、再開したようですね。

●訓練のお邪魔をする気はもとよりないので、スロットルをしぼって、行き足をゆるめました。
橋をくぐるとき、ふと仰いでの一枚。むう、平仮名の「わかす」だけ切り取ると、何ともいえぬユルい味わいが‥‥。

正面に見える荒川河口沖も穏やか、この調子ならまずまずの水路日和になりそう。運河から出たら、エンジンの健康も考えて、少し飛ばしてゆきましょう。
(令和2年6月7日撮影)
(『緊迫の激流水門二題!』につづく)

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中防水路の新水門…1

●徳島のお話をいったん休ませていただき、10月27日に訪ねた、中防水路の新しい水門ほかを垂れ流させていただきます。フネブネや道々の物件については後ほどまとめて、まずは水門から。
都内で最も沖合に位置する水路、中防水路(私が勝手に名付けました、はい)が「海の森水上競技場」に転用され、一般船艇の入れない閉塞水面となってしまったのは、「ゲートブリッジをお散歩…3」、「中防水路西口の様子」ですでに触れました。
出入りができないとなれば、自然に足が遠のいてしまうのが人情とはいうものの、閉塞工事もだいぶ前に終わり、なおかつ締切堤には水門が設けられたとのこと。都内でもっとも新しい水門の表情は如何と、久しぶりに訪問してみる気になったのです。

中央防波堤の東端を回り込むと、凹凸の乏しい風景の奥にぽつりと、水門が見えてきました。空模様も手伝ってか、どこか寒々とした、寂しそうな感じが第一印象でした。

●微速で水門に近づきながら、正対する位置に艇を持ってきて、まず初対面の一枚。締切堤が左上がりで勾配がついているため、水平感覚がおかしくなりそうですね。
右に併設された2径間のこれは、塵芥除けの格子を備えていることから、揚水機の呑口でしょうか。全閉された扉体は堤防高より低いことから、高潮を防ぐなど防潮の用途はなく、単に競技場の内水面を一定に保つためとわかります。巻上機室は、堰柱と同様直線的なデザインですが、明るいグレーの塗色とともに、中央に大きな明り取りを配した姿は引きしまった印象で、悪くありません。

「通行止」って‥‥。もしかしてこれ、信号が青を現示して、電光掲示板が「通行可」になるときが来るということでしょうか? 競技がないときは、内水を代謝させるため開放されることもあるのかしら、と余計な期待を抱かせてしまう罪作りな表示。
う~ん、閉塞され一般船艇とは無縁の存在となったと思っていたが、中防水路はまだ死んだわけではないのか? 年にほんの数日でも、自由通航が許される“開放日”もありうるのか? などなど、あれこれ栓のない妄想をしてしまいます。

●北側から見たところ。水門、揚水機場とも結構な厚みがあって、視点によっては大きく印象が変わりますね。いずれ背後に見えるゲートブリッジのシャフトから降りてきて、水門を眺めながら締切堤を渡れるようになるのでしょうか。
ところで、この水門の名前が気になりますよね。検索しても名前はヒットしなかったのですが、「海の森水上競技場整備工事」(PDF)のパース画によれば、キャプションに「水門、揚水施設 水門操作室」「東側水門」とありました。ここでは仮に「東側水門」としておき、正しい名称がわかったら、タグともども追記訂正させていただきましょう。
水門に併設されたあれは、揚水機場で正しかったようです。西側水門には排水機場が設けられているようなので、東西で機能を分担しているのですね。
【撮影地点のMapion地図】
(元年10月27日撮影)
(『中防水路の新水門…2』につづく)

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ゲートブリッジをお散歩…5
(『ゲートブリッジをお散歩…4』のつづき)
●ゲートブリッジのど真ん中を踏んだ記念として、先ほどから何度か見たコレの、「橋梁中央」バージョンを記念撮影。
もっともご覧のとおり、昇降口を起終点とすればど真ん中ではなく、中防側の昇降口までは720mなのだそう。中防昇降口が解放されるのは、中防水路が閉塞された後になるのかなあ‥‥。
●さて、帰路は下り坂ですからだいぶ楽で、東側の眺望もダーッと開けて、往路とは違った楽しさがありました。足取りも軽くトラスを抜けて、桁区間の半ばまで来ると‥‥。

●ツヤツヤ、モフモフの可愛らしいカラス君が、目の前の高欄に舞い降りたのです! 瞳も黒々とつぶらで、実にハンサムというか、美人というか。
実はこのカラス君、先ほどからこのあたりを、カアカア鳴きながら上になり下になり飛び回っており、桁下に巣でも作っていて、通る人を威嚇しているのかしらと気になっていました。ここまで近くに来てくれるとなれば、人馴れしているとしか思えません。

●まったく逃げるそぶりを見せないので、こちらも気をよくしてカメラをパシャパシャ。我々の方を向いて、カア、カア! としきりに何かを訴えています。盛っているときのような、剣呑な感じは全くせず、穏やかに話しかけられている感じです。餌をねだっているのかな? 誰かに餌付けされているのでしょうか。
「ごめんね、ゴハンはないんだよ」と話しかけると、カラス君はしきりに首をかしげた後、風に乗ってファサファサと垂直上昇し、監視カメラの上に留まってしまいました。

●人懐こくて、本当に可愛いカラス君だったなあ。トリ好き冥利に尽きる出会いに満足して、若洲昇降タワーへ戻りました。
●ここは橋への出入口の1階上に、展望スペースがあります。トラスが見える側は密閉されているので、眺望はそれなりですが、寒さが厳しい時期は、ここから眺めるだけで止めておく、という選択肢もあるかもしれません。
ともあれ、いつも下から見上げてばかりのゲートブリッジ、初めて歩いてみた新鮮さと眺望もさることながら、橋自体を堪能できるよう、行き届いた造りだということがわかりました。今度はお弁当持参で、あの休憩スペースで昼食といきたいですねえ。
(29年5月28日撮影)
(この項おわり)

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もっともご覧のとおり、昇降口を起終点とすればど真ん中ではなく、中防側の昇降口までは720mなのだそう。中防昇降口が解放されるのは、中防水路が閉塞された後になるのかなあ‥‥。
●さて、帰路は下り坂ですからだいぶ楽で、東側の眺望もダーッと開けて、往路とは違った楽しさがありました。足取りも軽くトラスを抜けて、桁区間の半ばまで来ると‥‥。

●ツヤツヤ、モフモフの可愛らしいカラス君が、目の前の高欄に舞い降りたのです! 瞳も黒々とつぶらで、実にハンサムというか、美人というか。
実はこのカラス君、先ほどからこのあたりを、カアカア鳴きながら上になり下になり飛び回っており、桁下に巣でも作っていて、通る人を威嚇しているのかしらと気になっていました。ここまで近くに来てくれるとなれば、人馴れしているとしか思えません。

●まったく逃げるそぶりを見せないので、こちらも気をよくしてカメラをパシャパシャ。我々の方を向いて、カア、カア! としきりに何かを訴えています。盛っているときのような、剣呑な感じは全くせず、穏やかに話しかけられている感じです。餌をねだっているのかな? 誰かに餌付けされているのでしょうか。
「ごめんね、ゴハンはないんだよ」と話しかけると、カラス君はしきりに首をかしげた後、風に乗ってファサファサと垂直上昇し、監視カメラの上に留まってしまいました。

●人懐こくて、本当に可愛いカラス君だったなあ。トリ好き冥利に尽きる出会いに満足して、若洲昇降タワーへ戻りました。

ともあれ、いつも下から見上げてばかりのゲートブリッジ、初めて歩いてみた新鮮さと眺望もさることながら、橋自体を堪能できるよう、行き届いた造りだということがわかりました。今度はお弁当持参で、あの休憩スペースで昼食といきたいですねえ。
(29年5月28日撮影)
(この項おわり)

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