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2月18日の水路風景…1

(『2月18日の巡視艇』のつづき)

294011.jpg以下、道々に拾った風景を垂れ流しに及びます。
毎度おなじみのエンジンの健康管理、最近はそれに船底清掃具「スクラビス」の効果検証も兼ねるようになりましたが、東雲運河でデッドフルのトライアルです。

結果は51.6km/h‥‥約27.9ktと、じゅうぶん満足できるレコードでありました。これから水温も上がり、海苔も付きやすくなる季節、せいぜいサボらずにお手入れに励みたいと思います。

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しかし、風波に影響されず、高速航行をしても造波を吸収してくれる護岸を備えた、東雲運河あったればこそ、こんな遊びもできるわけで‥‥。

大河川であっても流速がきつければ計測に向かず、護岸の構造や繋留状況から飛ばせなければ、そもそもトライアルが成り立たないですから‥‥奇跡のような存在ですわ東雲運河。ありがたやありがたや。

294013.jpgこちらもそろそろルーチンといってよいかと。解体進む、晴海の旧客船ターミナルの進捗状況を観察しておこうと一枚。

東側から解体が進んでおり、側面のパネルによる養生もほぼ全長におよぶなど、工事の進み具合が見て取れます。まだ周辺の建造物の段階なのでそれなりですが、母屋(?)の部分に及んだら衝撃も大きそうですねえ‥‥。

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晴海H2バースには日本丸がもやっていました。姉妹船である海王丸か、日本丸のどちらかがここで憩うているのは、この時期おなじみの光景。甲板上に人影もなく、静まり返った姿もかえって息を抜いた休日の感じがして、よいものです。

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晴海、月島の北西岸に沿って走っていると、視界内で目立つのは竹芝埠頭に横付けした「おがさわら丸」の白い船体。そのまま河口を横断して、船首から真正面の姿を撮ってみました。この角度だと、特徴であるバーチカル・ステムが目立たず、また違った印象です。

晴海客船ターミナルが現役だったころは、来航した外国軍艦や大型客船の真正面ショットを、気軽にものできたのですが‥‥。有明の新ターミナルだってさほどの距離でないとはいえ、かつての晴海を思うと、何かハードルが高く感じてしまうのですよね。
撮影地点のMapion地図

(令和5年2月18日撮影)

(『2月18日の水路風景…2』につづく)

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タグ : 東雲運河東京港

2月18日の巡視艇

(『ガット船にびっくり!』のつづき)

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穏やかで気持ちのよい日和を楽しみながら、曙運河を南下して辰巳埠頭の東に出てきました。青空を映した清々しい水面に出ると、沖からのゆるやかなうねりが船体に感じられて、これまた爽快。

墨田川造船辰巳の桟橋には、おなじみ「まつなみ」がもやっています。出渠直後なのか、塗装がきれいですね。向こうにも何隻か艤装艇がいるようなので、拝見してみることに。

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おお、最近まで本社前で艤装中だった、「ささかぜ」「きくかぜ」「しゃちかぜ」の3隻が揃い踏み。近いサイズの艇が、メザシで並ぶとゴージャス感が半端なく、すごく得をした気分に。

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も少し距離を取ってから、「まつなみ」と一緒に一枚。親鳥に見守られた鴨のヒヨコのようで、ちょっと可愛らしくさえ思える光景です。

3艇の船上や桟橋には数人の人が出入りしていて、何やら準備をしている雰囲気。もしかして、これから3隻同時の引き渡し式典でもやるのかしら?

294009.jpg続いてゆるゆると辰巳埠頭沿いに歩かせ、もやう内航船たちの姿を眺めながらのひととき。お天気がよいと、何を眺めても美しく、カメラを向けても楽しさが倍加しますよね。

岸壁上のクレーンから、荷役をしている船がいました。「第十八清光丸」、積載中の品は軽のワンボックス。離島向けのものでしょうが、自動車ってカバーもせず、ホールド上に裸積みの例が多いですね。潮っ気でやられないのでしょうか。

294010.jpgいつも通っているところながら、本船に目が吸い寄せられているせいか、こういう上屋の書き物まで意識が行き届かず、たまに見ると実に新鮮な感じ。

最近は特に、パソコンに入っているモリサワ書体を字母にした例が増えているせいか、こうした独特のレタリングというだけで、貴重に思えてしまいます。ゴシック基調ながら、ちょっと寸足らずなところやアンバランスな部分に味があり、いかにも肉筆といった感じに惹かれるのです。
撮影地点のMapion地図

(令和5年2月18日撮影)

(『2月18日の水路風景…1』につづく)

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タグ : 巡視艇東京港

初めての初日の出…6

(『初めての初日の出…5』のつづき)

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初日の出の帰路に目にした、印象的な湾奥風景をいくつか。

ゲートブリッジの向こうに望むビル群の中に、陽の昇りつつあるほんの短い間だけ、陽光を反射してキラキラ輝いていたものが2、3見られ、水面に光の筋を描くさまがきれいでした。

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中防越しに眺めた、この冬初の富士山。雪をまとった白い山体が、ほんのりと茜色に薄化粧をした、冬の早朝ならではの表情。陽光が力を得てゆくにつれ、山腹のディテールが刻々と鮮明さを増してゆく様子も荘厳さを感じさせ、よいものでした。

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帰途に就くシンフォニー姉妹や、碇泊する本船の船橋も陽を受けて輝いています。明るくなってから改めて、水平線近くは結構雲が多いことがわかりました。雲が広がらなくて何よりでしたね。

290029.jpg山も建物も船も、そして引き波も、すべてを美しく暖色系に染め上げてゆく初日の出の素晴らしさ! 陽を浴びるものすべてを浄化してゆくような感じがする‥‥といったら大げさでしょうか。

‥‥ええ、ここで残念なことが一つ。行逢艇の引き波を受ける角度に気を配らなかった私が悪いのですが、右下の写真を撮った直後、引き波の予想以上に激しい動揺で、メーターパネル前に置いた愛用のコンデジが落下し、壊れてしまったのでした。

290030.jpg実は、12月28日に出た際、あんば様(阿波大杉神社)のお札を外して、持ち帰っていたのですね。年末の時点では、初日の出を見に出かけられるとは思っていなかったので、新しいお札をいただく2日の初詣まで、外して差し支えなかろうと。

まあ、これもお札を持参し忘れた自分の責任とは申せ、思わぬところであんば様の霊験(?)を実感したような気になったという、お粗末でありました。


(令和5年1月1日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東京港東京ゲートブリッジ

初めての初日の出…5

(『初めての初日の出…4』のつづき)

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6:56‥‥出た!
火炎と化した雲の稜線から、ついに初日の出が!

海浜や岬などに集まってご来光を拝んでいるなら、ここで「おおー」と周りから歎声が漏れるところですが、湾奥海上とて、聞こえるのは自艇のアイドリング音のみ、静謐そのものであります。

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6:57。陽が顔を出すと同時に、水面にさあぁーっ、といった感じで茜色の光が線を描いて、こちらに伸びてきました。

この瞬間は本当に神々しく思え、感動したものでした。陽の光がもたらす温もりとか、あらゆる恵みがこちらに押し寄せてきたような、そんな感じを抱いたものです。

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太陽が高度を増してくると同時に、市原の工業地帯に林立する煙突群が吐き出す煙にも光が行き渡って、無表情だった水平線上にほどよいディテールを浮かび上がらせました。

ん? 右から本船がだんだん進んできているような‥‥いや、右舷のアンカーが降りているから、こちらが流されていてそう見えるだけかな?

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6:59、太陽はほぼ雲の稜線を離れて、水面を走る光芒はますます太く鮮やかに。美しい、実に美しい。令和5年の日本の夜明けであります。

むう、本船がかぶさってしまいましたが、これはこれでドラマチックな感じがしてよい絵かも、と思うことに。先ほどまでのボケボケ、ザラザラな仕上がりの写真を思えば、工場の煙から本船のディテールまでブレずにしっかり写り、きれいなものです。

290025.jpgすっかり明るくなった海上を見渡し、その爽快な眺めをしばし味わってから、改めて姿勢を正し、お日様に向かって二拝二拍手一礼。皆様のご多幸と家内安全、今年の船路が事故なく楽しめるようにとお祈りしました。

周りに点々と漂泊していた艇たちも、完璧に近い初日の出に満足したのか、船首を転じて帰路に就く姿が目立ってきました。魔法瓶の温かいコーヒーを一口すすって、さて、こちらも腰を上げるとしましょうか。


(令和5年1月1日撮影)

(『初めての初日の出…6』につづく)

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タグ : 東京港

初めての初日の出…4

(『初めての初日の出…3』のつづき)

290016.jpg明るくなってきたところで、私同様に初日の出を拝みに繰り出したとおぼしき、フネブネの姿をいくつか。見たかぎり、おおむね東から南東方向に十数隻はいたでしょうか。

荒川河口を出たころから、沖へ向かう数隻のプレジャーに追い越されましたが、6:30を過ぎたこのころになっても、高速で沖へ向かい、思い思いの位置に陣取るプレジャーの姿が見られました。

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私の艇のすぐ近く、8時の方向に漂泊していた艇と、二隻の間をプレーニングで駆け抜けてゆくフィッシングボート。

目にしたかぎりでは、どれもフライブリッジやハードトップを備えた、自艇より大型のものがほとんどでした。まあ、寒い時期の明け方に出るのですから、暖房の効く船室があった方がよいのはいうまでもなく。完全オープン艇で出たのはもしかしたら、私だけかもしれませんな‥‥。

290018.jpgこちらはプレジャーでなく本船ですが、微速で流しながら沖合に留まっていたので、初日の出を見に来たに違いないと独り決め。

暗いうちから、そのシルエットを見て「シンフォニーモデルナ」「シンフォニークラシカ」のレストラン船姉妹だと推測していましたが、どうやら間違いなかったようです。お客さんたちもトップのデッキに出て、初日の出を待ち構えている風情ですね。

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さて、湾奥水域に散らばるフネブネに同志的親愛を勝手に感じているうち、刻々と明度を増してゆく東の空のグラデーションに、変化がありました。

明らかに今までとは異なった光の線が、つーっ、といった風に左右に広がり始めたのです! 時に、6:50。始まりました!

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6:54‥‥燃え上がる、と表現するしかないような、雲の稜線が色味の温度をぐんぐん増してゆくこの瞬間。房総半島の向こうのみ、雲が出ていた恩恵ともいうべきでしょうか。燎原の火のように急速に燃え広がってゆく、禍々しく激しくも美しい、日の出直前の光の競演を、高まる鼓動とともに堪能できたのですから。


(令和5年1月1日撮影)

(『初めての初日の出…5』につづく)

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タグ : 東京港