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東京花火大祭の夜に…4

(『東京花火大祭の夜に…3』のつづき)

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およそ200枚ほど撮ったでしょうか、揺れる艇上からのこととて、そのほとんどはいわずもがなの結果で、何とか見られるレベルの写真は、ここに掲げた数枚くらいです。

3発同時に上がった花火が、さざ波立つ水面を鮮やかな山吹色に染め上げた瞬間。左手には、「ヴァンテアン」のシルエットが黒く浮かび上がっているのが見えます。

223017.jpgどうにも観賞に耐えそうな写真が少ないので、同じくブレブレですが、コンソールのスナップを。

魚探のモニターが光量過多で白くなったのはさておき、間接照明にほんのり照らされたメーターパネルを目にするのは、何年ぶりでしょうか。漆黒の水面をバックにすると、何か心細くなるような哀愁があって、しみじみとしてよいものですね。


223018.jpg先ほど触れたように、航路を挟んだ対岸近くは、フライブリッジ付きクルーザーや水上バスなど、どちらかというと大型の艇が多い印象でしたが、花火が上がりフネブネのシルエットが映し出されるたび、隻数の多さと、さまざまなスタイルの船がたむろするさまが改めて実感できて、何かジーンとくるものが。

この夜この場所に、東京中からこれだけの船が一堂に会している! それは確かに、感動に値することはありました。こんなにたくさんの、種々様々なフネブネがいちどきに集中する行事、ほかにありますかね?

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隅田川は両国の花火のように、事前に申し込んでフラッグを掲げた艇しか入れないような規制はなく、艇での観覧を自粛せよという建前があるとはいえ、望む者誰もが水上から愛でられる花火! そして水面が広大であるゆえ、東京中、いや近郊各県からをも、観覧船艇が結集できるその収容力(?)。

考えてみれば、これは凄いことではないでしょうか。本船・レストラン船からプレジャーまで、その道のプロや業者から素人まで、ありとあらゆる種類のフネブネとそれに乗る人々が、同じ水面で夏の風物詩をともに堪能できる! この自由闊達さ、大事故が起きるなどして失われないよう、切に願いたいものです。

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20:30の終了時間が間近に迫ったころ、一隻の本船がゆっくりと入港してきました。東海汽船の「橘丸」です。花火もいよいよフィナーレ、息をつかせぬ連続打ち上げのさなかに船が正面へ来るよう、まあドンピシャで合わせてきた船長の技量には舌を巻きました! お客さんもさぞ喜んだことでしょうね。

鮮明な「橘丸」のシルエットが花火のちょうど中央にとらえられ、今回写した中でもお気に入りの一枚となったので、9月10日からのタイトルに掲げさせていただきました。

自艇での花火初体験、思った以上に収穫があって、充実したひとときでした。さて、花火が終わった瞬間から、無慮大数のフネブネがいっぺんに散りつつ高速移動を始め、引き波が増幅しまさに荒天レベル。

話には聞いていたので覚悟はしていましたが、闇の水上を行き交う大型艇の進路をにらんでかわし、引き波ををしのぎつつ港内を横切り運河に入るまでの数分間、まことにスリリングなものがあって、こちらもよい経験になったのでした‥‥。

(30年8月11日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東京港

東京花火大祭の夜に…3

(『東京花火大祭の夜に…2』のつづき)

223011.jpg開始時間と聞いていた定刻も近くなり、「そろそろかな?」と耳をそばだてる思いでいたところ、ドォン!と一発目が上がりました。周りのフネブネからも「うぉお~!」という歓声が。

まあ、何分引き波にゴロンゴロン揺すられつつ、舵を取りつつの片手撮りですから、写真の仕上がりはいわずもがなでありますが、自艇での花火初体験、やはり感動は深いものがあったのであります。

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そんなブレブレ写真の中でも、まだマシな一枚を。花火が開くたび、輝く水面と浮かび上がるフネブネたちのシルエット、開始直後からの息をもつかせぬ連続技に陶然。

花火の量が量だけに、後に残る煙ももの凄いですね。ほとんどは、ゆるい南風に乗ってレインボーブリッジの方に流れてゆきましたが、一部は渦を巻いて、水面低くたなびく煙もありました。

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フッ、と花火の打ち上げが途切れ、静寂が訪れました。と、ここでタイミングを計ったようにふたたびのタービン音が! 操舵室トップに備えた二つのサーチライトから、鋭い光をほとばしらせて、ジェットフォイルが帰港してきました。

立ちこめた白煙と暗さでよく見えないけれど、「セブンアイランド虹」かな?

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こちらはまたブレブレ、ボケボケでひどいものですけれど、是が非でも記録に残しておきたかったシーン!

芝浦通船の曳船が戻ってきたところですが、立ちこめた煙のせいでサーチライトの光芒がくっきりと浮かび上がり、舷側の照明も併せ何か神々しささえ覚える、実に幻想的な光景でした(乗組みさんの緊張を思うと、不謹慎ではありますが)。イヤ~、花火以外でもこんなにコーフンさせてもらえて、最高ですわ!

223015.jpgこの間、「安宅丸」、「ヴァンテアン」がゆっくりと航路中央を航過し、写真の左端にも見える「さるびあ丸」が出港してゆきと、まるで船の影絵を眺めているよう。

いわばフネブネの夜の表情が味わえたわけで、よいものでした。しかし、煙が本当に凄いですね。レインボーブリッジを通るクルマは、視界はさえぎられ息もつまるしで、大変だったろうなあ。

(30年8月11日撮影)

(『東京花火大祭の夜に…4』につづく)

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タグ : 東京港 曳船

東京花火大祭の夜に…2

(『東京花火大祭の夜に…1』のつづき)

223006.jpgループ下、といっても、あの輪の中にずっといたわけではありません。錨泊は厳禁でもあるため、漂泊しながらときどき前後進に入れ、周りの艇との間合いを取りながら、ループからつかず離れずたゆたうわけです。

この水域に集まっていた艇は、写真にも写っているようなプレジャーや釣船、観光船など小型船艇が中心で、屋形や多層の甲板を持つチャーター船など中型以上は、むしろ対岸のお台場近くにと棲み分けている模様。あっ、タービン音が聞こえてきた! 来ましたね!

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夕焼けに朱色の船体をさらに赤く染めて、進入してきたのはジェットフォイル「セブンアイランド愛」! 水中翼を跳ね上げ、キーンというタービン音も高らかに間近を航過する姿、ループ下を選んでよかった! と思えた瞬間でした。

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東海汽船のジェットフォイルたちがねぐらとする桟橋は、このループの奥。夕焼け空と街灯りをバックに、一日の勤めを終えて家路を急ぐ姿、絵になるじゃないですか。この一瞬を実見できて、まあ嬉しかったこと。

ちなみに、港湾局(?)のスピーカーからは、これから入港する本船や接岸バースについて、進入禁止水域に入った船艇への注意などが繰り返し放送され、海保や警察の艇も随時指導に走り回るなど、結構な緊張感が。それでも花火大会初体験の身としては、すべてが新鮮で興味深く、怠りなく見張りをしながらも、祭りの前の喧騒が快く感じられたものでした。

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潮が引くように空が暮れはじめ、宵闇が急速に降りてきて、そろそろデジカメ片手撮りも難しくなってくるころ。暗くなる前に一枚ものしておこうと、レインボーブリッジをパチリ。

雷雨が予報された割には、今のところ空に雨雲らしい姿は見えず、花火の開始まではどうやら持ちそう。風も穏やかなのはありがたいですが、べったりと蒸してきました。

223010.jpgすっかり暗くなったころ、左手にもやっていた芝浦通船の曳船の一隻が、突如爆音を高めて、カッ、といった感じで強力なライトを点灯。「タグボートが出まーす! タグボートが出まーす!」と呼びかけつつ、黒煙を吐いて後進離岸。

心得たもので、ライトがついた時点で周囲にいたフネブネはサーッ! と音を立てて水面を空け、まるでモーゼのよう。どうやらキャプテンはベテラン揃いだったようで、見ていて気持ちのよいものでした!

(30年8月11日撮影)

(『東京花火大祭の夜に…3』につづく)

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タグ : 東京港 曳船

東京花火大祭の夜に…1

223001.jpg8月11日はお手伝いで、夕暮れ迫る運河に艇を出しました。お台場で開催される花火大会、「東京花火大祭」の様子を水上から映像におさめるためです。

船から花火を観覧するのは、子供のころ町内会で釣船を借りて両国の花火に出かけて以来で、自艇ではもちろん初めて。お手伝いのお声掛かりがなければ、まず自発的に花火を見にゆくなど、考えもしなかったことでしょう。

東京近郊は、夏ともなれば各地の河川や海浜で花火大会が催され、自艇での花火見物はたやすくできる環境(入域船に制限のある大会もありますが)にもかかわらず、混んでいるところが好きでないのと、生来の面倒臭がりから、未経験のまま過ごしてきました。

夜間は川景色を愛で、また写真に撮るという楽しみ方がほぼできなくなる、といったことも理由の一つではありますが、まあ、あまり関心がなかったというのが正直なところです。しかし、考えてみれば、花火大会(川開き)も、江戸時代からの歴史がある、街場ならではの水辺文化といってよろしいもの。あだやおろかにはできまいと、お手伝いのお話をお受けすることにしたのでした。

223002.jpg話は出発前に戻ります。午後遅くマリーナにおもむき準備をしていたら、数人の若い海上保安官が、在艇オーナーを順繰りに訪ねているのが目に入りました。間なしに我が艇にも来られたので、「ご苦労さまです」とご用向きを伺うことに。

要は「東京花火大祭をプレジャーボートで観覧することは、安全上の観点から自粛してほしい」との啓蒙活動なのですが‥‥。諸注意を伺った後にいただいた、うみまる君を描いた不織布バッグの中には、ペンやウェットティッシュなどうみまる君グッズのほか、なぜか会場周辺の航路や進入禁止水域を示した水路誌が。

つまり、建前としては行ってほしくないけれど、禁止はできないのでこれらの書面をよく読み、諸注意を守って事故は起こさないように、とのご指導と解釈し、配布物をありがたく頂戴することに。

毎年、各花火大会でのプレジャーの事故は耳にしていますから、当局としては頭の痛いところでしょう。業者船艇以外は完全禁止、ということにになったりしないよう、安全面には十二分に気を配りたいところであります。

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不謹慎ではありますが、在艇時に海上保安官の訪問を受けるのは初めてなので、新鮮かつ嬉しい体験でした。

写真は東雲運河、時刻は19時近くで陽はビルの向こうに落ち、夕焼け空に名残りを残すのみ。この日の予報は夜に入って雷雨とあり、実際、午後早くには強いにわか雨にたたられたので、薄手のヤッケを着てずぶぬれ覚悟での出陣。あとはどうか天気が持ちますようにと、祈るばかりです。

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東雲運河を抜けて港内に出たところ。すでに沿岸に灯る明かりが点々と目立ち始め、久々に見る薄暮の水辺風景に、心洗われる思い。港内とて波はそれなりにありますが、風は思ったより穏やか。あとは雨さえ降らなければ‥‥。

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観覧水域として目指したのがここ、レンボーブリッジ西詰のループ下。会場から見ればはるか対岸ですが、航路を阻害せずに漂泊でき、花火を適度な距離で、しかもいい角度で眺められる場所ではあります。

実は出港前、同じくお客様を乗せて花火観覧に向かうベテランH艇長から、「ループ下がいいですよ」とアドバイスを受けていたのでした。ここが安全面だけでなく、趣味的にも実に面白く過ごせるポジションだったことを、この後実感することになります!
撮影地点のMapion地図

(30年8月11日撮影)

(『東京花火大祭の夜に…2』につづく)

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タグ : 砂町運河 東雲運河 東京港

7月22日のフネブネ…2

(『7月22日のフネブネ…1』のつづき)

221091.jpg京浜運河から港内へ出て、スロットルを倒しプレーニングで隅田川を目指しました。河口にさしかかったら、月島埠頭F5バースに見慣れない船が。

飛ばしながらチラチラ見ていたら、漢字で船名が大書きされているし、船尾の国旗がどうも台湾のようです。珍しく思って行き足を落し、転回して近づきながら眺めることにしました。


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舷側に書かれた英文でもわかるように、こちらでいう水産学校か何かの漁業訓練船のようです。船尾にはスリップウェイが設けられていて、網やら仕掛けやらを展張・回収できるようになっています。船名は「漁訓貳號」、船籍港は高雄とありました。

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船尾から微速で航過しつつ眺めて、船首側に出ました。大きさの割に舷側が高く、ステムもぐっと反っていて、外洋をフィールドに長期航海する船の雰囲気十分。船首甲板に、見張り台のついたマストが設けてあるのもいいじゃないですか。

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船橋のアップ。回廊を2層に設けており、船型にくらべて少しかさ高で、トップヘビーな印象ではありますが、格好良いですね。前面には「行政院農業委員會漁業署」と、所属の官庁らしい表記がありました。

221095.jpg台湾船ですから当然正字‥‥向こうさんでいう繁体字ですが、この書体の渋くて目を引くこと。

初めて出会った船ですが、例えば年に1回とか、定期的に寄港しているのでしょうか。長途の航海とあれば、訓練生や乗り組みの皆さんも、東京での上陸を楽しまれたことでしょう。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東京港