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10月30日のフネブネ…1

(『10月30日の古川…4』のつづき)

227026.jpg爽やかに凪いだ水面を、微速で進入してくる「新東京丸」。そう広くはない運河の出口なので、橋脚をかわした直後にすぐ面舵を当てて、回避の姿勢を取りました。

このまま橋の間際まで前進し、スラスターがついているとはいえ180度転回して出船で達着するのですから、風圧側面積を考えると、実に見事なものです。


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航走中にこんな近くで見るのは初めて。光線の塩梅もよろしく、いい表情が撮れてよろしゅうござんした。

昭和58年竣工、もう大ベテランといってよいお歳ですが、よく手入れされているのか、くたびれた感じはしません。しかし、船橋の後ろと船尾によさげな露天デッキがあるのに、乗船できても出ることまかりならぬとはもったいないような(こちら参照)。ご事情はお察ししますが、そろそろ、着席絶対の原則を改められてもよいのではないでしょうか。

227028.jpg艇を右に寄せたので、日の出桟橋にもやう水上バスが目の前に。丸いお尻を逆光に反射させて、「ホタルナ」が客扱い中でした。

スタッフも撮影が終わって気持ちが寛いだのか、スマホをかざして写真を撮っています。せっかくのお天気ですから、ちょっと遠回りして帰りましょうか? と提案すると、皆さん賛成してくださいました。

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左に折れて竹芝埠頭を眺めつつ遡上。おなじみ「さるびあ丸」が、真っ白な舷側に波紋を映して接岸中です。全てがくっきりとクリアに、美しく見えるこのありがたさ。しつこいですが、快晴って本当にいいものですわ。

その上、港内の水面は油を流したように穏やか、少し飛ばしても、滑るように気持ちのよいプレーニングが楽しめるとくれば、機嫌の悪かろうはずはありません。

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佃島を右へ折れ、隅田川派川に入って間もなくのこと。押船と小型台船のコンビに行逢しました。押船は「公進丸」。台船の上には、木枠で梱包したパネル様のものが、大量に積まれていました。
撮影地点のMapion地図

(30年10月30日撮影)

(『10月30日のフネブネ…2』につづく)

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タグ : 竹芝運河 隅田川派川 東京港 水上バス 曳船 新東京丸

10月14日のフネブネ…3

(『10月14日のフネブネ…2』のつづき)

226036.jpg珍客のいま一隻は特務艇「はしだて」。5年前に軍港めぐりをしたとき、横須賀港内に停泊中の姿を目にしたことがあります。

海自艦艇の中でも唯一の、いわゆる迎賓艇だけに塗色も“軍艦”離れしたツートンで、どこか優しげな感じのする船体ラインが魅力ですね。


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後ろから最微速で航過しつつゆっくり眺めて、斜め前からもう一枚。曇り空に加えて背景が工事たけなわと、グレーと白のフネを眺めるにはいささか適しませんでしたが、質素な中にも品のある外観を堪能できました。

先代、先々代とこの種の特務艇は、駆潜艇をタネ船にした改造だったので、艦橋がもっと中央近くにあり、その後ろに続く甲板室はちょっと窮屈な感じでしたが、「はしだて」はこの任務のために設計された初の新造艇とあって、同規模とはいえ全体的にゆったりと余裕があります。

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優しげな印象を与えているのは、この艦橋周りのラインではないでしょうか。回廊もあわせてまろやかな曲面を描いているのが、直線的な他の海自艦艇にはない雰囲気を醸し出しているのです。手すりには木製のガンネル(?)がおごられているようですね。

ところで「はしだて」は、どういった任務で東京に来たのでしょう。AISをのぞいていたら、過去にも何回かここ晴海を訪れていたのに出くわしたことがあります。例えば、偉い方々が横須賀視察をする際、東京まで送迎するといったこともあるのでしょうか。

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そうそう、帰りに「コスタ・ネオロマンチカ」の船首の前を通ったら、先ほど作業をしていた端舟が、クレーンで吊り上げられて揚収中のシーンを見ることができました。本当に平べったくて、まさにラフトですね。もう少し近くで見てみたかったなあ。

226040.jpgこちらはおなじみ、ジェットフォイルの入港風景。今まで原速でゆるく走っていたのに、タービン音が聞こえると、途端にデッドフルですっ飛ばし、間合いを詰めたくなるこの現金さ。

この「セブンアイランド愛」、竣工は昭和55年という大ベテランで、就役以来4回も船主が変わったのだそう。東海汽船のジェット船隊中でも、もちろん最長老です。

(30年10月14日撮影)

(『10月14日のフネブネ…4』につづく)

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タグ : 春海運河 東京港

10月14日のフネブネ…2

(『10月14日のフネブネ…1』のつづき)

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226032.jpg「第一光伸丸」は、こちらに右舷を見せながらゆっくりと回頭、南下して離れてゆきました。豊洲大橋やビル群をバックに、ちょっと格好良いところを一枚。

「コスタ・ネオロマンチカ」に戻ると、大型船となれば、例によって気になってしまうのは装載艇群。アラートオレンジも鮮やかな、まん丸く肥えた救命艇にまず目を引かれました。

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船尾方向に目を移してみると、こちらは救命艇というより、テンダーですね。寄港先で沖掛かりした際、上陸客を乗せて往復するあれでしょう。

二軸船で幅を広く取り、長いスケグを突き出した船底形状が印象的です。舵の羽板が、ひしゃげているように見えるのは気のせいか‥‥。

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226035.jpgとにかく舷側の広大さと、舷窓の数にはただただ圧倒されるばかり。こうして切り取ってみると、何か現実感のないSFチックなナニカに見えて、吸い込まれそうな気分に。

船尾はまろやかで量感があり、密閉式の展望デッキとあいまってなかなか魅力的です。煙突が三角形配置というのも珍しいですね。

(30年10月14日撮影)

(『10月14日のフネブネ…3』につづく)

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タグ : 春海運河 東京港 独航艀

10月14日のフネブネ…1

(『10月14日の川景色…5』のつづき)

226026.jpg以下、10月14日に見かけた船影アラカルトとまいりましょう。何分雨もぱらつく曇天だったので、写真がサエないことおびただしかったのですが、それでも楽しい出会いがありました。

東雲運河を走っていたら、はるか前方に東電堀発の水陸両用バス「スカイダック」が。港内に出てから追いつき、お客さんと手を振りあって別れました。

226027.jpg晴海埠頭には珍客が2隻おり、嬉しく拝見。まずは大型客船「コスタ・ネオロマンチカ」(57,150総t)から。

50,000t超となれば、さすがに見上げるような大きさですね。船籍港はイタリアのジェノヴァで、昨年より日本発着の近海ツアーに就航しているそう(JTBコスタ・ネオロマンチカ』参照)。


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晴海埠頭での恒例、真正面からのいいお顔を一枚。カメラを構えたところ、ちょうど本船だけに陽が射すという僥倖に恵まれました。ありがたや。

あっ、船首のムアリングホールから細いロープが垂れていて、先端に赤い旗がゆわえてありますね。何のサインだろう?

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影になっていたので一瞬気づくのが遅れましたが、小さなボートが水線に張り付いて、二人の乗り組みさんが何やらゴシゴシと作業中でした。赤い旗はこのためだったのですね。お掃除でしょうか。

本船の端舟でしょうか、小さな船外機をつけた、ハンドレール一つないやたらと扁平なカタマランで、これも珍しく拝見。舟というよりラフトに近い印象です。

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舷側には独航艀が横付けしており、作業が終わったのか、爆音を高めて離れるところでした。船名は「第一光伸丸」、油船かな?
撮影地点のMapion地図

(30年10月14日撮影)

(『10月14日のフネブネ…2』につづく)

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タグ : 春海運河 東京港 独航艀

東京花火大祭の夜に…4

(『東京花火大祭の夜に…3』のつづき)

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およそ200枚ほど撮ったでしょうか、揺れる艇上からのこととて、そのほとんどはいわずもがなの結果で、何とか見られるレベルの写真は、ここに掲げた数枚くらいです。

3発同時に上がった花火が、さざ波立つ水面を鮮やかな山吹色に染め上げた瞬間。左手には、「ヴァンテアン」のシルエットが黒く浮かび上がっているのが見えます。

223017.jpgどうにも観賞に耐えそうな写真が少ないので、同じくブレブレですが、コンソールのスナップを。

魚探のモニターが光量過多で白くなったのはさておき、間接照明にほんのり照らされたメーターパネルを目にするのは、何年ぶりでしょうか。漆黒の水面をバックにすると、何か心細くなるような哀愁があって、しみじみとしてよいものですね。


223018.jpg先ほど触れたように、航路を挟んだ対岸近くは、フライブリッジ付きクルーザーや水上バスなど、どちらかというと大型の艇が多い印象でしたが、花火が上がりフネブネのシルエットが映し出されるたび、隻数の多さと、さまざまなスタイルの船がたむろするさまが改めて実感できて、何かジーンとくるものが。

この夜この場所に、東京中からこれだけの船が一堂に会している! それは確かに、感動に値することはありました。こんなにたくさんの、種々様々なフネブネがいちどきに集中する行事、ほかにありますかね?

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隅田川は両国の花火のように、事前に申し込んでフラッグを掲げた艇しか入れないような規制はなく、艇での観覧を自粛せよという建前があるとはいえ、望む者誰もが水上から愛でられる花火! そして水面が広大であるゆえ、東京中、いや近郊各県からをも、観覧船艇が結集できるその収容力(?)。

考えてみれば、これは凄いことではないでしょうか。本船・レストラン船からプレジャーまで、その道のプロや業者から素人まで、ありとあらゆる種類のフネブネとそれに乗る人々が、同じ水面で夏の風物詩をともに堪能できる! この自由闊達さ、大事故が起きるなどして失われないよう、切に願いたいものです。

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20:30の終了時間が間近に迫ったころ、一隻の本船がゆっくりと入港してきました。東海汽船の「橘丸」です。花火もいよいよフィナーレ、息をつかせぬ連続打ち上げのさなかに船が正面へ来るよう、まあドンピシャで合わせてきた船長の技量には舌を巻きました! お客さんもさぞ喜んだことでしょうね。

鮮明な「橘丸」のシルエットが花火のちょうど中央にとらえられ、今回写した中でもお気に入りの一枚となったので、9月10日からのタイトルに掲げさせていただきました。

自艇での花火初体験、思った以上に収穫があって、充実したひとときでした。さて、花火が終わった瞬間から、無慮大数のフネブネがいっぺんに散りつつ高速移動を始め、引き波が増幅しまさに荒天レベル。

話には聞いていたので覚悟はしていましたが、闇の水上を行き交う大型艇の進路をにらんでかわし、引き波ををしのぎつつ港内を横切り運河に入るまでの数分間、まことにスリリングなものがあって、こちらもよい経験になったのでした‥‥。

(30年8月11日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東京港