船橋港の水門と水路めぐり…11
(『船橋港の水門と水路めぐり…10』のつづき)

●右手、ほぼ南東に伸びる枝水路が見えてきました。町名でいうと、湊3丁目と日の出1丁目の間にあり、延長約200m、ここからも終端が見えるくらいの短い堀割です。
繋留船は奥に少しみられるほどでしたが、船影の少なさがかえって、古びた石垣の法面を水鏡に映えさせて、風情のある川景色になっていました。
●枝水路を過ぎると、河口域の最奥部がもう間近。防音壁が圧倒的な存在感を誇る、京葉道路の手前で水面は左手に広がり、台形の船溜をなしているのです。
そしてここにも、海神水門同様のポジションに小さな水門があり、目的の一つでもあったのですが、さて、近くまで入れるかどうか‥‥。赤い桁橋と京葉道路をくぐった先に、お目当ての水門があるはず。

●むう、橋の手前にブイが並んでいる‥‥。ローボートやカヤックなら平気でしょうが、動力艇はやめておいた方がよさそう。残念ながら、ズームでたぐるしかありません。
海神水門と同じく、Googleストリートビューでのぞいてみたところ、「船橋市 山谷水門」の銘が確認できました。外観も略同型のようですね。

●西側に広がる、船溜を望んで。東西150mほどで、戸建て住宅が迫る水際に釣船や屋形がもやい、ゆったりと余裕を持った水面は空を映し清々しく、長閑ないい雰囲気ですね。
埋め立ての進展によって、陸に囲まれた旧海岸線近くに、忘れ形見のように息づく船溜風景! 海神川のそれとは違い、別天地的な風情はなかったものの、安心して錨泊したくなるような穏やかさが感じられました。
そうそう、水深をメモしておきましょう、魚探の感をのぞくと3.3m、もう十分すぎる深さがあります。あ、さっきの横堤を通ったとき、感を撮っておくのを忘れていた! うかつでありました。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…12』につづく)

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●右手、ほぼ南東に伸びる枝水路が見えてきました。町名でいうと、湊3丁目と日の出1丁目の間にあり、延長約200m、ここからも終端が見えるくらいの短い堀割です。
繋留船は奥に少しみられるほどでしたが、船影の少なさがかえって、古びた石垣の法面を水鏡に映えさせて、風情のある川景色になっていました。

そしてここにも、海神水門同様のポジションに小さな水門があり、目的の一つでもあったのですが、さて、近くまで入れるかどうか‥‥。赤い桁橋と京葉道路をくぐった先に、お目当ての水門があるはず。

●むう、橋の手前にブイが並んでいる‥‥。ローボートやカヤックなら平気でしょうが、動力艇はやめておいた方がよさそう。残念ながら、ズームでたぐるしかありません。
海神水門と同じく、Googleストリートビューでのぞいてみたところ、「船橋市 山谷水門」の銘が確認できました。外観も略同型のようですね。


埋め立ての進展によって、陸に囲まれた旧海岸線近くに、忘れ形見のように息づく船溜風景! 海神川のそれとは違い、別天地的な風情はなかったものの、安心して錨泊したくなるような穏やかさが感じられました。
そうそう、水深をメモしておきましょう、魚探の感をのぞくと3.3m、もう十分すぎる深さがあります。あ、さっきの横堤を通ったとき、感を撮っておくのを忘れていた! うかつでありました。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…12』につづく)

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船橋港の水門と水路めぐり…10
(『船橋港の水門と水路めぐり…9』のつづき)
●サイロの並びにある倉庫も、がっしりした感じでなかなか素敵。こちら側にも扉が複数あるところを見ると、昔は艀荷役にも対応していた風ですね。
地図を見たら、日通の倉庫とのこと。なるほど、確かにしっくりくる雰囲気です。ストリートビューで確認したら、道路側の妻にはちゃんと、マル通の看板が掲げられていました。通運丸ファンとしては、ゼヒ水路側にもお願いしたいところです。

●ここで、右側にご覧のような石積みを発見。遠目には、ガレキが積み上げてあるようでしたが、近づいてみると、杭打ちした間に石を積み上げ、河道に対し直角に、ちょうど横堤のようにあつらえた構造物であることがわかりました。
半ば崩れているところから見ると、水門ができる以前に、防波堤として造られたものでしょうか。埋め立てが進む前は、南風が入ると波がもろに打ち込み、繋留する船艇も難儀したことは容易に想像できます。
●ここでも京葉線、東関道、湾岸道路をくぐって、さらに奥へ。右手にはプレジャーや漁舟が槍付けし、船溜の風景が続きます。
あっ、繋留艇の手前にも、さっきの横堤と似た杭列と石積みが! しかも今度は、両岸から中央近くまで、可航幅を狭めるようにしっかり伸びていて、ちょっと剣呑な雰囲気です。

●むう、これでは一隻づつ、交互通航が精一杯の可航幅ですね。ちびた杭や崩れた石積みが、真ん中の水面下にもひそんでいそうで、怖気をふるうものが。
一旦ニュートラルにして、行き足のみでじりじり近づきつつ、首を伸ばしてうさんくさげに観察する船頭。しかし、冷静になって奥の船溜に目をやると、ヨットのマストが見えるじゃないですか。フィンキールのある喫水の深い艇が出入りしているのですから、そんなに尻込みしなくてもよかったのです。

●‥‥そうはいっても、澄んだ水を透してゴロタ石や腐朽した杭が丸見えとくれば、肝が冷えることには変わりありません。最微速でそろそろと通過。
しかし、石積みの横堤が現存するのって、東京近辺の可航水路では珍しいですよね。堤防や水門が完備する前、湾奥のちょっとした入堀や船溜では、よく見られた光景だったのでしょうか。船底を噛みそうな恐ろしげな外観はさておき、大いに興味を惹かれるものがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…11』につづく)

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地図を見たら、日通の倉庫とのこと。なるほど、確かにしっくりくる雰囲気です。ストリートビューで確認したら、道路側の妻にはちゃんと、マル通の看板が掲げられていました。通運丸ファンとしては、ゼヒ水路側にもお願いしたいところです。

●ここで、右側にご覧のような石積みを発見。遠目には、ガレキが積み上げてあるようでしたが、近づいてみると、杭打ちした間に石を積み上げ、河道に対し直角に、ちょうど横堤のようにあつらえた構造物であることがわかりました。
半ば崩れているところから見ると、水門ができる以前に、防波堤として造られたものでしょうか。埋め立てが進む前は、南風が入ると波がもろに打ち込み、繋留する船艇も難儀したことは容易に想像できます。

あっ、繋留艇の手前にも、さっきの横堤と似た杭列と石積みが! しかも今度は、両岸から中央近くまで、可航幅を狭めるようにしっかり伸びていて、ちょっと剣呑な雰囲気です。

●むう、これでは一隻づつ、交互通航が精一杯の可航幅ですね。ちびた杭や崩れた石積みが、真ん中の水面下にもひそんでいそうで、怖気をふるうものが。
一旦ニュートラルにして、行き足のみでじりじり近づきつつ、首を伸ばしてうさんくさげに観察する船頭。しかし、冷静になって奥の船溜に目をやると、ヨットのマストが見えるじゃないですか。フィンキールのある喫水の深い艇が出入りしているのですから、そんなに尻込みしなくてもよかったのです。

●‥‥そうはいっても、澄んだ水を透してゴロタ石や腐朽した杭が丸見えとくれば、肝が冷えることには変わりありません。最微速でそろそろと通過。
しかし、石積みの横堤が現存するのって、東京近辺の可航水路では珍しいですよね。堤防や水門が完備する前、湾奥のちょっとした入堀や船溜では、よく見られた光景だったのでしょうか。船底を噛みそうな恐ろしげな外観はさておき、大いに興味を惹かれるものがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…11』につづく)

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船橋港の水門と水路めぐり…9
(『船橋港の水門と水路めぐり…8』のつづき)

●日の出水門をくぐってすぐ左手、思わず「うわっ!」と声を上げてしまうような工場建屋が!
外壁をダクトがのたうち、屋根に長大なガラリを連ねた手前の棟ももの凄いですが、その向こう、何やらトラスをのぞかせながら、高くそびえる建屋の迫力ったら!

●横に視点を移して、天を突き高くそびえる、禍々しくも気宇壮大な建屋が発する香気にシビレっぱなし。この角度から見ると、どこか巨大化したピアノを思わせる造形でもあります。
地図を見てみると、(株)クボタの京葉工場で、ダクタイル鋳鉄管を製造している工場とのこと。あの農機メーカーが‥‥と意外に思えたものの、沿革を拝読してみると逆で、創業3年で鋳鉄管の製造販売を始めており、焼玉エンジンなどの農機はその後なのだそうです。素敵な工場のおかげで、一つ勉強させていただきました!
●そんなわけで、進入のはなからクボタの工場に意識を吸い取られ、水路そのものへの注意がすっかりおろそかになってしまいました。
左手は、工場敷地の水際に茂る木々が水面に張り出し、緑豊か。水門からも見えた、プレジャーの繋留艇群が右側をゆき過ぎます。単なる繋留でなく、どうもマリーナのようですね。
●繋留艇の切れ目に、PWCのラック船台と、上架設備が顔をのぞかせました。こじんまりとまとまった中に、整然と施設が配されて、いかにも川のマリーナといった雰囲気です。
検索してみると、アローマリンクラブとのこと。こちらのオーナーは、朝な夕なに工場の雄姿を眺めているわけか、いいなあ‥‥。

●マリーナのすぐ向かいにある、サイロだかタンクだかも風情があってよい感じです。
木がモコモコ繁ってしまい、鉄部に少々錆も出ているので、遠目には半ば廃墟のようにも見えますが、まだ現役で使われているのかしら。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…10』につづく)

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●日の出水門をくぐってすぐ左手、思わず「うわっ!」と声を上げてしまうような工場建屋が!
外壁をダクトがのたうち、屋根に長大なガラリを連ねた手前の棟ももの凄いですが、その向こう、何やらトラスをのぞかせながら、高くそびえる建屋の迫力ったら!

●横に視点を移して、天を突き高くそびえる、禍々しくも気宇壮大な建屋が発する香気にシビレっぱなし。この角度から見ると、どこか巨大化したピアノを思わせる造形でもあります。
地図を見てみると、(株)クボタの京葉工場で、ダクタイル鋳鉄管を製造している工場とのこと。あの農機メーカーが‥‥と意外に思えたものの、沿革を拝読してみると逆で、創業3年で鋳鉄管の製造販売を始めており、焼玉エンジンなどの農機はその後なのだそうです。素敵な工場のおかげで、一つ勉強させていただきました!

左手は、工場敷地の水際に茂る木々が水面に張り出し、緑豊か。水門からも見えた、プレジャーの繋留艇群が右側をゆき過ぎます。単なる繋留でなく、どうもマリーナのようですね。

検索してみると、アローマリンクラブとのこと。こちらのオーナーは、朝な夕なに工場の雄姿を眺めているわけか、いいなあ‥‥。

●マリーナのすぐ向かいにある、サイロだかタンクだかも風情があってよい感じです。
木がモコモコ繁ってしまい、鉄部に少々錆も出ているので、遠目には半ば廃墟のようにも見えますが、まだ現役で使われているのかしら。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…10』につづく)

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船橋港の水門と水路めぐり…8
(『船橋港の水門と水路めぐり…7』のつづき)

●海神水門の右手、東側にはご覧のような水面が広がり、船溜になっていました。北岸は石垣の法面で、漁舟が思い思いに杭を打ち、艫を並べて槍付けしており、南岸や奥は基礎護岸上に船台を設け、上架されている舟もあったりして、埋め立て前の漁村風景がそのまま封じ込められたような、別天地のおもむきでした。
奥の方には橋も見られたので、こちらも小河川か澪筋の名残かしら。奥まで探索してみたかったのですが、残念なことに写真右の上架艇から、左手にかけてロープが張られており、よそ者の進入を阻んでいました。
●船橋の水路初訪の一つ目は、大満足の結果に終わり、勢いを得てお次の水門・水路へと向かうことに。栄水門を出て東航しましょう。
左手に伸びるコンクリート堤防、凹凸や目立った継ぎ目のない、胸のすくような一直線。向こうに高い建物が見えないのも手伝い、スクエアぶりが際立って見えます。

●これがお隣の水路の入口、日の出水門と日の出排水機場。例によって、水門の諸元を「管内概要」の一覧から引用すると、純径間12m、敷高A.P.-3m、昭和46年竣工とのこと。
向こうには大きな工場建屋や倉庫も見えて、沿岸の建物も楽しめそうですね。

●グリーンの扉体を仰ぎながら、進入とまいりましょう。すでに繋留するフネブネの姿が目に入り、「船いきれ」が感じられるのが嬉しくなります。
●くぐった直後に振り返って。「きけん スピードおとせ!」の看板から、プレジャーの通航が多そうですね。
さてこの水路、暗渠さんぽさんの記事「ダイナミック・チバの暗渠と軍跡 船橋駅前編」によると、旧海岸線から上流部を山谷澪、下流部は本海川と呼ばれているそうです。「船橋市河川一覧表」では、本海川は362mとごく短く、ハテ? と思うところもなくはないのですが、海神川同様、間違いであれば訂正するとして、ここでは仮に本海川でタグをつけさせていただきましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…9』につづく)

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●海神水門の右手、東側にはご覧のような水面が広がり、船溜になっていました。北岸は石垣の法面で、漁舟が思い思いに杭を打ち、艫を並べて槍付けしており、南岸や奥は基礎護岸上に船台を設け、上架されている舟もあったりして、埋め立て前の漁村風景がそのまま封じ込められたような、別天地のおもむきでした。
奥の方には橋も見られたので、こちらも小河川か澪筋の名残かしら。奥まで探索してみたかったのですが、残念なことに写真右の上架艇から、左手にかけてロープが張られており、よそ者の進入を阻んでいました。

左手に伸びるコンクリート堤防、凹凸や目立った継ぎ目のない、胸のすくような一直線。向こうに高い建物が見えないのも手伝い、スクエアぶりが際立って見えます。

●これがお隣の水路の入口、日の出水門と日の出排水機場。例によって、水門の諸元を「管内概要」の一覧から引用すると、純径間12m、敷高A.P.-3m、昭和46年竣工とのこと。
向こうには大きな工場建屋や倉庫も見えて、沿岸の建物も楽しめそうですね。

●グリーンの扉体を仰ぎながら、進入とまいりましょう。すでに繋留するフネブネの姿が目に入り、「船いきれ」が感じられるのが嬉しくなります。

さてこの水路、暗渠さんぽさんの記事「ダイナミック・チバの暗渠と軍跡 船橋駅前編」によると、旧海岸線から上流部を山谷澪、下流部は本海川と呼ばれているそうです。「船橋市河川一覧表」では、本海川は362mとごく短く、ハテ? と思うところもなくはないのですが、海神川同様、間違いであれば訂正するとして、ここでは仮に本海川でタグをつけさせていただきましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(28年12月31日撮影)
(『船橋港の水門と水路めぐり…9』につづく)

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