木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…1

当日はあいにくの雨模様。集まりは昼からなので、早めの新幹線で名古屋に着いたその足で、名古屋市博物館を見学。帝冠様式を現代風にしたような、なかなか格好のよい建物。特別展「海たび」を拝見と、まずは順調な出だしであります。

舟筏路については、『「舟筏路(しゅうばつろ)」! この甘美な響き』をお読みください。ダムや堰に設けられた舟航施設の一種で、言及した文献も見当たらず謎が多いことから、この目で見てやろうと思っていたのです。

●明けて2日‥‥宿から出て木曽川畔に立ってみると、
快 晴 で す !
まあ、小躍りするほど嬉しくなりました。草生す奇岩の向こうには、山並みを映す美しい川面が。限られた時間で例によって駆け足にはなりますが、大いに好奇心を満たすとしましょう。

●本日第一の目標は、すぐ下流に見える犬山頭首工。昭和37年竣工、濃尾平野の農地9353haを潤す取水堰です(『犬山頭首工の概要』東海農政局)。
左手には有名な犬山城をいただく独立丘が迫る、風光明媚なところ。麓を河水が洗う丘があり、はるかには山並みを望めるという、可航河川としても魅力あふれる川景色ですね。

●犬山城のある丘の麓を過ぎて、上流側から頭首工を一枚。手前の分岐は、木津用水の取水口に至る導流堤です。上流側に渡された茶色い桁は人道橋で、車道橋である「ライン大橋」は、堰柱の下流側に設けられています。
一つお詫びが‥‥。上にリンクした東海農政局の公式サイトでは、舟筏路でなく「舟通し」と書かれており、いきなりブログとしてのタイトルが破綻してまいました(泣)。まあ、とにかく舟航施設なら何でも好きなおっさんの上滑りとして、ご勘弁くだされば幸いです。
【撮影地点のMapion地図】
(30年9月1日・2日撮影)
(『木曽川・飛騨川舟筏路めぐり…2』につづく)

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「舟筏路(しゅうばつろ)」! この甘美な響き
●閘門好きを公言してはばからない船頭ですが、閘門だけでなくインクラインや水斜面など、水位差のある場所に設けられた舟航施設全般にも、大いに食指が動くたちです。
●一昨年、28年8月のこと。「阿賀野川頭首工を愛でる…11」の拍手コメントに、「Lambda の徒然日記」のLambdaさんからの書き込みがありました。お子さんと木曽川は関電今渡発電所の見学に行かれた際、ダムに舟通しの一種があって、「舟筏路(しゅうばつろ)」と呼ばれていたとのこと。
舟 筏 路!
初めて目にする言葉です。字面の佳さに加えて、その読みも水路バカの血を沸かすような、豊潤かつ甘美なものがあるじゃないですか! まさに声に出して読みたくなる日本語、いっぺんで気に入ってしまいました。
●さっそくブログを拝見してみると、見学記が何本かの記事になってアップされていました。中でも興味深かったのが、舟筏路を間近で見た写真のある、「ぷにぷに発電所見学・その4」。
もう目ん玉見開いて掲載の写真を観察。下流側は両サイドに壁を立ち上げた、溝状の構造物がスロープをなしていて、水面下まで伸びています。壁の天端にはレールとガイドローラー様のものが敷設されていることから、恐らく台車がワイヤーに曳かれて上下する、インクラインに近い施設であろうことがわかりました。興奮でハフハフしつつ、Googleマップでさっそく今渡ダム(↓)を表示、交互に眺めながら記事を拝見したものです。

●ホンモノのGoogleマップで今渡ダムを表示
●しかし、上流側のしくみがいま一つわかりません。Lambdaさんの記事にある、6枚目の写真には台車が写っていますが、インクラインだったらサミットを越えた後に、船を載せた台車ごと泛水するところ、写真を見たかぎりでは、台車はスロープの角度のまま上昇し、水面はるか上に位置しています。
上流側の壁天端には、レールやローラーも見えないようだし‥‥。まさか、泛水は船を鉄枠の上にあるテルファーで釣り上げて、台車を避けてから吊り下げるのかしら? それとも、ゲートを開放して溝の中に水を流し、台車は船や筏を浮かせたまま、牽引するためのものとか‥‥。例によって、ぐるぐると根拠の薄い妄想が脳内を駆け巡りました。ダムの上下流に橋がなく、管理橋も公道でないことから、ストリートビューでの観察もできず、興奮しながらもどかしい思いをしたものです。

●ホンモノのGoogleマップで川辺ダムを表示
●そんなわけで、構造については壁に突き当たってしまったものの、ふと「ここに舟筏路が設けられているなら、流域の他のダムにもあるんじゃないか?」と思いつき、開いてあったGoogleマップをぐりぐり上流へスクロールしてみると‥‥あった!
今渡ダムすぐ上流にある合流点から飛騨川を遡上し、約5㎞を経たところにある川辺ダムです!
おおお、今渡ダムの舟筏路よりはるかに長い! しかも曲線がすごく魅力的!
一見してずいぶん古びており、長い間使われていないように思えましたが、これだけの規模の舟航施設が現存していたこと、さすが筏流しで知られた木曽川水系と、大いに感動させられたものでした。

●ホンモノのGoogleストリートビューで犬山頭首工を表示
●さて、今度は下流へGoogleマップをぐりぐりすると、今渡ダムの14㎞ほど下流、犬山城のすぐ近くにある犬山頭首工にも舟筏路らしきものが! 幸いここの管理橋は「ライン大橋」と名付けられた公道なので、ストリートビューで堪能できました。
●‥‥とまあ、Lambdaさんのご教示のおかげで、舟筏路の存在を知ることができ、大興奮のひとときを過ごした2年前でありました。遅ればせながら、Lambdaさんに厚く御礼申し上げます、ありがとうございました!
ダムファンの皆さんは先刻ご承知のものばかりで、何ともお恥ずかしい限りではありますが‥‥。謎の解明とともに、いずれ機会をとらえて木曽川・飛騨川を訪ね、舟筏路めぐりとしゃれ込みたいものです!

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●一昨年、28年8月のこと。「阿賀野川頭首工を愛でる…11」の拍手コメントに、「Lambda の徒然日記」のLambdaさんからの書き込みがありました。お子さんと木曽川は関電今渡発電所の見学に行かれた際、ダムに舟通しの一種があって、「舟筏路(しゅうばつろ)」と呼ばれていたとのこと。
舟 筏 路!
初めて目にする言葉です。字面の佳さに加えて、その読みも水路バカの血を沸かすような、豊潤かつ甘美なものがあるじゃないですか! まさに声に出して読みたくなる日本語、いっぺんで気に入ってしまいました。
●さっそくブログを拝見してみると、見学記が何本かの記事になってアップされていました。中でも興味深かったのが、舟筏路を間近で見た写真のある、「ぷにぷに発電所見学・その4」。
もう目ん玉見開いて掲載の写真を観察。下流側は両サイドに壁を立ち上げた、溝状の構造物がスロープをなしていて、水面下まで伸びています。壁の天端にはレールとガイドローラー様のものが敷設されていることから、恐らく台車がワイヤーに曳かれて上下する、インクラインに近い施設であろうことがわかりました。興奮でハフハフしつつ、Googleマップでさっそく今渡ダム(↓)を表示、交互に眺めながら記事を拝見したものです。

●ホンモノのGoogleマップで今渡ダムを表示
●しかし、上流側のしくみがいま一つわかりません。Lambdaさんの記事にある、6枚目の写真には台車が写っていますが、インクラインだったらサミットを越えた後に、船を載せた台車ごと泛水するところ、写真を見たかぎりでは、台車はスロープの角度のまま上昇し、水面はるか上に位置しています。
上流側の壁天端には、レールやローラーも見えないようだし‥‥。まさか、泛水は船を鉄枠の上にあるテルファーで釣り上げて、台車を避けてから吊り下げるのかしら? それとも、ゲートを開放して溝の中に水を流し、台車は船や筏を浮かせたまま、牽引するためのものとか‥‥。例によって、ぐるぐると根拠の薄い妄想が脳内を駆け巡りました。ダムの上下流に橋がなく、管理橋も公道でないことから、ストリートビューでの観察もできず、興奮しながらもどかしい思いをしたものです。

●ホンモノのGoogleマップで川辺ダムを表示
●そんなわけで、構造については壁に突き当たってしまったものの、ふと「ここに舟筏路が設けられているなら、流域の他のダムにもあるんじゃないか?」と思いつき、開いてあったGoogleマップをぐりぐり上流へスクロールしてみると‥‥あった!
今渡ダムすぐ上流にある合流点から飛騨川を遡上し、約5㎞を経たところにある川辺ダムです!
おおお、今渡ダムの舟筏路よりはるかに長い! しかも曲線がすごく魅力的!
一見してずいぶん古びており、長い間使われていないように思えましたが、これだけの規模の舟航施設が現存していたこと、さすが筏流しで知られた木曽川水系と、大いに感動させられたものでした。

●ホンモノのGoogleストリートビューで犬山頭首工を表示
●さて、今度は下流へGoogleマップをぐりぐりすると、今渡ダムの14㎞ほど下流、犬山城のすぐ近くにある犬山頭首工にも舟筏路らしきものが! 幸いここの管理橋は「ライン大橋」と名付けられた公道なので、ストリートビューで堪能できました。
●‥‥とまあ、Lambdaさんのご教示のおかげで、舟筏路の存在を知ることができ、大興奮のひとときを過ごした2年前でありました。遅ればせながら、Lambdaさんに厚く御礼申し上げます、ありがとうございました!
ダムファンの皆さんは先刻ご承知のものばかりで、何ともお恥ずかしい限りではありますが‥‥。謎の解明とともに、いずれ機会をとらえて木曽川・飛騨川を訪ね、舟筏路めぐりとしゃれ込みたいものです!

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船頭平閘門を訪ねて…6
(『船頭平閘門を訪ねて…5』のつづき)
●前方はるか、上流に見えるローゼ橋は長良川大橋。先ほどくぐった立田大橋に続く、愛知県と岐阜県の県境をまたぐ橋です。
このあたり、左手は揖斐川と長良川を分かつ細い背割堤で、有名な油島千本松が川面からも望め、宝暦治水碑もあるとガイドさんよりさまざまなお話があったのですが、寒さと雨で集中できず、申しわけないことをしてしまいました。

●ガイドさんのお話が続く間は、船は微速で上流を目指していたのが、お話が終わったところで舵を切り、爆音を高めて下流へ戻り始めました。
失礼ではありますが、寒さと雨の不安で気持ちが挫けかけていたので、このときは本当に、心底ホッとしたものです。早く上陸して、閘門をゆっくり眺めまわしてみたい!

●閘門のある水路に戻ってくると、長良川から一転してウソのような穏やかさ。ああ、狭水路って本当にありがたい。
写真は船着場にもやった直後で、お弁当を予約した人は上陸して見学後、公園の東屋やベンチで昼食です。屋内の休憩所はないので、この時季はちょっとつらいかもしれませんね。

●晴れたり曇ったり、たまに雨も降ったりと猫の目のようにめまぐるしいので、陽が射すとこの機を逃さじとばかりカメラを向けるクセが‥‥。晴れてさえいれば、暖かくて穏やかなんですがねえ。
さて、本来ならばガイドさんに引率されて木曽川文庫他の見学なのですが、30分以上かかるとのこと。時間もないのでお詫びして失礼し、例によって閘門の周りを走り回ることになりました。
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…7』につづく)

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このあたり、左手は揖斐川と長良川を分かつ細い背割堤で、有名な油島千本松が川面からも望め、宝暦治水碑もあるとガイドさんよりさまざまなお話があったのですが、寒さと雨で集中できず、申しわけないことをしてしまいました。

●ガイドさんのお話が続く間は、船は微速で上流を目指していたのが、お話が終わったところで舵を切り、爆音を高めて下流へ戻り始めました。
失礼ではありますが、寒さと雨の不安で気持ちが挫けかけていたので、このときは本当に、心底ホッとしたものです。早く上陸して、閘門をゆっくり眺めまわしてみたい!

●閘門のある水路に戻ってくると、長良川から一転してウソのような穏やかさ。ああ、狭水路って本当にありがたい。
写真は船着場にもやった直後で、お弁当を予約した人は上陸して見学後、公園の東屋やベンチで昼食です。屋内の休憩所はないので、この時季はちょっとつらいかもしれませんね。


さて、本来ならばガイドさんに引率されて木曽川文庫他の見学なのですが、30分以上かかるとのこと。時間もないのでお詫びして失礼し、例によって閘門の周りを走り回ることになりました。
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…7』につづく)

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船頭平閘門を訪ねて…2
(『船頭平閘門を訪ねて…1』のつづき)

●出港15分ほどで、県道125号線立田大橋をくぐりました。この西へ続く長良川大橋、油島大橋とあわせて三川をひとまたぎにするばかりか、愛知・岐阜・三重の三県境をも縦断しているという、豪気な橋でもあります。
あっ、橋脚の間にまだ虹が見える! 心なしかさっきよりハッキリしてきた気が。画面奥に小さく見える塔は、木曽三川公園の展望塔ですね。後で行ってみたいのですが、お天気が持つかしら。
●さらに下ると、造りかけなのか、はたまた解体中なのか、判じかねる中途半端な河中鉄塔が。この直前まで、梁の一本一本にそれこそ真っ黒になるくらい、川鵜たちが留まっていたのですが、船が接近するといっせいに飛び立ってしまいました。
分厚い雲の筋が波状的に流れてきて、陽がさえぎられるとご覧のとおり、まあ暗くなること。せめて雨にたたられないよう、祈るしかありません。
●ガイドさんの話を聞きながら寒さに耐えるうち、船は減速して右へ舵を切り始めました。間もなく閘門とのことですが、雲で翳っていることも手伝い、水際には葦原しか見えず、水路の入口が判然としません。
と、木々の間に顔を出している、見覚えのある建物の屋根が。あれ、木曽川文庫じゃないか? ということは、あのあたりに船頭平閘門があることになりますね。

●さらに減速し、大きく面舵を切ったところで、葦原の間にうわっと水路が開け、思わず「おお!」と小さく声を上げてしまいました。入口に大きな目標もなく、高水敷に茂る木々の間に隠されたような、草深い水路の雰囲気に感動したのです。
ここから、棹を持った船頭さんが船首に立ちました。早くも閘門に入る準備でしょうか。左側にびっしりミヨシづけしている小舟は、シジミ採りの漁舟だそう。ちょうど漁師さんが作業をしていて、こちらの船頭さんは顔見知りらしく「調子はどう?」と気軽に声をかけたものの、逆に「もっとスピードを落とせよ!」と怒られる一幕も。う~ん。

●さらに左へ90度近く曲がったところで、橋の向こうに閘門が見えてきました! いや~、風景の開けた場所が多い、関東の各閘門を見慣れている目からすれば、草深い屈曲の奥にある閘門というのが、実に新鮮であります。
何だか秘境(?)っぽい魅力があっていいじゃないですか。陸路ではこの佳さは味わえなかったでしょう。船で訪ねて本当によかったと、思えた瞬間でした!
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…3』につづく)

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●出港15分ほどで、県道125号線立田大橋をくぐりました。この西へ続く長良川大橋、油島大橋とあわせて三川をひとまたぎにするばかりか、愛知・岐阜・三重の三県境をも縦断しているという、豪気な橋でもあります。
あっ、橋脚の間にまだ虹が見える! 心なしかさっきよりハッキリしてきた気が。画面奥に小さく見える塔は、木曽三川公園の展望塔ですね。後で行ってみたいのですが、お天気が持つかしら。

分厚い雲の筋が波状的に流れてきて、陽がさえぎられるとご覧のとおり、まあ暗くなること。せめて雨にたたられないよう、祈るしかありません。

と、木々の間に顔を出している、見覚えのある建物の屋根が。あれ、木曽川文庫じゃないか? ということは、あのあたりに船頭平閘門があることになりますね。

●さらに減速し、大きく面舵を切ったところで、葦原の間にうわっと水路が開け、思わず「おお!」と小さく声を上げてしまいました。入口に大きな目標もなく、高水敷に茂る木々の間に隠されたような、草深い水路の雰囲気に感動したのです。
ここから、棹を持った船頭さんが船首に立ちました。早くも閘門に入る準備でしょうか。左側にびっしりミヨシづけしている小舟は、シジミ採りの漁舟だそう。ちょうど漁師さんが作業をしていて、こちらの船頭さんは顔見知りらしく「調子はどう?」と気軽に声をかけたものの、逆に「もっとスピードを落とせよ!」と怒られる一幕も。う~ん。

●さらに左へ90度近く曲がったところで、橋の向こうに閘門が見えてきました! いや~、風景の開けた場所が多い、関東の各閘門を見慣れている目からすれば、草深い屈曲の奥にある閘門というのが、実に新鮮であります。
何だか秘境(?)っぽい魅力があっていいじゃないですか。陸路ではこの佳さは味わえなかったでしょう。船で訪ねて本当によかったと、思えた瞬間でした!
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…3』につづく)

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船頭平閘門を訪ねて…1

閘門を通航する木曽川観光船は、木曽川東岸の葛木が乗船場です。まずは名鉄電車で最寄駅の津島へ。名鉄に乗るのは久しぶりで、電車がステンレスでない、塗装されているというだけで嬉しいものが‥‥。

当初の計画では、19日にもう一つの閘門におもむき、船頭平閘門は20日に陸路訪ねる予定だったのですが、なかばご担当のお言葉にほだされた(?)形となり、通航体験はもちろん、上陸し閘門や資料室を見学できるとのことで、予約させていただきました。
「乗船場には設備が何もありません。お手洗いや買い物は駅で済ませてください」とのご注意どおり、草を刈り払っただけの、未舗装の高水敷。堤防道に立つ一本の幟が、唯一の目印です。

●スタッフやお客さんのクルマが数台止まっている間を抜けると、泥んこの駐車場とは対照的に、コンクリートできれいに固められた法面と護岸が現われ、船がもやっていました。これが本日お世話になる「葛木丸」。高水敷を台形に掘り込み、護岸し船が接岸できるようにした「港」は木曽川沿岸に複数あって、ここも「葛木港」という立派な名前がついており、ウェブ地図にも記載されています。
コンソールを船尾近くに設けた船外機艇で、周りはヨシズを支える枠程度ということもあり、眺望はよさそうです。乗船者も我々を最後に揃ったようで、さっそく手続きをして乗船、もやいを解きました。
【撮影地点のMapion地図】

●初めての木曽川は、広大な川面を渡る風が頬を刺し、空を覆い始めた雲が両岸を黒く沈ませるという、少々厳しい感じの第一印象。
幸いにして右舷の一番前に座れたものの、下半身まで風が当るので、もう寒いの何の。防寒対策はしっかりしてきたつもりでしたが、同じ露天でも、自艇であればカディとフロントグラスが風を防いでくれていたことを、気づかされることになりました。しかも、先ほどまで晴れていた空に雲が湧きだし、日が陰ったため、体感温度の低下は著しいものが。ううう‥‥大好きな川走りと閘門通航のため、丹田に力を入れて堪えなければ。

●船首にはガイドさんが立ち、それこそ宝暦治水から近代の三川分流工事、そして船頭平閘門建設に至るまで、自作のフリップを次々に掲げながら熱弁してくれます。ただ、だいぶご高齢ということもあってか、ちょっとした揺れでよろめかれたりと、失礼ですが少々おつらそうにお見受けしました。周りのお客さんも気遣って、フリップをめくる間ハンドマイクを持ってあげたりとお手伝い。
寒さに耐えながらふと右後方に目をやると、まだ陽が射している養老山脈(でいいのかな?)の山並をバックに、うっすらと虹が! 雲も陽をさえぎるだけでなく、素敵な光景を見せてくれるものじゃと、ちょっとトクをした気分ではありました。
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…2』につづく)

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