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船頭平閘門を訪ねて…3

(『船頭平閘門を訪ねて…2』のつづき)

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きれいに整備された芝生の法面を両岸に見ながら、船は微速で閘門に近づいてゆきます。雲の影に入って少し暗い目ですが、これが船頭平閘門との初めましての一枚。

写真では何度も目にしていながら、やはり実見すると印象がずいぶん違います。思っていたよりずっと径間が狭く、その分左右の擁壁が分厚く感じられた、というのが第一印象でした。

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ゲート手前の右、量水塔の造作にも目を奪われました。鋼材組みの脚に、白く塗り上げた下見板の塔屋が載り、茶色い屋根の頂部にくびれたトンガリ帽子をちょこんとかむったさまは、どこかお伽の国のよう。

法面から塔屋に伸びる通路の造りから、そんなに古いものではないように思えましたが、閘門の雰囲気とよく似合っていますね。

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船は扉体ぎりぎりまで近づいて、船頭さんが左手にある鐘から下がったヒモをつかみました。通船要求はこの鐘を鳴らすのだそう。おお、古風でいいですねえ。

苔生したレンガと石材の扉室、注水用ゲートの操作ロッドが目立つ扉体と、触れんばかりに肉迫するこの嬉しさ。通航に向けて、いやが上にも盛り上がろうというものです。

213014.jpgガイドさんいわく、「カメラで見ているので、鳴らさなくても向こうはわかっているんですがネ」‥‥どうやら、かつてのやり方を保存するのが主眼であり、今は半ば儀式的なもののようです。

お客さんの中から希望者をつのり、ヒモを引いてカラン、カランといい音をさせると、しばらくしてからヘルメットに作業服の係員さんが出てきて、機側操作を始めました。

213015.jpg待っている間、周りを物見高く見まわしていたら、左手の水際に立っていた、通航船に向けての注意書きが目につきました。すぐ脇に伏せてある、半ば朽ちた舟も気になります。

許容される喫水は1.7mと、径間の割には水深に余裕を持たせた造りなのですね。江東の2閘門と違い休日はないあたり、小なりとはいえ、2本の大河を結ぶ要であることが感じられました。
撮影地点のMapion地図

(29年11月19日撮影)

(『船頭平閘門を訪ねて…4』につづく)

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タグ : 船頭平閘門 閘門 木曽川観光船

船頭平閘門を訪ねて…2

(『船頭平閘門を訪ねて…1』のつづき)

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出港15分ほどで、県道125号線立田大橋をくぐりました。この西へ続く長良川大橋、油島大橋とあわせて三川をひとまたぎにするばかりか、愛知・岐阜・三重の三県境をも縦断しているという、豪気な橋でもあります。

あっ、橋脚の間にまだ虹が見える! 心なしかさっきよりハッキリしてきた気が。画面奥に小さく見える塔は、木曽三川公園の展望塔ですね。後で行ってみたいのですが、お天気が持つかしら。

213007.jpgさらに下ると、造りかけなのか、はたまた解体中なのか、判じかねる中途半端な河中鉄塔が。この直前まで、梁の一本一本にそれこそ真っ黒になるくらい、川鵜たちが留まっていたのですが、船が接近するといっせいに飛び立ってしまいました。

分厚い雲の筋が波状的に流れてきて、陽がさえぎられるとご覧のとおり、まあ暗くなること。せめて雨にたたられないよう、祈るしかありません。

213008.jpgガイドさんの話を聞きながら寒さに耐えるうち、船は減速して右へ舵を切り始めました。間もなく閘門とのことですが、雲で翳っていることも手伝い、水際には葦原しか見えず、水路の入口が判然としません。

と、木々の間に顔を出している、見覚えのある建物の屋根が。あれ、木曽川文庫じゃないか? ということは、あのあたりに船頭平閘門があることになりますね。


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さらに減速し、大きく面舵を切ったところで、葦原の間にうわっと水路が開け、思わず「おお!」と小さく声を上げてしまいました。入口に大きな目標もなく、高水敷に茂る木々の間に隠されたような、草深い水路の雰囲気に感動したのです。

ここから、棹を持った船頭さんが船首に立ちました。早くも閘門に入る準備でしょうか。左側にびっしりミヨシづけしている小舟は、シジミ採りの漁舟だそう。ちょうど漁師さんが作業をしていて、こちらの船頭さんは顔見知りらしく「調子はどう?」と気軽に声をかけたものの、逆に「もっとスピードを落とせよ!」と怒られる一幕も。う~ん。

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さらに左へ90度近く曲がったところで、橋の向こうに閘門が見えてきました! いや~、風景の開けた場所が多い、関東の各閘門を見慣れている目からすれば、草深い屈曲の奥にある閘門というのが、実に新鮮であります。

何だか秘境(?)っぽい魅力があっていいじゃないですか。陸路ではこの佳さは味わえなかったでしょう。船で訪ねて本当によかったと、思えた瞬間でした!
撮影地点のMapion地図

(29年11月19日撮影)

(『船頭平閘門を訪ねて…3』につづく)

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タグ : 木曽川 木曽川観光船

船頭平閘門を訪ねて…1

213001.jpg11月19日は、翌20日の代休と合わせて1泊の小旅行とし、2つの閘門を訪ねてきました。最初に向かったのは、木曽川と長良川を結ぶ、重要文化財としても知られる船頭平(せんどうひら)閘門

閘門を通航する木曽川観光船は、木曽川東岸の葛木が乗船場です。まずは名鉄電車で最寄駅の津島へ。名鉄に乗るのは久しぶりで、電車がステンレスでない、塗装されているというだけで嬉しいものが‥‥。

213002.jpg観光船を運航する愛西市観光協会に問い合わせたところ、たまたま19日が今年最後の運航日で、「正直運営も楽ではなく、来年も運航できるかどうかわからない」とご担当者の弁。

当初の計画では、19日にもう一つの閘門におもむき、船頭平閘門は20日に陸路訪ねる予定だったのですが、なかばご担当のお言葉にほだされた(?)形となり、通航体験はもちろん、上陸し閘門や資料室を見学できるとのことで、予約させていただきました。

「乗船場には設備が何もありません。お手洗いや買い物は駅で済ませてください」とのご注意どおり、草を刈り払っただけの、未舗装の高水敷。堤防道に立つ一本の幟が、唯一の目印です。

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スタッフやお客さんのクルマが数台止まっている間を抜けると、泥んこの駐車場とは対照的に、コンクリートできれいに固められた法面と護岸が現われ、船がもやっていました。これが本日お世話になる「葛木丸」。高水敷を台形に掘り込み、護岸し船が接岸できるようにした「港」は木曽川沿岸に複数あって、ここも「葛木港」という立派な名前がついており、ウェブ地図にも記載されています。

コンソールを船尾近くに設けた船外機艇で、周りはヨシズを支える枠程度ということもあり、眺望はよさそうです。乗船者も我々を最後に揃ったようで、さっそく手続きをして乗船、もやいを解きました。
撮影地点のMapion地図

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初めての木曽川は、広大な川面を渡る風が頬を刺し、空を覆い始めた雲が両岸を黒く沈ませるという、少々厳しい感じの第一印象。

幸いにして右舷の一番前に座れたものの、下半身まで風が当るので、もう寒いの何の。防寒対策はしっかりしてきたつもりでしたが、同じ露天でも、自艇であればカディとフロントグラスが風を防いでくれていたことを、気づかされることになりました。しかも、先ほどまで晴れていた空に雲が湧きだし、日が陰ったため、体感温度の低下は著しいものが。ううう‥‥大好きな川走りと閘門通航のため、丹田に力を入れて堪えなければ。

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船首にはガイドさんが立ち、それこそ宝暦治水から近代の三川分流工事、そして船頭平閘門建設に至るまで、自作のフリップを次々に掲げながら熱弁してくれます。ただ、だいぶご高齢ということもあってか、ちょっとした揺れでよろめかれたりと、失礼ですが少々おつらそうにお見受けしました。周りのお客さんも気遣って、フリップをめくる間ハンドマイクを持ってあげたりとお手伝い。

寒さに耐えながらふと右後方に目をやると、まだ陽が射している養老山脈(でいいのかな?)の山並をバックに、うっすらと虹が! 雲も陽をさえぎるだけでなく、素敵な光景を見せてくれるものじゃと、ちょっとトクをした気分ではありました。

(29年11月19日撮影)

(『船頭平閘門を訪ねて…2』につづく)

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