船頭平閘門を訪ねて…13
(『船頭平閘門を訪ねて…12』のつづき)

●さっきニャンコ先生が渡っていた、閘室側のゲートが閉まるさまを橋の上から。いいですねえ、マイタゲートの開閉を真上から眺められるのって。
径間が狭く、動きがゆっくりなせいでしょうか、扉体が動いても水面に目だった渦もなく、まことに静か。ローラーゲートとは対照的であります。

●扉体が閉まると、いったん閘室の真ん中あたりまで入っていた「葛木丸」が後退してきて、船頭さんが扉室の側壁にしがみつきました。やはり法面の閘室は、使い勝手がよくないようです。
右はほぼ排水が終わったところ。先ほど通航したときも触れたように、法面の目地から水が流れ出ているのがわかります。
●泥色の法面がすっかり露出すると、木曽川方のゲートが開き、エンジンがふたたび回り始めました。お世話になった「葛木丸」ともお別れです。
乗り組みさんやお客さんたちと手を振り、声を掛け合って、ちょっとふらつき気味に遠ざかる船影を見送りました。お世話になりました!

●陽射しで暖を取っている風情の、木曽川方ゲートを掲げておしまいといたしましょう。雄大な2河川に挟まれた地に在って、狭水路の奥で美しく整備されて息づく、齢115を数える現役の複式マイタゲート!
剪定された木々に彩られ、こじんまりと可愛らしくさえあったその風情は、実際にこの地を踏まなければ感じることができなかったでしょう。訪ねてよかったと、閘門バカとしてしみじみ思ったことではありました。
(29年11月19日撮影)
(『木曽三川公園展望タワーにて』につづく)

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●さっきニャンコ先生が渡っていた、閘室側のゲートが閉まるさまを橋の上から。いいですねえ、マイタゲートの開閉を真上から眺められるのって。
径間が狭く、動きがゆっくりなせいでしょうか、扉体が動いても水面に目だった渦もなく、まことに静か。ローラーゲートとは対照的であります。


右はほぼ排水が終わったところ。先ほど通航したときも触れたように、法面の目地から水が流れ出ているのがわかります。

乗り組みさんやお客さんたちと手を振り、声を掛け合って、ちょっとふらつき気味に遠ざかる船影を見送りました。お世話になりました!

●陽射しで暖を取っている風情の、木曽川方ゲートを掲げておしまいといたしましょう。雄大な2河川に挟まれた地に在って、狭水路の奥で美しく整備されて息づく、齢115を数える現役の複式マイタゲート!
剪定された木々に彩られ、こじんまりと可愛らしくさえあったその風情は、実際にこの地を踏まなければ感じることができなかったでしょう。訪ねてよかったと、閘門バカとしてしみじみ思ったことではありました。
(29年11月19日撮影)
(『木曽三川公園展望タワーにて』につづく)

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船頭平閘門を訪ねて…12
(『閘門ニャンコ』のつづき)

●「葛木丸」が、葛木港へ戻る時刻が迫ってきました。閘門通航シーンを撮ってみたくなったのと、例のギミックと電光掲示のモニターが、作動するところもあわよくば見てみたい、という欲望が抑えきれず、乗り組みの方に「途中下船」を相談してみると、快諾してくださいました。見学ツアーをパスしたことといい、我儘ばかりで申しわけありませんでした。
ご一緒した皆さんが乗り込んで、もやいを解き微速で進んでくる「葛木丸」を、橋の上から見守って。皆さん口々に「気をつけてね」「さようなら」と、手を振ってくれました。

●通船要求の鐘を鳴らすと、係の方が出てきて機側操作盤を鍵で開き、扉体を作動させます。おおお、間近で眺める開扉シーン、いいですなあ!
さて、気になる例のモニターですが‥‥残念ながら動きませんでした。もう長い間使っていないのかなあ。まあ、見学者が私一人では、よしんば可動状態にあったとしても、動かし甲斐がないでしょう。

●そして「葛木丸」を直下に見下ろしての通航シーン。径間5.63mは、小型船舶から見ても決して広くなく、実際通ったときは扉体が鼻先をかすめるように感じたものですが、こうして見下ろすと、改めて狭さが実感できます。
●閘室に入りました。現在は満水状態ですから、排水後は両岸の石垣も露出して、また印象が変わるでしょう。
閘室の護岸が法面というのは、眺める分には味があってよいものですが、通る船からすれば取り付くところがない上、接岸もできないしと、あまりありがたくないのは容易に想像できます。「葛木丸」も長いボートフックで突いたりして艇の回るのを防いだりと、落ち着かない風情でした。
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…13』につづく)

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●「葛木丸」が、葛木港へ戻る時刻が迫ってきました。閘門通航シーンを撮ってみたくなったのと、例のギミックと電光掲示のモニターが、作動するところもあわよくば見てみたい、という欲望が抑えきれず、乗り組みの方に「途中下船」を相談してみると、快諾してくださいました。見学ツアーをパスしたことといい、我儘ばかりで申しわけありませんでした。
ご一緒した皆さんが乗り込んで、もやいを解き微速で進んでくる「葛木丸」を、橋の上から見守って。皆さん口々に「気をつけてね」「さようなら」と、手を振ってくれました。


さて、気になる例のモニターですが‥‥残念ながら動きませんでした。もう長い間使っていないのかなあ。まあ、見学者が私一人では、よしんば可動状態にあったとしても、動かし甲斐がないでしょう。

●そして「葛木丸」を直下に見下ろしての通航シーン。径間5.63mは、小型船舶から見ても決して広くなく、実際通ったときは扉体が鼻先をかすめるように感じたものですが、こうして見下ろすと、改めて狭さが実感できます。

閘室の護岸が法面というのは、眺める分には味があってよいものですが、通る船からすれば取り付くところがない上、接岸もできないしと、あまりありがたくないのは容易に想像できます。「葛木丸」も長いボートフックで突いたりして艇の回るのを防いだりと、落ち着かない風情でした。
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…13』につづく)

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船頭平閘門を訪ねて…6
(『船頭平閘門を訪ねて…5』のつづき)
●前方はるか、上流に見えるローゼ橋は長良川大橋。先ほどくぐった立田大橋に続く、愛知県と岐阜県の県境をまたぐ橋です。
このあたり、左手は揖斐川と長良川を分かつ細い背割堤で、有名な油島千本松が川面からも望め、宝暦治水碑もあるとガイドさんよりさまざまなお話があったのですが、寒さと雨で集中できず、申しわけないことをしてしまいました。

●ガイドさんのお話が続く間は、船は微速で上流を目指していたのが、お話が終わったところで舵を切り、爆音を高めて下流へ戻り始めました。
失礼ではありますが、寒さと雨の不安で気持ちが挫けかけていたので、このときは本当に、心底ホッとしたものです。早く上陸して、閘門をゆっくり眺めまわしてみたい!

●閘門のある水路に戻ってくると、長良川から一転してウソのような穏やかさ。ああ、狭水路って本当にありがたい。
写真は船着場にもやった直後で、お弁当を予約した人は上陸して見学後、公園の東屋やベンチで昼食です。屋内の休憩所はないので、この時季はちょっとつらいかもしれませんね。

●晴れたり曇ったり、たまに雨も降ったりと猫の目のようにめまぐるしいので、陽が射すとこの機を逃さじとばかりカメラを向けるクセが‥‥。晴れてさえいれば、暖かくて穏やかなんですがねえ。
さて、本来ならばガイドさんに引率されて木曽川文庫他の見学なのですが、30分以上かかるとのこと。時間もないのでお詫びして失礼し、例によって閘門の周りを走り回ることになりました。
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…7』につづく)

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このあたり、左手は揖斐川と長良川を分かつ細い背割堤で、有名な油島千本松が川面からも望め、宝暦治水碑もあるとガイドさんよりさまざまなお話があったのですが、寒さと雨で集中できず、申しわけないことをしてしまいました。

●ガイドさんのお話が続く間は、船は微速で上流を目指していたのが、お話が終わったところで舵を切り、爆音を高めて下流へ戻り始めました。
失礼ではありますが、寒さと雨の不安で気持ちが挫けかけていたので、このときは本当に、心底ホッとしたものです。早く上陸して、閘門をゆっくり眺めまわしてみたい!

●閘門のある水路に戻ってくると、長良川から一転してウソのような穏やかさ。ああ、狭水路って本当にありがたい。
写真は船着場にもやった直後で、お弁当を予約した人は上陸して見学後、公園の東屋やベンチで昼食です。屋内の休憩所はないので、この時季はちょっとつらいかもしれませんね。


さて、本来ならばガイドさんに引率されて木曽川文庫他の見学なのですが、30分以上かかるとのこと。時間もないのでお詫びして失礼し、例によって閘門の周りを走り回ることになりました。
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…7』につづく)

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船頭平閘門を訪ねて…5
(『船頭平閘門を訪ねて…4』のつづき)
●注水が終わり、閘室両岸の石垣もすっかり水没し、水音が聞こえなくなったところで、ゲートが開きはじめました。
相変わらず暗く撮れてしまいますが、引き続き寒さは寒し、陽が射してくれないかしら。閘門を抜けたら長良川へ出るので、大河の上とて風が抜け、ここより厳しくなるはず。少しでも暖かくなるとありがたいのですが。

●閘門を抜けたところの水路は、なだらかな草の法面がそのまま河水と接するような、実にいい感じの水辺。脚立を水際に立てて、釣りをする人も多く見られました。
と、ここでさあっと晴れ間が! 木々の紅葉が陽に映えて、本当にキレイ! ほんの一瞬でしたが、絵のような川景色に乗客一同うっとり。
●くねる水路を回り込むと、屈曲の内側に結構な広さの船溜があり、フェンスで囲われた中には数隻の業務船が見えました。
独特の甲板室を持つ、やけに扁平な白いカタマラン3隻は清掃船かしら。左の「はりま 三重」と書かれた青い船体は、浚渫船と押船かな? どうやら、国交省の河川整備用の業務船みたいですね。

●初めましての長良川。鵜飼で知られる大河川の中央に躍り出た船は、スロットルを開いて遡上開始。風はさらに強く、ご覧のとおり川面もさざ波立って、予想どおりの厳しい寒さに、まあ震えあがりました。
おまけに小雨もぱらつき始め、川景色にカメラを向けるのも気が進まなくなるような状況に。せっかく来たのですから、色々と眺めて、撮って帰りたい気持ちはあるものの、ここでちょっとくじけてきたのも正直なところです。

●河中から基礎を介して建つ鉄塔が、ちょうど正横に来たところで頑張って一枚。むう、やはり雨滴がついてしまった‥‥。「↑電線注意」の警告があるあたり、関東と変わりません。
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…6』につづく)

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相変わらず暗く撮れてしまいますが、引き続き寒さは寒し、陽が射してくれないかしら。閘門を抜けたら長良川へ出るので、大河の上とて風が抜け、ここより厳しくなるはず。少しでも暖かくなるとありがたいのですが。

●閘門を抜けたところの水路は、なだらかな草の法面がそのまま河水と接するような、実にいい感じの水辺。脚立を水際に立てて、釣りをする人も多く見られました。
と、ここでさあっと晴れ間が! 木々の紅葉が陽に映えて、本当にキレイ! ほんの一瞬でしたが、絵のような川景色に乗客一同うっとり。

独特の甲板室を持つ、やけに扁平な白いカタマラン3隻は清掃船かしら。左の「はりま 三重」と書かれた青い船体は、浚渫船と押船かな? どうやら、国交省の河川整備用の業務船みたいですね。

●初めましての長良川。鵜飼で知られる大河川の中央に躍り出た船は、スロットルを開いて遡上開始。風はさらに強く、ご覧のとおり川面もさざ波立って、予想どおりの厳しい寒さに、まあ震えあがりました。
おまけに小雨もぱらつき始め、川景色にカメラを向けるのも気が進まなくなるような状況に。せっかく来たのですから、色々と眺めて、撮って帰りたい気持ちはあるものの、ここでちょっとくじけてきたのも正直なところです。

●河中から基礎を介して建つ鉄塔が、ちょうど正横に来たところで頑張って一枚。むう、やはり雨滴がついてしまった‥‥。「↑電線注意」の警告があるあたり、関東と変わりません。
【撮影地点のMapion地図】
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…6』につづく)

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船頭平閘門を訪ねて…4
(『船頭平閘門を訪ねて…3』のつづき)

●排水が終わってモーターの音がすると、扉体がゆっくりと開きはじめました。ああ、マイタゲート、しかも複式のそれが開くシーンってイイ。
よく見ると、扉体を押し引きするラック、円弧形なのですね。直線のハシゴ状ラックや、棒材のロッドが割と多い印象を持っていたので、珍しく思いました。
●扉体が開ききり、扉室側壁とツライチになったところで、ふたたび前進。径間が狭い割に扉室の高さがあるので、すり抜けるような面白さが。
現状では今までいたこちら、木曽川方が水位が低く、これから向かう長良川が水位が高い方。増水の状況によっては、その逆もありえるのでしょう。そのための複式ゲートでもあるわけですが、前扉室と後扉室の区別はどうするのかしら。

●狭径間ならではの、鼻先をディテールがかすめてゆく楽しさ。むふふ。扉体は更新されたものですから、リベットはダミイなのでしょう。裏側の構造もリベットみっちりとはうらはらに、継手も見えずつるりとした感じです。
●閘室に入りました。水音がチョロチョロと賑やかなので、石組みの法面をふと見てみると、目地の間から水が盛大に流れ出ているところが、いくつもありました。
これはがっちり防水されたRCの側壁や鋼矢板では、まず味わえない情景です。満水まで水音を耳に待つ閘門通航、素敵じゃないですか。もちろん防水は別途、土中で施されているのでしょう。

●今通ってきたゲートが閉まると、閘室に注意水開始。バイパスが開かれたのでしょう、水が渦を作って、ゆるゆると押し寄せてきました。
扉体に注水ゲートのスピンドルは見られるものの、こちらはモーターライズされた様子はありません。単に動かないダミイとして再現したのか、それとも一応可動するように作ってあるのか、興味を引かれます。
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…5』につづく)

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●排水が終わってモーターの音がすると、扉体がゆっくりと開きはじめました。ああ、マイタゲート、しかも複式のそれが開くシーンってイイ。
よく見ると、扉体を押し引きするラック、円弧形なのですね。直線のハシゴ状ラックや、棒材のロッドが割と多い印象を持っていたので、珍しく思いました。

現状では今までいたこちら、木曽川方が水位が低く、これから向かう長良川が水位が高い方。増水の状況によっては、その逆もありえるのでしょう。そのための複式ゲートでもあるわけですが、前扉室と後扉室の区別はどうするのかしら。

●狭径間ならではの、鼻先をディテールがかすめてゆく楽しさ。むふふ。扉体は更新されたものですから、リベットはダミイなのでしょう。裏側の構造もリベットみっちりとはうらはらに、継手も見えずつるりとした感じです。

これはがっちり防水されたRCの側壁や鋼矢板では、まず味わえない情景です。満水まで水音を耳に待つ閘門通航、素敵じゃないですか。もちろん防水は別途、土中で施されているのでしょう。

●今通ってきたゲートが閉まると、閘室に注意水開始。バイパスが開かれたのでしょう、水が渦を作って、ゆるゆると押し寄せてきました。
扉体に注水ゲートのスピンドルは見られるものの、こちらはモーターライズされた様子はありません。単に動かないダミイとして再現したのか、それとも一応可動するように作ってあるのか、興味を引かれます。
(29年11月19日撮影)
(『船頭平閘門を訪ねて…5』につづく)

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