飛島木場の閘門…5
(『飛島木場の閘門…4』のつづき)
●バイパスゲートの地上部分、ゲートの巻上機であるスピンドルのさやと、開度計を眺めていたら‥‥。ん? さやの根元に伸びる2本の配管、妙に肉厚で頑丈そうだし、1本は天端に、もう1本は根元に直結しているみたい。よく見ると、空圧(油圧かな?)っぽい配管に思えますよね。
ということは、これはスピンドルのさやなどでなく、筒はシリンダーで、中を圧でピストンが上下しているタイプの駆動装置なのでしょうか。そういえば、開度計に至るホースもそれらしいし‥‥イヤ、お見それしました。バイパスゲートはスライドゲートが多く、スライドゲートはスピンドル駆動が多い、という先入観にとらわれていたようです。外見だけで判断してはいけませんね。

●堤防越しに南方を眺めたところ。柵列の並ぶ水路を隔てた向こうは、王子埠頭・コンテナ埠頭を擁する西浜・東浜の埋立地。柵列には船がもやい、ローボートで釣りに漕ぎ出す人も見られました。ここもかつては、原木で埋まっていたに違いありません。
●前扉室ゲートのすぐ横を通る人道橋、目の前に銘板と塗装記録票が見えて、オッと思ったので一枚。
名前は「第三ひのき橋」なのですね! 先ほど後扉室を撮った橋が第二でしたから、北から順に番号を振ったというわけでしょう。竣功は平成10年、メーカーは鉄道車輌の製造で知られる、日本車輌というのがちょっと意外な感じがしました。

●うしろめたさもあって、ものすごい勢いで撮り終え、そそくさと退散。のんびりしているように見えますが、この間たった5分。本当に申しわけありませんでした。どうかお目こぼしくださいますよう。
去り際、それでも後ろ髪引かれる想いで、後扉室と草生した閘室のフラットをもう一度。そうそう、ゲートの軸線がはすになった、胃袋のような、平行四辺形をした変わった閘室について。手持ちの古書の中に、これについて触れていた記事があったのを覚えていたのです。以下に紹介しましょう。

●手元に「運河・閘門」(福田秀夫・幕田貞夫共著、理工圖書株式會社、昭和19年7月発行)という本がありまして。いうまでもなく、そのものズバリのお題に惹かれて飛びついたものです。
発行時期が時期だけに、紙質、印刷とも粗悪で、経年も手伝いページを開くだけで、ポロポロと崩壊してしまうのは致し方のないところ。詳しい内容はまた改めて紹介するとして、著者のお二方とも、江戸川水門監守所にお勤めなのが、特に惹かれたところではありました。江戸川水閘門の竣工が昭和18年ですから、当時最新の閘門を運用する立場におられたということになります。
●話を戻して、本文中「第4章 閘門」の「[Ⅱ]種類」で、さまざまなタイプの閘門を挿図も併せ紹介する中、載っていたのが上の図です。まさに今回見た閘室、ほぼそのままの型式が描かれていて、アッと思ったものでした。
本文の解説では「二重閘門 Doppelschleuse」と題し、「(前略)一度に小さい船を多く通閘せしめる時等に使用せられる。(中略)この型を採用する時には、最初に入閘した船から順次出閘せしめらるゝために、(中略)閘門内で混亂を生ずるやうな不便を伴はない。」とありました。
●なるほど、入閘した船から順次右奥に寄せてやれば、出閘時も非常に能率がよく、閘室の幅をむやみに四角く広げるより、よほど合理的ではありますね。
一番上の図のように、バージを曳いた曳船でも、曳索を長く取って並列させれば、大型のバージも入閘でき、出るときも自然とゲートへ導かれるという寸法で、実によく考えられています。今回のような、筏を長々と曳いて出入りする必要がある閘門には、まさにうってつけのタイプといえるでしょう。
●気になったのは、「二重閘門」という名称が、閘室の形をまったく思い起こさせず、奇妙に感じられた点でしょうか。各タイプの見出しにはすべてドイツ語が併記されており、引き合いに出される例もドイツのものが多いので、ドイツ語文献から直訳されたものと思われますが、これが特定の一閘門を指すのか、本型式全体を総称する名前なのかはわかりません。
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…6』につづく)

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ということは、これはスピンドルのさやなどでなく、筒はシリンダーで、中を圧でピストンが上下しているタイプの駆動装置なのでしょうか。そういえば、開度計に至るホースもそれらしいし‥‥イヤ、お見それしました。バイパスゲートはスライドゲートが多く、スライドゲートはスピンドル駆動が多い、という先入観にとらわれていたようです。外見だけで判断してはいけませんね。

●堤防越しに南方を眺めたところ。柵列の並ぶ水路を隔てた向こうは、王子埠頭・コンテナ埠頭を擁する西浜・東浜の埋立地。柵列には船がもやい、ローボートで釣りに漕ぎ出す人も見られました。ここもかつては、原木で埋まっていたに違いありません。

名前は「第三ひのき橋」なのですね! 先ほど後扉室を撮った橋が第二でしたから、北から順に番号を振ったというわけでしょう。竣功は平成10年、メーカーは鉄道車輌の製造で知られる、日本車輌というのがちょっと意外な感じがしました。

●うしろめたさもあって、ものすごい勢いで撮り終え、そそくさと退散。のんびりしているように見えますが、この間たった5分。本当に申しわけありませんでした。どうかお目こぼしくださいますよう。
去り際、それでも後ろ髪引かれる想いで、後扉室と草生した閘室のフラットをもう一度。そうそう、ゲートの軸線がはすになった、胃袋のような、平行四辺形をした変わった閘室について。手持ちの古書の中に、これについて触れていた記事があったのを覚えていたのです。以下に紹介しましょう。

●手元に「運河・閘門」(福田秀夫・幕田貞夫共著、理工圖書株式會社、昭和19年7月発行)という本がありまして。いうまでもなく、そのものズバリのお題に惹かれて飛びついたものです。
発行時期が時期だけに、紙質、印刷とも粗悪で、経年も手伝いページを開くだけで、ポロポロと崩壊してしまうのは致し方のないところ。詳しい内容はまた改めて紹介するとして、著者のお二方とも、江戸川水門監守所にお勤めなのが、特に惹かれたところではありました。江戸川水閘門の竣工が昭和18年ですから、当時最新の閘門を運用する立場におられたということになります。
●話を戻して、本文中「第4章 閘門」の「[Ⅱ]種類」で、さまざまなタイプの閘門を挿図も併せ紹介する中、載っていたのが上の図です。まさに今回見た閘室、ほぼそのままの型式が描かれていて、アッと思ったものでした。
本文の解説では「二重閘門 Doppelschleuse」と題し、「(前略)一度に小さい船を多く通閘せしめる時等に使用せられる。(中略)この型を採用する時には、最初に入閘した船から順次出閘せしめらるゝために、(中略)閘門内で混亂を生ずるやうな不便を伴はない。」とありました。
●なるほど、入閘した船から順次右奥に寄せてやれば、出閘時も非常に能率がよく、閘室の幅をむやみに四角く広げるより、よほど合理的ではありますね。
一番上の図のように、バージを曳いた曳船でも、曳索を長く取って並列させれば、大型のバージも入閘でき、出るときも自然とゲートへ導かれるという寸法で、実によく考えられています。今回のような、筏を長々と曳いて出入りする必要がある閘門には、まさにうってつけのタイプといえるでしょう。
●気になったのは、「二重閘門」という名称が、閘室の形をまったく思い起こさせず、奇妙に感じられた点でしょうか。各タイプの見出しにはすべてドイツ語が併記されており、引き合いに出される例もドイツのものが多いので、ドイツ語文献から直訳されたものと思われますが、これが特定の一閘門を指すのか、本型式全体を総称する名前なのかはわかりません。
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…6』につづく)

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飛島木場の閘門…4
(『飛島木場の閘門…3』のつづき)

●海側ゲートとようやくのご対面。とはいっても人道橋や高架が隣接しているので、全体像を一枚に収めるのは難しそう。巻上機室のガーダーの裏側は、鳥が巣をつくるのを防ぐためでしょう、金網が張られていました。

●もう数歩近寄って、扉体を観察。戸溝が二本あることから、二段式ローラーゲートのようです。やはり海側に面しているとあって、扉体高さは貯木場側のそれより、ぐっと高めてありました。高さは堤防高に揃えているのでしょうね。
少し離れて、堰柱側面を見たところ。高速の桁が、いかに迫っているかわかりますね。こちらも階段下に銘板が掲げてありました。これでズームでたぐった写真を「解読」せずとも、名前や寸法がはっきりするでしょう。入った甲斐があったというものです。

●堤防上から何とか正面も‥‥と頑張ってはみたものの、ううん、これが精一杯。
●右手のごついスイッチボックスにも惹かれますが、何はさておき銘板銘板。
「西部第2区閘門 前扉主ゲート」おお、これで名前が正しかったことと、海側が前扉室であることが確定しました!
純径間は14m。銘板は2枚の扉体を、上下それぞれ分けて掲げられており、上が高さ3m、重さ15t。下が5m、重さ35t。竣工は昭和43年10月、製造は先ほど「解読」したとおり、石川島播磨重工業でした。
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…5』につづく)

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●海側ゲートとようやくのご対面。とはいっても人道橋や高架が隣接しているので、全体像を一枚に収めるのは難しそう。巻上機室のガーダーの裏側は、鳥が巣をつくるのを防ぐためでしょう、金網が張られていました。


少し離れて、堰柱側面を見たところ。高速の桁が、いかに迫っているかわかりますね。こちらも階段下に銘板が掲げてありました。これでズームでたぐった写真を「解読」せずとも、名前や寸法がはっきりするでしょう。入った甲斐があったというものです。

●堤防上から何とか正面も‥‥と頑張ってはみたものの、ううん、これが精一杯。

「西部第2区閘門 前扉主ゲート」おお、これで名前が正しかったことと、海側が前扉室であることが確定しました!
純径間は14m。銘板は2枚の扉体を、上下それぞれ分けて掲げられており、上が高さ3m、重さ15t。下が5m、重さ35t。竣工は昭和43年10月、製造は先ほど「解読」したとおり、石川島播磨重工業でした。
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…5』につづく)

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飛島木場の閘門…3
(『飛島木場の閘門…2』のつづき)

●‥‥というわけで、咎められやしないか、小鳥のようにおびえながら閘室の横に降り立って、貯木場側を見たところ。何分腰が引けているので、あまり気に入ったスナップが撮れなかったあたり。
両岸のフラットには、法面に見られるようなブロックが敷き詰められて、思ったより広大な印象です。護岸の折れ曲がったところに、先ほど見たのと同じような水位計盤があったので、駆け寄って一枚。
銘板をのぞくと、「フロート式水位発信器」「Yokogawa Weathac Corporation」 の文字が。浮子の動きを機械的に表示する仕組みのようです。指針の読み方は、6m16㎝‥‥でいいのかな?

●貯木場側ゲートをズームでたぐって。点灯している信号は、この閘門が生きている何よりの証し。信号を備えているのが閘室側だけというのは、何か理由があるのでしょうか。
●法面を登ったところに、操作室らしい平屋建ての建物が。窓はすべてブラインドを下ろし、入口には表札が見られず、周囲にも備品一つ置かれていないという、人の出入りがきわめて乏しい雰囲気。
もしかしたらここから操作するのでなく、監視カメラで見ながら、どこか集中管理室みたいなところで、遠隔操作しているのかしら。

●そうだ、海側のゲートをつぶさに観察したくて、ここに降り立ったんだと思い出し、向き直りました。下から見ても、人道橋にさえぎられてよく見えないゲート。銘板もちゃんと近くで確認しようと、小心に周りを気にしながら前進。
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…4』につづく)

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両岸のフラットには、法面に見られるようなブロックが敷き詰められて、思ったより広大な印象です。護岸の折れ曲がったところに、先ほど見たのと同じような水位計盤があったので、駆け寄って一枚。
銘板をのぞくと、「フロート式水位発信器」「Yokogawa Weathac Corporation」 の文字が。浮子の動きを機械的に表示する仕組みのようです。指針の読み方は、6m16㎝‥‥でいいのかな?

●貯木場側ゲートをズームでたぐって。点灯している信号は、この閘門が生きている何よりの証し。信号を備えているのが閘室側だけというのは、何か理由があるのでしょうか。

もしかしたらここから操作するのでなく、監視カメラで見ながら、どこか集中管理室みたいなところで、遠隔操作しているのかしら。

●そうだ、海側のゲートをつぶさに観察したくて、ここに降り立ったんだと思い出し、向き直りました。下から見ても、人道橋にさえぎられてよく見えないゲート。銘板もちゃんと近くで確認しようと、小心に周りを気にしながら前進。
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…4』につづく)

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飛島木場の閘門…2
(『飛島木場の閘門…1』のつづき)
●法面は草ぼうぼうで、歩けるのは護岸の天端のわずかな幅のみ。平均台の要領でじりじり進んで、何とかここまで近づきました。扉体は見えなくなったけれど、今はとにかく銘板を撮りたい一心です。
しかし、近寄って見上げるほどに、褪色や錆が目につき始め、本当に稼働状態にあるのか心配になるほど。周囲がしんと静まり返っていることもあって、少々不安をかきたてられる雰囲気ではありました。
さてカメラを向けると、モニターに写し出された、バイパスゲートのものらしい計器類が気になってきました。銘板を狙う前にまずは小手調べと、こちらを先に撮って見てみたら‥‥。

●手前のグレーのボックスには、「水位計盤(内潮位)」とプレートが貼られ、窓からメーターが顔を出していました。時計のように2本の針があるのは何でしょう、メートルとセンチとか、指針で単位が違うのでしょうか。
右奥に見えるグリーンの計器盤が、バイパスゲートの開度計ですね。水位計盤の向こうに立ちあがっている筒は、ゲートのスピンドルを収めたさやに違いありません。

●ズームを最大近くまで効かせて、堰柱の銘板を撮ってみたら‥‥あらら、残念ながら、判読が難しいくらいのはげちょろげ。その上何やらパイプがかぶさって、肝心なところを隠している始末。
それでもモニターで拡大し、目を凝らして解読(?)を試みると、スペック部分はさておき、「西部第二区閘‥‥」「石川島播(?)‥‥」と、かろうじて判読できました。どうやら閘門の名前は「西部第二区閘門」、製造は石川島播磨重工業のようですね。貯木場も西部第3・西部第4貯木場ですから、この名前には納得できます。

●貯木場側のゲートは、接近もままならずこれ以上如何ともしがたいので、海側のゲートに向かってみることに。いや、どちらが前扉室か後扉室か、何とも区別のしようがないので、このままいかせていただきます。
クルマがビュンビュンゆきかう県道71号線の歩道に出ると、ゲートが高速道路とのすき間から顔をのぞかせていました。これを渡って向こうへ行くのは、ちょっと難しいなあ。不便なところをせっかく訪ねたのだから、どうにかならないものかと、ウロウロしていると‥‥。
●‥‥‥‥歩道のさる場所から、簡単に閘室の横に降りられることが判明。ちなみに何かを破損したり、危険な行為は一切しておりませんええ本当に。
まことに、まことに申しわけございません!
閘門の魅力には抗しきれず‥‥。
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…3』につづく)

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しかし、近寄って見上げるほどに、褪色や錆が目につき始め、本当に稼働状態にあるのか心配になるほど。周囲がしんと静まり返っていることもあって、少々不安をかきたてられる雰囲気ではありました。
さてカメラを向けると、モニターに写し出された、バイパスゲートのものらしい計器類が気になってきました。銘板を狙う前にまずは小手調べと、こちらを先に撮って見てみたら‥‥。

●手前のグレーのボックスには、「水位計盤(内潮位)」とプレートが貼られ、窓からメーターが顔を出していました。時計のように2本の針があるのは何でしょう、メートルとセンチとか、指針で単位が違うのでしょうか。
右奥に見えるグリーンの計器盤が、バイパスゲートの開度計ですね。水位計盤の向こうに立ちあがっている筒は、ゲートのスピンドルを収めたさやに違いありません。

●ズームを最大近くまで効かせて、堰柱の銘板を撮ってみたら‥‥あらら、残念ながら、判読が難しいくらいのはげちょろげ。その上何やらパイプがかぶさって、肝心なところを隠している始末。
それでもモニターで拡大し、目を凝らして解読(?)を試みると、スペック部分はさておき、「西部第二区閘‥‥」「石川島播(?)‥‥」と、かろうじて判読できました。どうやら閘門の名前は「西部第二区閘門」、製造は石川島播磨重工業のようですね。貯木場も西部第3・西部第4貯木場ですから、この名前には納得できます。

●貯木場側のゲートは、接近もままならずこれ以上如何ともしがたいので、海側のゲートに向かってみることに。いや、どちらが前扉室か後扉室か、何とも区別のしようがないので、このままいかせていただきます。
クルマがビュンビュンゆきかう県道71号線の歩道に出ると、ゲートが高速道路とのすき間から顔をのぞかせていました。これを渡って向こうへ行くのは、ちょっと難しいなあ。不便なところをせっかく訪ねたのだから、どうにかならないものかと、ウロウロしていると‥‥。

まことに、まことに申しわけございません!
閘門の魅力には抗しきれず‥‥。
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…3』につづく)

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飛島木場の閘門…1
(『飛島木場のロータリーボート…2』のつづき)
●ロータリーボートのあるところから、第三貯木場の外縁をぐるりと周って、南側にある水路に架かる橋まで来ました。
休日とあって工場街は人ひとり、クルマ一台通らず静まり返って、辺りの広大さだけが目につきます。橋の親柱をのぞき込むと、「第二ひのきばし」、「昭和四十四年二月しゅん工」とありました。天下に聞こえた、木曽檜の集散地ならではの橋名であります。
【撮影地点のMapion地図】

●「第二ひのきばし」を選んだのはもちろん、次なる閘門が眺められるからです。橋の中央まで進み、南側を見やると‥‥。ちょっと距離はありますが、閘門が正面に!

●だいぶ雲が多くなってきたので、いま一つパッとしない写真になってしまうのが痛いところですが、関東では失われてしまった「貯木場に閘門がある風景」を初めて目の当たりにできて、感慨深いものが。閘室の上を、伊勢湾岸道の飛島ICが低く覆っており、海側のゲートがよく見えません。
この閘門一つで、西部第三・第四貯木場の水面、合計580,566平米の水位を一定にしている(名古屋港HP『貯木場』参照)わけで、閘門付き貯木場としては、全国でも有数の規模でしょう。

●さらにズーム。径間の割には堰柱の高さが低く、ずいぶん横長な、ちょっと間延びした、というのが第一印象。水面に出ている扉体が低いのも、それを助長しているようですね。二段式ローラーゲートかも知れません。
距離のあるここから見てもはっきりわかるように、二つのゲートは軸線を大きくずらせていて、正対していません。当然閘室も、ちょうど胃袋のように出入口がはすになった、いびつな形をしているのでした。
ゲートが正対していない閘門といえば、「曲がった閘室」の津島屋閘門が思い出されますが、こちらはまた違った、何か目的を感じさせるものがありますね。これはまた改めて触れるとしましょう。

●対岸から眺めるだけではもどかしく、何とか近寄りたいと、県道71号線から脇道に入り、藪を漕いで護岸上に出てみました。柵や生垣があってゲートに近寄れず、全体を見られる位置はこれが精一杯。それでも近いだけあって、ディテールは楽しめました。
稼働状態には違いないでしょうが、通航の頻度は低そうな雰囲気。あっ、手前の堰柱の階段下に、銘板らしきものが見える! ここからズームで引き寄せて、判読できるかな?
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…2』につづく)

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休日とあって工場街は人ひとり、クルマ一台通らず静まり返って、辺りの広大さだけが目につきます。橋の親柱をのぞき込むと、「第二ひのきばし」、「昭和四十四年二月しゅん工」とありました。天下に聞こえた、木曽檜の集散地ならではの橋名であります。
【撮影地点のMapion地図】

●「第二ひのきばし」を選んだのはもちろん、次なる閘門が眺められるからです。橋の中央まで進み、南側を見やると‥‥。ちょっと距離はありますが、閘門が正面に!

●だいぶ雲が多くなってきたので、いま一つパッとしない写真になってしまうのが痛いところですが、関東では失われてしまった「貯木場に閘門がある風景」を初めて目の当たりにできて、感慨深いものが。閘室の上を、伊勢湾岸道の飛島ICが低く覆っており、海側のゲートがよく見えません。
この閘門一つで、西部第三・第四貯木場の水面、合計580,566平米の水位を一定にしている(名古屋港HP『貯木場』参照)わけで、閘門付き貯木場としては、全国でも有数の規模でしょう。

●さらにズーム。径間の割には堰柱の高さが低く、ずいぶん横長な、ちょっと間延びした、というのが第一印象。水面に出ている扉体が低いのも、それを助長しているようですね。二段式ローラーゲートかも知れません。
距離のあるここから見てもはっきりわかるように、二つのゲートは軸線を大きくずらせていて、正対していません。当然閘室も、ちょうど胃袋のように出入口がはすになった、いびつな形をしているのでした。
ゲートが正対していない閘門といえば、「曲がった閘室」の津島屋閘門が思い出されますが、こちらはまた違った、何か目的を感じさせるものがありますね。これはまた改めて触れるとしましょう。

●対岸から眺めるだけではもどかしく、何とか近寄りたいと、県道71号線から脇道に入り、藪を漕いで護岸上に出てみました。柵や生垣があってゲートに近寄れず、全体を見られる位置はこれが精一杯。それでも近いだけあって、ディテールは楽しめました。
稼働状態には違いないでしょうが、通航の頻度は低そうな雰囲気。あっ、手前の堰柱の階段下に、銘板らしきものが見える! ここからズームで引き寄せて、判読できるかな?
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場の閘門…2』につづく)

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