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10月14日のフネブネ…4

(『10月14日のフネブネ…3』のつづき)

226041.jpg少し距離をおいて「コスタ・ネオロマンチカ」を眺めていたとき、右から「エスエスSerenade」がゆっくりと近づいてきました。汽笛を鳴らし、手を振って交歓。

巨大客船を間近にして、お客さんも喜ばれたことでしょう。壁のようにそそり立つ舷側、数えきれないほどの舷窓は圧倒的で、きっと驚かれたに違いありません。


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勝鬨橋をくぐると、簡易船着場に「TOKYO WATER TAXI」の一隻を発見。もやいを解いた後、上流に船首を向けたまま、なぜかしばらく進まず、流れのままに流されていました。

デザインが同船社の他の艇と揃えられていたので、気づくのに時間がかかりましたが、船首を見てアッと声をあげました。カタマランの新型艇だったんですね。例の大船隊構想はシングルハルでなく、このカタマラン・タイプで進められるのでしょうか。

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日本橋川河口近くでは、堤防の補強工事が続いており台船や曳船がもやっていますが、その中のクレーン船に掲げられた標語を読み下して、思わず笑いがこみ上げました。

クレーンの後ろに立ってもいい事ないよ by難波
イヤ、難波さん素晴らしい! 工事に携わる皆さん、どうかご安全に。

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同じく日本橋川の工事現場で、クレーン船の対岸にもやっていたこの曳船も味がありました。

船体は明らかに溶接組みなのに、ぐるりと帯金が巻かれたガンネルのみ、大時代なリベット留めなのです。これが無骨かつ古風なオーラを発散しており、舷側の高さの割に低く抑えたコンソールとあいまって、実に好ましい雰囲気。近場を巡っていても個性的なフネブネに出会えるとは、まことに曳船趣味は奥深いものであります。

226045.jpg曳船をもう一隻。汐見運河の船溜で見かけたこれ、色褪せに加えずいぶん錆垂れがひどくて、痛ましくすらあるのが気になってスナップしたもの。船名は「あらた2号」、船籍は神奈川とありました。

曳船の場合、信じられないほどボロボロでも現役だったりするので、一見しただけでは何ともいえませんが、哀愁漂う外観に、何か心惹かれてしまったのでした。

(30年10月14日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 春海運河 隅田川 日本橋川 汐見運河 曳船 台船

東京花火大祭の夜に…3

(『東京花火大祭の夜に…2』のつづき)

223011.jpg開始時間と聞いていた定刻も近くなり、「そろそろかな?」と耳をそばだてる思いでいたところ、ドォン!と一発目が上がりました。周りのフネブネからも「うぉお~!」という歓声が。

まあ、何分引き波にゴロンゴロン揺すられつつ、舵を取りつつの片手撮りですから、写真の仕上がりはいわずもがなでありますが、自艇での花火初体験、やはり感動は深いものがあったのであります。

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そんなブレブレ写真の中でも、まだマシな一枚を。花火が開くたび、輝く水面と浮かび上がるフネブネたちのシルエット、開始直後からの息をもつかせぬ連続技に陶然。

花火の量が量だけに、後に残る煙ももの凄いですね。ほとんどは、ゆるい南風に乗ってレインボーブリッジの方に流れてゆきましたが、一部は渦を巻いて、水面低くたなびく煙もありました。

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フッ、と花火の打ち上げが途切れ、静寂が訪れました。と、ここでタイミングを計ったようにふたたびのタービン音が! 操舵室トップに備えた二つのサーチライトから、鋭い光をほとばしらせて、ジェットフォイルが帰港してきました。

立ちこめた白煙と暗さでよく見えないけれど、「セブンアイランド虹」かな?

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こちらはまたブレブレ、ボケボケでひどいものですけれど、是が非でも記録に残しておきたかったシーン!

芝浦通船の曳船が戻ってきたところですが、立ちこめた煙のせいでサーチライトの光芒がくっきりと浮かび上がり、舷側の照明も併せ何か神々しささえ覚える、実に幻想的な光景でした(乗組みさんの緊張を思うと、不謹慎ではありますが)。イヤ~、花火以外でもこんなにコーフンさせてもらえて、最高ですわ!

223015.jpgこの間、「安宅丸」、「ヴァンテアン」がゆっくりと航路中央を航過し、写真の左端にも見える「さるびあ丸」が出港してゆきと、まるで船の影絵を眺めているよう。

いわばフネブネの夜の表情が味わえたわけで、よいものでした。しかし、煙が本当に凄いですね。レインボーブリッジを通るクルマは、視界はさえぎられ息もつまるしで、大変だったろうなあ。

(30年8月11日撮影)

(『東京花火大祭の夜に…4』につづく)

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タグ : 東京港 曳船

東京花火大祭の夜に…2

(『東京花火大祭の夜に…1』のつづき)

223006.jpgループ下、といっても、あの輪の中にずっといたわけではありません。錨泊は厳禁でもあるため、漂泊しながらときどき前後進に入れ、周りの艇との間合いを取りながら、ループからつかず離れずたゆたうわけです。

この水域に集まっていた艇は、写真にも写っているようなプレジャーや釣船、観光船など小型船艇が中心で、屋形や多層の甲板を持つチャーター船など中型以上は、むしろ対岸のお台場近くにと棲み分けている模様。あっ、タービン音が聞こえてきた! 来ましたね!

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夕焼けに朱色の船体をさらに赤く染めて、進入してきたのはジェットフォイル「セブンアイランド愛」! 水中翼を跳ね上げ、キーンというタービン音も高らかに間近を航過する姿、ループ下を選んでよかった! と思えた瞬間でした。

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東海汽船のジェットフォイルたちがねぐらとする桟橋は、このループの奥。夕焼け空と街灯りをバックに、一日の勤めを終えて家路を急ぐ姿、絵になるじゃないですか。この一瞬を実見できて、まあ嬉しかったこと。

ちなみに、港湾局(?)のスピーカーからは、これから入港する本船や接岸バースについて、進入禁止水域に入った船艇への注意などが繰り返し放送され、海保や警察の艇も随時指導に走り回るなど、結構な緊張感が。それでも花火大会初体験の身としては、すべてが新鮮で興味深く、怠りなく見張りをしながらも、祭りの前の喧騒が快く感じられたものでした。

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潮が引くように空が暮れはじめ、宵闇が急速に降りてきて、そろそろデジカメ片手撮りも難しくなってくるころ。暗くなる前に一枚ものしておこうと、レインボーブリッジをパチリ。

雷雨が予報された割には、今のところ空に雨雲らしい姿は見えず、花火の開始まではどうやら持ちそう。風も穏やかなのはありがたいですが、べったりと蒸してきました。

223010.jpgすっかり暗くなったころ、左手にもやっていた芝浦通船の曳船の一隻が、突如爆音を高めて、カッ、といった感じで強力なライトを点灯。「タグボートが出まーす! タグボートが出まーす!」と呼びかけつつ、黒煙を吐いて後進離岸。

心得たもので、ライトがついた時点で周囲にいたフネブネはサーッ! と音を立てて水面を空け、まるでモーゼのよう。どうやらキャプテンはベテラン揃いだったようで、見ていて気持ちのよいものでした!

(30年8月11日撮影)

(『東京花火大祭の夜に…3』につづく)

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タグ : 東京港 曳船

7月22日の辰巳埠頭…2

(『7月22日の辰巳埠頭…1』のつづき)

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もう一隻は艤装中の巡視艇「いせゆき」でした。進水間もなくから進捗を見ているので、だんだん親しみが湧いてきたなあ。

前回、4月29日の時点では上構は未塗装、マストを組んでいる最中でしたが、塗装も済んでマストの足場も外れ、工事がだいぶ進んだ様子がうかがえます。

221012.jpgこの「いせゆき」、ハルナンバーで数えると、「かがゆき」型巡視艇の実に21番艇、うち9隻が墨田川造船製だそう。

続々と“江戸っ子巡視艇”が産まれるのを、目の当たりにできるのは嬉しいものです。かつて、石川島が豊洲にあったころは“江戸っ子護衛艦”が産まれていた時代もあったんですよね‥‥。

221013.jpg‥‥で、そのまま辰巳埠頭に沿って西航しようと向き直ったら、うひょひょ、正面にクレーン船が!

浮きドックの入渠風景を見られて、間なしにコレとくればまさに連続コンボ状態、テンションも上がろうというものでごわす。スロットルをガツンと倒して、デッドフルで突撃に前へ!


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おお、結構大きいですね。ブルー一色の塗装が、ジブの形にもしっくり来ていて、実にスマートな感じです。舷側に掲げられた船名は「M-58号」、塗装を揃えた随伴の曳船は「万栄丸」、錦海運建設と社名も入っていました。

場所は辰巳埠頭の西端、辰巳運河南口の近くですが、パッと見では何の作業をしているのか、判じかねるものがありました。写真右手、埠頭に接岸した本船と、さほど距離のない水面にワイヤーを入れています。何か沈置でもしているのでしょうか、それにしても本船と近すぎて、妙ですね。

221015.jpg
鉄板をぶつけて造ったような、角張った実にイイ感じの警戒船に誘導されて、左へ避けながら後姿を堪能。こちらも同色の塗装なのがそそります。M-58号の装載艇ぽいですね。

いやしかし、ラティス構造のジブとはまた違った魅力があって、いいですねえ。投錨やワイヤーの取り回しに用いるのでしょう、船尾にデリックが設けられているのも目を引かれました。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の第二航路』につづく)

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タグ : 巡視艇 クレーン船 曳船

砂町北運河の埋め立て区間を訪ねて

221001.jpg諸事手塞がりで、実に2ヶ月ぶりのお出かけとなってしまいました。艇のホコリと蜘蛛の巣をはらい、息もつまりそうな酷暑をついてまず向かったのはご近所、砂町北運河です。

入口付近東岸、中島運輸の曳船溜はやはり目を奪われるものが。中でも異形といえる一隻、「第105中島丸」を通り過ぎざま一枚。

砂町北運河を訪ねたのは、北端の区間が埋め立て工事にかかったことを、昨年より耳にしていたからです。最近訪ねた記事でいうと「27年度川走り納め…5」、「27年度川走り納め…6」の区間。

旧水上警察がまとめた水路誌、「東京都河川図」で砂町北運河の項を見てみると、北端部は「オイルフェンスから先、私有地」と記載があって、公設の運河でないことが匂わせてあったので、役目を終えれば埋め立てられることは、ある種納得ではありましたが‥‥。ともあれ、自艇で行動できる内水面が縮小してゆくのは寂しいもの。せめて末路を見届けようと、訪ねてきたというわけです。

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半ばを過ぎ、右手に東京湾マリーナのポンド、左手に旧石川島造船化工機の広大な跡地を眺めつつ、最奥部を望んだところ。かつては黒く水面が続いていた位置に、護岸とおぼしき白い一線が認められました。

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マリーナの繋留船列が途切れたあたりで一旦ニュートラル、新たに運河終端となった護岸の全貌を眺めたところ。

写真左手、かつての水路の間口分は護岸が東西に伸び、右手は従来の岸をなぞって、東に行くにつれ南(手前)へ降りてくる形で斜めになっています。

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少し背伸びして、護岸越しに旧最奥部を一枚。重機の並ぶ向こう、九重橋がどうやらそのまま架かっているようですね。

ああ、本当に埋め立てられてしまったんだなあと、今さらながら実感してしみじみ。中防水路、南前堀、そしてここ。東京の可航水路、短い間にずいぶん延長を減じてしまったものですが、水路が消えゆくその過程に立ち会えたことは、ある意味貴重な体験だったといえるかもしれません。

221005.jpg少しゴチャゴチャっとしていたこの辺りも、工事に伴ってかすっかり整理され、大型艇でも楽に転回できそうな、広大な水面が広がっていました。

整理されたおかげか、東岸に水門があることに気づかされたのは、収穫(?)といっていいかも。もっともよく見ると濃厚に蔦がからみ、径間もコンクリートで塞がれているようだったので、すでに廃止されて久しいのかもしれません。
撮影地点のMapion地図

(30年7月22日撮影)

(『7月22日の辰巳埠頭…1』につづく)

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タグ : 砂町北運河 曳船