イグアナ讃歌…2

(『イグアナ讃歌…1』のつづき)

199006.jpg木立ちの北端が視界の左に去ってゆくにつれて、岸壁の奥が開けてきました。
あっ!

見慣れたグレーのトラス、間違いない! イグアナクレーンは健在で、緑のそれは新しいイグアナクレーンだったことが判明。いや~、ホッとしたと同時に、これから「旧」イグアナクレーンとお別れしなければならないと思うと、複雑なものもあったのですが‥‥。

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新旧2基が仲良さげに並んで、四肢をふんばった姿を汐見運河の水面に映している情景が目に入ると、今しか見られない、貴重極まりないこれを、全力で眺めてやろうという気持ちが湧き上がってきました。次に訪れたときには、もう旧クレーンがなくなっている可能性が高いのですから。

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幸い、周りに他の艇はいないようだし、思うさま鑑賞できそう。最微速で流しつつ、近寄りながらまずは汐見運河東口をそのまま航過、側面を眺めてみましょう。

しかし、見れば見るほどそっくりですね。用途や移動用レールの都合から、形が似てしまうのはわかるにしても、四肢の取付角といい、トラスの斜材のピッチや数といい、一見したかぎりでは、同じ図面から起こされたように感じられるほどです。

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近寄ってみて驚かされたのは、今まさに組立作業の真っ最中であったこと。写真は脚の付け根をズームでたぐったところですが、高所作業車のゴンドラに作業員の方が見えますね。

足場や重機の存在から、組立の途中であることはわかっていたものの、休日であるこの日も作業を続けていたとは思いませんでしたから、びっくりしました。それほど完成が急がれているのか、単に平日は荷役の邪魔になるため、組立ができないのか‥‥。

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ほぼ側面から。グリーンの塗装、薄雲を刷いた空をバックにしても、よく映えて目立ちますね。

この時点で気づいた新旧の違いといったら、運転室の背面にある換気扇のフードらしいものと、何かの配管のあるなしくらい。いや、これほど似ているということは、旧クレーンがそれだけ理にかなった、他をもってして代えがたい形だったのだと思わざるをえません。
撮影地点のMapion地図

(28年11月20日撮影)

(『イグアナ讃歌…3』につづく)

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タグ : 曙北運河 汐見運河 イグアナクレーン

イグアナ讃歌…1

199002.jpg先日こちらで触れた、11月20日のお話をしたいと思います。出港は少し遅め、11時ごろになりましたが、気温もこの時季としては高めの静穏な好天に恵まれ、楽しく近場回りをしてきました。

運河から仰ぐ空は、絵筆でさっと刷いたような雲も爽やかな秋晴れ、川面も空を映し青く、河水を分けて進むだけで、快い気分になるほどです。


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天高く、水清くなる季節とくれば、水鳥たちの渡ってくるころでもあります。オオバンやキンクロハジロなどが群れをなして、クウクウ、ガアガアと賑やかに鳴き交わす姿を、道々眺める楽しみが増える時季でもあるわけです。

コンクリートの柵列の、陽射しでぬくもった天端で、平たくツブれて暖を取る鴨さん二羽をスナップ。ええと、カルガモとキンクロのメスかしら。

199003.jpgまずは曙北運河に入って北上。10月30日に見た、イグアナクレーンの一件が、頭から離れなかったためであります。

相変わらず端正な美しさを見せる、古賀オールのクレーン群に魅せられながらも、少々不安なひととき。もしかしたら、レールの艀輸送が廃止と決まり、クレーンも撤去されてしまっているのでは‥‥と、この時点ではどうも悪い方へ考えがちだったからです。

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さらに前進し、左手の木立の影から顔を出したのは‥‥・。 
!!!!

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新しいイグアナクレーン? 
やはり、10月30日に見た緑色のトラス部材は、組み立て前のこの一部だったのか?


イヤイヤ、早合点はいけないと、一つ深呼吸。形があまりにもそのまんまですから、単に塗りなおしただけ、という線も否定できないでしょう。角をかわって、解体中の旧イグアナクレーンでも見えてくれば、この点は確定できるはずです。
撮影地点のMapion地図

(28年11月20日撮影)

(『イグアナ讃歌…2』につづく)

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タグ : 砂町運河 曙北運河 イグアナクレーン 古賀オール 水辺の鳥たち

新砂水門・本船通航!…1

(『魚群捕捉!』のつづき)

195071.jpg曙北運河に入って右に折れれば、必然的に見えてくるおなじみ古賀オールのクレーン群。40t吊りのクレーンNo.10、いつみても惚れ惚れする凛々しさですわい。そういえば、曳船がバージを引いて接岸する光景を見たいと願って早や数年、いまだに実現できていないなあ‥‥。

南下して十字流を左へ、砂町運河を東航していると、幸いにもテンションが急上昇せざるを得ないシーンに、出くわすことができたのです!

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おおお! 本船が新砂水門を通航中だ!

何度か触れたように、新砂水門は東京で唯一、本船の通航がある水門。運河を通る本船‥‥ガット船の姿は過去にも紹介しましたが、水門通航中のシーンは、なかなかものにできずにいたのです。嬉しさもひとしおですわ!

向こう側では新水門の工事中とあって、航路はクランク状に狭まり、交互通航の管制中。上の写真でも右端に、待機中のヨットが見えます。

本船は左から斜めに突っ込む形で、水門の径間にさしかかったところ。ただでさえ幅員に余裕がないところへ持ってきて、直前で大きく舵を切らねばならないとは! はた目に見ていても、息詰まる緊張感がありますね。

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船尾を少し振りつつも、針路がほぼ水門の軸線に合った瞬間。忙しく舵輪を回す船長の表情や、きしむ船体を想像いや、妄想して勝手に一人固唾を呑む船頭。夢中でカメラを構えながら、「ヨーソロ、いいぞ、そのままそのまま」などと、あらぬことを口走るほどに興奮の極み。

もろ逆光とあって、船や水門は黒く陰り、空は靄がかったように白く、腕の悪さも加えて写真としては締まらなくなってしまいましたが、当時の緊張感が反芻できるという意味では、かえって良かったかもと自己満足。

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水門の西端をかわして、マッコウクジラの頭のように量感のある船首が、のっそりといった感じで迫ってきました。

いいぞ、イイゾ、このすり抜け感! 針の穴を通すような操船をされている、船長はじめ乗り組みの皆さんには失礼ながら、一大スペクタクルをようやくものにできた喜び、まこと例えようなし。

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径間離脱まであと一息、漆黒の鉄鯨はなお、慎重な歩みを崩しません。よく手入れされた美しい船体とあいまって、荘厳さすら感じさせる光景でした!
撮影地点のMapion地図

(28年9月10日撮影)

(『新砂水門・本船通航!…2』につづく)

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タグ : 砂町運河 曙北運河 新砂水門 古賀オール

散りぎわのお花見水路…1

190001.jpg4月9日土曜日はお休みをもらい、お世話になっている皆さんを招待して、近場の水路へお花見に出かけてきました。

3月21日は曇りの上小雨にたたられ(しかも早すぎてほとんど咲いていなかった)、その後も週末ごとに空模様がいま一つで出かけられず、ようやく得た好天にバンザイしたくなる思い。反航する港湾局監視船「はやみ」を眺めつつ、上機嫌で舵を桜のある方へ。

190002.jpgおなじみ曙北運河、越中島線の都市計画運河橋梁を前に。実はこの直前、レール運搬列車が渡っているのを目にしたのですが、気づくのが遅すぎ、残念ながら写真に納められませんでした。

満開の時期はすでに過ぎたものの、近所の桜はそんなに散っていなかったし、散ってもむしろ、花筏をかき分けての舟行きが期待できそう‥‥。そんなことを話しながら、いつものコースへ向かいます。

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都市計画運河橋梁に隣接した、JRバス車庫に至る道路橋をくぐると、左手にわずか6本とはいえ、咲き誇る桜並木が。導入部としては十分なボリュームで、これはイケる! と手ごたえを感じたものでした。

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続く汐浜運河北岸、東陽2丁目のテラス沿いも、だいぶ散っているとはいえイイ感じ。手前に並ぶモクレンの新緑もみずみずしく、桜を見上げながらのお散歩や、カメラを構える人も多く見られ、春らしい賑わいが感じられました。

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十字流を右折し、平久水門をくぐろうとすると‥‥あっ! 扉体に桜の花びらが貼りついている!

点検運転か、高潮位(7日は朔の大潮で、翼8日の夜の満潮は、推算潮位2.02m)で一時閉鎖したのでしょうか? いずれにせよ、扉体が水に浸かってから、そんなに時間は経っていないでしょう。なじみの水門の、こんな風流な表情を見るのは、もちろん初めてです。貴重なシーンを頭上に気分も盛り上がり、おっさんニヤつきながら不気味に遡上続行であります。
撮影地点のMapion地図

(28年4月9日撮影)

(『散りぎわのお花見水路…2』につづく)

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タグ : 砂町運河 曙北運河 汐浜運河 平久川 平久水門 都市計画運河橋梁

6月7日のフネブネ…5

(『6月7日のフネブネ…4』のつづき)

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近づいてみると、船体は塗装済みではあるものの、船橋構造物はまだ工作の途中らしく、銀色の生地もあらわです。

173022.jpg舷側に大書きされた文字は、果たして日本語ではありません。ええと、フランス語かな? トランサムの「KHOR ANGAR」が船名のようですね。

右の写真は真横から見たところ。「DJIBOUTI」‥‥ジブチだ! と、ここでようやく気付く船頭。海外向けの艇が、墨田川造船で建造されているのを目にするのは、もちろん今回が初めてとあって、妙に興奮してしまいました。

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キラキラと陽光を反射する、船橋構造物周りをアップで。縦に走る筋は、ステンレスのビートか何かと思っていたら、違うみたいですね。仕上げ前のパテ盛りのようにも見えました。船体に描かれた緑・白・青のストライプは、ジブチの国旗の色をデザインした、沿岸警備隊所属を示すシンボルでしょう。

帰宅後に検索してみると、ジブチの海賊対処能力を強化するため、我が国のODAで供与される、2隻のうちの一つなのだとか(『ジブチ共和国向け無償資金協力贈与契約の締結独立行政法人 国際協力機構)。

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去りぎわに左舷前方から。一見した感じでは、大きさ、スタイルとも、保安庁の「すずかぜ」型巡視艇によく似ています。

「ゲディズ」と同じ日に、珍しいODA艇に出会えるなんて、本当にラッキーでした。任地は紅海の入口ともいえる遠いところ、道中の無事と、現地での活躍を祈っています。

173025.jpg帰路のシメは、やはり大好きな古賀オールのバージとクレーンで。バージはおなじみ「第六ふみ丸」。クレーンと同じく、よく整備された船体は、眺めていて気持ちの良いものですね。

曳船に曳かれた航行中の姿を、一度ものしてみたいと願いながら、早や数年経ってしまいました。いずれ平日に休みを取れる機会があったら、この巨体があけぼの水門をギリギリですり抜けるシーンや、十字流を微速で進む悠揚迫らぬ姿を撮ってみたいものです。

(27年6月7日撮影)

(『6月7日の水門…1』につづく)

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タグ : 東雲北運河 曙北運河 巡視艇 古賀オール 墨田川造船