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晴海ターミナル惜別…2

(『晴海ターミナル惜別…1』のつづき)

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299032.jpg側面に回りつつ、引き続き仰ぐ解体痕‥‥こちらの方が、より心にズシンとくる場面が多いですね。

当たり前ですが、展望台周りはもちろん、うつろに開口したデッキに続いていたフロアも、階段が取り去られた今、存在していてももう行けないわけで‥‥。このいわくいいがたいもどかしさというか、"行けない寂寥感"に名前をつけたくなりました。


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北上して離れていくにつれ、背後の部分のディテールが露わになってきて、ガラス張りの大きな窓を持つホールの高い天井、切断されたデッキの断面などが目に入ってきました。そうそう、下手な動画で恐縮ですが、2点をこちらにアップしてあります。よろしければどうぞ。

今後も岸壁として、繋船の用には供されるのでしょうが、荷役や客扱のできる、埠頭としての機能はこれで失われることになります。う~ん。

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むう‥‥鉄筋や天井材が垂れ下がった断面は、くるものがありますねえ‥‥。

上層階で開催されたアマチュアの即売会をのぞきに訪れたり、陽の差し込む明るいホールのベンチに座って、買ったばかりの本を開いたり‥‥と、思い出は走馬灯のように。フネブネや港風景を眺めるのも楽しかったですが、決してそればかりではありませんでした。

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面舵をゆるく取って離れ、対岸の豊洲に寄せて全体像を。右手にはクレーンや重機類が集まっており、ほこりっぽいグレー一色の中に、カラフルな一角をつくっていました。

次に訪ねるときには、もうほとんど形あるものは残っていないでしょう。しのぶよすがのあるうちに、まみえられたのを幸いと考えて、これでお別れをすることにしましょう。

(令和5年5月21日撮影)

(『5月21日の水路風景』につづく)

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タグ : 春海運河東京港

5月21日のおフネ見…5

(『5月21日のおフネ見…4』のつづき)

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前後しますが、落穂ひろい的にいくつかまとめましょう。まずはおなじみの顔ぶれから。

東雲運河といえば、宇部さん通いの独航艀たち。この日は「第一豊和丸」「第二豊和丸」がもやっていました。いつも同じことを繰り返し恐縮ですが、バラにを扱う仕事とは思えないくらい、船体の塗装がきれいですよね。肥えた船型もあって、舷側を接するさまが丸い動物が肩を寄せ合っているようで、どこか可愛らしく見えたものです。

299022.jpg豊洲の市場前桟橋では、魚介運搬船「第一八幡丸」に近づいて何枚か。好天もあって背後のテラスは人出も多く、ずいぶん賑やかでした。

こちらもくたびれたところは感じられず、暖色系の塗装が目に優しいのも嬉しくて、ぐっと寄せてスナップしたもの。大きく変貌した豊洲も、この船のおかげでぎりぎり埠頭に踏みとどまっていられる(?)と思うと、あだやおろそかにできません。

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299024.jpg第二航路に入ると、中防の内側内貿埠頭に日通の「ひまわり9」の姿が。舷側下半を黒く塗り分けたカラーリング、引き締まった、かつ渋い感じがして実にいいものです。

日通もHDになってからロゴも変わり、赤いマルツーが見られなくなったのは何とも寂しいかぎり。ここはひとつ、持ち船はすべて「第✕通運丸」と名乗らせてほしいものであります(通運丸原理主義者)。


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東雲北運河、水面にクレーンを突き出す数少ない企業、桑原内燃機さんの桟橋にさしかかると、この日は一隻の曳船がいました。しかし、こりゃまた錆がひどいですねえ‥‥。

このまま廃船になるのか、それとも上架、錆打ちに再塗装と、リニューアルされて復活するのかはわかりませんが、鉄の匂い濃厚かつ、無骨な外観には惹かれるものがあります。甲板室の前妻と側面に、「ふく丸」と船名が大書きされていました。
撮影地点のMapion地図

(令和5年5月21日撮影)

(『晴海ターミナル惜別…1』につづく)

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タグ : 東雲運河春海運河東雲北運河曳船

令和4年度川走り納め・晴海ターミナル

(『令和4年度川走り納め・晴海橋梁』のつづき)

291086.jpgそのまま春海運河を下って、豊洲・晴海両埠頭間の水面へ。いや、もうとうの昔に埠頭と呼ぶのは適当でないほど、その機能は年々縮小されてはいますが。

ここなど、倉庫の建屋が残されてはいるものの、水際はすでに防潮堤が築かれてテラス化され、もはや昔日の面影をしのぶのみ‥‥自分もトシをとるわけだなあと遠い目に。


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さて、ここまで来れば、昨年2月に閉鎖、解体が進む晴海客船ターミナルの様子を見ておきたくなるもの。何分思い出が多い場所でもあるので、抵抗がないといえばうそになるのですが、最後の姿を少しでも見届けておきたい、という気持ちも手伝って接近。

ああ、足場がずいぶんと張り巡らされ、一部にはパネルでの養生も。重機の姿も見えますね。

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今回、いちばん心にズーンときたのはここ。本屋サイドを除いて、撤去されてしまったデッキの断面が目に入ったとき。

このデッキから眺めたさまざまな船‥‥軍艦、客船、帆船の雄姿や、埠頭だった地が再開発され、大型橋が架かりといった、変わりゆく港湾風景など諸々のシーンが思い出され、「ああ、もう無いんだなあ‥‥」と、胸の詰まる思いでした。

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291090.jpg足場は高々と側面を覆い、上層まで伸びてゆく勢い。パイプ材がキラキラと陽光を反射しつつ同じ紋様を繰り返すさま、どこか現実離れした光景をしばし仰ぎ、しみじみ。

理由あってのこととて仕方がないにせよ、まだこんなにキレイなのに、どうして? という気持ちは眺めるたびに湧き上がってきます。これから前を通るたび、少しづつ撤去されてゆく姿を目にしなければならないと思うと、つらいものがありますね。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・運河地帯』につづく)

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タグ : 春海運河

令和4年度川走り納め・晴海橋梁

(『令和4年度川走り納め・隅田川…5』のつづき)

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人道橋化工事が進む、晴海橋梁の不定期観察(前回、昨年7月はこちら)であります。

291082.jpg西側の橋脚群の補強と、中央径間の落橋防止金物の取り付けが終了し、東側の橋脚群が鋼矢板で囲われたのが前回見た状態。

今回は‥‥橋脚の補強は完了したようで、工事のフネブネたちもおらず落ち着いた印象です。で、何で春海橋との間に入り込んだかというとですね‥‥。


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こういう看板がRC桁上に立てられていたからです。一瞬、水上に向けてのものと勘違いしたのですが、隣接する春海橋を渡る人々やクルマへ向けたと解釈した方が自然と気づき、ぬか喜びに終わりました。

目を引かれたのは「旧晴海鉄道」という表現。橋の部分だけなのに、と違和感があったのですが、考えたら遊歩道化されるのですから、前後の線路敷も含めて、という意味の事業名称なのかしら。耐震補強は今年4月で完工、次は上回りの工事が始まるのですね。変化が楽しみです。

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291085.jpg何分鋼橋部分が錆びていることだし、次期工事はサンドブラストをかけて、塗装に入るのでしょうか。何色になるのかなあ。

錆色のローゼとも、石川島に造船所があったころからの長い付き合いなので、大きな変化が訪れた昨今の姿を目にするたび、感慨深いものが。永くここに在って、かつての港湾の面影を留めてほしいものです。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・晴海ターミナル』につづく)

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タグ : 春海運河

令和4年度川走り納め・隅田川…5

(『令和4年度川走り納め・隅田川…4』のつづき)

291076.jpg隅田川だけでないので看板に偽りありで恐縮ですが、ご容赦ください。

両国橋まで下ってくると、高欄にちょっと不思議な横断幕が。
この先 両国橋 航路幅 減少 注意!
‥‥見たところ、この先に工事区間はなさそうだし、文言に違和感があるなあと首をかしげながら、くぐってみると‥‥。

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逆光でよく見えなかったのですが、橋の直下に来てようやく判明。桁下を覆う形で、足場がかかっていたのですね。なるほど、空間を圧迫しているので、航路幅は狭くなるゆえんです。

でも、横断幕の文言に感じた違和感は、いま一つぬぐい去れないものが。両国橋そのものなのに、「この先」とは? くぐった下流側だと思ってしまうのが、普通のような気がするんですけれど‥‥。

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竪川水門の前を通り過ぎようとして、ちょっと待て! と急減速、転回して近づいてのスナップ。竪川水門の前にも、大島川水門や月島川水門同様、テラスを結ぶ橋が架けられたのですね。

まだ橋脚(いや『橋台』なのか?)に鋼桁が架設されただけで、取付道路などはこれからの状態。既設の他所同様、水門の全貌が見られなくなったのは残念な半面、完成したらお散歩してみたくなる気持ちもありと、複雑ではあります。

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291080.jpg隅田川派川から春海運河へ抜けつつ、豊洲貯木場跡を一枚。全容を収めるのは久しぶりかも。青空の下水面を分ける柵列、爽快な眺めですね。

こちらに艇を向けたのは、都港湾局専用線の遺構、晴海橋梁の様子を見ておきたかったから。人道橋化工事は進捗したでしょうか?
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(『令和4年度川走り納め・晴海橋梁』につづく)

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タグ : 隅田川春海運河竪川水門