日光川水閘門…6
(『日光川水閘門…5』のつづき)
●橋上、上流東側から後扉室を眺めて。堰柱の基部を点検用の回廊が巻いており、下流側側面には長々とハシゴが伸びているます。左手前、天端に機器類を載せた立ち上がり、おそらくバイパスゲートの開閉機器類に見えましたが、閘室を挟んで同様のものが両岸にあります。堤防側のそれは、地下にバイパス管を埋設しているのでしょうか。
下写真、堤防上に戻り、上流側に回ってみました。西側の堰柱には螺旋階段が備えられ、堰柱間に簡素ながら管理橋も渡されて、印象がだいぶ異なります。扉体が天端を突き抜けるのは前扉室と同じようですが、高さが取ってある分、威容を感じさせますね。


●水際まで降りて、低い目線で眺めてみました。水面から顔を出した扉体は意外なほど低く、閘程が少ないことを物語っています。閘室の奥の方にはチラリと、注意書きを掲げた高さ制限のゲートが見えますね。
よいタイミングで通航シーンにでくわすことができ、また新水閘門の姿も拝めてと、大いに満足。また少々物悲しくはあるものの、引退を間近に控えた水門の雰囲気を味わうことができ、充実した時間を過ごすことができました。ありがとう、日光川水閘門!
●おまけを二つ。閘門の対岸はるかに見えた、姿のよい2径間の水門。水鏡に堰柱を映した姿、なかなか風情があります。排水機場の関連施設でしょう。
検索しても名前がなかなか出てこなかったのですが、佐藤師匠の「Floodgates List 13」に載っていて、助かりました。「日光川河口排水機場横取り樋門」という、長い名前だそうです。堤防を貫通していなくても、樋門扱いなのですね。

●もう一つ。閘門のすぐ上流にあった水位観測施設、「量水塔」の抜き文字が渋くよい雰囲気で、ツボにはまって一枚。
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場のロータリーボート…1』につづく)

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下写真、堤防上に戻り、上流側に回ってみました。西側の堰柱には螺旋階段が備えられ、堰柱間に簡素ながら管理橋も渡されて、印象がだいぶ異なります。扉体が天端を突き抜けるのは前扉室と同じようですが、高さが取ってある分、威容を感じさせますね。


●水際まで降りて、低い目線で眺めてみました。水面から顔を出した扉体は意外なほど低く、閘程が少ないことを物語っています。閘室の奥の方にはチラリと、注意書きを掲げた高さ制限のゲートが見えますね。
よいタイミングで通航シーンにでくわすことができ、また新水閘門の姿も拝めてと、大いに満足。また少々物悲しくはあるものの、引退を間近に控えた水門の雰囲気を味わうことができ、充実した時間を過ごすことができました。ありがとう、日光川水閘門!

検索しても名前がなかなか出てこなかったのですが、佐藤師匠の「Floodgates List 13」に載っていて、助かりました。「日光川河口排水機場横取り樋門」という、長い名前だそうです。堤防を貫通していなくても、樋門扱いなのですね。

●もう一つ。閘門のすぐ上流にあった水位観測施設、「量水塔」の抜き文字が渋くよい雰囲気で、ツボにはまって一枚。
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『飛島木場のロータリーボート…1』につづく)

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日光川水閘門…5
(『日光川水閘門…4』のつづき)

●ふたたび堤防上に上がって、堰柱の列を上流側から眺めたところ。手すりやハシゴ、電路のダクト、制御盤のボックスなど鋼製部分が目立ち、下流側の表面とは打って変わったディテール豊かな表情です。
閘室をのぞき込んでみるも、バイパスゲートのそれらしい立ち上がりと、天端にぎっしり詰まった機器類に阻まれて、よく見えません。橋の上から眺めた方がよさそうですね。
●こちらが日光川水閘門の管理棟。操作室はこの中にあって、監視カメラで運転をしているのでしょうか。先ほど「機側操作」といいましたが、だとしたら間違いなので、お詫びしておきます。
この角度から見ると、何の変哲もない古びたテナントビルといった風情ですが、すぐ左には6車線の名四国道・日光川大橋の西詰が接する、車列引きも切らないところ。のんびりした川面とは対照的な雰囲気です。

●名四国道を横断するのは無理なので、またもや堤防を下りてアンダーパスで上流側へ出、さて日光川大橋の歩道から、閘室を見下ろしてみると‥‥。
扉体をほぼ真下に見下ろすことができました。ご覧のように、角材を板組みしたとおぼしき巨大なフェンダーが、緩衝材として介されたゴムフェンダーを挟んで、扉体に取り付けられていました。色褪せてはいますが、ゼブラ塗装が施されています。過去によほど、衝突事故の例が多かったのかしら? 扉体天端の両側に、ステップが取り付けられているのも目を引きますね。

●のぞき込んでいた顔を上げて、上流側を見たところ。カウンターウェイトを収めた堰柱の間に、四角く広がる日光川の川面、見たかぎり砂洲もなく穏やかで、舟行きしたくなる水面でした。
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…6』につづく)

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閘室をのぞき込んでみるも、バイパスゲートのそれらしい立ち上がりと、天端にぎっしり詰まった機器類に阻まれて、よく見えません。橋の上から眺めた方がよさそうですね。

この角度から見ると、何の変哲もない古びたテナントビルといった風情ですが、すぐ左には6車線の名四国道・日光川大橋の西詰が接する、車列引きも切らないところ。のんびりした川面とは対照的な雰囲気です。

●名四国道を横断するのは無理なので、またもや堤防を下りてアンダーパスで上流側へ出、さて日光川大橋の歩道から、閘室を見下ろしてみると‥‥。
扉体をほぼ真下に見下ろすことができました。ご覧のように、角材を板組みしたとおぼしき巨大なフェンダーが、緩衝材として介されたゴムフェンダーを挟んで、扉体に取り付けられていました。色褪せてはいますが、ゼブラ塗装が施されています。過去によほど、衝突事故の例が多かったのかしら? 扉体天端の両側に、ステップが取り付けられているのも目を引きますね。

●のぞき込んでいた顔を上げて、上流側を見たところ。カウンターウェイトを収めた堰柱の間に、四角く広がる日光川の川面、見たかぎり砂洲もなく穏やかで、舟行きしたくなる水面でした。
【撮影地点のMapion地図】
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…6』につづく)

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日光川水閘門…4
(『日光川水閘門…3』のつづき)

●扉体はさらに上がって、貝が含んだ水を盛大にしたたらせた向こうに、待機している艇の姿が見えるまでになりました。
しかし、堰柱の高さはもう、扉体の天端とツライチになっています。「高さ注意」のゲートで示された、通航可能な高さまでは、目測でまだ1mほど足りません。これはまさか‥‥。

●う~ん、堰柱を突き抜けて扉体が上がってゆく! 理屈では分かっていても、左右に支えのない状態の扉体が突き出しているのは、正直違和感があり、また新鮮な眺めでもありました。
モーター音と、執拗に繰り返されたアナウンスが止むと、扉体から流れ落ちる滴の水音が、急に耳につくようになりました。

●側壁に接岸していた艇がもやいを解き、閘室を出てきました。貝みっちりの扉体が降らす雨は、ちょっと待つくらいではとても止む気配がありません。よほどの閘門好き(私)でない限り、ハードトップ艇でなければ、通航はツラそうですね。
この高さ制限では、通航できる艇はごく限られそうですね。閘室の寸法的に余裕があっても、フライブリッジ付きの艇なんかはもちろん無理でしょう。
●艇が出てゆくと、間なしに扉体は閉まり始め、貝をガボガボいわせて沈んでゆきました。レスポンスの速さから見て、有人の機側操作のようですね。
いや~、中川口で逃した雪辱を果たすことができて、嬉しさひとしお。こちらに来て初めて、しっかり通航シーンを堪能した感動に勢いづいて、後扉室の方も眺めて回ろうと駆けだしたのでした。
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…5』につづく)

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しかし、堰柱の高さはもう、扉体の天端とツライチになっています。「高さ注意」のゲートで示された、通航可能な高さまでは、目測でまだ1mほど足りません。これはまさか‥‥。

●う~ん、堰柱を突き抜けて扉体が上がってゆく! 理屈では分かっていても、左右に支えのない状態の扉体が突き出しているのは、正直違和感があり、また新鮮な眺めでもありました。
モーター音と、執拗に繰り返されたアナウンスが止むと、扉体から流れ落ちる滴の水音が、急に耳につくようになりました。

●側壁に接岸していた艇がもやいを解き、閘室を出てきました。貝みっちりの扉体が降らす雨は、ちょっと待つくらいではとても止む気配がありません。よほどの閘門好き(私)でない限り、ハードトップ艇でなければ、通航はツラそうですね。
この高さ制限では、通航できる艇はごく限られそうですね。閘室の寸法的に余裕があっても、フライブリッジ付きの艇なんかはもちろん無理でしょう。

いや~、中川口で逃した雪辱を果たすことができて、嬉しさひとしお。こちらに来て初めて、しっかり通航シーンを堪能した感動に勢いづいて、後扉室の方も眺めて回ろうと駆けだしたのでした。
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…5』につづく)

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日光川水閘門…3
(『日光川水閘門…2』のつづき)

●堤防の階段を上ったり下りたりしてあちこち見て回り、そろそろ後扉室に向かおうかしらと思っていた矢先、
「河側より通航中です。しばらくお待ちください。」
というアナウンスが繰り返され、同じ文面が電光掲示板に流れ始めました!
●ヤッタ! 通航風景が見られるぞ! 今度こそ出閘の瞬間を逃すまじと、少し距離を取って護岸上に構え、ワクワクして待つことしばし。
「河側より通航中です。しばらくお待ちください。」が延々と繰り返されるので、ちょっとうんざりしたのでしょう、ずいぶん時間がたったように思えましたが、後でタイムスタンプを確かめたら、たった3分ほど。モーターが起動する音が聞こえてきました。いよいよです!

●ウォーンというモーター音の高まりとともに、扉体がゆっくりと上がってきました。おお、カウンターウェイトが行き違いに下がってゆくのも見えるぞ(当たり前だけど)!

●‥‥えっ、この扉体、ずいぶん天地寸法があるんだなあ! それに、水線下にびっしり付着した貝の分厚さたるや! おまけにノリも付いて真っ黒けです。動いているのを見て初めて、二度ビックリさせられました。
これだけの貝やノリが付着していれば、それ自体はもとより、含んだ水の重さも相当なものでしょう。カウンターウェイトがあるとはいえ、モーターの負担はいかばかりかと、人ごとながら心配になったものです。引退間近ということで、手入れの必要なしと判断されたのか、よほど貝類の生育に適した環境で、はがした先からみっちり付いてしまうのでしょうか。

●これだけ貝が付いていると、その水切り音(?)も結構なものが。文字で表現するなら、
ガボォ~ッ!という音が続く感じです。
ようやく水切り音が途切れて、扉体の下端がしずくを滴らせて現われた‥‥。イヤ、もう堰柱の高さをほとんど使いきってしまったのですが、船が通れる高さは確保できるのかな?
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…4』につづく)

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●堤防の階段を上ったり下りたりしてあちこち見て回り、そろそろ後扉室に向かおうかしらと思っていた矢先、
「河側より通航中です。しばらくお待ちください。」
というアナウンスが繰り返され、同じ文面が電光掲示板に流れ始めました!

「河側より通航中です。しばらくお待ちください。」が延々と繰り返されるので、ちょっとうんざりしたのでしょう、ずいぶん時間がたったように思えましたが、後でタイムスタンプを確かめたら、たった3分ほど。モーターが起動する音が聞こえてきました。いよいよです!

●ウォーンというモーター音の高まりとともに、扉体がゆっくりと上がってきました。おお、カウンターウェイトが行き違いに下がってゆくのも見えるぞ(当たり前だけど)!

●‥‥えっ、この扉体、ずいぶん天地寸法があるんだなあ! それに、水線下にびっしり付着した貝の分厚さたるや! おまけにノリも付いて真っ黒けです。動いているのを見て初めて、二度ビックリさせられました。
これだけの貝やノリが付着していれば、それ自体はもとより、含んだ水の重さも相当なものでしょう。カウンターウェイトがあるとはいえ、モーターの負担はいかばかりかと、人ごとながら心配になったものです。引退間近ということで、手入れの必要なしと判断されたのか、よほど貝類の生育に適した環境で、はがした先からみっちり付いてしまうのでしょうか。

●これだけ貝が付いていると、その水切り音(?)も結構なものが。文字で表現するなら、
ガボォ~ッ!という音が続く感じです。
ようやく水切り音が途切れて、扉体の下端がしずくを滴らせて現われた‥‥。イヤ、もう堰柱の高さをほとんど使いきってしまったのですが、船が通れる高さは確保できるのかな?
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…4』につづく)

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日光川水閘門…2
(『日光川水閘門…1』のつづき)

●閘門のディテール、つづき。向かって左側の堰柱には、通航船艇に対する注意書き「日光川水閘門通航案内」が掲げられていました。扉体同様えらい色褪せようで、判読も難しいほどです。その上の電光掲示板は、待機中の船艇に向けて指示を出すものでしょうか。
せっかくなので、近づいて「通航案内」を読み下してみました。「小型舟船」‥‥この書き方は初見だなあ。「大きさの制限」の項目、「有効巾」と「高さ」のみで、閘門の場合長さも必要なはずですが、なぜか記載なし。
閘門を通れないサイズの大型船は、水位差のないときに限り、通船水門を通れとの指示はうなずけるとして、事前に承認を得ねばならないのはどうしてでしょう。何かの理由で、内水に滞在する船の数を、把握しておく必要があるのでしょうか。
●護岸上から堰柱を見上げると、溝の中にしっくりはまった、カウンターウェイトがあるのに気づきました。生で目にすることはまずないパーツなので、珍しく拝見。
中が中空になっているタイプの堰柱と違って、スペースにはあまり余裕がないせいか、えらくコンパクトにまとまっている印象がありました。外から見えるフラットも、実際の重錘そのもではなく、薄板を張って堰柱とツライチになるよう、カバーしたのかもしれません。
下端がだいぶ腐食しているのは、扉体が上がってカウンターウェイトが下りると、少し水に浸かっているということでしょうか。

●護岸のフラットには柵はなく、扉体を間近で観察することができます。鼻先を近づけて、褪せた塗料の質感までじっくりと。
しかし、このリベットみっちり、まるで戦前もののような雰囲気ですね。竣工はもちろん、そんなに古くはないのですが、間違いのないよう保守的なあつらえにしたということでしょうか。ともあれ道楽者が眺めている分には、味があってよいものです。

●そうそう、竣工年といえば、銘板を見てみたくなりました。メーカーズプレートのたぐいは、堰柱の側面や裏側にあるだろうと、堤防上に上がって見回してみると‥‥ありました、手前の側面に。
でも、後付けの電源ボックスらしい箱にさえぎられて、下端が隠れてしまっているようですね。肝心なところが読めるとよいのですが。
●「日光川河口締切工事」と題した、「位置 名古屋市港区南陽町藤高町新田 愛知県海部郡飛島村梅之郷 立会」と、そもそもから説き起こす立派なもの。最後の行が隠れてしまっていることもあり、水閘門の部分、諸元だけ抜き書きしましょう。
「一般水門 巾 10m 6門 通船水門 巾 10m 2門 閘門 巾 7m 長 53.4m」
「工期 着工 昭和35年6月1日 竣功 昭和37年8月31日」
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…3』につづく)

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●閘門のディテール、つづき。向かって左側の堰柱には、通航船艇に対する注意書き「日光川水閘門通航案内」が掲げられていました。扉体同様えらい色褪せようで、判読も難しいほどです。その上の電光掲示板は、待機中の船艇に向けて指示を出すものでしょうか。
せっかくなので、近づいて「通航案内」を読み下してみました。「小型舟船」‥‥この書き方は初見だなあ。「大きさの制限」の項目、「有効巾」と「高さ」のみで、閘門の場合長さも必要なはずですが、なぜか記載なし。
閘門を通れないサイズの大型船は、水位差のないときに限り、通船水門を通れとの指示はうなずけるとして、事前に承認を得ねばならないのはどうしてでしょう。何かの理由で、内水に滞在する船の数を、把握しておく必要があるのでしょうか。

中が中空になっているタイプの堰柱と違って、スペースにはあまり余裕がないせいか、えらくコンパクトにまとまっている印象がありました。外から見えるフラットも、実際の重錘そのもではなく、薄板を張って堰柱とツライチになるよう、カバーしたのかもしれません。
下端がだいぶ腐食しているのは、扉体が上がってカウンターウェイトが下りると、少し水に浸かっているということでしょうか。

●護岸のフラットには柵はなく、扉体を間近で観察することができます。鼻先を近づけて、褪せた塗料の質感までじっくりと。
しかし、このリベットみっちり、まるで戦前もののような雰囲気ですね。竣工はもちろん、そんなに古くはないのですが、間違いのないよう保守的なあつらえにしたということでしょうか。ともあれ道楽者が眺めている分には、味があってよいものです。

●そうそう、竣工年といえば、銘板を見てみたくなりました。メーカーズプレートのたぐいは、堰柱の側面や裏側にあるだろうと、堤防上に上がって見回してみると‥‥ありました、手前の側面に。
でも、後付けの電源ボックスらしい箱にさえぎられて、下端が隠れてしまっているようですね。肝心なところが読めるとよいのですが。

「一般水門 巾 10m 6門 通船水門 巾 10m 2門 閘門 巾 7m 長 53.4m」
「工期 着工 昭和35年6月1日 竣功 昭和37年8月31日」
(29年5月3日撮影)
(『日光川水閘門…3』につづく)

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