新芝川再訪…2
(『新芝川再訪…1』のつづき)
●新芝川というと、失礼ながら「スローガンだらけの川」という印象が強いのです。何を訴えているって、まあ、東京周辺の川ではおなじみの「繋留禁止」うんぬんのアレですが、最初に訪ねたときは、そのたたみかけ方が強烈で、接岸や桟橋設置を阻止するフェンスや杭の列とともに、この水路を象徴する光景として、目に焼き付けられたものでした。
看板はあいかわらず掲げられているようですが、現在はどうなったかというと…。

●きれいさっぱり、何もない。
山王橋の向こうに並んでいた繋留船はもとより、フェンスや杭もすっかり片付けられて、すっきりした、でもちょっと寂しいような川景色が広がっていました。(過去ログ『新芝川…2』参照)

●初回訪問時にもなぜか妙に惹かれるものがあった、山王橋東詰近くの樋門。後ろの木も大きく育って、扉体の錆も広がり、イイ感じというか、だいぶくたびれてきたようですね。
今回ようやく、堰柱に掲げられていた銘板の撮影に成功。「山王樋管」、昭和三十八年…五月?竣功、と、かろうじて読めました。
●山王橋をくぐったところで、芝川マリーナに入港する艇が後続してきたのを発見。徐航していますから慌てることはありませんが、あまり寄り道ばかりもしていられません。
ちなみに、芝川との合流点を過ぎれば、水深は再び深くなり、あとは可航区間終点まで安定しています。
【撮影地点のMapion地図】
(23年9月25日撮影)
(『新芝川再訪…3』につづく)

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看板はあいかわらず掲げられているようですが、現在はどうなったかというと…。

●きれいさっぱり、何もない。
山王橋の向こうに並んでいた繋留船はもとより、フェンスや杭もすっかり片付けられて、すっきりした、でもちょっと寂しいような川景色が広がっていました。(過去ログ『新芝川…2』参照)


今回ようやく、堰柱に掲げられていた銘板の撮影に成功。「山王樋管」、昭和三十八年…五月?竣功、と、かろうじて読めました。

ちなみに、芝川との合流点を過ぎれば、水深は再び深くなり、あとは可航区間終点まで安定しています。
【撮影地点のMapion地図】
(23年9月25日撮影)
(『新芝川再訪…3』につづく)

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新芝川再訪…1
(『綾瀬水門は閉鎖中』のつづき)

●今回は新芝川を、実に、足掛け7年ぶりに訪ねてみる気になりました。まあ、やはりああいうこと(過去ログ『新芝川…3』参照)があったのと、再訪を期しながらも、その後芝川マリーナ上流で河道にフェンスが張られ、遡上ができなくなってしまったことで、やる気の萎えることおびただしく、興味が薄れていたのだと思います。
領家水門を見に、河口近くを何度かつっついたことはありますから、正確には新芝川奥部(?)ということになりましょうか。河川繋留のフネブネも、この数年で一掃されてしまい、だいぶ雰囲気も変わったことでしょう。
おなじみ「調整中」のステッカーを掲げっぱなしの芝川水門、左径間をくぐって進入。あ、昨年末訪ねたときに、巻上機室の塗装について妙なこと(『年の瀬の荒川…3』参照)を書いてしまいましたが、正面は以前から未塗装でした。お詫びして訂正します。
【撮影地点のMapion地図】
●河口付近は浅く、魚探の感がいきなり跳ね上がります。この日は潮位の低い時間帯に到着したこともあって、水深は1.5mかそれ以下でした。
航路は北岸寄りにあり、南側はさらに浅くなっています。水門の左径間から入ったのもそのためで、写真の赤矢印をつけた、二つのブイから右手は入らないように、魚探の感を見ながらゆっくり前進。
●ブイに寄せて一枚。浮体にアルミパイプを立てた簡単なものですが、ボール状のものだけより高さがあってよく目立ち、目標としても視認しやすくありがたい限り。
まあ、芝川マリーナを母港とされている艇長さんは、このあたりよくご存知のことと思いますが、自分用の覚え書きということで。
●水が引いているせいもあって、向こうの水際には瀬が露出しており、いかにも浅そうですね。上の写真でもわかるように、ブイのギリギリまで寄せて、どのくらい水深が上がるか確かめてみようとしていたら…。
ご覧のとおり、水面とほぼ同じ高さで露頂している杭が! 背中にヒヤリとしたものが走り、慌てて舵を戻しました。ここ、最初に来たときは繋留船があったところですので、杭はその名残でしょうか。

●領家水門の手前にも、左側から扉体の正面にかけて、大きく瀬が出ているのが見えました。いざというとき、水門として支障なく働けるのかしら、と心配になるくらいの泥の積もり具合。先日の台風のときは、ここを開いて排水したのかな?
(23年9月25日撮影)
(『新芝川再訪…2』につづく)

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●今回は新芝川を、実に、足掛け7年ぶりに訪ねてみる気になりました。まあ、やはりああいうこと(過去ログ『新芝川…3』参照)があったのと、再訪を期しながらも、その後芝川マリーナ上流で河道にフェンスが張られ、遡上ができなくなってしまったことで、やる気の萎えることおびただしく、興味が薄れていたのだと思います。
領家水門を見に、河口近くを何度かつっついたことはありますから、正確には新芝川奥部(?)ということになりましょうか。河川繋留のフネブネも、この数年で一掃されてしまい、だいぶ雰囲気も変わったことでしょう。
おなじみ「調整中」のステッカーを掲げっぱなしの芝川水門、左径間をくぐって進入。あ、昨年末訪ねたときに、巻上機室の塗装について妙なこと(『年の瀬の荒川…3』参照)を書いてしまいましたが、正面は以前から未塗装でした。お詫びして訂正します。
【撮影地点のMapion地図】

航路は北岸寄りにあり、南側はさらに浅くなっています。水門の左径間から入ったのもそのためで、写真の赤矢印をつけた、二つのブイから右手は入らないように、魚探の感を見ながらゆっくり前進。

まあ、芝川マリーナを母港とされている艇長さんは、このあたりよくご存知のことと思いますが、自分用の覚え書きということで。

ご覧のとおり、水面とほぼ同じ高さで露頂している杭が! 背中にヒヤリとしたものが走り、慌てて舵を戻しました。ここ、最初に来たときは繋留船があったところですので、杭はその名残でしょうか。

●領家水門の手前にも、左側から扉体の正面にかけて、大きく瀬が出ているのが見えました。いざというとき、水門として支障なく働けるのかしら、と心配になるくらいの泥の積もり具合。先日の台風のときは、ここを開いて排水したのかな?
(23年9月25日撮影)
(『新芝川再訪…2』につづく)

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年の瀬の荒川…3
(『年の瀬の荒川…2』のつづき)
●芝川水門は、堰柱上の巻上機室の背面と側面のみ、クリーム色に塗装していました。正面から見たとき、巻上機室の側面が妙に白く見え、光の加減にしては変だなと思ってくぐってみると、背面にはまだ足場が残っている堰柱もあり、最近の工事であることがわかりました。
正面はなぜ塗らずに残されたのでしょう? 後で改めて塗るのでしょうか。
●水門をくぐった直後、左手に新芝川排水機場の側面を眺めて。
この角度から見ると、緑の土手や植栽も手伝ってか、まるで図書館か公会堂といった穏やかな風情で、とてもポンプ施設には見えませんね。

●とはいっても、背後に回ってみると、格子を並べた取水口が口を開けており、いざ増水となれば容赦なく濁流を呑みこむ、コワモテ(?)の一面が見えて面白いものです。
●東京周辺では数少ない、鉄骨組み堰柱が魅力の領家水門と、久しぶりのご対面。風の抜ける荒川の川面を一本外れれば、こんなにも穏やかな水鏡、それに澄み切った青空。
光線の塩梅もよろしく、まさに絶好の水門日和、機嫌の悪かろうはずはありません。澄んだ空気と水と、低い陽射し。冬の水路行がクセになるゆえんであります。
【撮影地点のMapion地図】

●領家水門を堪能しつつ小休止して、ふたたび硬いさざ波の立つ荒川へ。
河道がほぼ西へ向くと、完全な向い風となり、波と流速によるエンジンへの負荷で、ビリビリとかなりの震動が…。左舷に積んである艪が、震動でだんだん後ろへずれてきてしまい、時々直さねばならないほどでした。
(22年12月29日撮影)
(『年の瀬の荒川…4』につづく)

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正面はなぜ塗らずに残されたのでしょう? 後で改めて塗るのでしょうか。

この角度から見ると、緑の土手や植栽も手伝ってか、まるで図書館か公会堂といった穏やかな風情で、とてもポンプ施設には見えませんね。

●とはいっても、背後に回ってみると、格子を並べた取水口が口を開けており、いざ増水となれば容赦なく濁流を呑みこむ、コワモテ(?)の一面が見えて面白いものです。

光線の塩梅もよろしく、まさに絶好の水門日和、機嫌の悪かろうはずはありません。澄んだ空気と水と、低い陽射し。冬の水路行がクセになるゆえんであります。
【撮影地点のMapion地図】

●領家水門を堪能しつつ小休止して、ふたたび硬いさざ波の立つ荒川へ。
河道がほぼ西へ向くと、完全な向い風となり、波と流速によるエンジンへの負荷で、ビリビリとかなりの震動が…。左舷に積んである艪が、震動でだんだん後ろへずれてきてしまい、時々直さねばならないほどでした。
(22年12月29日撮影)
(『年の瀬の荒川…4』につづく)

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年の瀬の荒川…2
(『年の瀬の荒川…1』のつづき)
●首都高向島線の1本上流、堀切橋でまたも曳船に遭遇。さすがお仕事ブネにとっての平日と、嬉しくなる連続反航。今度の曳かれ船は、ホールドをぴっちりと閉ざしたバージです。
下航船優先の原則に従い、邪魔をしないように橋下流で待機しつつ、席を離れてカメラを構えます。

●曳船の船名は、タイヤのフェンダーに隠れてわかりませんでしたが、キャブ側面に「NIKO」の文字。どこへ向かうのでしょうか。
●お次の東武伊勢崎線鉄橋まで来ると、おおお、黒い船体が魅力的な独航艀が。もう入れ食い状態です! 朝早く出てきた甲斐があったなあ(といっても、この写真の時点で9:40だから、大したことはないですが)。
船名は第五常盤丸、140tクラスの油槽船ですね。キャブ上端のハッチが途中まで開かれ、船長さんが顔を出して操縦しています。
●遡上約1時間で、芝川河口前につきました。芝川水門の写真を撮ったら、そのまま通過しようと思っていたのですが、よく見るとちょっと様子がおかしい。
少し寄り道してみよう…ついでに、この奥の領家水門にも挨拶してみたくなり、久しぶりの新芝川へ。

●扉体に「調整中」と表示されて、少なくとも何年かたつ芝川水門、「調整」が終わるのはいつなのでしょうね。
それはともかく、ちょっと様子がおかしい部分、真下から見上げてみてはっきりしました。裏から見れば、さらによくわかるでしょう。
【撮影地点のMapion地図】
(22年12月29日撮影)
(『年の瀬の荒川…3』につづく)

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下航船優先の原則に従い、邪魔をしないように橋下流で待機しつつ、席を離れてカメラを構えます。

●曳船の船名は、タイヤのフェンダーに隠れてわかりませんでしたが、キャブ側面に「NIKO」の文字。どこへ向かうのでしょうか。

船名は第五常盤丸、140tクラスの油槽船ですね。キャブ上端のハッチが途中まで開かれ、船長さんが顔を出して操縦しています。

少し寄り道してみよう…ついでに、この奥の領家水門にも挨拶してみたくなり、久しぶりの新芝川へ。

●扉体に「調整中」と表示されて、少なくとも何年かたつ芝川水門、「調整」が終わるのはいつなのでしょうね。
それはともかく、ちょっと様子がおかしい部分、真下から見上げてみてはっきりしました。裏から見れば、さらによくわかるでしょう。
【撮影地点のMapion地図】
(22年12月29日撮影)
(『年の瀬の荒川…3』につづく)

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新芝川
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新芝川
所在地:東京都足立区鹿浜2~埼玉県川口市弥平3
延長:3.2km(可航区間)
最小水深:A.P.-1.1m
最小桁下高:A.P.+5.7m
メモ:芝川(赤印)の放水路として、昭和40年に開鑿された新河道。荒川(青印)との合流部には芝川水門(青鋲印、2径間)および新芝川排水機場(赤鋲印)があり、南平大橋上流には、専用の水門を備えた珍しいマリーナ、芝川マリーナ(緑鋲印)がある。
河口部、碇泊船のあるあたりは、両岸に浅瀬が張り出している。進入時、芝川水門は左径間から入ったほうが良い。また山王橋~順信橋間には、桟橋による繋留施設が続いており、徐航が望ましい。
本来、可航区間は図示の地点よりさらに続くのだが、現在は芝川マリーナ上流、弥平3-11付近にフェンス(緑印)が張られ、船艇の遡上ができない状態になっている。



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