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新町樋門と新町川

(『今切川河口堰』のつづき)

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吉野川橋で雄大な吉野川本流を渡って、徳島市街へ。好天も手伝って、吉野川橋の長大トラスならではの構造美がさらに引き立ち、もうシビレルったらありません。全長1000mあまり、もうお腹いっぱい堪能させていただきました。

後で地元の方に聞いたところでは、昭和3年にこの橋が竣工したとき、「徳島にこんな立派な橋はいらない、ゼイタクだ!」との批判が出たこともあったそう。四国三郎とその支派川多数を擁して、橋なくしては人々の活動が成り立たない地域にも、かつてそんな考え方の人がいたのですね。ちなみに先代橋は、木造の賃取橋だったそうです(参考:『吉野川橋橋の博物館とくしま)。

239132.jpg外観も愛でたくなり、高水敷に降りてみました。手入れされた一面の芝生の緑も目に快く、素晴らしい橋梁風景。

この吉野川橋南詰、昭和32年から37年まで、水上機を用いた徳島飛行場があって、大阪との間を定期航空路で結んでいたことでも知られています。戦後に水上機の空路があって、しかも川に発着するなんて! ロマンあふれる川景色が想われて、楽しくなりますよね。

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吉野川橋を渡ったすぐ西に、徳島市街につながる新町川が、吉野川と水面を接する地点があります。この新町川に、目指す謎めいた閘門があるのですが、その前に気になっていた水門物件、「新町樋門」に寄り道です。

ご覧のとおり、ゲート側面に大きな時計を備えた変わり種! それもレンガ風タイルでお化粧するなど、外観にもかなり力を入れたことがうかがえて、道路から見ても非常に目立ち、テーマパークの入場門といった風情です。時計を備えた樋門は、過去に「最上川舟下りを楽しむ…1」でも見たことがあり、これで2度目ですが、他にもあるのでしょうか。

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側道に降りて南側正面から。耐震補強の筋交で少し無骨な感じはするものの、銘板も大きく、螺旋階段の高欄まで既製らしいとはいえ装飾入りと、「新町川の門」として威厳を求めたのか、尋常ならざる気合の入り方。デザインの是非はさておいて、装飾系の現代水門としては一二を争うものがありますよね。

ちなみにこの右手に広がる高水敷は、「新町樋門緑地」と、水門名を冠した珍しい公園地で、船着場まであるそう。右側に時計を備えているのも、これで納得できました。タダの水門ではなく、文字どおり公園のシンボルだったわけですね。外観に力瘤が入るのもうなずけます。

239135.jpg樋門の管理橋から南側、新町川を望んでみました。ゲートだけでなく、管理橋や南側両岸の擁壁も、レンガ風タイルで統一されています。

水際に整然とフネブネがもやい、舟航河川の香り濃厚なよい雰囲気。左手に見えた大がかりなダビットと艇が少し気になったのですが、この先にある閘門のことを想って気持ちが逸り、寄り道を終え出発することに。さあ、まいりましょう!
撮影地点のMapion地図

(元年9月14日撮影)

(『蛭子公園のマイタゲート…1』につづく)

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タグ : 吉野川橋新町樋門吉野川新町川徳島市