内川遊覧船に乗って…6

(『内川遊覧船に乗って…5』のつづき)

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「万葉丸」から眺めた、先代海王丸三態。舵を切って、左へ離脱し始めたところ。風はほぼ北、やや西寄りでしょうか、右舷の鎖がピンと張りつめ、左舷のそれはたるんでいるのがわかります。

ご覧のとおり左舷側にコンクリートの背割堤を設け、前後は鋼製の扉体を落とし込んだ、ドックに似た構造物の中に繋留されています。水位は外とあまり差がないようですが、水面下に疎通口でもあるのでしょうか。

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左舷後方に出ました。縦帆がまろやかにふくらみ、また光線もよろしく、舷側とともに白く輝いて素敵ですね。この角度からだと、山吹色に塗り上げた煙突がよく見え、甲板上のアクセントになっています。

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そして左舷前方から。色鮮やかな満船飾も美しく、バックに高い建物がないこともあって、最高のビューポイント。偶然とはいえ、この日このとき訪ねられたのは、本当にラッキーでした。

ぜいたくをいうようで恐縮ですが、天候、光線そして微風と好条件が揃っただけに、横帆が裏帆を打って凹んだり、だらりと垂れ下がっているのが実に惜しいですね。少し開いて風が入るようにすれば‥‥、ともどかしい思いがしたものです。

しかし、横帆を開いてしまうと、右舷側の鎖に張力がかかり過ぎ、安全面で問題がありそうなこと、また現役時と違い、操帆の人数も限られていることは想像がつきましたから、ここは作業にあたった方々に感謝して、ありがたく眺めることにしました。

211064.jpg「万葉丸」とはいったん別れて、海王丸パークを楽しむことにしましょう。途中下船して再度乗ることができるので、乗船券を買いなおす必要はありません。

ただ、日祭日は満員になってしまうこともあるそうですから、あらかじめ乗り組みさんに、「何時の便で戻ります」とひと声かけておきましょう。「次の便は団体さんの予約が入っているから、ちょっと混みますよ」などと教えてくれます。


211065.jpgさて、海王丸を見学したいのはもちろんながら、富山新港の様子も少し見て回りたいもの。限られた時間の中で、色々と楽しんでやろうと、すでに落ち着きがありませなんだ。

好天で人出も多く、園内は結構な数の屋台が店を開き、地元高校生の合唱の発表もあったりと大いに賑わっていて、行楽地としても親しまれていることが実感できました。さて、まずは海王丸だ!

(29年9月23日撮影)

(『海王丸パークにて…1』につづく)

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タグ : 新湊観光船 富山新港

内川遊覧船に乗って…5

(『内川遊覧船に乗って…4』のつづき)

211056.jpg子供たちの「助けてあげて」の声に応えて、乗り組みのおじさんが身を乗り出し、近づいたところを見はからって手を伸ばすのですが、うまくつかまえられませんでした。

おじさんの手を逃れて、いったん遠巻きにはなるものの、屋根に腰を据えて羽づくろいをするなど、飛び去る様子もないあたり、よほど懐いているのでしょう。トリ好きな向きにはお勧めの航路であります。

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子供達もさすがに餌付けに疲れて、船内へ戻っていったものの、カモメさんご一行はそのまま船に揺られ、我々と一緒に新湊へ。

この、乗っていて当然といわんばかりのシレッとした表情、おかしくて皆さん笑いを誘われたようです。飛来した鳥たちも船に乗り続けるなんて、あまりできない体験ですからね。

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211059.jpg赤い灯台がそびえる防波堤をかわし、新湊大橋をくぐって富山新港へ。かつて放生津潟と呼ばれた大潟湖を、拡張整備した堀込港です。

そうそう、先ほどから見えていたのですが、海王丸パークに保存されている先代の海王丸、全ての帆を張っていますね! 偶然にも今日は、総帆展帆の日だったのです。こりゃ嬉しい、あとで訪ねてみましょう。

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港口をかわしたあたりで、カモメさんたちとはお別れ。港内に入ってからの「万葉丸」の挙動は、サービス満点でした。

まず針路を海王丸の首尾線にぴったり合わせて直進、「ぶつかるかな?」と心配になるほどギリギリ一杯まで寄せてから、おもむろに取舵を切り離脱。鼻先に迫る、装飾豊かなスターンを仰げるなんて、実に素敵なサービスでした。
撮影地点のMapion地図

(29年9月23日撮影)

(『内川遊覧船に乗って…6』につづく)

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タグ : 新湊観光船 富山新港

内川遊覧船に乗って…4

(『内川遊覧船に乗って…3』のつづき)

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211053.jpg富山湾に出ました。あくまでも澄み、あくまでも穏やか。それでも沖に出るにつれ、ほんのかすかなうねりが船をゆったりと上下させ、ここが海であることを実感させました。

ここで船尾のデッキへ。微風で陽射しは暑いほど、引き波で乱反射する向こうに小さくなる、奈呉の浦大橋を見送って、まばゆさに目を細めながら短い海路を楽しむことに。

211052.jpg‥‥ところで、さっきからやけにウミネコが船にまとわりついてくるなあ。内川では一羽も見ておらず、海に出てからです。

イヤ、何だかどんどん増えて、えらい群れになってきたぞ! カメラを構えるのに夢中で、しばらく気づかなかったのですが、さすがに異様に思えて周りを見回してみると‥‥。

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子供たちがお菓子を餌付けしていたのでした。
訊けば、船内でウミネコの餌として、かっぱえびせんを売っているとのこと。松島観光船の第三芭蕉丸を思い出すなあ。

松島のときと違うのは、入れ食い状態になるにつれ、ウミネコたちが甲板室の屋根に降りてきて、間近でピュウピュウと鳴き交わしながら、餌の争奪戦を演じてくれること。この人馴れの度合、半端ではありません。というわけで、日本海そっちのけのトリ好きタイムと相成りました(笑)。

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子供達が、群がるウミネコたちに餌を放るうち、片足に大きなルアーをからみ付かせた若鳥がいるのに気づきました。むう、これは何とかしてやりたくなるなあ。

元気いっぱいにすぐ近くまで寄ってきて、餌をねだるのでなおさら哀れに思えるのでしょう、子供たちからも、「かわいそうだね」「取ってあげられないかな?」という声が出てきました。

(29年9月23日撮影)

(『内川遊覧船に乗って…5』につづく)

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タグ : 新湊観光船

内川遊覧船に乗って…3

(『内川遊覧船に乗って…2』のつづき)

211046.jpg今までも、ぽつりぽつりと繋留船の姿は見られたものの、中の橋をくぐったところで、急に船影が濃くなりました。プレジャータイプもあるものの、ほとんどは船体を白く塗り上げた漁船型です。

狭水路が船溜として高度利用されているというだけで、胸の高鳴るものが。両岸をテラス化するなど、修景が始まることはすなわち、舟航の衰微を意味することが多い中、ここはまさしく現役、生き生きと躍動している水路なのです。

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居並ぶ漁船を眺めるうち、いくつか気づかされたことがありました。まずおしなべて上部構造の背が低く、押しつぶしたような印象であること。これは橋の桁下高に合わせたためでしょう。船首は一本ミヨシと、上の写真のような二形タイプ(下が一本ミヨシで、上が戸立て造り)があり、どれも木造船のようです。

また、ほとんどの船が長さにくらべて、やたらと幅広に見えたこと。このせいで、押しつぶしたような印象がより強くなったのだと思います。

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むしろ船尾から見た方が、幅の広さを実感できるでしょう。舷側が低いことも手伝って、もうちょっとで台船になりそうな(?)、群を抜いた安定感。少なくとも関東では、あまり見ない船形だと珍しく感じ、しげしげと拝見。

船上に積まれたもろもろから、定置網か生簀の設置をなりわいにしている船でしょうか。木造船ならではの、まろやかなラインも魅力的でした。

211049.jpg右手に湊橋が見える丁字流にさしかかると、船はぐっと面舵を切って、内川を離れます。湊橋をくぐり、舵を戻したところで眼前に広がったのは、奈呉の浦大橋(下写真)と日本海!

いや、正確には富山湾ですか。ともあれ船で日本海に出るのは、これが初めてなのです。好天に恵まれ、風も水面も穏やかなときに日本海を初体験できるなんて、胸が躍りました。

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撮影地点のMapion地図

(29年9月23日撮影)

(『内川遊覧船に乗って…4』につづく)

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タグ : 内川(射水市) 新湊観光船

内川遊覧船に乗って…2

(『内川遊覧船に乗って…1』のつづき)

211041.jpg乗り込んでまず向かったのは、やはり気になる操舵席周り。回転窓、緑白色に塗られたスポーク/グリップ付きのステアリングと、外観からの予想通り、ハードな業務船臭が充満していました。

さらに惹かれるものがあったのが、客席の造作です。収納を兼ねているのか、頑丈そうな箱造りのベンチシートに、ニスを塗っただけの一枚板の背もたれ!


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失礼ですが観光船らしくない、いかにも通船然としたつくりに、前歴(があるかどうかはわかりませんが)をあれこれ妄想させるものがあって、むしろ感激したものでした。

気になったのが、背もたれを支える側面の金具や他の構造から、可動式であることは理解できたのですが、どのように動かすのかがいま一つわからなかったこと。一瞬、反対側に回して対面座席にするのかなと思ったら、ベンチ側に支える部分がなく、違うようです。水平に倒して橋渡しにし、フラットなスペースを作るようになっているのかな? 乗り組みさんに聞いておけばよかった‥‥。

211043.jpgもやいを解いた万葉丸は、岸を離れ爆音を高めて前進を始め、神楽橋をくぐって西へ。船内放送で、橋の来歴や装飾についての説明を聞きながら、ゆっくりと移ろう両岸の景色を堪能。

橋の桁下高は結構な低さで、後部のオープンデッキに立っていたら、腰をかがめないと頭がぶつかりそうです。これは後で体験できました。


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雲は多いものの、幸いにして青空ものぞき、陽光に輝く家並みとテラスの、実にそそる水路風景が眼前を流れてゆきます。前方はるかに見えるのは、下見板の袴をはかせた和風テイストの人道橋、中新橋。

建築には詳しくないんですが、何ていうんでしょう、間口の狭く奥行きのある、ご当地独特の町家造りが、軒を接して連なるこの家並み、広く取られた河畔のテラスによく似合って、実に素敵でした。

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中の橋を前にして、橋詰に至る取付道路の勾配が目について一枚。河畔の低さと、通船のため桁下高を確保する橋との高低差がよくわかります。地図を見ればおわかりのように、写真右側の放生津町は、海岸に沿って東西に延びる、恐らく砂洲の上に街場が形成された地勢で、四方を水で囲まれています。

内川の橋たちも水郷のそれ同様「十二橋」を銘打っていますが、澪筋で隔絶された対岸との交通を確保するためなのは容易に想像でき、だとすれば多くの橋が架けられた事情もよく似ていて、興味をそそられるところであります。
撮影地点のMapion地図

(29年9月23日撮影)

(『内川遊覧船に乗って…3』につづく)

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タグ : 内川(射水市) 新湊観光船