新井郷川排水機場の「船通し」…4

(『新井郷川排水機場の「船通し」…3』のつづき)

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下流側ゲートから東、新発田川の合流点を眺めたところ。橋は土地相応に低いですが、ここも可航河川なのでしょうか。しかし、藻がものすいごいですね。浮き島みたいになっているものもあって、仮に可航水深があっても、艇で入ってみるのは遠慮したくなります。

70227.jpg閘室の側壁や管理橋の上に、干からびて白くなった、哀れなカニの死骸がいくつも見られました。

なぜこんなところにカニが? と不思議に思っていたら、何かの拍子にいっせいに上がってくるときがあるとのこと。う~ん、産卵か、それとも水中が酸欠になって上がってくるのか…。ちなみに職員さんによると海のカニでなく、淡水のカニなのだとか。

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締切堤につながる上流側の管理橋、よく見てみるとずいぶん低いですね。茂森橋並みといってもいいくらいで、閘室の水が抜かれていなければ、とても通航はおぼつかなそう。曳船なら、こんな船でないとだめでしょうね。

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ズームレンズのゆがみが目立つのが残念ではありますが、低くて頭でっかちの堰柱に惹かれて、自然排水ゲートを一枚。ちなみに径間15m、扉高3.95m、扉体重量30tだそう。

70230.jpg職員さんにお礼をいって新井郷川排水機場を離れ、低い桁橋の架かる、低地らしい水路風景を眺めながら北上。ここを機付き和船で走ったら、すり抜けの連続で楽しめるでしょうね。

次の目的地は、産業遺産といってよい、新潟有数の歴史ある物件。ご当地で古いものを見るのは初めてなので、楽しみです。


(23年8月10日撮影)

(『新井郷川閘門…1』につづく)

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タグ : 新井郷川排水機場 閘門 新井郷川 新発田川

新井郷川排水機場の「船通し」…3

(『新井郷川排水機場の「船通し」…2』のつづき)

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巻上機室にお邪魔させていただくと、少しムッとしてはいたものの、室温は思ったより高くなく、ホッとさせられました。床面積のほとんどは、当然ながら緑色の枠組みの上に配置された巻上機と関連機器類が占めており、まだ新しいグリスの匂いがします。むき出しの機械っていいなあ…。

向こう側2面は、窓のついた間仕切りで仕切られていますね。あそこが運転室なのでしょうか。

70222.jpg開閉装置は1モーター2ドラムウインチ式で、中央にモーターを配し、左右のドラムをつないだ伝動軸に、減速機を介して動力を伝える方式。

奥に見える車輪状のものは、ドラムに取り付けられた巨大なスパーギヤのケーシングで、ここで伝動軸からさらに減速されて、適正な速度でワイヤーの巻取・解放をするわけですね。モーターの左側に見える四角い箱は、ブレーキ装置でしょうか。

70223.jpg間仕切りの向こうに入ってみると、デスクとソファーが置かれ、ちょっとした事務所のよう。きれいに片付いてはいますが、デスクの上には紙がかぶせられ、最近はあまり使われていない感じです。

職員さんによると、この閘門は少し前まで、下流にある三菱ガス化学(Mapion地図)からの通船が頻繁にあり、ここには同社から出向してきた職員の方が常駐して、運転を担当していたとのこと。ちなみに現在は、通航量はきわめて少ないそうですが、つい最近まで賑やかな閘門だったのですね。

下の写真は反対側、デスクのある方から見た操作盤。簡素ではありますが、扇橋閘門同様(『満漢全席小名木川…5』参照)、閘門の平面図に各ゲートのボタンが配され、状態がひと目でわかるようになっていました。
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70225.jpg窓からちらりと見えた、排水機場建屋の表面に掲げられた標語。「水害をなくし 豊かな農業農村 農林水産省」

もとより標高が低く湛水被害が頻繁にあり、湿田も肩を没するほどであったというこの地域にとって、排水機場は守り神のような存在なのかもしれません。


(23年8月10日撮影)

(『新井郷川排水機場の「船通し」…4』につづく)

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新井郷川排水機場の「船通し」…2

(『新井郷川排水機場の「船通し」…1』のつづき)

70216.jpg下流側のゲートから閘室を見てみたくなり、職員さんにお願いしてみると、案内してくださるとのこと。排水機場の建屋に沿った細い通路に入って、閘室を眺めながら下流側へ。

夜間設備の照明が、なぜか閘室の外側を向いて立っているのが気になります。注水用ゲートのみを照らす灯りなのでしょうか。


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ゲートの前には簡単な管理橋があり、閘室の対岸に渡れるようになっていました。右側の堰柱、銘板がありますね。近くでバッチリ撮れそうです。左側にはエアコンの室外機があるところを見ると、ここも巻上機室内で運転する、機側操作なのでしょうか。

70218.jpg銘板は二つのゲートのものが並べられていました。「船通しゲート」が今目の前にしている閘門のゲート、「補助ゲート」が閘室に注水するスライドゲートです。

閘室の扉体は6×3.95mですから、閘門全体の規模から極小閘門といわないまでも、かなり小さいですね。鋼製ローラーゲート、ステンレス製スライドゲートと、二つの扉体の材質や型式が違うのも興味をひかれます。

70219.jpg巻上機室の中も見せてくださるとのことで、嬉々として職員さんの後について階段を上る船頭。いや~、巻上機室の中に入れていただくのはこれが初めてです、顔がだらしなくニヤつくのを、抑えることができませなんだよ。

この酷暑とくれば、部屋の中は相当な温度になっているに違いない…。しかし二度とないこの好機、暑熱ごときを恐れておらりょうかと、すでに汗だくになりつつも力みかえります。



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階段をほぼ上り切ったところで、振り返って上流側を眺めたところ。閘室から左手(東側)は、低い堤防によって閉め切られています。河道は排水機場の前後のみ幅が広がっており、ちょっとした貯水池のような眺めです。

閘門の上流側ゲート左側に見える水門は、「自然排水ゲート」なる名前がついていました。水位によっては、この水門を開放して排水するのでしょうか。堰柱が低い割に、巻上機室が頭でっかちなせいか、どこかキノコっぽい、可愛らしい感じがする水門です。
撮影地点のMapion地図

(23年8月10日撮影)

(『新井郷川排水機場の「船通し」…3』につづく)

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新井郷川排水機場の「船通し」…1

(『通船川水門…2』のつづき)

70211.jpg阿賀野川を渡ってやって来たのは、農林水産省・北陸農政局の管轄下にある、新井郷川排水機場。標高が1m未満の土地が大半を占める、旧豊栄市地域の治水の要となっている排水機場です。

ここを訪ねたのは、もちろん閘門があるからですが、敷地の外から閘門を観察するのは、地図の上で見てもどうも難しそうです。ところが幸いなことに、地元の方のご紹介で見学の許可が下り、閘門を間近に見られることとなりました。お世話になった皆様、ありがとうございました。
撮影地点のMapion地図

70212.jpg排水機場の前庭には、記念物らしい塔状の建物(上写真)が。近づいてみると、旧排水機場の軸流ポンプが飾られていました。船舶の可変ピッチプロペラに似ていますね。

【新発田】くらしを守る新井郷川排水機場」(新潟県)に略歴や諸元が掲載されていますが、旧排水機場(新井郷川大排水機場)は昭和36年に、現排水機場は平成7年の竣工。「新潟県で2番目に大きな排水機場」という一言に、地域の期待の大きさが見て取れます。

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排水機場本体の見学は失礼して、巨大な除塵機群を間近に眺めながら閘門へ。ちょっと残念な気もしますが、時間が限られているので致し方ありません。

70214.jpg排水機場の建物が途切れたところに、まるで寄り添うようにして造られた閘門が出現。決して小さい閘門ではないのですが、隣接する建屋のカサが結構あるためか、「可愛らしい閘門だなあ」というのが第一印象でした。

しかし、今まで見た4つの閘門同様、閘室の護岸には、ビットやアイのたぐいがほとんど見えませんね。ここまでくると、新潟の閘門独特の特徴のように思えてしまいます。

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閘室の外側から。後で銘板を紹介しますが、この閘門「船通し」が正式名称です。この名前で呼ばれている閘門は、略式の構造である場合が多いのですが、よく見ると注排水ゲートを備えた本格閘門。写真でも閘室側壁の右手に、注水ゲート設備が出っ張っているのがわかりますね。

案内してくださった職員の方に、「いつも通っている江戸川閘門は、扉体を細目に開けて直接注排水している」と話したら、「それはちょっと、(通航船が)危険じゃないですか?」との反応がありました。


(23年8月10日撮影)

(『新井郷川排水機場の「船通し」…2』につづく)

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