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岡崎渡船…2

(『岡崎渡船…1』のつづき)

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写真や映像では知っていても、この手の渡船を実見するのは初めてなので、人があまりいないのをいいことに周りをウロついて堪能。真正面から見た甲板上もいいですねえ。

当然ながら甲板上はほぼフラットで、船橋下に機械室の凸部が見える程度。ごく短距離の渡船のこととて、ベンチのたぐいは見られません。いっぱいに使えば軽自動車くらいなら載せられそうですが、クルマはもちろん橋を利用するでしょう。

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239013.jpg陸閘を入って左側にある、詰所兼待合所。建物は乗り組みさんの詰所で、利用者にはその手前にあるベンチが供されています。

右は詰所の壁に掲げられた時刻表。岡崎発は6時台~8時台と最終便が20分ヘッド、その他は10~12時台の閑散時間帯をのぞき30分ヘッドというローテーションで、ご覧のとおり対岸の土佐泊は着後3分で即折り返し。渡船は原則、岡崎に繋留されているのですね。

239014.jpg時刻表を見ていたら、足元をツツッと横切る黒いものが。小さなカニさんでした。

乗り場の岸壁から水面をのぞき込むと、水はきれいで魚が泳ぎ海藻がゆらめいているのがよく見え、コンクリートの継目にはカニさんのお仲間もたくさん。生き物にとって住みよい水域のようです。


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定刻少し前になると、船長と甲板員さんのお二人が詰所を出て、乗り込んできました。我々は土佐泊に渡るわけではないので、船長に「往復乗っていていいですか?」とうかがうと「どうぞ!」とのお答え。自転車を押す地元の方と一緒に乗り込みました。

船長が船橋に上がりエンジンがかかると、甲板員さんはもやいを解いてから、開いたままのバウランプ手前にロープを張ります。爆音が高まって後進で離岸。右手奥に撫養川大橋を眺めながら、3分間のささやかな船旅が始まりました。

(元年9月14日撮影)

(『岡崎渡船…3』につづく)

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タグ : 岡崎渡船撫養川小鳴門海峡鳴門市

岡崎渡船…1

(『徳島へ行って来ました』のつづき)

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最初の目的地は、撫養航路の一部であり、鳴門市の臨海部を南北に伸びる撫養川の北端、小鳴門海峡を望む風光明媚なところ、岡崎。ここから対岸の大毛島・土佐泊を結ぶ、岡崎渡船に乗ってみようとやってきたのです。撫養航路の船に乗れないことが決まった以上、少しでもご当地の船を体験しておきたいという気持ちも正直ありました。

小鳴門海峡にはこの岡崎渡船のほか、黒崎、島田と計3つの渡船があるのだそう。陸閘を備えた防潮堤の向こうに、渡船の船橋が顔を出しているのが見えました。

239007.jpg入口の左には、陸閘を閉じたときのために階段が設けてあったので、天端に上って渡船と初顔合わせ。バウランプを備えた、可愛らしい感じの船がスロープにバウづけしていました。

渡船」(鳴門市HP)に詳細がありますが、正式な航路名は「市道岡崎渡船場線」といい、運賃は無料です。その名のとおり市道の一部として機能している、地元の方のための足なのです。

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渡船「さざなみ」を左舷から一枚。晴天のおかげで、白と青の船体色がよく映え、背後の緑濃い山並みともよくマッチしています。揚陸艇のようなバウランプを持つ渡船は、軽車輌も載せられる機能性もあって、各地で活躍しているのでしょうが、私はこれが初体験。

先ほどのサイトから要目を拾うと、6.6総t、6kt、174psで主機ディーゼル、平成7年進水とのこと。幅があるせいか、ちょっと寸詰まったようなところに可愛らしさを覚え、いっぺんで好きになってしまいました。

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239010.jpg船尾は丸みを帯びて、優しい感じのする書体で「さざなみ 鳴門」と船名と船籍港が。甲板上をまたいだ船橋から後ろはオーニングが張られ、ここがいわば旅客スペースなのでしょう。

船首水線近くは、ゴムのフェンダーでも貼ってあるのかしらと思ったら、数本のリブが走っているのみで鋼板のまま。引き波が寄せて揺れるたび、スロープとぶつかりゴォン、ゴォンと梵鐘のような音がして、それがまた、何とものどかに思えたものでした。
撮影地点のMapion地図

(元年9月14日撮影)

(『岡崎渡船…2』につづく)

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