手賀沼調節水門を訪ねて…5
(『手賀沼調節水門を訪ねて…4』のつづき)

●ふたたび管理橋上、北詰近くから南を見て。高低2基のゲートが並立しているのって、いかにも閘門、という感じがして高揚感のある眺め。
いや、二つ並んだゲートに喜び勇んで近づいてみたら、単なる二重水門だった、という悔しい過去が何度かありますんでねえ‥‥。高さに差があれば、まず閘門に間違いないからです。
●そうそう、後扉室のセルフ操作チェーンをもう一度見てみたら、気になるところがあったのでメモとして。チェーンの先端近く、亜鉛引き鉄板らしいプレートがボルト留めされているのが見えますが、手前の横になった1枚、薄れてはいるものの「開」の文字が読めますね。
セルフ閘門には珍しく、一切の操作説明が掲げられていない中、唯一の説明らしいものがこのプレートというわけ。まあ、これがないとどっちを引っ張っていいのか、わかりませんものね。

●北詰西側にある詰所風の建物は、門柱に「調節水門操作室」とありました。銘板にも「コンクリートブロック造り」とあったように、壁面は全てブロック積みというのが、今となっては珍しいですね。窓周りの様子から、サッシは一度更新されたようです。

●操作室の裏手に回って、枯れたガマの穂越しに、冬枯れた雰囲気の一枚をとスナップしてみたもの。
とにかく風が冷たくて、手袋なしの手がかじかんで往生しましたが、爽やかに晴れた冬空の下、閘門と水門風景を大いに楽しんだのでした。
●水門を眺めた後は、北詰近くの手賀沼水産会館2階にある、「numa Cafe」でおいしいコーヒーをいただいて温まったのですが、敷地内に観音像があったので、気になって説明を読んでみました。
説明板によると、この像は手賀沼聖観世音菩薩といって、明治以降に水難で亡くなられた250人余りを供養するため、昭和53年に建立されたものだそう。観音様に手を合わせ、一礼してから湖畔を離れたのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(31年1月27日撮影)
(この項おわり)

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●ふたたび管理橋上、北詰近くから南を見て。高低2基のゲートが並立しているのって、いかにも閘門、という感じがして高揚感のある眺め。
いや、二つ並んだゲートに喜び勇んで近づいてみたら、単なる二重水門だった、という悔しい過去が何度かありますんでねえ‥‥。高さに差があれば、まず閘門に間違いないからです。

セルフ閘門には珍しく、一切の操作説明が掲げられていない中、唯一の説明らしいものがこのプレートというわけ。まあ、これがないとどっちを引っ張っていいのか、わかりませんものね。

●北詰西側にある詰所風の建物は、門柱に「調節水門操作室」とありました。銘板にも「コンクリートブロック造り」とあったように、壁面は全てブロック積みというのが、今となっては珍しいですね。窓周りの様子から、サッシは一度更新されたようです。

●操作室の裏手に回って、枯れたガマの穂越しに、冬枯れた雰囲気の一枚をとスナップしてみたもの。
とにかく風が冷たくて、手袋なしの手がかじかんで往生しましたが、爽やかに晴れた冬空の下、閘門と水門風景を大いに楽しんだのでした。

説明板によると、この像は手賀沼聖観世音菩薩といって、明治以降に水難で亡くなられた250人余りを供養するため、昭和53年に建立されたものだそう。観音様に手を合わせ、一礼してから湖畔を離れたのでした。
【撮影地点のMapion地図】
(31年1月27日撮影)
(この項おわり)

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手賀沼調節水門を訪ねて…4
(『手賀沼調節水門を訪ねて…3』のつづき)

●管理橋を渡って南岸、西側から眺めたところ。低く抑えられた堰柱と、間口にくらべ天地をしぼった水門の扉体が、どこか控え目な雰囲気を醸し出しています。水門と舟通しでは、扉体のスキンプレートの向きが逆なのがわかりますね。

●舟通しの前扉室をズームでたぐって。左側の堰柱、セルフ操作のチェーンが2本、強風にあおられて揺れているのが見えますね。こちらはちぎれてしまったのか、先端のアイ(環)は失われていました。周囲に何の説明もないのは他と一緒です。
●まだ設置して間がないのか、矢印の赤も鮮やかな河川管理境界の標識。水門から東、利根川に至る水路を手賀川としています。
ご存知のように、干拓によって東側の大半が手賀川となった手賀沼は、東西2つに分かれてしまいました。この点お隣の印旛沼とよく似ていますが、印旛沼が長門川を経て利根川に舟航できるのに対し、手賀川は排水機場のみで、利根川に出られないのが大きな違いです。

●水門の東側には新しい橋が架かっており、しかも管理橋より高さがあるとあって、眺めるには実に好都合です。ただし交通量は多く歩道も仕切られていないので、訪ねられる際はお気をつけて。
イヤ、いいですねえ。離れずとも、全容が視界にすっかり収まってしまうのは、小閘門ならではの楽しさ。実際に稼働することはもうほとんど無きに等しいにせよ、かろうじて現役状態に踏み留まってここに在ってくれるのは、閘門ファンとしてありがたいことです。

●後扉室を正面から。小なりといえどやはり閘門、どっしりとした頼もしさを感じさせる風貌。橋上で寒風に震えながら、その星霜を経た枯れた面持ちに、しばし見入ったことではありました。
【撮影地点のMapion地図】
(31年1月27日撮影)
(『手賀沼調節水門を訪ねて…5』につづく)

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●管理橋を渡って南岸、西側から眺めたところ。低く抑えられた堰柱と、間口にくらべ天地をしぼった水門の扉体が、どこか控え目な雰囲気を醸し出しています。水門と舟通しでは、扉体のスキンプレートの向きが逆なのがわかりますね。

●舟通しの前扉室をズームでたぐって。左側の堰柱、セルフ操作のチェーンが2本、強風にあおられて揺れているのが見えますね。こちらはちぎれてしまったのか、先端のアイ(環)は失われていました。周囲に何の説明もないのは他と一緒です。

ご存知のように、干拓によって東側の大半が手賀川となった手賀沼は、東西2つに分かれてしまいました。この点お隣の印旛沼とよく似ていますが、印旛沼が長門川を経て利根川に舟航できるのに対し、手賀川は排水機場のみで、利根川に出られないのが大きな違いです。

●水門の東側には新しい橋が架かっており、しかも管理橋より高さがあるとあって、眺めるには実に好都合です。ただし交通量は多く歩道も仕切られていないので、訪ねられる際はお気をつけて。
イヤ、いいですねえ。離れずとも、全容が視界にすっかり収まってしまうのは、小閘門ならではの楽しさ。実際に稼働することはもうほとんど無きに等しいにせよ、かろうじて現役状態に踏み留まってここに在ってくれるのは、閘門ファンとしてありがたいことです。

●後扉室を正面から。小なりといえどやはり閘門、どっしりとした頼もしさを感じさせる風貌。橋上で寒風に震えながら、その星霜を経た枯れた面持ちに、しばし見入ったことではありました。
【撮影地点のMapion地図】
(31年1月27日撮影)
(『手賀沼調節水門を訪ねて…5』につづく)

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手賀沼調節水門を訪ねて…3
(『手賀沼調節水門を訪ねて…2』のつづき)

●高欄ギリギリまで迫った前扉室ゲート。裏側も褪色が進み、塗料が剥離して生地が出てしまっている部分も見受けられました。点検運転しているのかなあ‥‥。
●前扉室堰柱の橋上から向かって右側、2本のレバーにチェーンが下がっている‥‥。もしかして、セルフ操作の把手? 後扉室を急いで見直してみると、向かって左側にチェーンが2本、からまったようになって下がっていました。
操作説明など、どこを見回しても何も掲げられていませんでしたが、セルフ操作式だったのですね。機側操作と思ったのは勘違いでした。

●左側の堰柱には、風格ある書体で書かれた銘板が。正式名称は関東農政局手賀沼調節水門、扉体の製造は三菱重工横浜造船所。竣工年が記載されていないのが妙ですね。管理橋の親柱に書いてあるので、こちらは省略ということでしょうか。
閘門はやはり「舟通し」と呼称、径間5m、巻上速度0.5m/秒。閘室寸法に触れられていないのが、ちょっと物足りません。

●舟通しゲート前から管理橋上、南を見て。水門のゲートが低いため、管理橋としては眺望が妨げられておらず、明るい印象です。
右写真、塗料がすっかり剥離して読みにくいですが、水門ゲートの銘板。2000年3月とあるので、扉体周りは一度更新されていることがわかりました。もしかして、更新以来再塗装はされていないということでしょうか‥‥。
(31年1月27日撮影)
(『手賀沼調節水門を訪ねて…4』につづく)

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●高欄ギリギリまで迫った前扉室ゲート。裏側も褪色が進み、塗料が剥離して生地が出てしまっている部分も見受けられました。点検運転しているのかなあ‥‥。

操作説明など、どこを見回しても何も掲げられていませんでしたが、セルフ操作式だったのですね。機側操作と思ったのは勘違いでした。

●左側の堰柱には、風格ある書体で書かれた銘板が。正式名称は関東農政局手賀沼調節水門、扉体の製造は三菱重工横浜造船所。竣工年が記載されていないのが妙ですね。管理橋の親柱に書いてあるので、こちらは省略ということでしょうか。
閘門はやはり「舟通し」と呼称、径間5m、巻上速度0.5m/秒。閘室寸法に触れられていないのが、ちょっと物足りません。


右写真、塗料がすっかり剥離して読みにくいですが、水門ゲートの銘板。2000年3月とあるので、扉体周りは一度更新されていることがわかりました。もしかして、更新以来再塗装はされていないということでしょうか‥‥。
(31年1月27日撮影)
(『手賀沼調節水門を訪ねて…4』につづく)

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手賀沼調節水門を訪ねて…2
(『手賀沼調節水門を訪ねて…1』のつづき)
●名称の件、つづき。橋詰に掲げられた水門の占用許可標を眺めて、またも気になった部分が。2行目の「占用の目的」欄、曙堰となっていますよね?
特に調べたわけではないので妄想の開陳は避けますが、橋同様、水門もしくは堰の方も、二つ名を持っているというだけで興味深いですね。

●しかし風が冷たくて、まあ寒いこと。さっそく閘門から堪能してまいりましょう。まずは後扉室から。
径間4~5mほどの極小閘門といってよいタイプ。橋から人が上らないようにするためでしょう、堰柱上に物々しい柵が設けられていますね。閘室側壁の上は鳥の糞が目立ち、水鳥たちの休憩場所となっていることもうかがえます。
●柵が大げさなのは、遠隔操作の設備がなく、機側操作のみなのかもしれません。頭に回転灯のついた操作盤をズームでたぐってみると‥‥。
おお、ボルメーターが触れていますね。電気は来ていて、一応の可動状態にあることを確認。周りの傷み具合にくらべて、操作盤のボックスは良い状態なので、電気設備の更新はなされているのでしょう。

●操作盤の手前で目立っていた、開度計も柵越しに一枚。指針はほぼ一杯を示していますが、ボディはもとより盤面も相当な傷み具合で、手が入らなくなって長いことを感じさせます。

●後扉室を正面から。柵やハシゴはすべて赤錆びて、扉体も褪色しきったあげく錆を生じており、風化したコンクリートの肌とともに、放置されていると見られても無理はない状態。刺すような寒風に吹きさらされていることも手伝って、寂寥感のある水門風景でした。
【撮影地点のMapion地図】
(31年1月27日撮影)
(『手賀沼調節水門を訪ねて…3』につづく)

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特に調べたわけではないので妄想の開陳は避けますが、橋同様、水門もしくは堰の方も、二つ名を持っているというだけで興味深いですね。

●しかし風が冷たくて、まあ寒いこと。さっそく閘門から堪能してまいりましょう。まずは後扉室から。
径間4~5mほどの極小閘門といってよいタイプ。橋から人が上らないようにするためでしょう、堰柱上に物々しい柵が設けられていますね。閘室側壁の上は鳥の糞が目立ち、水鳥たちの休憩場所となっていることもうかがえます。

おお、ボルメーターが触れていますね。電気は来ていて、一応の可動状態にあることを確認。周りの傷み具合にくらべて、操作盤のボックスは良い状態なので、電気設備の更新はなされているのでしょう。

●操作盤の手前で目立っていた、開度計も柵越しに一枚。指針はほぼ一杯を示していますが、ボディはもとより盤面も相当な傷み具合で、手が入らなくなって長いことを感じさせます。

●後扉室を正面から。柵やハシゴはすべて赤錆びて、扉体も褪色しきったあげく錆を生じており、風化したコンクリートの肌とともに、放置されていると見られても無理はない状態。刺すような寒風に吹きさらされていることも手伝って、寂寥感のある水門風景でした。
【撮影地点のMapion地図】
(31年1月27日撮影)
(『手賀沼調節水門を訪ねて…3』につづく)

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手賀沼調節水門を訪ねて…1

干拓によって、湖面が狭められ手賀川となった落し口の北岸に降り立つと、強風で水面は波立ち、遠く対岸に立つ煙も地表に沿ってたなびいていましたが、清々しい水辺風景に心洗われる思いがしました。

●お目当てはもちろん、水門‥‥それも閘門併設のものがあるから。手賀沼調節水門です。両岸近くは越流させるタイプの固定堰、中央にはローラーゲートの水門と閘門を備えたハイブリッド(?)タイプ。
冬の陽射しを反射する色褪せた扉体、黒ずんだコンクリートの堰柱の向こうには、細身の橋灯がさっ、さっと立ち並ぶ姿‥‥。鄙びた、それでいて落ち着いた存在感のある水門だなあ、というのが第一印象でした。

橋詰に立って、管理橋の袖高欄にまず惹かれました。橋上の高欄は普通の格子状ながら、こちらは対照的なソリッド、親柱から90度クネッと曲げて、ぐんと手前に伸ばしたあたり、力強さがあって素敵。水門周りで、唯一意匠的な造形を感じさせた部分でした。

●二本の親柱にはめ込まれた銘板、それぞれ読み下したら気になる内容だったので、2枚とも撮ってみました。北詰のそれは光の加減で判読が難しかったので、写真は南詰のものですが、内容、配置とも同じです。
まず左側から。「手賀沼調節水門管理𣘺/昭和四十二年二月竣工」、うんうん、水門の管理橋ですからね、さもありなん。竣工年も明記されていて、この手の橋としてはしごく普通の銘板。

●さて、右側のそれに目をやると‥‥「手賀あけぼの𣘺」! う~ん、二つ名を持つ橋とは、意表を突かれました。正式名称と、地元の方に愛着を持ってもらうための愛称といったところでしょうか。
水門の鑑賞から脱線し恐縮ですが、名前の件、次回も続きます。
【撮影地点のMapion地図】
(31年1月27日撮影)
(『手賀沼調節水門を訪ねて…2』につづく)

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