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広島の水上バス…2

(『広島の水上バス…1』のつづき)

9031.jpgお客さんは各ボックスに一人づつ程度と、ほどよい混み具合で定刻に出港。風のないおかげで、一面に蒙気が立ち込めるあいにくの天気ですが、波は静かで、乗り心地は上々です。

エンジンの爆音はますます高まり、船は船首をぐっと高めて、スピードを上げてゆきます。これって…もしかしてプレーニング(滑走状態)に入っているの?

9032.jpg乗るまで気づかなかったのですが、この航路の船は、れっきとした高速船なのですね。姿勢の低い、いかにも水上バスといった姿からは想像できない韋駄天ぶりで、広島湾を切り裂いてゆきます。

ちょうど下り便が反航してきて、その走りぶりを見ることができました。船員さんによると、ボルボ製のエンジンを搭載しているのだとか。ちょうどお客さんに、スゥェーデンから来た人がおり、船員さんは「あなたの国のエンジンを積んでいる」と、熱心に説明していました。

9033.jpg宮島の最北端、聖崎沖を通過するとき、船員さんの示す方を見ると、石造りの灯明台が。この小島は蓬莱岩という岩礁で、海難防止のため、江戸末期に灯明台が造られたのだそうです。

これに毎晩灯りをともすのは、大変な仕事だったことでしょう。今は見たところ、石造部分しか残っていないようでしたが、かつては木造の足場や、油障子をはめ込んだ火屋があったに違いありません。

9034.jpg激走(?)20分、クレーンの林立する港湾風景が近づいてきました。三菱重工の広島工場ですね。

船員さんの説明では、ボーイングの航空機部品を製造しているのだとか。写真では陰になっていますが、右手の建屋側面には、ジャンボ機の絵が描かれていました。


9035.jpg三菱重工を左手に見て、さて、いよいよ本川(旧太田川)へ進入です。

船足は次第に落ちて、船首が下がってきました。もはやじっとしていられません。勢い込んで、船員さんに「外に出ていいですか?」と声をかけると、気圧されたようにハッチを開けてくれました。
さあ、ここからが本番だ!
撮影地点のMapion地図

(21年7月5日撮影)

(『広島の水上バス…3』につづく)

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タグ : 広島 本川 アクアネット広島 水上バス

宮島航路…2

(『宮島航路…1』のつづき)

9021.jpgデッキに上がって間もなく離岸。霧のかかったあいにくの天気ですが、初めて見る瀬戸内は、厳島の重畳たる山並みが迫り、やはり独特の美しさがありました。

ふと左舷側を見ると、松大汽船の船が、往復便とも航行中なのが見えました。10~15分間隔という頻発ぶりが実感できます。

9022.jpgうたい文句どおり、我々の乗った船は大きく迂回航路を取り、厳島神社の大鳥居を右舷に見るかたちで接近。同乗の人たちも、いっせいにカメラのシャッターを切っています。

いや~、背後の緑と、神社や鳥居の丹塗りのコントラストが、実に見事。日本三景の一つに数えられるのも、むべなるかな。

9023.jpg宮島の桟橋が近づいてきました。何分短い航路で、その上大鳥居を眺めたりと忙しいですから、本当にあっという間ですね。

こちらの桟橋も、銅葺き風の上屋が設けられた立派なもの。向こうには、先発していた松大汽船の船が見えます。

9024.jpg桟橋から、海岸沿いの表参道を歩いて、厳島神社へ。干潮に向かう時間帯でしたので、鳥居の周りにはしだいに干潟が現れはじめています。

以前、香取・鹿島の両神宮、そして息栖神社と、水郷三社の浜鳥居を訪ねましたが、いずれも水辺の陸上にあって、水上に鳥居のおわす古式を留めているところはありませんでしたから、ここ厳島で、ようやく浜鳥居本来の姿を目にできたことになり、嬉しく思えたものです。

9025.jpgこれは見事な反橋ですね、説明によると、勅使橋とも呼ばれているとのこと。なかなかお目にかかれない古式の橋だけに、興味深く眺めてしまいました。

潮の引いた干潟には、一面にカニの巣穴が開いており、無数のシオマネキがピョコピョコと、例の潮を招くダンスをしていました。干潟はもちろん立ち入り禁止でしょうから、カニさんたちも安心して暮らしているのでしょう。
撮影地点のMapion地図

(21年7月5日撮影)

(『広島の水上バス…1』につづく)

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タグ : 広島 宮島航路

宮島航路…1

(『広島の川景色拝見…3』のつづき)

…さて、慌てて戻ってから、先輩たちに宮島~平和公園直行便のあることを話し、帰路に如何と提案してみると…。「乗ってみようか?」「乗換えがないのがいいね」と、幸いにして賛同してくれました(ホッ)。

心の中で「よっしゃ!」とガッツポーズ。さあ、これで明日は、ご当地広島の川走りを堪能できるぞ!

9016.jpg集まりも成功裏に終わり、翌5日は予定通り、宮島観光。往路はJRを利用して、宮島口に到着。

ご存知のとおり、宮島口と宮島を結ぶ航路は、広電系の宮島松大汽船と、JR西日本系のJR西日本宮島フェリー㈱の二つがあり、どちらも15分おきに出港しています。
広電がホーム直結の便利さと、「宮島行き直行便」の大きな看板でアピールすれば、JRも負けじと「大鳥居に接近! 海から参拝できます!」と応じており、面白く思ったものです。

9017.jpg桟橋に入ると、すでに結構な列ができており、人の頭越しに周りを眺めるような状態。ご覧のとおり桟橋の上屋は、丹塗り風の凝った造りで、参拝の雰囲気を盛り上げています。

あ、左の作業艇、昔乗っていた先代の艇と同じタイプ…。何分若いころは手元不如意だったこともあり、この艇のようなハードトップはついにつけずじまいでしたが、肉厚なハルが頼もしい、いい艇でした。

9018.jpg15分おきの頻発運航ですから、ほどなく船が到着。「みやじま丸」ですね。最新鋭船に当たったようです。

小さいながらも、カーフェリーの機能を持ったダブルエンダー(双頭船)で、平成18年の就航です。



9019.jpg接岸してランプが開くと、宮島からのお客さんが、どっと降りてきました。

ここに来てふと思い出したのですが、子供のころ読んだ本には、国鉄が運航する鉄道連絡船として、青函、宇高、仁堀の各航路と並んで、「最も短距離の連絡船」と特にことわり付きで、この宮島航路が紹介されていました。今や、旧国鉄系で唯一の鉄道連絡船になってしまったのですね。

9020.jpgみやじま丸のデッキに上がって、お隣の松大汽船の船を一枚。「第二みやじま」、こちらも双頭船ですね。

こちらも乗ってみたかったのですが…。この後は川走り付き(?)水上バスという、大きな楽しみが待っているので、がまん、ガマン。
撮影地点のMapion地図

(21年7月5日撮影)

(『宮島航路…2』につづく)

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タグ : 広島 宮島航路

広島の川景色拝見…3

(『広島の川景色拝見…2』のつづき)

9008.jpgふたたび相生橋を渡り、原爆ドーム前から元安川を眺めつつ歩いていると…。
おお! 水上バスが遡上してきた!

石材で化粧した美しい桁橋、元安橋をくぐり、こちらに向かってくる白い船体…あれこそ、時間が押している中ここにやって来た、最大の目的でもありました。

9009.jpgザアザアと水切り音をたてながら、眼前を横切ってゆく船を見送って…。バウに書かれた船名は「きらら」。船体中央にも見えるように、宮島とここ、平和公園を結ぶ航路に就航しているのです。

当たり前ですが、宮島~平和公園間となれば、航程のうち結構な距離が川…。広島を訪ねる機会があったら、ゼヒ乗ってみたいと思っていたのです。

9010.jpg元安橋橋詰の下流にある、元安橋桟橋。待合室付きのポンツン桟橋です。

船が走っているのを見て、とりあえず、運航していることは確認できたので、ホッとしました。(以前『廃止された』との話を聞いたことがあったので…)どうやら今の船が最終便だったようで、切符売り場は閉まっていましたが、時刻表でもあったら、もらってゆきましょう。

9011.jpg時刻表とリーフレットが置いてあったので、一枚づついただいて帰ることに。先輩によると、この日の用事が済んだら、翌日5日は宮島を観光してから帰京するとのことでしたので、もらったリーフレットを見せて、帰路は水上バスでどう? と提案してみようと思ったのです。

看板にある時刻表を見ても、約1時間おきに便があり、1本逃したからと言って、慌てることもなさそうですね。(詳細は『アクアネット広島』参照)


9012.jpg桟橋をのぞき込むと、2隻の水上バスがもやっていました。青白のツートンと、後ろはピンク一色。手前の船は、キャブを片寄せして張り出させており、この角度から眺めると精悍な感じがします。

時計を見ると、もう予定の時刻ギリギリ…。明日はこの船たちの、どれかに乗れることを祈りつつ、大慌てで帰路につきました。
撮影地点のMapion地図

(21年7月4日撮影)

(『宮島航路…1』につづく)

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タグ : 広島 元安川 アクアネット広島 水上バス

広島の川景色拝見…2

(『広島の川景色拝見…1』のつづき)

9006.jpg平和公園の北端を横切り、本川側に出ました。ふと上流側、相生橋を見てみると、桁の中央に「航路」という文字が。可航河川を匂わせるこういうパーツ、イイですねえ!

こちらは干満の差が、関東にくらべて激しいはずですから、干潮時の航行はご苦労が多いことでしょう。これはこの翌日、実感させられることになります。

9007.jpg丁字に架かった相生橋の、横棒の部分から、縦棒の部分を見たところ。変わった形の橋って、渡るだけでも楽しいものですね。

縦棒のちょうど橋詰になった、分流点の護岸ですが、「慈仙寺鼻」と呼ばれているとのこと。これは現在、広島市中区の江波皿山にある慈仙寺(Mapion地図)が、かつてここにあったことにちなんでいるそう。
先ほど見た「出鼻」同様、河川構造物に固有名詞がついているあたり、当時の人たちにとっては印象深い景観だったことがうかがえます。
撮影地点のMapion地図

9013.jpg本川の対岸を見たところ。結構な数のプレジャーボートがブイ繋留されており、この川が生きた航路であることが実感できます。

先頭から2~3隻目、ちょっと派手な感じの、同じ塗装をしたボートが気になります。

9014.jpg相生橋の重厚な親柱。球形のオブジェを乗せた姿は、どこか両国橋を思い出させるものがありました。

爆心地に近いこのあたり、もちろん戦後復興されたものとは思いますが、砲金の立派な銘板があることも手伝い、戦前製のような風格が感じられます。




9015.jpg相生橋上流には、もう一つの繋留施設が。ポンツン上に造られた上屋の雰囲気から見て、繋留施設の管理事務所といったところでしょうか。

河川繋留については、さまざまな意見があることは承知していますが、少なくとも私にとって、生気のある川景色とは、そこにもやい、上り下りするフネブネのある川景色。その意味でも、広島の川の第一印象は、とても良いものでした。

(21年7月4日撮影)

(『広島の川景色拝見…3』につづく)

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タグ : 広島 本川 慈仙寺鼻