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2月18日の巡視艇

(『ガット船にびっくり!』のつづき)

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穏やかで気持ちのよい日和を楽しみながら、曙運河を南下して辰巳埠頭の東に出てきました。青空を映した清々しい水面に出ると、沖からのゆるやかなうねりが船体に感じられて、これまた爽快。

墨田川造船辰巳の桟橋には、おなじみ「まつなみ」がもやっています。出渠直後なのか、塗装がきれいですね。向こうにも何隻か艤装艇がいるようなので、拝見してみることに。

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おお、最近まで本社前で艤装中だった、「ささかぜ」「きくかぜ」「しゃちかぜ」の3隻が揃い踏み。近いサイズの艇が、メザシで並ぶとゴージャス感が半端なく、すごく得をした気分に。

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も少し距離を取ってから、「まつなみ」と一緒に一枚。親鳥に見守られた鴨のヒヨコのようで、ちょっと可愛らしくさえ思える光景です。

3艇の船上や桟橋には数人の人が出入りしていて、何やら準備をしている雰囲気。もしかして、これから3隻同時の引き渡し式典でもやるのかしら?

294009.jpg続いてゆるゆると辰巳埠頭沿いに歩かせ、もやう内航船たちの姿を眺めながらのひととき。お天気がよいと、何を眺めても美しく、カメラを向けても楽しさが倍加しますよね。

岸壁上のクレーンから、荷役をしている船がいました。「第十八清光丸」、積載中の品は軽のワンボックス。離島向けのものでしょうが、自動車ってカバーもせず、ホールド上に裸積みの例が多いですね。潮っ気でやられないのでしょうか。

294010.jpgいつも通っているところながら、本船に目が吸い寄せられているせいか、こういう上屋の書き物まで意識が行き届かず、たまに見ると実に新鮮な感じ。

最近は特に、パソコンに入っているモリサワ書体を字母にした例が増えているせいか、こうした独特のレタリングというだけで、貴重に思えてしまいます。ゴシック基調ながら、ちょっと寸足らずなところやアンバランスな部分に味があり、いかにも肉筆といった感じに惹かれるのです。
撮影地点のMapion地図

(令和5年2月18日撮影)

(『2月18日の水路風景…1』につづく)

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タグ : 巡視艇東京港

12月28日のフネブネ…4

(『12月28日のフネブネ…3』のつづき)

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291112.jpg恒例の墨田川造船本社での艤装船艇拝見。甲板上では皆さん作業中だったので、お邪魔にならないよう、距離をとって最微速でそろそろと。

前回「11月13日のフネブネ」では左側だった「きくかぜ」が艤装が進み右手へ。新たに進水したのは少し大型のCL204「ささかぜ」。前回は建屋の中で組立中だった艇ですね。20mタイプ、すずかぜ型巡視艇の一隻だそうです。

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そして砂町運河では、またもコンベア清掃船と行逢でき、上機嫌。「建河清 第6号」、作業が終了して引き上げる途中なのか、乗り組みさんは配置についておらず、コンベアも回していませんでした。操舵室の角にはすでに松飾りが見られ、お正月を迎える装いですね。

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最後の最後で、大物の航行風景に出くわすことができました! 砂町北運河通いのガット船‥‥プッシャー+バージです! バージ「第三十八共栄丸」と押船「第三十七共栄丸」のコンビ。

長声を延々と響かせて、狭水路通航に警戒しながらも、運河の規模からすれば"巨体"といってよいその姿、悠揚迫らぬどっしりとした雰囲気に感じられます。実は、発見早々増速しピッチングするのも構わず、片手でカメラを構えて下手な動画を撮っていたため、よいスナップが得られなかったというお粗末。

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すでに1月のタイトル画像でお目にかけたものですが、お気に入りの一枚になったので、ここに大判サイズを再掲させてください。ジブを高々と上げて砂町北運河に入りゆく、その重量感あふれる後ろ姿!

夢中でシャッターを切って、帰港後に確認し真後ろ、軸線ドンピシャ(もう死語かな?)で撮れていたことがわかったときの嬉しさったら! 桟橋上からは、割と頻繁に目にする航行風景ながら、水上ならではの角度から記録できた喜びは、また格別のものがありました。
撮影地点のMapion地図

(令和4年12月28日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 東雲北運河砂町運河巡視艇清掃船墨田川造船

11月13日のフネブネ

(『11月13日の有明南運河』のつづき)

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11月13日に出会った、フネブネの姿をまとめます。上は10号地西岸壁、VAバースにもやう近海郵船のRoRo船、「しゅり」を正面間近から仰いだところ。

逆光に浮かび上がる量感たっぷりの高い乾舷、非対称の船橋周りが印象的。15,816総tの迫力が堪能できる角度でした。

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墨田川造船辰巳、艤装中の「たかつき」の進捗記録。8月11日9月11日と見てきましたが、機銃座、電光掲示板も取り付けられ竣工も間近のよう。あとは細部の仕上げレベルといったところでしょうか。

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墨田川造船本社では、建屋内に伏せた状態で組立中の、新たな船体が登場。右側、10月23日にはまだ船体のみだった巡視艇に、甲板室が立ち上がっていました。

すでにトランサムへ抜き文字の船名が取り付けられていましたが、「✕✕かぜ」なのは何とかわかったものの、判読には至らず‥‥。ともあれ連続建造の賑わい、嬉しいものです。

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前回進水直前と思われた「きくかぜ」が進水、「しゃちかぜ」と並んでの艤装に入っていました。同型艇が続々生み出されてゆくのって、ホントにいいですなあ‥‥。

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毎度のごとく、木村造船所はどうかしらとのぞいてみると‥‥オッ、と思わず声が出ました。消防艇が2隻仲良く塗装中で、その鮮やかな塗色に目を奪われたからです。

左の「はるみ」はすでに船名に白く色が差され、ジンクも新しいものが取り付けられていますね。「きよす」は塗装が終わっていないのか、まだマスキングされたまま。どちらもウォータージェットのノズルを取り外しているので、普段はゴツいトランサム周りがすっきりした感じに。上架時ならではの表情が見られて、興味深いですね。

(令和4年11月13日撮影)

(『11月13日の水路風景』につづく)

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タグ : 東京港東雲北運河巡視艇消防艇墨田川造船

10月23日の官船たち

(『築地大橋の怪物』のつづき)

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おなじみの"官船"たちのスナップほか、いくつかまとめます。天気がよいと、何を撮っても楽しいですね。

臨港消防署を少し引き気味に眺めて。降り注ぐ秋の陽射しに船橋構造物を輝かせて、「みやこどり」と「おおえど」が桟橋に憩うていました。背後のマンション群、足場がかかっていますがまだ選手村からの改装が竣工していないのでしょうか。

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同じ「みやこどり」でも、こちらは湾岸署の警備艇。豊洲運河水上派出所の前にもやう、これもおなじみの光景です。

並みいる派出署の中でも、ここは陸上の交番に最も近い雰囲気を持つ建物。スマートな警備艇と、今や古風といってよい"交番"のミスマッチ感、何度目にしても味わいがあります。

288008.jpg艇を進めると、魚が水面からピョンピョンと跳ねる東雲北運河をゆるゆる歩かせて、墨田川造船へ。先月進水した巡視艇、「しゃちかぜ」の艤装はどうでしょうか。

暁橋越しに眺めた艤装桟橋‥‥黒く塗り上げられたポンツン「すみだ7」にもやった「しゃちかぜ」、船尾から見るとまだ喫水が浅くて、水線下の船底塗色が目立ちますね。


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288010.jpg「しゃちかぜ」、先月25日とくらべると、甲板室の下塗りがほぼ完了したようで、一面グレーになっていました。

建屋のシャッターが開いており、建造中の艇をチラ見‥‥。船体の塗装が済んだ進水間近の艇、トランサムの船名は「きくかぜ」と読めました。右手にももう一隻、建造中の未塗装船体が見えますね。
撮影地点のMapion地図

(令和4年10月23日撮影)

(『綾瀬新橋に行こうとしたら…1』につづく)

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タグ : 朝潮運河東雲運河東雲北運河消防艇警備艇巡視艇墨田川造船

国葬儀の警備船艇

(『9月25日の東雲北運河』のつづき)

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だいぶ日時が経ってしまったので、こちらを順不同で先にやらせていただきます。
この日は第一航路から多摩川へ向かったのですが、有明の国際クルーズターミナルに珍しく巡視船がもやっていたので、近づいてみました。

おお、横浜から来た「ぶこう」だ。広いヘリ甲板のフラットに、船橋と隣接した煙突が全体を引き締めていて、くにがみ型はスマートですね。

287017.jpgこの時分に大型巡視船がなぜ、と思ったのですが、考えてみたらこの2日後に、故安倍晋三元首相の国葬儀があり、各国からも参列者が来日するため、水上からも警備する必要があるためだと気づきました。

ちょうど複合艇が接舷、乗り組みさんが縄梯子で移乗中。五輪の際と同様、装載艇での警備も行われていたのでしょう。

287018.jpg第一航路をさらに南下していると、続いて湾岸署の警備艇「あさしお」と行逢しました。

こちらは通常の哨戒なのでしょうが、国葬儀のことに思い当たったので、警備艇にもいつもと違った緊張感が漂っているように感じられ、いらぬ不審を与えないよう、神妙(?)に航過したものでした。


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この日は南風が入ってきたので、第一航路も港口近くなると波が立ち始めたのですが、少し前から気になっていたのは、羽田沖に留まっている船影。逆光を透かして見ると、どうやら巡視船のような。ガブるのをがまんして、判別できるところまで南下することに。

城南島の東まで来て、揺れる艇上でズームをいっぱいにして撮ってみると‥‥やはり! ヘリ巡視船「さがみ」(元『おおすみ』)だ! 左舷のアンカーを降ろしているように見えたので、錨泊しているのでしょう。海外の首脳クラスも参列した国葬儀、空港沖の警備拠点として、にらみを利かせていたわけですね。

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多摩川から戻って晴海沖まで来ると、巡視艇「やまぶき」が微速で遊弋中でした。墨田川造船で生まれ、所属も東京と生粋の江戸っ子巡視艇といったところ。

五輪警備の規模とはくらぶべくもありませんが、普段目にしない船艇が出動する緊迫感は、やはりただならぬものがあり、国葬儀の厳粛さを水上から垣間見たような気持になったものでした。
撮影地点のMapion地図

(令和4年9月25日撮影)

(『改架中の高速大師橋…1』につづく)

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タグ : 巡視船巡視艇警備艇東京港