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8月22日の水路風景…2

(『8月22日の水路風景…1』のつづき)

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辰巳埠頭にもやうおなじみの顔ぶれの中から一隻。新島物産の新洋丸、小型バスをホールド上にちょこんと積んでいるのが目に留まって一枚。離島に納入する自動車、シートもかけない裸積みなのを何度か見てきましたが、海水の飛沫をかぶって大丈夫なのかしら‥‥と、人ごとながら心配になります。

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270008.jpg折からの風で少々波立った第二航路に出て西航していると、巡視艇「あさかぜ」と行逢。遠路、釧路からの来航艇ですね。

何隻か東航船が続いたので、航路北側に寄せて歩かせていたところ、徳島通いの「フェリーびざん」を仰ぐ位置に。近くで見ると、全長とあいまって高い乾舷は圧倒されるばかりで、大迫力でした。

270009.jpgほぼ向かい風とて、行き足を押さえても結構なしぶきを浴びる海況でしたが、第二航路の西口に近づいて、左手遠くに山並みが望めることに気づきました。

あれは富士山‥‥? 富士山ですよね? 張り付くような雲がかかっており、山頂が妙な形になっていたので、一瞬戸惑ったものです。それにしても、ここから富士山が望めるような強風だったとは。夏には珍しいことではありました。

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第一航路に出たところで、対岸・大井埠頭に巡視船が一隻、もやっているのを発見。ガブられながら航路を横断して近づいてみると、巡視船「いず」でした。6年前、護衛艦「いずも」とともに若洲で出会って以来ですね。

中部から後部にかけて、舷側に薄黒く汚れたところが点々と‥‥。港内警備のため、複合艇や監視取締艇を繋留して、同様に汚れた舷側をすでにいくつか見てきましたから、本船も拠点の一つとして働いていることを実感。お疲れさまです‥‥。


(令和3年8月22日撮影)

(『業務船の三角旗』につづく)

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タグ : 東京港巡視艇巡視船

五輪警備下の東京水路!…10

(『五輪警備下の東京水路!…9』のつづき)

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269047.jpg「TOKYO 2020」のロゴやイメージカラーをあしらった旗やポスターは、街頭のいたるところで目にしますが、水門にもこんな横断幕が掲げられているのはご存じでしょうか。

上は天王洲水門、右は曙水門の巻上機室回廊に掲げられた横断幕。たまたま通って気づいたものですので、探せば都港湾局・建設局管理の水門に、掲げられていたところはもっとあったのではないでしょうか。水路ならではの五輪風景といえるでしょう。

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269049.jpg晴海の項でも少し触れましたが、選手村マンションのバルコニーに掲げられた各国選手団の手による飾りつけは、遠目に見ていても実に楽しげで、かつ美しいものでした。

上はスロバキア、チェコの文字が見え、色彩は控えめながらバルコニーの長手を活かし整然とした感じ。右は朝潮運河側のフランス選手団のもの。国旗のほか、「FRANCE」と波打つような書体で大書きされた横断幕が、お国柄を思わせて印象的でした。

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晴海南西辺、H1バースの巡視船「すずか」「はくさん」越しに見た選手村。何分遠くから、ガブる艇の上で撮っているのでそれなりですが‥‥。

左に見えるカナダ選手団の、7階ぶち抜きという思い切った飾りつけ、右手の「心より感謝いたします」という暖かいメッセージをはじめ、思い思いに国旗やイメージカラーでアピールしているのが見て取れ、眺めているこちらまで嬉しくなるような、高揚感の伝わってくる光景に感動したものでした。

巡視船の大集合のみならず、こちらも一生に一度の見ものといってよい水上からの風景、忘れられない夏になりそうです。

(令和3年7月22・23日撮影)

(『五輪警備下の東京水路!…11』につづく)

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タグ : 天王洲水門曙水門春海運河巡視船

五輪警備下の東京水路!…9

(『五輪警備下の東京水路!…8』のつづき)

269041.jpg第一航路を台場の近くまで下ってきたら、対岸、天王洲南運河の東口に、巡視船が接岸しているのが見えたので、航路を横断して接近。

南風と引き波でまあ、結構ガブりました。スロットルをしぼって跳ねる艇をなだめながら、近づいてみると横須賀のPM14「たかとり」(526総t)、函館から来たヘリコプター搭載巡視船「つがる」(3,652総t)の2隻でした。

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大井火発のバースにもやう大型巡視船2隻、しかもヘリ巡視船は今回の警備陣で初めて目にするとあって、興奮度も大。「たかとり」は就役33年、「つがる」は42年といずれも大ベテランです。

運河両岸に大井・品川の両火発があるこの地、加えて天下(?)の第一航路、そして台場、大井、中防と五輪競技会場が控えているとあれば、大型巡視船が複数配置されているのも、うなずけようというもの。

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両巡視船をくらべると、「たかとり」が昔の排水量型巡視船の面影を色濃く残す、船体中央の乾舷を抑えた曲線的なラインなのに対し、「つがる」はヘリ巡視船とあって容積ベースらしい直線が目立つスタイルという、実に対照的なのが面白いですね。

船尾から見ると、この違いがさらに際立って見え、特に「たかとり」の魅力が際立って感じられたものでした。ブルワークを縁取るガンネルと、ふくよかと表現したくなる船体の断面形状、滋味にあふれているじゃありませんか!

269044.jpg隅田川河口、豊海埠頭を背にして躍り出るように走ってきたのは、横須賀からの艇、SS56「かしおぺあ」。

この2日間、至るところで監視取締艇や警備艇が、慌ただしく走り回っていたのを目にしてきましたが、このタイプが長年見慣れているせいか、どこか力強く、かつ頼もしく感じられる気が。ともあれ、皆さん本当にお疲れさまであります。

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晴海を固める巡視船群をバックに、八戸から来航したCL77「むつかぜ」をスナップして、警備陣めぐりのシメとしました。

まず、一生に一度といっても過言でない海保船艇づくしのページェント(と浮かれると、怒られそうですが)を自艇で目の当たりにできて、本当に貴重な体験だったと充実感がかつてないレベルに。遠来の各船艇と、乗り組みの方々の頭が下がる勤務ぶりに、改めて敬意を表したいと思います。

船艇をめぐったお話はこれで終わりますが、五輪ならではの水路風景を自分なりにまとめておきたく、次回よりもう少しだけ、同じタイトルでお付き合いいただければ幸いです。

(令和3年7月23日撮影)

(『五輪警備下の東京水路!…10』につづく)

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タグ : 天王洲南運河東京港巡視船巡視艇監視取締艇

五輪警備下の東京水路!…8

(『五輪警備下の東京水路!…7』のつづき)

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有明西運河では、昨日の「よしの」に代わり、同型であるPM34「ちくご」が接岸中でした。軍港・佐世保からの来航、お疲れさまです。

同型船が同じか近いバースに配置されて、ローテーションで巡回させるとか、何か決まりがあるのでしょうか。

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269038.jpg有明西運河北口、レインボーブリッジの取り付け道路直下から望んだ晴海の堅陣。夏らしい雲が爽快ですね。少なくともH1・H2バースの繋留船艇は、昨日と変わりないようでした。

港内に出ると、監視取締艇・SS35「ぽるっくす」が、豊洲南端に張り付くようにして警備中。この艇、何と宇部から来たんだそう! 独航してきたんでしょうか?

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第一航路に出ようとそのまま港内を進むと、横須賀から来たPC32「はたぐも」(64総t)が警戒に当たっていました。平成24年に墨田川造船で竣工した江戸っ子です。

この日は好天とあって、プレジャーやPWCの航行も少なくなく、警備陣は緊張を強いられたのではないでしょうか。迷惑をかけないよう、航行自粛エリアにはもちろん近づかず、海保船艇が遊弋するところからは、なるべく距離を取って移動しています。

269040.jpg台場の内水面はトライアスロンのコースとなったこともあり、完全封鎖。周囲も航行自粛海域とあって、警戒ぶりが気になります。

第一航路から遠巻きに眺めたところ、昨日見た「あわかぜ」と同型の、水島から来たCL53「きびかぜ」のみ。ほか民間のものらしい警戒船が一隻漂泊していました。

(令和3年7月23日撮影)

(『五輪警備下の東京水路!…9』につづく)

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タグ : 有明西運河東京港巡視艇巡視船監視取締艇

五輪警備下の東京水路!…7

(『五輪警備下の東京水路!…6』のつづき)

269031.jpg今回から7月23日の様子をご紹介します。この日も前日と同様、新砂水門から荒川に出て、砂町南運河経由で港内へ入りました。

南風で波立つ荒川河口を南下していると、水面を切り裂くようなプレーニングで、湾岸署の警備艇・視20「ゆりかもめ」と行逢。逆光の中、ダイナミックな航走姿を見せてくれました。

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砂町南運河に入ると、若洲ヨット訓練所の桟橋に、視21「すみれ」がもやっているのを発見。

警邏中に立ち寄っただけなのか、ここをベースの一つにしているのか‥‥。警視庁の船艇も、警備が長丁場になりちょっとした補給・整備のことまで考えると、水上派出所だけでは間に合わないのかも。公有のマリーナを活用して臨時の拠点に、というのもうなずけるなあ‥‥などと妄想。

269033.jpg昨日は張り付いている船艇が見られなかった、第三航路に面した中防東側ですが、この日は漂泊艇が一隻いました。

地元、東京海上保安部のCL34「ゆめかぜ」(23総t)です。水面の広大さを思うと、巡視艇一隻では心もとない気もしますが、航路帯とて大型船艇の巡回は頻繁にあるのでしょう。

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おっと、少し離れていますが、もう一隻巡視艇がいました。鉄鋼埠頭に寄せて、PC57「たかたき」(125総t)が。湾奥のご近所、千葉からの応援です。

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プレスセンターのあるビッグサイトとフェリー埠頭の間は、停留自粛エリア。さらにビッグサイト南西端、船着場のある一角は航行自粛と、警戒厳重です。昨日の晴海同様、一定の針路・速度で走りながら警備船艇をスナップ。

昨日も出会った巡視船「いよ」と「いしかり」が、接岸して補給を受けていました。同型船が肩を寄せ合っているさま、船橋が低いせいでしょうか、どこか可愛らしい感じを受けますね。2隻の船尾側には、巡視艇と監視取締艇も。巡視艇はPC42「みちなみ」(64総t)、瀬戸内の要衝、尾道からの来航艇です。

(令和3年7月23日撮影)

(『五輪警備下の東京水路!…8』につづく)

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タグ : 砂町南運河東京港警備艇巡視艇巡視船