令和4年度川走り納め・新河岸川…1
(『令和4年度川走り納め・荒川…2』のつづき)

●くぐったところで陽が差したので、予想どおりいい表情がものにでき機嫌がよくなるのが現金なところ。ツヤツヤの扉体が陽光を反射してきれいですね。つぎはぎの巻上機室外壁が痛ましいので、補修してあげてなお完璧を期してほしいもの。
●隅田川流頭部で楽しみなのは、水門下流にある繋船場で、国交省所属の清掃船たちを眺めること。よく目にする都環境局の緑の清掃船や、東京港埠頭の黄色い船隊とは違った塗色とスタイルが魅力です。
もっとも清掃作業で出払っていたのか、この日は写真の「ちどり」一隻のみでした。か細い冬の日を浴びて、枯草色の法面をバックにたたずむ表情、寂しげな感じで風情があります。

●水門をくぐったら、右へほぼ180°回頭して新河岸川へ入るわけですが、二つの川が合流するその突端、いわゆる「鼻」と呼ばれる部分を眺めつつ、艇を回してゆくこの瞬間がいいんですよね。
分流点とか合流点を目にして盛り上がるたち、それも鋭角であればなおよし、といった性癖の持ち主なので、何でもないようなこの光景が、導入部として気分を高揚させるのです。

●地味な物件ですが、ここで船着場をご紹介。志茂防災船着場、国交省荒川下流河川事務所の管轄です。
テラスに浅い凹部をつくり、護岸にフェンダーやビットを備えただけの、一見簡略なタイプに見えますよね。しかし、柵はレールに沿って全幅いっぱいに開き、背後の法面には同じ幅員の階段も設けられ、と充実装備。さすが、荒川知水資料館を控えた国交省管轄ならではです。
【撮影地点のMapion地図】
●船着場対岸はテラスこそないものの、コンクリートブロックの法面と、水際にわずかなフラットがあるという、トリさんの休憩所としては格好のつくり。結構な数の鴨さんがズラリと並んで、ツブれたり羽繕いをしたりと、思い思いに憩うていました。
通航船艇も少ないとあってすっかりおくつろぎのところ、お邪魔して申しわけない。不審船を見て立ち上がったり、ガアガア鳴いたりしておかんむりだったので、少し距離をとって早々に立ち去ったのでした。
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・新河岸川…2』につづく)

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●くぐったところで陽が差したので、予想どおりいい表情がものにでき機嫌がよくなるのが現金なところ。ツヤツヤの扉体が陽光を反射してきれいですね。つぎはぎの巻上機室外壁が痛ましいので、補修してあげてなお完璧を期してほしいもの。

もっとも清掃作業で出払っていたのか、この日は写真の「ちどり」一隻のみでした。か細い冬の日を浴びて、枯草色の法面をバックにたたずむ表情、寂しげな感じで風情があります。

●水門をくぐったら、右へほぼ180°回頭して新河岸川へ入るわけですが、二つの川が合流するその突端、いわゆる「鼻」と呼ばれる部分を眺めつつ、艇を回してゆくこの瞬間がいいんですよね。
分流点とか合流点を目にして盛り上がるたち、それも鋭角であればなおよし、といった性癖の持ち主なので、何でもないようなこの光景が、導入部として気分を高揚させるのです。

●地味な物件ですが、ここで船着場をご紹介。志茂防災船着場、国交省荒川下流河川事務所の管轄です。
テラスに浅い凹部をつくり、護岸にフェンダーやビットを備えただけの、一見簡略なタイプに見えますよね。しかし、柵はレールに沿って全幅いっぱいに開き、背後の法面には同じ幅員の階段も設けられ、と充実装備。さすが、荒川知水資料館を控えた国交省管轄ならではです。
【撮影地点のMapion地図】

通航船艇も少ないとあってすっかりおくつろぎのところ、お邪魔して申しわけない。不審船を見て立ち上がったり、ガアガア鳴いたりしておかんむりだったので、少し距離をとって早々に立ち去ったのでした。
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・新河岸川…2』につづく)

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令和4年度川走り納め・荒川…2
(『令和4年度川走り納め・荒川…1』のつづき)

●前回載せた写真の一瞬後のスナップ。電車を追っていたら、ちょうど陽光が射していたところに、「光家具」「光」の看板が背景に入って、空が灰色の雲に覆われていたことも手伝い、どこかおかしみのある一枚に。
●大屈曲を曲がり切ったところにそびえるのが、ご存じダブルデッキを渡すニールセンローゼ、五色桜大橋。
くぐる直前まで迫ってぐっと仰げば、桁下高に構造の天地も加わって大迫力‥‥なのですが、何分陽射しも途切れ、厚い雲がふたたびかぶさった薄暗い川面とくれば、残念ながら表情もさえません。
●オープン艇とて、そこそこの速度で移動しているとなれば、ただでさえ体温が奪われるもの。ですから冬の航行は日照が生命線みたいなもので、いやむしろ、冬なればこそ晴れが多いはずなのに、頼りにならないとなればツラいことこの上ありません。
20㎞の里程にある工場からたつ濛々とした湯気に、寒気の厳しさが感じられますね。寒さで思ったより体力を消耗したようで、どうも気分が盛り上がりません‥‥。

●西から北西方向は晴れているようで、新荒川大橋越しに、遠方の山々の稜線が割とはっきり見渡せました。方角からして、秩父のあたりでしょうか? 好天であれば素晴らしい眺めになったでしょうが、こちらの空は重苦しいのが残念ですね。

●新旧の岩淵水門の間にある水路を抜け、取舵を切って向き直ったところで現水門を一枚。むう、雲が重くのしかかっているだけに、どこか鬼気迫る表情。
せっかく扉体が塗り直され、中央の堰柱2本も補強されてきれいなのに、惜しいことであります。向こうは少し明るいので、くぐってから眺めてみるといい表情かも、ですね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・新河岸川…1』につづく)

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●前回載せた写真の一瞬後のスナップ。電車を追っていたら、ちょうど陽光が射していたところに、「光家具」「光」の看板が背景に入って、空が灰色の雲に覆われていたことも手伝い、どこかおかしみのある一枚に。

くぐる直前まで迫ってぐっと仰げば、桁下高に構造の天地も加わって大迫力‥‥なのですが、何分陽射しも途切れ、厚い雲がふたたびかぶさった薄暗い川面とくれば、残念ながら表情もさえません。

20㎞の里程にある工場からたつ濛々とした湯気に、寒気の厳しさが感じられますね。寒さで思ったより体力を消耗したようで、どうも気分が盛り上がりません‥‥。

●西から北西方向は晴れているようで、新荒川大橋越しに、遠方の山々の稜線が割とはっきり見渡せました。方角からして、秩父のあたりでしょうか? 好天であれば素晴らしい眺めになったでしょうが、こちらの空は重苦しいのが残念ですね。

●新旧の岩淵水門の間にある水路を抜け、取舵を切って向き直ったところで現水門を一枚。むう、雲が重くのしかかっているだけに、どこか鬼気迫る表情。
せっかく扉体が塗り直され、中央の堰柱2本も補強されてきれいなのに、惜しいことであります。向こうは少し明るいので、くぐってから眺めてみるといい表情かも、ですね。
【撮影地点のMapion地図】
(令和4年12月28日撮影)
(『令和4年度川走り納め・新河岸川…1』につづく)

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6月7日の岩淵水門
(『6月7日の旧岩淵水門』のつづき)

●転回して下流側へ向き直り、現岩淵水門とご対面。話には聞いていましたが、これまたずいぶんとマダラな‥‥。第3径間(右側)の扉体のみ塗り替え済み、第2径間は従来のまま下塗りが露出した痛々しい状態、第1径間は少々色褪せて、と三者三様。
●歓声が聞こえてきたので、ふと水門右手の堤防に目を向けて一枚。美しい新緑の法面が目に快く、天端の堤防道は自転車に乗る人や、散策する人たちで賑わっていました。
狭い街場で育ったこともあり、子供時代、こういう広々とした「土手のある生活」に憧れていた面もあって、人の行き交う堤防を眺めていると、何かウキウキするような、楽しい気分にさせられるのでした。

●中央、第2径間をくぐりながらぐっと仰いでみたところ。2本の堰柱は耐震補強で、鋼板による巻き立てがなされたのは以前も拝見しましたが、引き締まった、より頼もしい感じがしますよね。
それだけに、丸窓を側面に配した、特徴あるデザインの巻上機室の壁面、老いが目立つようになってしまいました。ここは堰柱とバランスを取って、エポキシ塗装でもしてあげたいところです。

●‥‥そんなことを考えながら、くぐって振り返ったところ‥‥えっ、巻上機室に補修の痕が! やはり相当くたびれてるんですねえ(実は、前回訪問時すでにこうなっていたのですが、今回ようやく気づいた!)。予算なのか、他の理由があるのかは知りませんが、いっぺんに補修工事をするのは難しいのでしょうか。

●少し距離を取って下流側から。首都を貫流する都大路・大川、その流頭部を護るかなめの水門だけに、機能のみならず、体裁にも気を配ってやっていただきたいものです。
何分豪雨の後とあって、河水は泥色に濁り、浮流物も少なくありません。予定している石神井川への進入、この分では大丈夫かしらと、若干不安になりましたが、まずは衝突してステムを傷つけないよう、慎重に下航してゆきましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年6月7日撮影)
(『6月7日の隅田川…1』につづく)

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●転回して下流側へ向き直り、現岩淵水門とご対面。話には聞いていましたが、これまたずいぶんとマダラな‥‥。第3径間(右側)の扉体のみ塗り替え済み、第2径間は従来のまま下塗りが露出した痛々しい状態、第1径間は少々色褪せて、と三者三様。

狭い街場で育ったこともあり、子供時代、こういう広々とした「土手のある生活」に憧れていた面もあって、人の行き交う堤防を眺めていると、何かウキウキするような、楽しい気分にさせられるのでした。

●中央、第2径間をくぐりながらぐっと仰いでみたところ。2本の堰柱は耐震補強で、鋼板による巻き立てがなされたのは以前も拝見しましたが、引き締まった、より頼もしい感じがしますよね。
それだけに、丸窓を側面に配した、特徴あるデザインの巻上機室の壁面、老いが目立つようになってしまいました。ここは堰柱とバランスを取って、エポキシ塗装でもしてあげたいところです。

●‥‥そんなことを考えながら、くぐって振り返ったところ‥‥えっ、巻上機室に補修の痕が! やはり相当くたびれてるんですねえ(実は、前回訪問時すでにこうなっていたのですが、今回ようやく気づいた!)。予算なのか、他の理由があるのかは知りませんが、いっぺんに補修工事をするのは難しいのでしょうか。

●少し距離を取って下流側から。首都を貫流する都大路・大川、その流頭部を護るかなめの水門だけに、機能のみならず、体裁にも気を配ってやっていただきたいものです。
何分豪雨の後とあって、河水は泥色に濁り、浮流物も少なくありません。予定している石神井川への進入、この分では大丈夫かしらと、若干不安になりましたが、まずは衝突してステムを傷つけないよう、慎重に下航してゆきましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(令和2年6月7日撮影)
(『6月7日の隅田川…1』につづく)

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10月9日の岩淵水門
(『10月9日の旧岩淵水門…2』のつづき)
●向き直って、こちらは現役の岩淵水門にご機嫌伺い。中央径間をはさむ2本の堰柱は補強され、扉体は中央・右径間が下塗りが露出するほど色褪せてと、以前と変わらぬ状態。
中央径間のみ下航可を示す標識に従い、くぐりながらディテールを愛でてゆくとしましょう。

●左端の巻上機室をズームで。側面に3つ並んだ丸窓、四隅を丸めた台形状の側板が、ちょうど上製本のチリを出したような格好と、未来っぽいような、懐かしくなるような外観。どこか、大阪万博のパビリオンぽい匂い(?)もします。
●ううう、うまく撮れなかったのですが、舵を取りつつ片手で頑張って、扉体をくぐった瞬間をものしてみました。
広大なスキンプレートの平滑さ、下端にびっしり並ぶ水密材のゴムを留めるボルト、リムの補強を施した梁の丸穴と、普段じっくり見られない角度ではあるので、お馴染みさんとはいえ新鮮な感じです。

●部分補修の跡も痛ましい巻上機室、塗色が褪せ切った2枚の扉体、対照的な補強済みの堰柱‥‥。この中途半端なまだらぶり、さっき訪ねた芝川水門に一脈通じるものがあるなあ。
下流一帯の水門たちは、更新工事が盛んに行われているのに、このもどかしい放置感は何なのでしょう。都心に近い低地の津波・高潮対策が優先されている、ということなのかしら。

●離れたところでぐっとたぐり寄せ、扉体の梁に掲げられたナンバーを一枚。抜き文字の扉体番号って珍しいような。
下塗りが赤く透けてしまっているため、健全なNo.1よりかえって目立ち、目を引かれたのですから皮肉なものです。
【撮影地点のMapion地図】
(29年10月9日撮影)
(『隅田川上流のフネブネ』につづく)

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中央径間のみ下航可を示す標識に従い、くぐりながらディテールを愛でてゆくとしましょう。

●左端の巻上機室をズームで。側面に3つ並んだ丸窓、四隅を丸めた台形状の側板が、ちょうど上製本のチリを出したような格好と、未来っぽいような、懐かしくなるような外観。どこか、大阪万博のパビリオンぽい匂い(?)もします。

広大なスキンプレートの平滑さ、下端にびっしり並ぶ水密材のゴムを留めるボルト、リムの補強を施した梁の丸穴と、普段じっくり見られない角度ではあるので、お馴染みさんとはいえ新鮮な感じです。

●部分補修の跡も痛ましい巻上機室、塗色が褪せ切った2枚の扉体、対照的な補強済みの堰柱‥‥。この中途半端なまだらぶり、さっき訪ねた芝川水門に一脈通じるものがあるなあ。
下流一帯の水門たちは、更新工事が盛んに行われているのに、このもどかしい放置感は何なのでしょう。都心に近い低地の津波・高潮対策が優先されている、ということなのかしら。

●離れたところでぐっとたぐり寄せ、扉体の梁に掲げられたナンバーを一枚。抜き文字の扉体番号って珍しいような。
下塗りが赤く透けてしまっているため、健全なNo.1よりかえって目立ち、目を引かれたのですから皮肉なものです。
【撮影地点のMapion地図】
(29年10月9日撮影)
(『隅田川上流のフネブネ』につづく)

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6月7日の水門…1
(『6月7日のフネブネ…5』のつづき)
●さて、同日にうろついた道々のスナップです。隅田川経由で、荒川の秋ヶ瀬までひとっ走りしてきました。雲は少し多かったものの、風は爽やかでおおむね陽が射し、初夏の川面を楽しむことができました。
隅田川流頭部、岩淵水門は中央径間が閉鎖され、真ん中から向こうの空が見渡せる格好に。扉体は色がだいぶ褪せて青い塗料が落ち、錆止めが露出しているところも見られます。「青水門」の通称にたがわない鮮やかな色に、再塗装されるといいですね。

●菖蒲川の河口を守る、三領水門の前を通りかかると‥‥。
おお! いつもは水面ギリギリまで下げられている扉体が、二枚とも少し上がっている! しかも、向こうには台船らしき船影も! これは寄り道せずにおらりょうかと、興奮でハフハフしながら減速して舵を右へ。

●相変わらず多い釣り人さんの目線が痛いのと、時間も限られていたのでのぞき込むだけにとどまりましたが、扉体は通航に十分な高さまで上がっていることを確認(以前の様子は、過去ログ『秋晴れの荒川散歩…2』参照)。さらに魚探の感を見ていたら、以前より水深が深くなっているような気が‥‥。浚渫されたのかしら?
釣り人さんの少ない、夜明けあたりを狙って、しかも潮位が高い日であれば、菖蒲川を攻めることも不可能ではありません。工事が終わらないうちに、再訪できればよいのですが!
●可航区間最奥部も間近な、朝霞水門(右)と、さくらそう水門も一枚づつ。急速に曇ってきて暗くなってしまいましたが、両水門のどこかSFじみた容貌はなお健在です。
翳る陽射しとともに渡ってくる冷たい風に、さざ波立つ川面も爽やかで、実に気持ちの良い水門風景を堪能。一応航行禁止区域なので、入ったことはないけれど、真下くらいまでは行けるのかしら。

【撮影地点のMapion地図】
(27年6月7日撮影)
(『6月7日の水門…2』につづく)

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隅田川流頭部、岩淵水門は中央径間が閉鎖され、真ん中から向こうの空が見渡せる格好に。扉体は色がだいぶ褪せて青い塗料が落ち、錆止めが露出しているところも見られます。「青水門」の通称にたがわない鮮やかな色に、再塗装されるといいですね。

●菖蒲川の河口を守る、三領水門の前を通りかかると‥‥。
おお! いつもは水面ギリギリまで下げられている扉体が、二枚とも少し上がっている! しかも、向こうには台船らしき船影も! これは寄り道せずにおらりょうかと、興奮でハフハフしながら減速して舵を右へ。

●相変わらず多い釣り人さんの目線が痛いのと、時間も限られていたのでのぞき込むだけにとどまりましたが、扉体は通航に十分な高さまで上がっていることを確認(以前の様子は、過去ログ『秋晴れの荒川散歩…2』参照)。さらに魚探の感を見ていたら、以前より水深が深くなっているような気が‥‥。浚渫されたのかしら?
釣り人さんの少ない、夜明けあたりを狙って、しかも潮位が高い日であれば、菖蒲川を攻めることも不可能ではありません。工事が終わらないうちに、再訪できればよいのですが!

翳る陽射しとともに渡ってくる冷たい風に、さざ波立つ川面も爽やかで、実に気持ちの良い水門風景を堪能。一応航行禁止区域なので、入ったことはないけれど、真下くらいまでは行けるのかしら。

【撮影地点のMapion地図】
(27年6月7日撮影)
(『6月7日の水門…2』につづく)

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