岡崎渡船…4
(『岡崎渡船…3』のつづき)
●取舵で防波堤を回って行き足を落とし、一回のゴースターンできれいに達着。土佐泊の渡船場も、堤防に陸閘を切った出入口でした。
地元の女性が自転車を押して降りると、代わりに乗ってきたのはやはり、自転車を押した男性。バウランプ付き渡船の面目躍如といったところでしょうか。

●接岸中、船尾方向を望んだところ。石を組んだ、亀の甲タイプの短い防波堤が2本突き出ており、古くから港湾の整備が行われてきた歴史が感じられ、よいものです。
この奥、大毛島の鼻を避けて左へ大回りするとすぐに鳴門海峡ですが、対岸の低い山並が連なっているせいか内海のようで、外海が間近にある感じがしません。

●わずかな時間で土佐泊を後にし、ふたたび岡崎へ。小丘の森を背に、箱庭さながらの水辺風景を見せてくれた渡船場の集落、この距離から眺めるとまた味がありますね。
撫養川大橋が間近に迫ってくれば、もはや岡崎の渡船場も目の前。往復10分足らずの船旅でしたが、美しい風光の連続で充実したひとときでした。乗り組みのお二人にお礼を言上して下船、次の目的地へ向かいます。

●先ほど遠望した小鳴門橋を渡り、大毛島へ渡ります。一車線づつ対向の道路幅と、中央の主塔へ向けてぐんぐん登ってゆく急勾配、揺籃期の大型橋梁らしさを勝手に感じて物見高くキョロキョロ。
大毛島には、以前からこの目で見てみたかった、憧れといってもいい過ぎでない水門風景がありました。好天も手伝って、存分に堪能できそうです。
【撮影地点のMapion地図】
(元年9月14日撮影)
(『鯔越水門…1』につづく)

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地元の女性が自転車を押して降りると、代わりに乗ってきたのはやはり、自転車を押した男性。バウランプ付き渡船の面目躍如といったところでしょうか。

●接岸中、船尾方向を望んだところ。石を組んだ、亀の甲タイプの短い防波堤が2本突き出ており、古くから港湾の整備が行われてきた歴史が感じられ、よいものです。
この奥、大毛島の鼻を避けて左へ大回りするとすぐに鳴門海峡ですが、対岸の低い山並が連なっているせいか内海のようで、外海が間近にある感じがしません。


撫養川大橋が間近に迫ってくれば、もはや岡崎の渡船場も目の前。往復10分足らずの船旅でしたが、美しい風光の連続で充実したひとときでした。乗り組みのお二人にお礼を言上して下船、次の目的地へ向かいます。

●先ほど遠望した小鳴門橋を渡り、大毛島へ渡ります。一車線づつ対向の道路幅と、中央の主塔へ向けてぐんぐん登ってゆく急勾配、揺籃期の大型橋梁らしさを勝手に感じて物見高くキョロキョロ。
大毛島には、以前からこの目で見てみたかった、憧れといってもいい過ぎでない水門風景がありました。好天も手伝って、存分に堪能できそうです。
【撮影地点のMapion地図】
(元年9月14日撮影)
(『鯔越水門…1』につづく)

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岡崎渡船…3
(『岡崎渡船…2』のつづき)
●船はスロープを離れてすぐ、護岸に触れそうなところで器用にくるりと180度回頭すると、対岸をめざし走り始めました。
抜けるような青空と穏やかな水面、緑濃い山並の波打つ稜線と、素晴らしいの一言に尽きる海峡風景。思わず「ああ、キレイだなあ」と口をついて出てしまうほど。バウランプは開いたままでしたが、風波の強い日は閉じることもあるのでしょうか。

●撫養川の北口を出ると、左手に大きな橋が見えてきました。白い桁橋が神戸淡路鳴門道の撫養橋、向こうの赤い桁を持つ吊橋が小鳴門橋です。
小鳴門橋は主塔の一つが、海峡中央にある鍋島から立ち上がっているのに目を引かれますね。全長441.4m、昭和36年竣工とのことで、翌37年に開通した若戸大橋とともに、国内にあるこの規模の大型橋としてはごく初期のものに属し、一時代を画した存在だったことでしょう。

●橋より手前の対岸に、クレーンが林立し本船が横付けしている一角があることに気づきました。造船所ですね。地図を見ると、徳岡造船だそう。本船の塗装が真新しいところから、艤装中でしょうか。クレーン群が背後の山肌にくっきり映えて、よく目立ちました。

●船尾オーニングの下から航跡を眺めて。快晴かつ穏やか、まさに絶好の水路日和、いや渡船日和であります。
もし撫養航路の便に乗ることができていたら、あの撫養川北口から左(写真では右手)に折れ、小鳴門海峡を西航してウチノ海に入ったんだよなあ‥‥と詮のない妄想。まあ、いずれ再挑戦を期するとしましょう。
●行き足が落ち、甲板員さんがロープを外しにかかると、もう土佐泊の渡船場が目前に。時刻表どおり約3分、まことにささやかな船路であります。
撫養川の東岸に、何の囲いもなく設けられた岡崎のそれと異なり、こちら土佐泊は短いながら防波堤を持つ、南東に向いたスロープの接岸設備。山肌が迫る水際に、こじんまりと固まった家並が好ましい雰囲気で、惹かれるものがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(元年9月14日撮影)
(『岡崎渡船…4』につづく)

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抜けるような青空と穏やかな水面、緑濃い山並の波打つ稜線と、素晴らしいの一言に尽きる海峡風景。思わず「ああ、キレイだなあ」と口をついて出てしまうほど。バウランプは開いたままでしたが、風波の強い日は閉じることもあるのでしょうか。

●撫養川の北口を出ると、左手に大きな橋が見えてきました。白い桁橋が神戸淡路鳴門道の撫養橋、向こうの赤い桁を持つ吊橋が小鳴門橋です。
小鳴門橋は主塔の一つが、海峡中央にある鍋島から立ち上がっているのに目を引かれますね。全長441.4m、昭和36年竣工とのことで、翌37年に開通した若戸大橋とともに、国内にあるこの規模の大型橋としてはごく初期のものに属し、一時代を画した存在だったことでしょう。

●橋より手前の対岸に、クレーンが林立し本船が横付けしている一角があることに気づきました。造船所ですね。地図を見ると、徳岡造船だそう。本船の塗装が真新しいところから、艤装中でしょうか。クレーン群が背後の山肌にくっきり映えて、よく目立ちました。

●船尾オーニングの下から航跡を眺めて。快晴かつ穏やか、まさに絶好の水路日和、いや渡船日和であります。
もし撫養航路の便に乗ることができていたら、あの撫養川北口から左(写真では右手)に折れ、小鳴門海峡を西航してウチノ海に入ったんだよなあ‥‥と詮のない妄想。まあ、いずれ再挑戦を期するとしましょう。

撫養川の東岸に、何の囲いもなく設けられた岡崎のそれと異なり、こちら土佐泊は短いながら防波堤を持つ、南東に向いたスロープの接岸設備。山肌が迫る水際に、こじんまりと固まった家並が好ましい雰囲気で、惹かれるものがありました。
【撮影地点のMapion地図】
(元年9月14日撮影)
(『岡崎渡船…4』につづく)

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岡崎渡船…2
(『岡崎渡船…1』のつづき)

●写真や映像では知っていても、この手の渡船を実見するのは初めてなので、人があまりいないのをいいことに周りをウロついて堪能。真正面から見た甲板上もいいですねえ。
当然ながら甲板上はほぼフラットで、船橋下に機械室の凸部が見える程度。ごく短距離の渡船のこととて、ベンチのたぐいは見られません。いっぱいに使えば軽自動車くらいなら載せられそうですが、クルマはもちろん橋を利用するでしょう。

●陸閘を入って左側にある、詰所兼待合所。建物は乗り組みさんの詰所で、利用者にはその手前にあるベンチが供されています。
右は詰所の壁に掲げられた時刻表。岡崎発は6時台~8時台と最終便が20分ヘッド、その他は10~12時台の閑散時間帯をのぞき30分ヘッドというローテーションで、ご覧のとおり対岸の土佐泊は着後3分で即折り返し。渡船は原則、岡崎に繋留されているのですね。
●時刻表を見ていたら、足元をツツッと横切る黒いものが。小さなカニさんでした。
乗り場の岸壁から水面をのぞき込むと、水はきれいで魚が泳ぎ海藻がゆらめいているのがよく見え、コンクリートの継目にはカニさんのお仲間もたくさん。生き物にとって住みよい水域のようです。

●定刻少し前になると、船長と甲板員さんのお二人が詰所を出て、乗り込んできました。我々は土佐泊に渡るわけではないので、船長に「往復乗っていていいですか?」とうかがうと「どうぞ!」とのお答え。自転車を押す地元の方と一緒に乗り込みました。
船長が船橋に上がりエンジンがかかると、甲板員さんはもやいを解いてから、開いたままのバウランプ手前にロープを張ります。爆音が高まって後進で離岸。右手奥に撫養川大橋を眺めながら、3分間のささやかな船旅が始まりました。
(元年9月14日撮影)
(『岡崎渡船…3』につづく)

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●写真や映像では知っていても、この手の渡船を実見するのは初めてなので、人があまりいないのをいいことに周りをウロついて堪能。真正面から見た甲板上もいいですねえ。
当然ながら甲板上はほぼフラットで、船橋下に機械室の凸部が見える程度。ごく短距離の渡船のこととて、ベンチのたぐいは見られません。いっぱいに使えば軽自動車くらいなら載せられそうですが、クルマはもちろん橋を利用するでしょう。


右は詰所の壁に掲げられた時刻表。岡崎発は6時台~8時台と最終便が20分ヘッド、その他は10~12時台の閑散時間帯をのぞき30分ヘッドというローテーションで、ご覧のとおり対岸の土佐泊は着後3分で即折り返し。渡船は原則、岡崎に繋留されているのですね。

乗り場の岸壁から水面をのぞき込むと、水はきれいで魚が泳ぎ海藻がゆらめいているのがよく見え、コンクリートの継目にはカニさんのお仲間もたくさん。生き物にとって住みよい水域のようです。

●定刻少し前になると、船長と甲板員さんのお二人が詰所を出て、乗り込んできました。我々は土佐泊に渡るわけではないので、船長に「往復乗っていていいですか?」とうかがうと「どうぞ!」とのお答え。自転車を押す地元の方と一緒に乗り込みました。
船長が船橋に上がりエンジンがかかると、甲板員さんはもやいを解いてから、開いたままのバウランプ手前にロープを張ります。爆音が高まって後進で離岸。右手奥に撫養川大橋を眺めながら、3分間のささやかな船旅が始まりました。
(元年9月14日撮影)
(『岡崎渡船…3』につづく)

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岡崎渡船…1
(『徳島へ行って来ました』のつづき)

●最初の目的地は、撫養航路の一部であり、鳴門市の臨海部を南北に伸びる撫養川の北端、小鳴門海峡を望む風光明媚なところ、岡崎。ここから対岸の大毛島・土佐泊を結ぶ、岡崎渡船に乗ってみようとやってきたのです。撫養航路の船に乗れないことが決まった以上、少しでもご当地の船を体験しておきたいという気持ちも正直ありました。
小鳴門海峡にはこの岡崎渡船のほか、黒崎、島田と計3つの渡船があるのだそう。陸閘を備えた防潮堤の向こうに、渡船の船橋が顔を出しているのが見えました。
●入口の左には、陸閘を閉じたときのために階段が設けてあったので、天端に上って渡船と初顔合わせ。バウランプを備えた、可愛らしい感じの船がスロープにバウづけしていました。
「渡船」(鳴門市HP)に詳細がありますが、正式な航路名は「市道岡崎渡船場線」といい、運賃は無料です。その名のとおり市道の一部として機能している、地元の方のための足なのです。

●渡船「さざなみ」を左舷から一枚。晴天のおかげで、白と青の船体色がよく映え、背後の緑濃い山並みともよくマッチしています。揚陸艇のようなバウランプを持つ渡船は、軽車輌も載せられる機能性もあって、各地で活躍しているのでしょうが、私はこれが初体験。
先ほどのサイトから要目を拾うと、6.6総t、6kt、174psで主機ディーゼル、平成7年進水とのこと。幅があるせいか、ちょっと寸詰まったようなところに可愛らしさを覚え、いっぺんで好きになってしまいました。

●船尾は丸みを帯びて、優しい感じのする書体で「さざなみ 鳴門」と船名と船籍港が。甲板上をまたいだ船橋から後ろはオーニングが張られ、ここがいわば旅客スペースなのでしょう。
船首水線近くは、ゴムのフェンダーでも貼ってあるのかしらと思ったら、数本のリブが走っているのみで鋼板のまま。引き波が寄せて揺れるたび、スロープとぶつかりゴォン、ゴォンと梵鐘のような音がして、それがまた、何とものどかに思えたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(元年9月14日撮影)
(『岡崎渡船…2』につづく)

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●最初の目的地は、撫養航路の一部であり、鳴門市の臨海部を南北に伸びる撫養川の北端、小鳴門海峡を望む風光明媚なところ、岡崎。ここから対岸の大毛島・土佐泊を結ぶ、岡崎渡船に乗ってみようとやってきたのです。撫養航路の船に乗れないことが決まった以上、少しでもご当地の船を体験しておきたいという気持ちも正直ありました。
小鳴門海峡にはこの岡崎渡船のほか、黒崎、島田と計3つの渡船があるのだそう。陸閘を備えた防潮堤の向こうに、渡船の船橋が顔を出しているのが見えました。

「渡船」(鳴門市HP)に詳細がありますが、正式な航路名は「市道岡崎渡船場線」といい、運賃は無料です。その名のとおり市道の一部として機能している、地元の方のための足なのです。

●渡船「さざなみ」を左舷から一枚。晴天のおかげで、白と青の船体色がよく映え、背後の緑濃い山並みともよくマッチしています。揚陸艇のようなバウランプを持つ渡船は、軽車輌も載せられる機能性もあって、各地で活躍しているのでしょうが、私はこれが初体験。
先ほどのサイトから要目を拾うと、6.6総t、6kt、174psで主機ディーゼル、平成7年進水とのこと。幅があるせいか、ちょっと寸詰まったようなところに可愛らしさを覚え、いっぺんで好きになってしまいました。


船首水線近くは、ゴムのフェンダーでも貼ってあるのかしらと思ったら、数本のリブが走っているのみで鋼板のまま。引き波が寄せて揺れるたび、スロープとぶつかりゴォン、ゴォンと梵鐘のような音がして、それがまた、何とものどかに思えたものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(元年9月14日撮影)
(『岡崎渡船…2』につづく)

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