10月2日の川景色

75001.jpg10月2日は、近場回りに出かけたのですが、ご覧のとおりの重苦しい曇天。この後空は明るくなり、ときどき青空ものぞくようになったものの、いま一つ盛り上がりに欠ける空模様ではあります。

分厚い雲の布団のおかげか風は穏やかで、足元に感じる水の当たりも柔らかな感じだったのが救いではありました。以下、道々目についたことを、いくつかご覧に入れます。

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日本橋川に入ってしばらくゆくと、一石橋の橋詰に、根こそぎ倒れて川面に突っ込んでしまった街路樹を発見。先日の台風では、突風で多くの木が倒されたようですが、ここもその例に漏れなかったようです。

木だけでなく、フェンスや柵も巻き込んでいます。親柱は大丈夫でしょうか。高欄には、船舶に向けた「倒木注意」の看板が掲げられ、航路標識としてオレンジ色のブイも設けられていました。

75003.jpg一ツ橋を過ぎたあたりで、ポツリ、ポツリと降り始め、ついにはざあっと本降りになりました。航行時に雨にたたられるのは、久しぶりです。

もっとも、高架下のこととて、ちょっと雨粒がかかるくらいの、まさにへっちゃら状態! 通り雨だったようですぐに止み、ふたたび空が明るくなってきました。


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日本橋川を出て、神田川との丁字流にさしかかると、やはり気になるのは、架け替え工事中の小石川橋。工事は終盤に近づいたようで、足場や台船は姿を消し、こげ茶色の塗装も真新しい桁が、姿を現していました(『小石川橋の撤去工事』参照)。

しかし、旧橋にくらべて何とも薄べったい…。新隆慶橋や、大曲から上流の各橋で同様の橋を目にしてはきたものの、やはり技術の進歩をまざまざと感じさせます。高欄が取り付けられていないせいもあって、なおさら薄さが強調されるようですね。橋詰前後の護岸も新しくなり、白い肌のコンクリートブロックがまぶしいほどです。

75005.jpg帰路に立ち寄った旧源森川…北十間川西側の奥は、線路際にちょっとした森(?)がありますが、こちらでも台風の影響か、倒木が見られました。

あの突風は本当にすごいものがありましたから、倒された水辺の木々も少なくなかったことでしょう。倒木に直撃されたクルマもあったとのことですが、繋留船は大丈夫だったのでしょうか。


(23年10月2日撮影)


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タグ : 隅田川 日本橋川 神田川 源森川 北十間川 江東内部河川 高架下水路 小石川橋

三土氏と水路行…3

(『三土氏と水路行…2』のつづき)

39011.jpg分水路を通ってくると、行きと帰りで違った風景が眺められるのも楽しみの一つ。この日のお楽しみは、小石川橋の架け替え工事現場です。

もちろん、旧橋の本体はすっかり撤去されてしまったでしょうが、重機や資材を乗せた台船のもやう現場と、橋が取り除かれた後の橋台のディテールが拝める、数少ないチャンスです。(『小石川橋の撤去工事』参照)

39012.jpgまずは北側の橋台地を検分。両側の護岸は、後年追加されたものなので、橋の竣工時より前進しており、角を石材で装飾した橋台が、取り込まれてしまったように見えます。

橋台上端のコンクリートが新しいのは、路面を改修した際に、あわせて新設した部分だからでしょうか。左側には、切断された何本かのパイプも見えますね。あっ、右手に見えるのは?


39013.jpg何と、切断されたガーダーの一部が、まるでちびた鉛筆のように残されていました! 三土氏、大野氏もツボだったようで、何度もシャッターを切っています。

支承の上にチョコンと乗っかった、リベット組みの鉄の箱になり果てたかつての鈑桁…。今まで建造途中の橋の断面や、解体中の断面をいくつか眺めてきましたが、こういうパターンは初めてかも。もの悲しくも、ユーモラスな風景です。

39014.jpg
南詰の桁も、同じ目に逢っていました。ご覧のように、酸素で無造作にあけた穴にワイヤーが通してあり、ちびた鈑桁が、支承を中心にコテン、とおじぎしないように縛ってあるのがまた強烈。

ううん、何でここだけ残してあるんだろう? 支承を引っこ抜くとき、作業がやりやすいとか、理由があるのでしょうね。

39015.jpg三土氏が、橋脚の根元を指差し、「アレ、何だか風景画というか、風呂屋のペンキ絵のように見えますよね」…ああ~、言われてみれば!

水際の、汚れでグラデーションがついた部分が、海辺の白砂と山野の緑を思わせて、確かに風呂屋の壁面画のよう。さすが。もうこれからは、通るたびに意識してしまいそうです。
撮影地点のMapion地図


(22年9月19日撮影)

(『三土氏と水路行…4』につづく)

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小石川橋の撤去工事

33001.jpg本日6日夕方、厳しい蒸し暑さに汗みずくになりながら、神田川畔は水道橋駅付近を歩いていたら、ふと、この上流で架け替え工事中の小石川橋(『またひとつ、震災復興橋が消えてゆく』参照)のことが思い出されました。

あ、今日は運のいいことに、デジカメの予備機を持っているんだった! 鈑桁橋とはいえ、貴重な震災復興橋のひとつ、ぜひ撤去の様子を記録しておきたいものだと、あごから汗をしたたらせつつ、足を速めて神田川・日本橋川の丁字流へ向いました。

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タグ : 神田川 小石川橋 曳船 台船

またひとつ、震災復興橋が消えてゆく


今月初めくらいだったと思うのですが、仕事で出た帰り、飯田橋~水道橋駅の間、神田川南岸の道をクルマで走っていたら、小石川橋(上写真・Mapion地図)の南詰に「小石川橋架け替えのため、何月何日より通行止め」云々、という看板が立っていました。

先週月曜に通ったら、すでに通行止めとなって工事が始まっており、もう渡ることはできなくなっていたのですが、これを見て思ったのは「ああ、また震災復興橋がひとつ、減ってゆくのだなあ…」ということでした。

ご覧のとおり、地味な鋼鈑桁橋で、同じ神田川の橋とはいえ、後楽橋や浅草橋など上路式鋼アーチの優美さや、まして聖橋の壮麗な姿とはくらべるべくもないのですが、昭和2年竣工のこれも、間違いなく震災復興橋梁の仲間であり、貴重な土木遺産であることは間違いありません。

ご存じのように、ここは日本橋川と神田川の丁字流にあたり、またご覧のように西側には、水道橋2号分水路の吐口も見られ、さらに東側角には三崎町中継所があって、曳船がゴミ運搬のバージを入れ替える姿が眺められるなど、水運趣味スポットとしても濃厚な場所で、たまに歩いて橋を渡る際も、つい立ち止まって時間を過ごしてしまう、楽しいところでした。

土木構造物として見ても、後年追加されたアルミ製の高欄が若干目障りなものの、橋としてはよく原形が保たれ、また南詰東側には、古風な石垣護岸で守られた植え込みが残されているのも、竣工時に造られた橋詰広場の名残りとして、貴重に思えたものです。

残念ながら、工事は橋だけでなく橋詰にも及び、この植え込みも取り壊され、繁っていた大きな木も抜かれて、様相を一変してしまいましたが…。

震災復興橋は、周辺地域の用途に合わせてデザインが決定されていたそうで、商業・官庁街には、眺望を妨げず、デザイン的にも優れた上路式の鋼やコンクリートアーチ、ラーメン橋台橋が多く架けられ、工業地域には下路式トラスや、中・下路式の鋼鈑桁橋が多く架けられる傾向があったとのこと。

逆の見方をすれば、橋を見れば、そのあたりがどんな土地柄か、一目でわかる便利さもあったわけです。このことを知っていれば、時代が変わって周辺の土地利用が一変したとしても、「今はこうだけれど、昔は工業地帯だったんだなあ」とか、かつてに思いをはせることもできたわけですね。

ちなみにこのあたり、三崎町周辺は、南側にかつて飯田町貨物駅があり、周辺も印刷・製本などの小工場が多くあった、まさに町工場地帯とも言うべき土地柄でした。今はご存じのように、貨物駅跡地は大規模な再開発があり、ホテルやオフィスビルが立ち並ぶようになり、町工場ももはや残り少なく、昔日の面影は薄れつつあります。

小石川橋は、そんな昔をしのぶことのできる、数少ないよすがとなりつつあったのですが…仕方のないこととはいえ、やはり、残念でなりません。


(21年10月18日撮影)

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タグ : 小石川橋 鋼鈑桁橋 水道橋分水路 神田川