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新装扇橋閘門通り初め…5

(『新装扇橋閘門通り初め…4』のつづき)

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237057.jpgハシゴを引っ掛けていたボートフックを外し、護岸を一突きして出閘です。この、排水が終わってホッとしたのと、閘室を出るときの後ろ髪を引かれるような気持ちが、ないまぜになった感じを味わうのも久しぶり。暑さでうだっていることもひととき忘れられ、機嫌の悪かろうはずなし。

扉体からの滴がポツポツいう音を聞きながら、後扉室をくぐって東側へ出ました。後扉室は3月31日、ロケハンの道々でほぼ完成した姿を見ていますが、スキンプレート側を目にするのはもちろんこの日が初めて。

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従来のままだった閘室と違い、ゲートの外側は護岸も更新されていたのは、前扉室と同様です。

左側、高層マンションと思われるビルの建設が続いていますね。「閘門ビュー」のお部屋が一気に増えるわけで、ある種うらやましく思う反面、騒音などのクレームにも気を遣わなければならなくなりそう。いい方へ解釈すれば、閘門の存在を知る人が増え、周知と理解につながるチャンス、と見てよいのかもしれません。

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237060.jpgカヤックの皆さんに「お先に失礼します」と挨拶して追い越し、閘門を離れたところで振り返り一枚。今日は帰りも、扇橋閘門を通って出よう‥‥。

そのまま小名木川を直進、しばらく訪ねていなかった、旧中川の北端部を目指すことにしました。微速でも前進していれば、風が当り涼が取れるのはありがたいところ。焦げそうな陽射しに辟易しながらも、水位低下化河川を楽しんでゆくことにしました。
撮影地点のMapion地図

(元年8月1日撮影)

(次項につづく)

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タグ : 小名木川 扇橋閘門 閘門 江東内部河川 水位低下化河川

新装扇橋閘門通り初め…4

(『新装扇橋閘門通り初め…3』のつづき)

237051.jpg一つ忘れもの。後扉室が開く前、目の前の前扉室ゲートにゴイサギ君が飛来。扉体の上からいかにもうろんげな表情で、じっとこちらを見つめていました。

しばらく船影を見なかった水面が、突然賑やかになったので、きっと不審に思ったのでしょうね。もしかしたら「オレの縄張りに変なのが入ってきたせいで、おちおち魚も捕れやしない」と、ぼやいていたかもしれません。

237052.jpg閘室内から見上げた操作室棟。各階に回廊を備えた3階建てで、3階と前扉室の巻上機室を直接結ぶ階段が設けられているのが目新しい点です。

先代のタイル張りのような装飾はなく、全面コンクリート生地で質素な感じですが、エッジの立ったデザインは新ゲートとお揃いで、悪くありません(偉そうに)。



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前扉室を閉める旨放送があって、洗浄水の水煙を立てながら扉体が降りてゆきます。

しかし、巻上機室の回廊、張り出した幅が結構ありますよね。回廊の通路幅に余裕を持たせたということは、操作室棟から直接行き来できる階段があることを考えると、開放日の見学コースにも盛り込んでもらえるのかしら。ぜひゲート上から、通航風景を眺めてみたいものですね。

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さて、この日の閘程ですが、朔の大潮ということもあり、11:11の最大干潮時、A.P.+0.03mに向かって急速に引いているところ。よって閘程はおよそ1.6mと、少々物足りない結果になりました。

おなじみ「もんぴ君」の水位尺、せっかくのゆるキャラ(?)が、色褪せと汚れで見る影もありません。そろそろ取り替えてあげてほしいところですね‥‥。

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後扉室ゲートが開きはじめました。カヤックの皆さんが固まって待ち構える向こうに、陽光を反射して輝く東側の水面。

私と我が艇にとって平成29年4月20日以来、実に2年3ヶ月余ぶりの通航が果たされようとしていると思うと、大げさですが感慨深いものがありました。

(元年8月1日撮影)

(『新装扇橋閘門通り初め…5』につづく)

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新装扇橋閘門通り初め…3

(『新装扇橋閘門通り初め…2』のつづき)
水位低下化水域の停泊は、原則禁じられているはず。だとすると工事などの業務船かしら? 無代で利用させていただく身分とはいえ、楽しみに待っていたやつがれとしては、さすがに疑問を覚えたのであります。ちょうど護岸上に出てきていた職員さんに、艇を近づけこの件について質問してみました。

職員さんによると、砂町のカヤッククラブの皆さんが後扉室前で待っており、「そっちを先に通した方が早いので」上航を先にしたとのこと。‥‥う~ん、なるほど。カヤックなら水位低下化河川に複数の艇庫があり、「向こう側」からの一番乗りが可能ですものね。いや、盲点でしたわ‥‥。

237046.jpg注排水の操作を一回分無駄にしているのが「?」だったので、どうも納得がいきませんでしたが、何分こちらは遊びブネです。「お待たせして申しわけない」と職員さんもしきりに恐縮されており、致し方なしと思うほかありません。

というわけで、一番乗りの夢が潰え、ちょっと凹んだ状態で開扉を迎えることとなったのであります‥‥。


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237048.jpg扉体がしずくをしたたらせて上がった瞬間、閘室内にいたカヤックの皆さんから、歓声が上がりました。20隻はいたでしょうか。

こちら側のカヤックの方々と、親しげに言葉を交わしながら出閘してくる皆さん、感動のランデヴーといった風情です。とすると、こちら側のフリートも地元の方ということでしょうか。では閘門とはおなじみなのでしょうね、先ほど注水の際は偉そうなことをいって、大変失礼しました。

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では気をとりなおして、久しぶりの通閘を楽しむとしましょう。瀟洒なガラス張りの巻上機室を仰いで、工事竣工後初の入閘を果たすのは、やはり気分がよいもの。

気づいた点としては、以前とくらべて扉体からの水が切れるのが、少し早くなったように思えたこと。スキンプレートの形状や、洗浄水のノズルなどに、何か改良があったのでしょうか。

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閘室に入り接岸してから、前扉室を見て。ようやく順光で眺めたゲートは、巻上機室のガラスも、塗装された堰柱の真新しい肌も陽射しに輝いて、どこか誇らしげです。

閘室内は従来のまま変化がなかったので、カヤックの皆さんからは、「なあんだ、前のままだ」「変わってないね」などの声がありました。我が艇にとってはほどよいゴムフェンダーの間隔や、つかまりやすいハシゴが変わらずあるのは、かえってありがたいくらいでしたが。

(元年8月1日撮影)

(『新装扇橋閘門通り初め…4』につづく)

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タグ : 小名木川 扇橋閘門 閘門 江東内部河川

新装扇橋閘門通り初め…2

(『新装扇橋閘門通り初め…1』のつづき)

237041.jpg新扇橋の下で陽射しを避けながらの待ち時間。長い間楽しみにしていた扇橋閘門の再開と、一番乗りを控えて気は張っていたものの、何分この暑熱で、留まっているだけでツライのが正直なところ。

帽子はすでに汗でぐっしょり濡れ、くじけそうになる気持ちを、「もうすぐ通れるんだ!」との一点で奮い立たせての漂泊であります。ここで橋詰近くに、耐震工事の説明板を見つけ、気を紛らわせようと読み下す船頭。あっ、下の擬人化した挿絵、他の水門でもありましたよね。

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30分ほど経ったとき、後ろから間近に人声がしたので、霞む頭をはげましつつ振り返ると、数隻の真っ赤なカヤックが近づいてくるところでした。突然現れた風だったので、小名木川を真っ直ぐ東上してきたのでなく、大横川を経由してきたのでしょう。

いつもなら、ここで挨拶をし言葉を交わすなどするところですが、「後進をかけるとき、巻き込まないように気をつけないと‥‥」と、一つ注意事項を頭に刻み込んだだけで、まったく声をかける気にならなかったのが不思議なところです。今思うと、よほど暑さが堪えて思考が減退していたとしか、考えようがありません。

237043.jpg運転開始時刻の8:45を過ぎました。放送があって注水が始まるとか、扉体が上がるなどのアクションはなく、ハテ、と思って扉体に接近。

先ほどから、点検や記録を撮影するため、職員さんが何人か出入りしていましたが、ここで後扉室の管理橋に、二人の職員さんが姿を現わしました。何か不都合でもあったのかな?

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さらに待っていると、いきなりズォーッと水音がして注水開始! おお、あと少しで入閘できるぞと、スロットルをゴースターンに入れながらテンション上昇。

このとき振り返ってびっくりさせられたのは、カヤックの皆さんがいつの間にか、自艇の後ろすぐ近くに固まっていたこと! 朦朧としていたとはいえ、気づかなかった私もうかつでしたが、間合いは十分取っていただきたいものです。ここで初めて、「後進します、注水中で吸い込まれますから、離れた方がいいですよ」と声をかけさせてもらいました。

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バイパスに吸い込まれる流れが緩まって、さあ、いよいよ扉体が開くぞ‥‥とワクワクして待っていたものの、ゲートは沈黙したまま。おかしいな、と首をかしげていたら、しばらくしてカヤックの皆さんから「おっ、上がった」「上がったね」との声が。

えっ? えっ?
後扉室のゲートが上がっている!?

何で、何で? せっかく注水したのをわざわざ排水したの?
こっこれは、一番乗りの夢は露と消えるのか? 霞がかかったおつむに、不安が強く湧き上がったのでありました。

(元年8月1日撮影)

(『新装扇橋閘門通り初め…3』につづく)

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タグ : 小名木川 扇橋閘門 閘門 江東内部河川

新装扇橋閘門通り初め…1

237036.jpg8月1日は耐震補強工事により長らく通航止めだった、扇橋閘門の供用再開初日ということで、行ってまいりました。この忙しい時期に仕事を休み、ご迷惑をおかけした各位にはあらかじめお詫び申し上げます、はい。

喜びのあまり、鼻息をフガフガいわせるくらいテンション高く解䌫したのはいいものの、朝から気温も高くおまけに風は微か、うだるような暑熱で頭がボーッとし、すでに汗みずく。はなからツラい幕開けとなりました。

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平日とあって、業務船の活躍する姿を見られるのはいいものの、ちょうど出勤時間に当ったこともあって、各水路は結構な輻輳ぶりです。

普段なら、ニュートラルで行き足を止め、腰を据えて写真でも撮るところですが、なるべく早く扇橋閘門に着いていなければならないので、大型台船を曳く曳船をいくつか追い越させていただきました。

237038.jpg小名木川に入ったら、繋留船列や工事区間もあるため、全区間が徐航であることはいうまでもなく。これも普通なら何とも思わないところ、この日は暑さもあってか妙に気が急いて、珍しくイライラしてしまいました。

後から考えると、軽い熱中症だったのかもしれません。判断力が鈍くなった半面、変に短気になっていて、今思い出しても、我ながら首をかしげるような状態でした。

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扇橋閘門前に到着。船影なし、これで一番乗りは決まりだな! とニンマリ。逆光の中、手前の新扇橋が水鏡に倒立像を映し、紡錘形をつくっている静かで、どこか幻想的な光景です。

大横川との十字流に近ければ、微風ながら南風が抜けるのですが、閘門に近づくとほぼ無風となり、陽射しにあぶられてまあ暑いこと。これから8:45の通航開始まで50分ほど待たなければならず、何のこれしきと丹田に力を入れて耐えてはいたものの、帽子を染みとおった汗が目に入るほど。イヤもう、クラクラしますわ‥‥。

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汗だくでしばらくこらえた後、新扇橋の陰に入れば、陽射しは避けられるとようやく気付くありさま。暑さで頭の回転がまあ鈍ること鈍ること。ちょっと危険な状態だったかもしれません。

ときどき前後進に入れて軽くけとばし、橋の下に留まりながら閘門を眺めて待つひととき。後ろを振り返っても、向かってくる船影はなし。平成17年の閘門様通り初めと同様、たった一隻での通航になるのかしら‥‥と、少々寂しさを覚えつつもホクソ笑むという、性悪な船頭であります。
撮影地点のMapion地図

(元年8月1日撮影)

(『新装扇橋閘門通り初め…2』につづく)

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タグ : 春海運河 隅田川 小名木川 扇橋閘門 閘門 江東内部河川 曳船