小原橋跡を訪ねて…2
(『小原橋跡を訪ねて…1』のつづき)

●小原橋跡北側から、仮橋を眺めたところ。限られたスペースの中に、たくみに組み込まれた感じがまたよろしく、仮橋とは思えない魅力があります。橋脚を持たないタイプにしたのは、これから始まるテラス整備をも考えてのことでしょうね。橋台は、仮橋の幅だけコンクリート堤防を凹形に切り取ったもの。
角パイプとチャンネルをボルト組みしたトラスには、帯金を渡した上にアクリル板が張られて、高欄代わりにしています。上端のチャンネル材にも、ボルトの頭でけがをしないよう、帯状に切ったアクリル板がはめ込まれていて、細やかな気遣いが感じられました。

●さて、小原橋跡です。放置感が横溢していた両岸も、堆積した土砂こそそのままなものの、水際は土嚢で固められ、下草も工事の際に刈られたのか、だいぶすっきりしてしまいました。
例の、油断していると顔をパンチしてくる木々は、まだ青々と葉を茂らせていますが、テラス工事が進めば、これも早晩見られなくなることでしょう。
●今回ようやく気付かされたのが、この旧橋脚(ですよね?)の存在! 艇で通っていたときは、「橋脚の後ろに、何やらごちゃごちゃっとあるなあ」程度の認識しかなかったのですが、まさか、木製橋脚のブツ切りだったとは!
水位低下化以前は、水面下に沈んでいて問題はなかったのでしょうが、第一次水位低下(A.P.±0m)の時点で、船底に触れる恐れが出てきたことから、黄色い三角の航路標識が設けられたのでしょう。ともあれ、木製橋脚が残っているなんて、都内では珍しいのではないでしょうか。

●北詰から南詰を見て。興味深いのは、橋台と呼べるような構造物は見られず、鋼矢板を打ち込んだ簡素なものであったこと。両岸近くの橋脚が、橋台の役目を果たしていたのでしょう。
あっ、左側の鋼矢板にも、橋が架かっていたことを思わせる凹みが‥‥。木製橋脚時代は、車道も兼ねた、幅員のあるものだったのかもしれませんね。
(26年5月18日撮影)
(『小原橋跡を訪ねて…3』につづく)

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角パイプとチャンネルをボルト組みしたトラスには、帯金を渡した上にアクリル板が張られて、高欄代わりにしています。上端のチャンネル材にも、ボルトの頭でけがをしないよう、帯状に切ったアクリル板がはめ込まれていて、細やかな気遣いが感じられました。

●さて、小原橋跡です。放置感が横溢していた両岸も、堆積した土砂こそそのままなものの、水際は土嚢で固められ、下草も工事の際に刈られたのか、だいぶすっきりしてしまいました。
例の、油断していると顔をパンチしてくる木々は、まだ青々と葉を茂らせていますが、テラス工事が進めば、これも早晩見られなくなることでしょう。

水位低下化以前は、水面下に沈んでいて問題はなかったのでしょうが、第一次水位低下(A.P.±0m)の時点で、船底に触れる恐れが出てきたことから、黄色い三角の航路標識が設けられたのでしょう。ともあれ、木製橋脚が残っているなんて、都内では珍しいのではないでしょうか。

●北詰から南詰を見て。興味深いのは、橋台と呼べるような構造物は見られず、鋼矢板を打ち込んだ簡素なものであったこと。両岸近くの橋脚が、橋台の役目を果たしていたのでしょう。
あっ、左側の鋼矢板にも、橋が架かっていたことを思わせる凹みが‥‥。木製橋脚時代は、車道も兼ねた、幅員のあるものだったのかもしれませんね。
(26年5月18日撮影)
(『小原橋跡を訪ねて…3』につづく)

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小原橋跡を訪ねて…1

●過去にもたびたび紹介してきた、北十間川東端近くに架かる人道橋、小原橋。
橋脚が傾いた、哀愁ただよう外観に加え、頭上低くかぶさる丸八通り・新小原橋と、東武亀戸線鉄橋にはさまれ、両岸に堆積した土砂や、西側のジャングル化した水辺と、周囲の醸し出す独特の雰囲気に惹かれて、「北十間川随一の濃厚区間」と、独り決めしてはしゃいでいたあれです。
その小原橋が撤去された、との衝撃情報に接したのは、今年4月のはじめだったでしょうか。
「あの息詰まるような狭水路も、もうなくなってしまうのか! 北十間川のテラス延伸も、急速に進んでいることだし‥‥やんぬるかな」と、しばらく北十間川を通しで走っていなかったことを後悔しつつ、心の中で冥福を祈ったものでした。

蔵前橋通りから側道に入り、高度を上げる新小原橋を横目に見ながらずんずん北上してゆくと、北十間川に突き当たったところで、写真のような柵が。ああ、痕跡くらい見られるかなあ‥‥。
【撮影地点のMapion地図】

●柵の間から川面をのぞき込んでみると‥‥。ううむ、合掌。テラス工事はここまで及んでおらず、何とか跡だけでもまみえることができて、むしろ幸運だったと思うことにしました。
桁や橋脚が撤去されたことで、初めて気づかされたこともあったものの、ディテールをうんぬんするのは置いておいて、看板に案内のあった、仮橋にまず向かうことに。側面から橋の跡を、眺めてみたいと思ったからです。

ははあ、新小原橋の真下に架けられているのですね。何やら、穴ぐらにもぐり込むような狭さで、ちょっとワクワクしながら入ってみると‥‥。

●おおお!
桁下の凹部をうまく利用し、天井高を稼いだアイディアもさることながら、両側に連続するトラスが効果抜群。しばらく橋詰に立って、この変わり種の仮橋を堪能してしまいました。
特に通路中央から見ると(タイトル参照)、パース画の見本のようで楽しさ倍増! 橋の裏側も、手が触れんばかりの近さで眺められ、一粒で二度オイシイといっていいくらいです。
(26年5月18日撮影)
(『小原橋跡を訪ねて…2』につづく)

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