6月23日のフネブネ…4
(『6月23日のフネブネ…3』のつづき)
●日の出の水上バス桟橋の前を通り過ぎようとしたら、新顔がもやっているのに気づいたので、転回してちょっと寄り道することに。
ヒミコに続く、松本零士氏デザインの2番船、「ホタルナ」ですね! 出会うのはこれが初めてです。

●新聞によれば、正式な就航は6月28日からとのことでしたので、この時点で残り6日間、プレス向けの内覧と、最後の慣熟訓練に励んでいたころでしょうか。
一見して、ヒミコとの大きな違いは、船尾の甲板室を丸くまとめ、ダブルエンダーに近い形になっていること。スパッと切り落としたようなヒミコの船尾と対照的で、遠目にも良い識別点になっていますね。
●手前にもう一本の桟橋があるので、船首部分を眺めるには具合が悪かったのですが、ここから見たかぎりヒミコと似たような造作。2隻並んでいるところを見たくなります、いかにも僚船然として、よいものでしょうね。
いかにも「松本メカ」を感じさせる、爆撃機のブリスター銃座のような涙滴形のドームは、今回はだいぶ小さくなり、それも手伝ってか、ヒミコより幾分おとなしめな印象ではあります。

●去り際、特徴であるまろやかな船尾部分をアップで。ホタルナの名にたがわず、船尾がホタルのように発光するしかけになっているのだとか。これからの季節、日没後の川面に映えて、さぞ目立つことでしょう。昇降式の尾翼(?)もヒミコに引き続き健在ですね。
ヒミコも決して嫌いではないのですが、外気に触れられる甲板がないので、個人的には残念に思っていました。ホタルナはこの点、トップに折りたたみ式の遊歩甲板が設けられたとのことですから、他の水上バス同様、低潮位時には素晴らしい展望が楽しめそうです。
●隣にもやっていた、安宅丸の船尾を一枚。
使いやすいようにアレンジしてありますから、もちろん忠実な再現というわけではありませんが、船尾の上に、棚のように造られた艫矢倉、舷側に見られる艪床の張り出しなど、軍船・関船の最終発達型である海御座船らしいディテールを見ることができて、面白いものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(24年6月23日撮影)
(『6月23日の東雲水門』につづく)

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ヒミコに続く、松本零士氏デザインの2番船、「ホタルナ」ですね! 出会うのはこれが初めてです。

●新聞によれば、正式な就航は6月28日からとのことでしたので、この時点で残り6日間、プレス向けの内覧と、最後の慣熟訓練に励んでいたころでしょうか。
一見して、ヒミコとの大きな違いは、船尾の甲板室を丸くまとめ、ダブルエンダーに近い形になっていること。スパッと切り落としたようなヒミコの船尾と対照的で、遠目にも良い識別点になっていますね。

いかにも「松本メカ」を感じさせる、爆撃機のブリスター銃座のような涙滴形のドームは、今回はだいぶ小さくなり、それも手伝ってか、ヒミコより幾分おとなしめな印象ではあります。

●去り際、特徴であるまろやかな船尾部分をアップで。ホタルナの名にたがわず、船尾がホタルのように発光するしかけになっているのだとか。これからの季節、日没後の川面に映えて、さぞ目立つことでしょう。昇降式の尾翼(?)もヒミコに引き続き健在ですね。
ヒミコも決して嫌いではないのですが、外気に触れられる甲板がないので、個人的には残念に思っていました。ホタルナはこの点、トップに折りたたみ式の遊歩甲板が設けられたとのことですから、他の水上バス同様、低潮位時には素晴らしい展望が楽しめそうです。

使いやすいようにアレンジしてありますから、もちろん忠実な再現というわけではありませんが、船尾の上に、棚のように造られた艫矢倉、舷側に見られる艪床の張り出しなど、軍船・関船の最終発達型である海御座船らしいディテールを見ることができて、面白いものでした。
【撮影地点のMapion地図】
(24年6月23日撮影)
(『6月23日の東雲水門』につづく)

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「発電運河」・天王洲南運河
(『コレジャナイ安宅丸!』のつづき)
●船の科学館をバックに、右舷後方からの姿を写したところで、「安宅丸」とお別れです。東京港らしい眺めを楽しめる新航路、ぜひ多くの人に乗ってもらいたいですね。
ここで本来の目的地へ向けて右へ転舵、天王洲南運河へ入りましょう。
●運河に船首を向けたところで右手を見ると、紅白の塗装も鮮やかなコンテナヤードのクレーン群と、レインボーブリッジのツーショット。
船が接岸していればまた別の面白さがあったでしょうが、これはこれでなかなか魅力的です。
さて、天王洲南運河といえばやはり思い出されるのが、両岸に火力発電所のある運河だということ。
震災以来の電力不足で、最近とみに注目されている発電所ですが、都内に、しかも運河を挟んで2つも発電所が設けられているのって、普段意識していないせいか、何だか凄いことのように思えてしまいます。

●こちらが大井火力発電所。大きな2つの油槽の影になっていますが、建屋の一部と煙突が顔をのぞかせています。古風といっては失礼ですが、いかにもメカメカした外観は、自分の脳内にある臨海部のイメージとピッタリで、何か懐かしい感じがします。
油槽のあることでもわかるように、燃料は石油で、出力は3基合計105万kw。昭和46年から稼働しているとのことです。

●そして対岸、品川火力発電所。大井のそれとは違った、清掃工場を思わせる直線的な外観の煙突が、竣工年の新しさを感じさせます。しかし、一見スマートな煙突の基部に目を転じると、極太のダクトが建屋から何本も伸びており、まさに「パワーステーション」の言葉どおりの力強さが、迫ってくるようです。
ちなみに出力は3基で114万kw、稼働開始は平成13年ですが、創設は昭和35年で、老朽化した先代の発電所を取り壊し、新たに建設されたものだとか。燃料は都市ガスで、この点も大井とは対照的ですね。
(参考:『全国の発電所』、『wikipedia 品川火力発電所』)
●以前、「パワースポットならぬパワーステーションスポット」などと軽口をたたきましたが、両岸に発電所を従える(?)天王洲南運河は、別名「発電運河」と呼んであげてもいいくらいの、希少な運河に思えてきました。
発電所に注目の集まる昨今、船宿さんの遊覧コースとして、提案するのもありかもしれませんね。
南側、大井火力発電所に面した岸は、ポートサービスの桟橋がいくつかある船溜。クレーン船や曳船の姿を楽しみながら、新幹線の鉄橋と工事中の若潮橋をくぐり、京浜運河に出ましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(23年4月10日撮影)
(『京浜運河点描』につづく)

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ここで本来の目的地へ向けて右へ転舵、天王洲南運河へ入りましょう。

船が接岸していればまた別の面白さがあったでしょうが、これはこれでなかなか魅力的です。
さて、天王洲南運河といえばやはり思い出されるのが、両岸に火力発電所のある運河だということ。
震災以来の電力不足で、最近とみに注目されている発電所ですが、都内に、しかも運河を挟んで2つも発電所が設けられているのって、普段意識していないせいか、何だか凄いことのように思えてしまいます。

●こちらが大井火力発電所。大きな2つの油槽の影になっていますが、建屋の一部と煙突が顔をのぞかせています。古風といっては失礼ですが、いかにもメカメカした外観は、自分の脳内にある臨海部のイメージとピッタリで、何か懐かしい感じがします。
油槽のあることでもわかるように、燃料は石油で、出力は3基合計105万kw。昭和46年から稼働しているとのことです。

●そして対岸、品川火力発電所。大井のそれとは違った、清掃工場を思わせる直線的な外観の煙突が、竣工年の新しさを感じさせます。しかし、一見スマートな煙突の基部に目を転じると、極太のダクトが建屋から何本も伸びており、まさに「パワーステーション」の言葉どおりの力強さが、迫ってくるようです。
ちなみに出力は3基で114万kw、稼働開始は平成13年ですが、創設は昭和35年で、老朽化した先代の発電所を取り壊し、新たに建設されたものだとか。燃料は都市ガスで、この点も大井とは対照的ですね。
(参考:『全国の発電所』、『wikipedia 品川火力発電所』)

発電所に注目の集まる昨今、船宿さんの遊覧コースとして、提案するのもありかもしれませんね。
南側、大井火力発電所に面した岸は、ポートサービスの桟橋がいくつかある船溜。クレーン船や曳船の姿を楽しみながら、新幹線の鉄橋と工事中の若潮橋をくぐり、京浜運河に出ましょう。
【撮影地点のMapion地図】
(23年4月10日撮影)
(『京浜運河点描』につづく)

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